21 / 83
フィリカの一日
しおりを挟む
こんにちは、私はフィリカです。
ウィルドニア城の書庫で司書をしております。
書庫は、一日数百人の人が訪れますが、ここはそんな忙しい所ではありません。ここを訪れる方の半分は、城に所属する軍の方、もう半分は街から足を運んでくる方。どちらも半数以上の人が、この書庫にある読書スペースで本を読まれていかれます。
貸出を希望する方は軍の人が殆どなので、手続きもすぐに済んでしまいます。そのため、棚に本を戻す以外は、私も本を読んでいる事が多いのです。
さて、こんな私ですが、ある事をキッカケに、もう一つ仕事をする場所を与えて頂きました。それが——。
「おーい、フィリカ。ミーナの言ってた本、コレだよな?」
「そうです!」
「結構、量あるな······」
「私も持って行きますよー」
「おっ、そうか。悪いな」
「いえいえ。——すみません、私ちょっと抜けてもいいですか?」
「いいわよー」
別の司書さんも本を読んで、暇なようです。
「それじゃあ行きましょう」
「おう」
申し遅れました。私の隣で本を持つこの青年、これは······いえ、この人は『ジャック』さんです。私の憧れる大先輩の幼馴染だそうです。
「フィリカ、そういえば街で面白いもの見つけたんだよ」
「えぇー、何ですか?」
「あのな——」
と、その時、正面から一人の女性が歩いてきました。彼は通りすがりの美人な給仕さんのお尻をまじまじと見ています。
どうやら私と話す事より、そちらの方が大事なようです。
「——あぁ、悪い悪い。あの、イーリアの森から帰った後の、街でのこと覚えてるか?」
「あの時のことですか?」
「そう。あの、フィリカが逃げようとして、適当に指を差した空き家のこと」
私とジャックさんはちょっとした欲に負けてしまい、上司を怒らせてしまった事がありました。
「あぁー、あれですか。あの家がどうかしたんですか?」
「あそこな、今マッサージ店になったらしいぞ」
「えっ! 本当ですか?」
「あぁ。そんで、そこにこんな張り紙がしてあってさ『身体がおつかれの方、心をリラックスしたい方、胸が詰まってお悩みの方、何でもほぐしてみせます!』って書いてあったんだ。だからほら、フィリカもそのつっかえた胸ほぐしてもら——」
「一度死んだらいいですよ」
まともに話を聞いてた私が馬鹿でした。ちなみに、この人はこれでも元兵士だそうです。兵士は誇り高いと聞いていましたが、本当なのでしょうか?
それに、私の胸はまだまだ発展途上なだけで、小さいままと決まったわけではありません。いつかナイスバディで素敵な女性になるんです。
「それにしても、グリフォンの肉って、意外と身が締まってて美味しかったなー」
「ああ! あれ美味しかったですよね! 私、また食べたいですよー」
「俺も俺も」
先日、馬車を襲うグリフォンを、私たちは倒してきました。と言っても実際に倒したのはここの二人ではありませんが。
「そういえば、私、馬車の中に居たので知らないんですが、あの勇者さん、そんなに凄かったんですか?」
「ん? あぁ······あいつな······。凄かったよ、嫌んなるくらいに」
この話をするとジャックさんは少し不機嫌になります。さっきの仕返しのつもりとはいえ、これは間違いだったでしょうか。
グリフォン討伐の際、ムスリカ村で、勇者の『クレスタ』さんと出会ってから、ジャックさんはずっとこんな調子です。大丈夫でしょうか?
その時、中央階段にいる人から声を掛けられました。
「おぉ、ジャック君にフィリカ君。おつかれさまー!」
左を見ると、髭を生やしたおじさまが、上機嫌に階段から降りてくるところでした。
『お疲れ様です』
この方は『ハイゼル』司令官。私の憧れの先輩の部署『魔法科学部』設立を、推進して下さった偉大なお方です。
「いやー、グリフォンの肉、美味しかったよ。あんな美味しい肉は何年振りかなー」
彼も私たちと同じようにあの肉を口にしたようです。
「みんなも感謝してたよ。久々の肉、貴重な薬が手に入ったって。僕もまたあの肉食べたいし、またグリフォン倒した時は報告してくれよ」
「は······はぁ······」
そう言って肩を叩かれるジャックさんは、どこか返事がしにくいようです。
うーん······ハイゼル司令官の耳にはまだ勇者さんの件は入ってないのでしょうか?
