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絆⑧
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——それから二時間後。
二人は結局話し合うことなく、ミーナの言うがままだけのことをやっていた。
「はぁ······最低ね。そろそろ薬の効果も切れるし、休憩よ」
ぶっきらぼうに言った彼女は、腰から下げていた水筒の水を飲む。
「私だからついて行けるけど、あんな動き、フィリカにはまだ無理よ」
しかし、ジャックは黙ったまま何も言わない。彼は端にあった自分の水筒に手を伸ばすも、すぐにそれを止める。中身は既に空になっていたからだった。
「······飲まないの?」
その様子を見てたミーナがジャックに尋ねる。しかし、彼はそちらに反応を示したものの動きはせず、黙ったままだった。
ミーナは首を傾げる。
一方、ジャックは言おうかどうか迷っていた。それは、元々があの水のことから生まれた軋轢なのだから。
言えば負けたような気にもなる。だが、言わなければまた同じことを繰り返す。
散々葛藤した結果······彼は意地を捨てた。
「······無いんだよ、水が」
何故、ジャックだけ早く無くなったのか。
それは、彼が"天井で動いていたから"もあるが、主な要因はミーナとの連係が上手くいかないことにあった。それがつまり、より彼に多くの疲労を与えていたのだった。
そのことは、ミーナも気付いていた。
「ったく······」
彼女は短く息を漏らすと、腰からぶら下がる水筒の紐を解き、何気ない顔でそれを差し出す。
「はい」
「······なんだよ」
「ここで上手くいかないのは、私とあなたの問題なんだから、責任は半々なのよ」
そう言うとミーナは、彼から目を逸らす。
彼女の手元を見たジャックは「······わるいな」と言って、水筒を受け取る。彼は一瞬、間接キスだとか考えもしたが、しかし、そんなことはすぐに忘れる。
水筒に、思いのほか軽い感触を覚えたからだった。
彼は容器を少し揺らしてみる。
中身は恐らく、四分の一もなかった。
それは、彼女も同様に疲労を重ねている証拠に、他ならなかった。
それをようやく理解したジャックは、彼女に声を掛ける。
「なぁ······少し、話していいか?」
ミーナは一度目を合わせると、また視線をそらし、
「······少しだけよ」
と言った。
遠くで練習をするスライとフィリカ。
投げた槍をフィリカが引き戻し、それをスライが受け取る練習をしている。
そんな光景を見ながら、二人は壁の側に座っていた。
「ごめん······この間は」
自分の手元を見ながらだが、ジャックが最初にそう謝ったことに面食ったミーナは、彼のほうを見ると「別に······」と言って、目の前に視線を落とす。
「······ずっと気付かなかった。無茶苦茶な奴に合わせるのが、そんな大変だったなんて」
彼は、手に持った水筒の中を、まだ飲んではいなかった。
「あなたはまだ······未熟だもの。仕方ないわ、その事に気付かなくて」
彼は素直に、その言葉を受け入れていた。
そして今度は、彼女が謝った。
「私のほうこそごめんなさい。あなたをどこか、特別視していたみたい······」
ジャックは「別に······」と言って言葉を返す。
「さっき、"フィリカにはまだ無理"って言葉を口にして、ようやく気付いたわ。あなたも同じなのよね······出来る出来ないがあるのは」
彼女は天井を見上げる。
「私は焦って、あなたにはこうあって欲しいと、理想に囚われてたみたい。——あなたの言う通りだわ。自分勝手ね······」
膝を山にして座っていたジャックは、彼女のほうを一瞥する。
「もういいよ、そのことは」
彼の中ではもう、その蟠りは溶けていた。
しかし、彼女のほうはもう少しだけ残っていた。
「でもね、一つだけ、許せないことはあるの」
今度は横目で彼女を見て「なに?」と言うジャック。
「ねぇジャック。なんであの時、"魔法なんて必要ない"って言ったの?」
それを聞いたジャックは、顔をミーナに向ける。膝を抱えて俯く彼女は、ただ哀しい顔をしていた。
彼は先日の口論を思い出す。
あの言葉は、決してそういう意味を持って放った言葉ではなかったが、ミーナの心中を察した彼は立ち上がると、彼女の隣へと座る。
そして、もう一度謝った。
「ごめん、ミーナ。············でもあれは——」
「ううん、分かってるの。アレに深い意味がないってことは」
膝を抱える彼女は顔を埋め、そのまま喋り続ける。
「······ジャック、覚えてる? あの日のこと」
「あの日?」
「私が魔法を作りたいって言った日。まだ小さい頃の話」
「······あぁ。覚えてるよ」
「私ね、あの日から本当に魔法を好きになったの。あなたが"いいんじゃないか"って言ってくれたから」
弱々しい声で話す彼女に、彼は改めて痛みを覚える。
「だから、そんなあなたに"必要ない"って言われたことが、ショックで仕方なかった」
「······ごめん」
彼女は、指先で右目を拭う。
「お前がそんな想いを抱えてたなんて、知らなかった。ましてや、それで傷付いてたなんて······。——ごめん。もう、二度と口にはしないよ、そんなこと」
