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第三章 ~上下関係がない…ヘタすると、横の関係もない~
「美術部顧問の仕事って?」 4
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仕方なく椿もついて行くと、冬馬が三年生の夏野 光に声をかけた。
「夏野君、ちょっといい?」
「ん~いいよ冬馬君、何?」
そう言いながら、夏野は使い切った絵の具をゴミ箱に放り投げた。
「今、機嫌悪かったりする?」
「え?ぜんぜん?…あ、うるさかった?ごめん」
そう言って、夏野は先輩たちが置いていった、使いかけの絵の具が入った箱を見た。
「ううん、邪魔して悪かったですね…」
「夏野先輩、絵に集中すると、周りの音が聞こえなくなるタイプですね~」
秋山がこの時とばかりに、先輩に話しかけた。
「ごめん、ごめん、気をつけるよ」
夏野は柔らかく笑って謝ると、また絵に向き直った。
冬馬たちが席に戻ってしばらくすると、また部室内に、夏野がカラの絵の具を捨てる音が鳴り響いた…
「…個性的だけど、繊細かぁ…変わり者あつかいされる訳だよなぁ…」
椿が頬杖をつきながら、小さく呟いた。
「…否定はしない…」
ふふふ…と、冬馬は絵から目を外さずに笑った。
(おわり)
「夏野君、ちょっといい?」
「ん~いいよ冬馬君、何?」
そう言いながら、夏野は使い切った絵の具をゴミ箱に放り投げた。
「今、機嫌悪かったりする?」
「え?ぜんぜん?…あ、うるさかった?ごめん」
そう言って、夏野は先輩たちが置いていった、使いかけの絵の具が入った箱を見た。
「ううん、邪魔して悪かったですね…」
「夏野先輩、絵に集中すると、周りの音が聞こえなくなるタイプですね~」
秋山がこの時とばかりに、先輩に話しかけた。
「ごめん、ごめん、気をつけるよ」
夏野は柔らかく笑って謝ると、また絵に向き直った。
冬馬たちが席に戻ってしばらくすると、また部室内に、夏野がカラの絵の具を捨てる音が鳴り響いた…
「…個性的だけど、繊細かぁ…変わり者あつかいされる訳だよなぁ…」
椿が頬杖をつきながら、小さく呟いた。
「…否定はしない…」
ふふふ…と、冬馬は絵から目を外さずに笑った。
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