「いけない。じゃあ、私はもう行くよ。届けなきゃいけない物があるんでね」
「司令官直々にですか?」
「あぁ。かなり大事なモノだからね。秘密だよ」
「えぇー、そう言われると余計気になっちゃいますよー。何なんですかー?」
「だめだめ、いくら可愛いフィリカ君の頼みとは言え、それは教えられないなぁー」
可愛いだなんてそんな。流石、素敵なおじさまです。
「冗談ですよ。気を付けて下さいね」
「ハハハ、ありがとう。君らも元気でな」
そう言うと、手を振って、ハイゼル司令官は行ってしまわれました。
「フィリカ。お前、そっちの才能の方があるんじゃないか?」
「ん? 何のことですか?」
何のことでしょう。
さて、本を持っているのも楽なもんじゃありません。ましてや書庫から一番遠い所まで運んでるんですから。
いよいよ目的地が見えてきました。部屋の扉の上には『研究科』の文字が書かれたプレートがあります。
ジャックさんがドアノブを捻ります。鍵はやはり開いたままのようです。
「ミーナ、持ってきたぞ」
「······御苦労さま。その辺に置いといてくれないかしら? ちょっといま、手が離せないの」
綺麗な赤みがかった長い髪をした彼女は、ピンセットを使って何かを燃やしていました。
——ボンッ
小さな煙が上がると、摘んでいたものが炭になっていました。
「······ダメね。失敗だわ」
着ていた白衣を脱いだ彼女は、私に気付きました。
「あら、フィリカ。手伝ってくれたの? ありがとね」
「いいえ、ミーナさん」
この方が私の尊敬する大先輩、『ミーナ』さんです。この『魔法科学部研究科』の責任者でもあるんですよ?
えっ、研究科以外にもあるのかって? まだ出来たばかり部署ですよ? そんなのあるわけないじゃないですか。
「もう、居たなら早く声掛けてくれれば良いのに」
「ミーナさんの邪魔しちゃ悪いかなぁ、と思いまして」
「もう、かわいい子」
こういう時ミーナさんは頭を撫でてくれます。私にとって至福の時です。
隣にいるジャックさんの視線が、若干冷ややかに感じますが、きっと気のせいでしょう。
「ジャック、もう訓練に戻っていいわよ」
「はぁ!? 本を運ぶためだけに俺呼んだのか!?」
「そうよ。また読み終わったら呼ぶわ。よろしくね」
「ふざけんな! 二度と来るか!」
「いいけど、来なかったらあなたの家が魔法で燃えるわよ」
「魔法をそんな風に使うんじゃねえ!」
そう言って、ジャックさんは部屋を出て行ってしまいました。
「でも、なんだかんだ来るのよ? あいつ」
ミーナさんは彼をいじっている時が一番楽しそうです。私には見せない顔です。
昔からの付き合いだから兄妹のようなもの、と二人は言いますが、正直、その関係には嫉妬しそうにもなります。
「もうちょっとだけ実験するわね」
「見ててもいいですか?」
「もちろんよ。ゆっくり見ていって」
ミーナさんはまたピンセットで何かを掴んでは燃やし始めました。
さて、少し話がズレてしまいましたが、先ほど御二方が口にした『魔法』、そして今、彼女がしている実験こそが、この科の存在意義になります。
私たち、ヒトの中には『魔力』というものが流れています。それを魔物、モンスターの力と組み合わせて、新たな力『魔法』を得るのがこの部署、ミーナさんの目的なのです。
ちなみに、魔法はモンスターの力を必ず借りなければならないのか、と言うとそうではありません。現に、私が身に付けた魔法は魔力だけで構成されているんですから。
魔法は、使いたい能力を持つモンスターの一部と、様々な材料を組み合わせて調合薬を作り出します。そして、その薬を飲んで、魔力を練ると、魔法が使えるようになるのです。時間制限はありますけどね。
ちなみに今までに生み出した魔法は、ドラゴンの力を使った炎の魔法のみです。私やジャックさんが使ってもそれほどのものですが、ミーナさんが使おうものなら、その破壊力は森のモンスターを一掃してしまうほどの強さになります。だから、そんな時の彼女は絶対怒らせてはいけませんよ?
