女王様は完璧な姿で君臨する

女王様はご機嫌斜めでご乱心 ～八つ当たりもほどほどにしてくださいね。

「また、負けたわ・・・・」
　私は学年の順位表を見て崩れ落ちた。隣で金髪の帰国子女の前田春奈が立っていた。
「こんなものか・・・・」
気のなさそうな言葉をつぶやいていた。そのわきで取り巻きたちが
拍手をしていた。
「前田さんすごーい！」
「本当にすごいわ。これからは一緒に勉強しましょうよ。」
周りの声援に前田は満更でもない様子だった。
それでもあまりうれしそうなそぶりはないのに腹が立つ。
（何なのよ、去年まで英語を標準語で使ってたから英語のテストくらい余裕だったってこと！？嫌味な女ね、ちょっとかわいいからって調子に乗りすぎよ！！）
私は歯ぎしりをしながら彼女を睨みつけていた。するとそれに気づいた彼女が こちらに近づいてきたので返り討ちにしてやることにした。
「あんた。何様のつもり？せっかく一番になったのに嬉しくないの？」
「あなたは同じクラスの姫川さんか。なぜそんなに怒っているんだ」

前田さんは少し困惑しているようだった。
「当たり前でしょ！！このわたしに恥をかかせて！！ちょっと顔がいいからって調子子いてんでしょ！！」
「そうなのか。だが私は顔なんてどうでもいいと思っている。私は私のしたいことをするだけだ」

「はあ～～？意味わかんない。だいたいね、このテストだって頑張って臨んだ人もいるのよ。なのにどうしてそんななめた口きいてるの！！頑張って勉強して取ったんだから胸張りなさいよそんな言い方されたんじゃ見下されてるようで感じ悪いわ！！」
すると、前田さんの取り巻きたちは前田さんを守るように前に出てきた。
「ま、前田さんより点数が悪かったってその言い方はあんまりなんじゃないですか
？」
「そうよ。いくらなんでも失礼だわ。前田さん大丈夫？」
「あ、ああ」
私は言葉を失った。彼女の後ろで何も言わずにじっとこちらを見つめている彼女。
「なによ、あんたたち。わたしが間違っているっていうの？」
「い、いえ、そういうわけでは、」

「じゃあどういうわけなのよ！！！」
「でも、ゆかり様より前田さんがいい点数とったからってあんな風に絡まなくてもと」
「何よそれ！！
私が怒鳴ると前田の取り巻きたちは黙ってしまった。
（なによこいつら、なんなのよその目はまるで前田に嫉妬して怒ってるみたいじゃない！！）
「ゆかり様！！何やっているんですか、」
そこに来たのは羽田だ。慌ててやってくる。
「別に、なんでもないわよ。ただ、ちょっとこの女に忠告してやっただけよ」
「そうですか、もうすぐ授業が始まりますよ。行きましょう、ね」
「わかったわよ、行くわよ。ふん、せいぜい前田さんと仲良くやってればいいわ。」
私はその場を去った。歩いている途中羽田と前田が話しているのを盗み聞いた。

「前田さん、ゆかり様がごめんなさい。」
「あ、いやこちらこそ彼女の気分を害してしまったみたいだな」
「ううん、違うよ。あの人いつも自分が一番じゃないといけないって思ってるから、ちょっと言い過ぎたかもだけど気にしないで。」
（何よ、何よ、まるで全部私が悪いみたいじゃない）