消えそうな声で、ミーナは「うん······」と頷いた。
二人は結局話し合うことなく、ミーナの言うがままだけのことをやっていた。
「はぁ······最低ね。そろそろ薬の効果も切れるし、休憩よ」
ぶっきらぼうに言った彼女は、腰から下げていた水筒の水を飲む。
「私だからついて行けるけど、あんな動き、フィリカにはまだ無理よ」
しかし、ジャックは黙ったまま何も言わない。彼は端にあった自分の水筒に手を伸ばすも、すぐにそれを止める。中身は既に空になっていたからだった。
「······飲まないの?」
その様子を見てたミーナがジャックに尋ねる。しかし、彼はそちらに反応を示したものの動きはせず、黙ったままだった。
ミーナは首を傾げる。
一方、ジャックは言おうかどうか迷っていた。それは、元々があの水のことから生まれた軋轢なのだから。
言えば負けたような気にもなる。だが、言わなければまた同じことを繰り返す。
散々葛藤した結果······彼は意地を捨てた。
「······無いんだよ、水が」
何故、ジャックだけ早く無くなったのか。
それは、彼が"天井で動いていたから"もあるが、主な要因はミーナとの連係が上手くいかないことにあった。それがつまり、より彼に多くの疲労を与えていたのだった。
そのことは、ミーナも気付いていた。
「ったく······」
彼女は短く息を漏らすと、腰からぶら下がる水筒の紐を解き、何気ない顔でそれを差し出す。
「はい」
「······なんだよ」
「ここで上手くいかないのは、私とあなたの問題なんだから、責任は半々なのよ」
そう言うとミーナは、彼から目を逸らす。
彼女の手元を見たジャックは「······わるいな」と言って、水筒を受け取る。彼は一瞬、間接キスだとか考えもしたが、しかし、そんなことはすぐに忘れる。
水筒に、思いのほか軽い感触を覚えたからだった。
彼は容器を少し揺らしてみる。
中身は恐らく、四分の一もなかった。
それは、彼女も同様に疲労を重ねている証拠に、他ならなかった。
それをようやく理解したジャックは、彼女に声を掛ける。
「なぁ······少し、話していいか?」
ミーナは一度目を合わせると、また視線をそらし、
「······少しだけよ」
と言った。
遠くで練習をするスライとフィリカ。
投げた槍をフィリカが引き戻し、それをスライが受け取る練習をしている。
そんな光景を見ながら、二人は壁の側に座っていた。
「ごめん······この間は」
自分の手元を見ながらだが、ジャックが最初にそう謝ったことに面食ったミーナは、彼のほうを見ると「別に······」と言って、目の前に視線を落とす。
「······ずっと気付かなかった。無茶苦茶な奴に合わせるのが、そんな大変だったなんて」
彼は、手に持った水筒の中を、まだ飲んではいなかった。
「あなたはまだ······未熟だもの。仕方ないわ、その事に気付かなくて」
彼は素直に、その言葉を受け入れていた。
そして今度は、彼女が謝った。
「私のほうこそごめんなさい。あなたをどこか、特別視していたみたい······」
ジャックは「別に······」と言って言葉を返す。
「さっき、"フィリカにはまだ無理"って言葉を口にして、ようやく気付いたわ。あなたも同じなのよね······出来る出来ないがあるのは」
彼女は天井を見上げる。
「私は焦って、あなたにはこうあって欲しいと、理想に囚われてたみたい。——あなたの言う通りだわ。自分勝手ね······」
膝を山にして座っていたジャックは、彼女のほうを一瞥する。
「もういいよ、そのことは」
彼の中ではもう、その蟠りは溶けていた。
しかし、彼女のほうはもう少しだけ残っていた。
「でもね、一つだけ、許せないことはあるの」
今度は横目で彼女を見て「なに?」と言うジャック。
「ねぇジャック。なんであの時、"魔法なんて必要ない"って言ったの?」
それを聞いたジャックは、顔をミーナに向ける。膝を抱えて俯く彼女は、ただ哀しい顔をしていた。
彼は先日の口論を思い出す。
あの言葉は、決してそういう意味を持って放った言葉ではなかったが、ミーナの心中を察した彼は立ち上がると、彼女の隣へと座る。
そして、もう一度謝った。
「ごめん、ミーナ。············でもあれは——」
「ううん、分かってるの。アレに深い意味がないってことは」
膝を抱える彼女は顔を埋め、そのまま喋り続ける。
「······ジャック、覚えてる? あの日のこと」
「あの日?」
「私が魔法を作りたいって言った日。まだ小さい頃の話」
「······あぁ。覚えてるよ」
「私ね、あの日から本当に魔法を好きになったの。あなたが"いいんじゃないか"って言ってくれたから」
弱々しい声で話す彼女に、彼は改めて痛みを覚える。
「だから、そんなあなたに"必要ない"って言われたことが、ショックで仕方なかった」
「······ごめん」
彼女は、指先で右目を拭う。
「お前がそんな想いを抱えてたなんて、知らなかった。ましてや、それで傷付いてたなんて······。——ごめん。もう、二度と口にはしないよ、そんなこと」
消えそうな声で、ミーナは「うん······」と頷いた。
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