話が戻りまして、先程モンスターの一部と言いましたが、私たちはその一部を、街の外へ自己調達しに行かなければなりません。それは人に任せればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、何分、この城は人手不足なので悪しからず。
外はモンスターがウジャウジャいます。つまり危険が付き物です。でも、やるしかありません。それがミーナさんの望みに繋がるのですから。
「フィリカ!! 伏せて!!」
その声に反応して、私は机の影に伏せました。
爆発音と共に、頭の上でもくもくと煙が上がってるのが確認出来ます。
先程よりも燃やす量を増やしてたのは見えましたが、ここまでの爆発が起きるとは。
ただ、どちらかと言うと、急に大声で叫ばれた事の方がびっくりしました。
「大丈夫?」
「はい、なんとか······」
「やっぱりカヤクダケの一部が必要なのかしら······?」
「ということは······」
「えぇ、次はそれを取りに行くわよ」
「はい!」
こうしていつも、彼女の突然の号令によって、私たちの冒険は始まっていくのです。
ウィルドニア城の書庫で司書をしております。
書庫は、一日数百人の人が訪れますが、ここはそんな忙しい所ではありません。ここを訪れる方の半分は、城に所属する軍の方、もう半分は街から足を運んでくる方。どちらも半数以上の人が、この書庫にある読書スペースで本を読まれていかれます。
貸出を希望する方は軍の人が殆どなので、手続きもすぐに済んでしまいます。そのため、棚に本を戻す以外は、私も本を読んでいる事が多いのです。
さて、こんな私ですが、ある事をキッカケに、もう一つ仕事をする場所を与えて頂きました。それが——。
「おーい、フィリカ。ミーナの言ってた本、コレだよな?」
「そうです!」
「結構、量あるな······」
「私も持って行きますよー」
「おっ、そうか。悪いな」
「いえいえ。——すみません、私ちょっと抜けてもいいですか?」
「いいわよー」
別の司書さんも本を読んで、暇なようです。
「それじゃあ行きましょう」
「おう」
申し遅れました。私の隣で本を持つこの青年、これは······いえ、この人は『ジャック』さんです。私の憧れる大先輩の幼馴染だそうです。
「フィリカ、そういえば街で面白いもの見つけたんだよ」
「えぇー、何ですか?」
「あのな——」
と、その時、正面から一人の女性が歩いてきました。彼は通りすがりの美人な給仕さんのお尻をまじまじと見ています。
どうやら私と話す事より、そちらの方が大事なようです。
「——あぁ、悪い悪い。あの、イーリアの森から帰った後の、街でのこと覚えてるか?」
「あの時のことですか?」
「そう。あの、フィリカが逃げようとして、適当に指を差した空き家のこと」
私とジャックさんはちょっとした欲に負けてしまい、上司を怒らせてしまった事がありました。
「あぁー、あれですか。あの家がどうかしたんですか?」
「あそこな、今マッサージ店になったらしいぞ」
「えっ! 本当ですか?」
「あぁ。そんで、そこにこんな張り紙がしてあってさ『身体がおつかれの方、心をリラックスしたい方、胸が詰まってお悩みの方、何でもほぐしてみせます!』って書いてあったんだ。だからほら、フィリカもそのつっかえた胸ほぐしてもら——」
「一度死んだらいいですよ」
まともに話を聞いてた私が馬鹿でした。ちなみに、この人はこれでも元兵士だそうです。兵士は誇り高いと聞いていましたが、本当なのでしょうか?
それに、私の胸はまだまだ発展途上なだけで、小さいままと決まったわけではありません。いつかナイスバディで素敵な女性になるんです。
「それにしても、グリフォンの肉って、意外と身が締まってて美味しかったなー」
「ああ! あれ美味しかったですよね! 私、また食べたいですよー」
「俺も俺も」
先日、馬車を襲うグリフォンを、私たちは倒してきました。と言っても実際に倒したのはここの二人ではありませんが。
「そういえば、私、馬車の中に居たので知らないんですが、あの勇者さん、そんなに凄かったんですか?」
「ん? あぁ······あいつな······。凄かったよ、嫌んなるくらいに」
この話をするとジャックさんは少し不機嫌になります。さっきの仕返しのつもりとはいえ、これは間違いだったでしょうか。
グリフォン討伐の際、ムスリカ村で、勇者の『クレスタ』さんと出会ってから、ジャックさんはずっとこんな調子です。大丈夫でしょうか?
