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五年生の夏休みも終わり、三か月が経った。私は未だフランシスさんも気持ちよくなってくださいと口にできずにいる。今日こそは言おう、今日こそは言おうと毎回思っているのだが言えない。やっぱり引かれないか不安で仕方がないのだ。最初の頃なら言えただろう。好意に自覚も無ければ嫌われたくないという感情も無かったから。フランシスさんへの好意を自覚してから私はすっかり臆病になってしまった。
でも、今日こそは……。
紅茶を飲む姿を見ながらそう決意する。私のはアッサムのミルクティーだけどフランシスさんはダージリンのストレート。今日のおやつはクッキー。やっぱり放課後に会うとなると日持ちする菓子を事前に用意しておくほかなくてちょっぴりマンネリ気味だ。でも今日はちょっと手をかけて市松模様のアイスボックスクッキーだから!
「そろそろ移動しましょう?」
寝室に移動して縺れこむ様に寝台へと倒れこんだ。
「ん、あ……ふぅん」
唇を合わせればすぐに分厚い舌が侵入してきた。口内を蹂躙されるがままに身を任せこちらからも舌を絡めて応える。歯列や口蓋をなぞられて甘い鼻にかかった声を出しながら力の入らない体でフランシスさんの首に縋り付く。唇が離れていくのが少し寂しい。できることならずっとこうして二人同じ空気を分け合っていたかった。
今を逃したら言えない。そう思った私は口を開く。
「フランシスさん……」
「どうしたフェリシア」
「……いつも私ばかり気持ちよくなって申し訳ないです。フランシスさんにも気持ちよくなってもらいたいんですけど……」
「そんなことを気にする必要はない」
「でも、悪いです」
「……そうだな、今は言うなれば下拵えをしているんだ。然るべき時にフェリシアを美味しく食べられるように」
「下拵え……」
「ああ、だから俺のことは気にしないでいい。いっぱい気持ちよくなって乱れる姿を見せてくれ。それで十分だから」
話は終わったと首筋に口づけられて舌が這わされる。コルセットの上から胸の頂を擽られて早く脱がせてほしいと思ったのに、胸への愛撫もそこそこに手が下腹を撫でまわす。
「あ、んっ……」
ただ撫でられているだけなのに気持ちがいい。なんでそんなことが気持ちいいのか自分の体なのに訳が分からない。どうしてなのか教えてほしくて窺うように視線をやれば目が合って、フランシスさんは僅かに口角を上げていた。
下着はもうぐっしょりと濡れて秘部に張り付いていた。スルリと脱がされて脚を開かされる。しとどに濡れた秘部をさらすことに対する恥じらいなどもう欠片もなかった。あるのはこれから与えられるであろう快楽への期待だけ。秘部にふうっと息を吹きかけられて小さく震えた。そんな私を愉快そうに見下ろしながらフランシスさんは口を開く。
「フェリシア、どうしてほしい?」
「……いっぱい触って、舐めてほしいです」
「了解した」
敏感な部分を舐め啜られ指は隘路を犯す。クチュクチュと卑猥な水音が室内に響いていた。
「ああ、んっ……! ああ!」
フランシスさんの一挙手一投足に体を震わせ喘ぐことしかできない。もう何度達しただろう。それすら分からない。
舌で陰核を擽り、膣内ではお腹側のいい所に指が触れる。限界だった。
「ああん!」
ビクビクと体を震わせまた達した。ハアハアと息を乱す私を見下ろすこげ茶の瞳はいつもより熱を孕んでいるような気がした。
「今日はここまでだ」
そう口にして隣に寝ころび私を抱きしめるフランシスさんにすり寄れば触れるだけの口付けが与えられた。ああ、このまま離れたくない、そう思った。……早く結婚したい。
でも、今日こそは……。
紅茶を飲む姿を見ながらそう決意する。私のはアッサムのミルクティーだけどフランシスさんはダージリンのストレート。今日のおやつはクッキー。やっぱり放課後に会うとなると日持ちする菓子を事前に用意しておくほかなくてちょっぴりマンネリ気味だ。でも今日はちょっと手をかけて市松模様のアイスボックスクッキーだから!
「そろそろ移動しましょう?」
寝室に移動して縺れこむ様に寝台へと倒れこんだ。
「ん、あ……ふぅん」
唇を合わせればすぐに分厚い舌が侵入してきた。口内を蹂躙されるがままに身を任せこちらからも舌を絡めて応える。歯列や口蓋をなぞられて甘い鼻にかかった声を出しながら力の入らない体でフランシスさんの首に縋り付く。唇が離れていくのが少し寂しい。できることならずっとこうして二人同じ空気を分け合っていたかった。
今を逃したら言えない。そう思った私は口を開く。
「フランシスさん……」
「どうしたフェリシア」
「……いつも私ばかり気持ちよくなって申し訳ないです。フランシスさんにも気持ちよくなってもらいたいんですけど……」
「そんなことを気にする必要はない」
「でも、悪いです」
「……そうだな、今は言うなれば下拵えをしているんだ。然るべき時にフェリシアを美味しく食べられるように」
「下拵え……」
「ああ、だから俺のことは気にしないでいい。いっぱい気持ちよくなって乱れる姿を見せてくれ。それで十分だから」
話は終わったと首筋に口づけられて舌が這わされる。コルセットの上から胸の頂を擽られて早く脱がせてほしいと思ったのに、胸への愛撫もそこそこに手が下腹を撫でまわす。
「あ、んっ……」
ただ撫でられているだけなのに気持ちがいい。なんでそんなことが気持ちいいのか自分の体なのに訳が分からない。どうしてなのか教えてほしくて窺うように視線をやれば目が合って、フランシスさんは僅かに口角を上げていた。
下着はもうぐっしょりと濡れて秘部に張り付いていた。スルリと脱がされて脚を開かされる。しとどに濡れた秘部をさらすことに対する恥じらいなどもう欠片もなかった。あるのはこれから与えられるであろう快楽への期待だけ。秘部にふうっと息を吹きかけられて小さく震えた。そんな私を愉快そうに見下ろしながらフランシスさんは口を開く。
「フェリシア、どうしてほしい?」
「……いっぱい触って、舐めてほしいです」
「了解した」
敏感な部分を舐め啜られ指は隘路を犯す。クチュクチュと卑猥な水音が室内に響いていた。
「ああ、んっ……! ああ!」
フランシスさんの一挙手一投足に体を震わせ喘ぐことしかできない。もう何度達しただろう。それすら分からない。
舌で陰核を擽り、膣内ではお腹側のいい所に指が触れる。限界だった。
「ああん!」
ビクビクと体を震わせまた達した。ハアハアと息を乱す私を見下ろすこげ茶の瞳はいつもより熱を孕んでいるような気がした。
「今日はここまでだ」
そう口にして隣に寝ころび私を抱きしめるフランシスさんにすり寄れば触れるだけの口付けが与えられた。ああ、このまま離れたくない、そう思った。……早く結婚したい。
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