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偽りの花嫁
「偽りの花嫁」 5
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「…社長、(株)九条の秘書の方がお見えになっていますが、どうされますか?」
「…お通しして下さい…あまり時間は取れませんが、と伝えてもらえますか?」
「かしこまりました…」
受付からの内線を切ると、榊はため息をついた。
「…はぁ…」
面会のアポなしに秘書の九条 綾子が、榊を訪れ始めたのは3ヶ月前の事だ。
「…すごい執念、いや怨念…?」
独り言を呟いていると、社長室の扉が開いて綾子が入って来た。
「…どうも、今日はどういったご用件でしょうか?」
「そんなの決まってるじゃない…あの男はどこにいるのかしら、榊さん…」
綾子はソファーに座り、ミニスカート姿で脚を組むと上目使いに榊を見た。
…今日は色じかけの日ですか…と、榊は心の中でため息をつくと、膝かけを綾子に手渡した。
「…何度来て頂いても、お答えする事は出来ません…社長…いえ、静時君から口止めをされているので…」
教えたら、私とも連絡を絶つと脅されているのでね…とは榊の事情なので、口には出さずに答えた。
「…お通しして下さい…あまり時間は取れませんが、と伝えてもらえますか?」
「かしこまりました…」
受付からの内線を切ると、榊はため息をついた。
「…はぁ…」
面会のアポなしに秘書の九条 綾子が、榊を訪れ始めたのは3ヶ月前の事だ。
「…すごい執念、いや怨念…?」
独り言を呟いていると、社長室の扉が開いて綾子が入って来た。
「…どうも、今日はどういったご用件でしょうか?」
「そんなの決まってるじゃない…あの男はどこにいるのかしら、榊さん…」
綾子はソファーに座り、ミニスカート姿で脚を組むと上目使いに榊を見た。
…今日は色じかけの日ですか…と、榊は心の中でため息をつくと、膝かけを綾子に手渡した。
「…何度来て頂いても、お答えする事は出来ません…社長…いえ、静時君から口止めをされているので…」
教えたら、私とも連絡を絶つと脅されているのでね…とは榊の事情なので、口には出さずに答えた。
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