その時、中央階段にいる人から声を掛けられました。
「おぉ、ジャック君にフィリカ君。おつかれさまー!」
左を見ると、髭を生やしたおじさまが、上機嫌に階段から降りてくるところでした。
『お疲れ様です』
この方は『ハイゼル』司令官。私の憧れの先輩の部署『魔法科学部』設立を、推進して下さった偉大なお方です。
「いやー、グリフォンの肉、美味しかったよ。あんな美味しい肉は何年振りかなー」
彼も私たちと同じようにあの肉を口にしたようです。
「みんなも感謝してたよ。久々の肉、貴重な薬が手に入ったって。僕もまたあの肉食べたいし、またグリフォン倒した時は報告してくれよ」
「は······はぁ······」
そう言って肩を叩かれるジャックさんは、どこか返事がしにくいようです。
うーん······ハイゼル司令官の耳にはまだ勇者さんの件は入ってないのでしょうか?
「いけない。じゃあ、私はもう行くよ。届けなきゃいけない物があるんでね」
「司令官直々にですか?」
「あぁ。かなり大事なモノだからね。秘密だよ」
「えぇー、そう言われると余計気になっちゃいますよー。何なんですかー?」
「だめだめ、いくら可愛いフィリカ君の頼みとは言え、それは教えられないなぁー」
可愛いだなんてそんな。流石、素敵なおじさまです。
「冗談ですよ。気を付けて下さいね」
「ハハハ、ありがとう。君らも元気でな」
そう言うと、手を振って、ハイゼル司令官は行ってしまわれました。
「フィリカ。お前、そっちの才能の方があるんじゃないか?」
「ん? 何のことですか?」
何のことでしょう。
さて、本を持っているのも楽なもんじゃありません。ましてや書庫から一番遠い所まで運んでるんですから。
いよいよ目的地が見えてきました。部屋の扉の上には『研究科』の文字が書かれたプレートがあります。
ジャックさんがドアノブを捻ります。鍵はやはり開いたままのようです。
「ミーナ、持ってきたぞ」
「······御苦労さま。その辺に置いといてくれないかしら? ちょっといま、手が離せないの」
綺麗な赤みがかった長い髪をした彼女は、ピンセットを使って何かを燃やしていました。
——ボンッ
小さな煙が上がると、摘んでいたものが炭になっていました。
「······ダメね。失敗だわ」
着ていた白衣を脱いだ彼女は、私に気付きました。
「あら、フィリカ。手伝ってくれたの? ありがとね」
「いいえ、ミーナさん」
この方が私の尊敬する大先輩、『ミーナ』さんです。この『魔法科学部研究科』の責任者でもあるんですよ?
えっ、研究科以外にもあるのかって? まだ出来たばかり部署ですよ? そんなのあるわけないじゃないですか。
「もう、居たなら早く声掛けてくれれば良いのに」
「ミーナさんの邪魔しちゃ悪いかなぁ、と思いまして」
「もう、かわいい子」
こういう時ミーナさんは頭を撫でてくれます。私にとって至福の時です。
隣にいるジャックさんの視線が、若干冷ややかに感じますが、きっと気のせいでしょう。
「ジャック、もう訓練に戻っていいわよ」
「はぁ!? 本を運ぶためだけに俺呼んだのか!?」
「そうよ。また読み終わったら呼ぶわ。よろしくね」
「ふざけんな! 二度と来るか!」
「いいけど、来なかったらあなたの家が魔法で燃えるわよ」
「魔法をそんな風に使うんじゃねえ!」
そう言って、ジャックさんは部屋を出て行ってしまいました。
「でも、なんだかんだ来るのよ? あいつ」
ミーナさんは彼をいじっている時が一番楽しそうです。私には見せない顔です。
昔からの付き合いだから兄妹のようなもの、と二人は言いますが、正直、その関係には嫉妬しそうにもなります。
「もうちょっとだけ実験するわね」
「見ててもいいですか?」
「もちろんよ。ゆっくり見ていって」
ミーナさんはまたピンセットで何かを掴んでは燃やし始めました。
さて、少し話がズレてしまいましたが、先ほど御二方が口にした『魔法』、そして今、彼女がしている実験こそが、この科の存在意義になります。
私たち、ヒトの中には『魔力』というものが流れています。それを魔物、モンスターの力と組み合わせて、新たな力『魔法』を得るのがこの部署、ミーナさんの目的なのです。
ちなみに、魔法はモンスターの力を必ず借りなければならないのか、と言うとそうではありません。現に、私が身に付けた魔法は魔力だけで構成されているんですから。
魔法は、使いたい能力を持つモンスターの一部と、様々な材料を組み合わせて調合薬を作り出します。そして、その薬を飲んで、魔力を練ると、魔法が使えるようになるのです。時間制限はありますけどね。
ちなみに今までに生み出した魔法は、ドラゴンの力を使った炎の魔法のみです。私やジャックさんが使ってもそれほどのものですが、ミーナさんが使おうものなら、その破壊力は森のモンスターを一掃してしまうほどの強さになります。だから、そんな時の彼女は絶対怒らせてはいけませんよ?
話が戻りまして、先程モンスターの一部と言いましたが、私たちはその一部を、街の外へ自己調達しに行かなければなりません。それは人に任せればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、何分、この城は人手不足なので悪しからず。
外はモンスターがウジャウジャいます。つまり危険が付き物です。でも、やるしかありません。それがミーナさんの望みに繋がるのですから。
「フィリカ!! 伏せて!!」
その声に反応して、私は机の影に伏せました。
爆発音と共に、頭の上でもくもくと煙が上がってるのが確認出来ます。
先程よりも燃やす量を増やしてたのは見えましたが、ここまでの爆発が起きるとは。
ただ、どちらかと言うと、急に大声で叫ばれた事の方がびっくりしました。
「大丈夫?」
「はい、なんとか······」
「やっぱりカヤクダケの一部が必要なのかしら······?」
「ということは······」
「えぇ、次はそれを取りに行くわよ」
「はい!」
こうしていつも、彼女の突然の号令によって、私たちの冒険は始まっていくのです。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
「聖女に丸投げ、いい加減やめません?」というと、それが発動条件でした。※シファルルート
ハル*
ファンタジー
コミュ障気味で、中学校では友達なんか出来なくて。
胸が苦しくなるようなこともあったけれど、今度こそ友達を作りたい! って思ってた。
いよいよ明日は高校の入学式だ! と校則がゆるめの高校ということで、思いきって金髪にカラコンデビューを果たしたばかりだったのに。
――――気づけば異世界?
金髪&淡いピンクの瞳が、聖女の色だなんて知らないよ……。
自前じゃない髪の色に、カラコンゆえの瞳の色。
本当は聖女の色じゃないってバレたら、どうなるの?
勝手に聖女だからって持ち上げておいて、聖女のあたしを護ってくれる誰かはいないの?
どこにも誰にも甘えられない環境で、くじけてしまいそうだよ。
まだ、たった15才なんだから。
ここに来てから支えてくれようとしているのか、困らせようとしているのかわかりにくい男の子もいるけれど、ひとまず聖女としてやれることやりつつ、髪色とカラコンについては後で……(ごにょごにょ)。
――なんて思っていたら、頭頂部の髪が黒くなってきたのは、脱色後の髪が伸びたから…が理由じゃなくて、問題は別にあったなんて。
浄化の瞬間は、そう遠くはない。その時あたしは、どんな表情でどんな気持ちで浄化が出来るだろう。
召喚から浄化までの約3か月のこと。
見た目はニセモノな聖女と5人の(彼女に王子だと伝えられない)王子や王子じゃない彼らのお話です。
※残酷と思われるシーンには、タイトルに※をつけてあります。
29話以降が、シファルルートの分岐になります。
29話までは、本編・ジークムントと同じ内容になりますことをご了承ください。
本編・ジークムントルートも連載中です。
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる