3 / 5
一章
現実は小説より奇なり
しおりを挟む
いつも通り学校の帰り道を歩いている時だった。
ふと、視界に入ったものがあった。確か水谷霊雨だったか。クラスにたしか、そんな名前の女子がいたはずた。いつも、分厚い英語の本を見ていた気がする。暗い印象で、喋った所も見たことがない。何やら、背中にリュックを背負い、人気のない路地に入っていく。少し、興味があった。深くは考えなかったが、何だか面白そうだった。普段、教室の隅で縮こまって本を読んでいる奴に何か秘密があったなら、少なくとも話題にはなる。
考えているうちにどんどん彼女は小さくなっていく、僕は後をつけてみることにした。
暫くすると、急に水谷の姿がなくなった。
「おかしいな、確かここに入っていったはずだ。」
と、後ろを振り返ったときだった。妙に頭がぼやっとする。
「あれ?」
おかしい。僕のはコンクリートで両脇を挟まれていたはずだ。なのに、妙に開放感がある。霞んだ目を擦り目を凝らすとあたらは緑に包まれていた。
「え?」
月明かりがあたり一面を照らし、そこには、木々がお生い茂っていた。
「この街こんな場所あったっけ?」
僕は生まれてからずっと地元暮らしだが、こんな場所は見たことがない。だが、目の前は息を飲むほど美しい景色だった。
足を進めるとふと、大きな大木が生えていた。それは、他とは違う不思議な気配を放っていて何より、木の枝か分かれる当たりに小さな家が立っていた。そこからハシゴが垂れ下がるようにして掛かっていて、入れるようになっていた。辺りには何もないので、入ってみようという気になった。ハシゴを一歩一歩登って行く。かなりの高さだ。最後の一段を登り終わると、下はまた違った景色が美しかった。高い所に登れば何かわかるかと思ったが、辺り一面木に覆われているばかりで、何もないので諦めて今日は一晩此処で休ませてもらおうと思った。誰かすんでいるなら、頼んで一晩泊めてもらう所だがそう上手くいくものか、多少不安だ。世の中そんなに甘くはない。こんな真夜中、誰かもわからない馬の骨は追い出すに違いない。だから、できれば誰もいない事を願いたい。ドアをノックしようとした直後だった。
頭上で鳴き声がした。
見上げるとカラフルな羽をした鳥…が何匹も僕を見下ろしている。しかもかなり大きい。それは、僕を見下ろしてそのうちの1匹がいきなり急降下した。
狙いは勿論僕。
何とかギリギリ避け切ったみたいだ。しかし逃げ場がない。下まではかなりの高さがあるし降りた所で、餌になるのが落ちだ。躊躇わず扉を開け中に滑り込む。
何とか扉をしめ、暫く扉を抑えていたが、何ともないみたいだ。
「いやー危なかった・・・。まさに、九死に一生だね・・・?」
すると、恐れていた事態がおきる。
「あ、あの・・・ここにすんでる・・・方ですか!?」
目が合わせられない。恐ろしすぎる。なんて言われるか分かったもんじゃない。今、放り出されたらヘンテコな鳥の餌だ。それだけは御免だ。
「すみません!?道にまよ・・・って?」
僕はあることに気づく。
「水谷 霊雨?」
そこには、さっきまで後を付けていた水谷がいた。
「どういうことだ?」
なぜ彼女が此処にいるのだろうか。状況を確認しようとすると。
「見たわね?」
彼女は一言そう言い放った。
「何か僕知っちゃいけないも・・・」
「歯ァ食いしばんな」
「ですよね!?ってうあああっ!?」
そうして現在にいたる。
「理解して頂けたでしょうか?」
彼女は信じ難いとばかりに僕の顔をジロジロみつめてくる。
「信じられない」
「信じてください!現に今、外で鳥の声がしてるでしょ!?」
「いや、嘘くさい。」
「なんで!?」
「顔が。」
「いや、それ親にいって!?僕にはどうしようも出来ないし!てか、酷い!」
何気に痛いところを付いてくる水谷は僕に液体の入ったビーカーを渡してきた。
「?」
僕が状況についていけないでいると。
「大体話はわかった。信じる。」
「あ、ありがとう。」
何とか信じてもらえたみたいだ。とにかく、一早くこの状況を説明してもらわなくては。ていうか。
「なんなの!?これ、飲み物!?何か眼球入ってるんだけど!?」
「外に今うようよいる鳥のジュースだ。美味いぞ。」
「誰が飲むかァァァ!?」
僕の声が、森の奥にこだましていった。
ふと、視界に入ったものがあった。確か水谷霊雨だったか。クラスにたしか、そんな名前の女子がいたはずた。いつも、分厚い英語の本を見ていた気がする。暗い印象で、喋った所も見たことがない。何やら、背中にリュックを背負い、人気のない路地に入っていく。少し、興味があった。深くは考えなかったが、何だか面白そうだった。普段、教室の隅で縮こまって本を読んでいる奴に何か秘密があったなら、少なくとも話題にはなる。
考えているうちにどんどん彼女は小さくなっていく、僕は後をつけてみることにした。
暫くすると、急に水谷の姿がなくなった。
「おかしいな、確かここに入っていったはずだ。」
と、後ろを振り返ったときだった。妙に頭がぼやっとする。
「あれ?」
おかしい。僕のはコンクリートで両脇を挟まれていたはずだ。なのに、妙に開放感がある。霞んだ目を擦り目を凝らすとあたらは緑に包まれていた。
「え?」
月明かりがあたり一面を照らし、そこには、木々がお生い茂っていた。
「この街こんな場所あったっけ?」
僕は生まれてからずっと地元暮らしだが、こんな場所は見たことがない。だが、目の前は息を飲むほど美しい景色だった。
足を進めるとふと、大きな大木が生えていた。それは、他とは違う不思議な気配を放っていて何より、木の枝か分かれる当たりに小さな家が立っていた。そこからハシゴが垂れ下がるようにして掛かっていて、入れるようになっていた。辺りには何もないので、入ってみようという気になった。ハシゴを一歩一歩登って行く。かなりの高さだ。最後の一段を登り終わると、下はまた違った景色が美しかった。高い所に登れば何かわかるかと思ったが、辺り一面木に覆われているばかりで、何もないので諦めて今日は一晩此処で休ませてもらおうと思った。誰かすんでいるなら、頼んで一晩泊めてもらう所だがそう上手くいくものか、多少不安だ。世の中そんなに甘くはない。こんな真夜中、誰かもわからない馬の骨は追い出すに違いない。だから、できれば誰もいない事を願いたい。ドアをノックしようとした直後だった。
頭上で鳴き声がした。
見上げるとカラフルな羽をした鳥…が何匹も僕を見下ろしている。しかもかなり大きい。それは、僕を見下ろしてそのうちの1匹がいきなり急降下した。
狙いは勿論僕。
何とかギリギリ避け切ったみたいだ。しかし逃げ場がない。下まではかなりの高さがあるし降りた所で、餌になるのが落ちだ。躊躇わず扉を開け中に滑り込む。
何とか扉をしめ、暫く扉を抑えていたが、何ともないみたいだ。
「いやー危なかった・・・。まさに、九死に一生だね・・・?」
すると、恐れていた事態がおきる。
「あ、あの・・・ここにすんでる・・・方ですか!?」
目が合わせられない。恐ろしすぎる。なんて言われるか分かったもんじゃない。今、放り出されたらヘンテコな鳥の餌だ。それだけは御免だ。
「すみません!?道にまよ・・・って?」
僕はあることに気づく。
「水谷 霊雨?」
そこには、さっきまで後を付けていた水谷がいた。
「どういうことだ?」
なぜ彼女が此処にいるのだろうか。状況を確認しようとすると。
「見たわね?」
彼女は一言そう言い放った。
「何か僕知っちゃいけないも・・・」
「歯ァ食いしばんな」
「ですよね!?ってうあああっ!?」
そうして現在にいたる。
「理解して頂けたでしょうか?」
彼女は信じ難いとばかりに僕の顔をジロジロみつめてくる。
「信じられない」
「信じてください!現に今、外で鳥の声がしてるでしょ!?」
「いや、嘘くさい。」
「なんで!?」
「顔が。」
「いや、それ親にいって!?僕にはどうしようも出来ないし!てか、酷い!」
何気に痛いところを付いてくる水谷は僕に液体の入ったビーカーを渡してきた。
「?」
僕が状況についていけないでいると。
「大体話はわかった。信じる。」
「あ、ありがとう。」
何とか信じてもらえたみたいだ。とにかく、一早くこの状況を説明してもらわなくては。ていうか。
「なんなの!?これ、飲み物!?何か眼球入ってるんだけど!?」
「外に今うようよいる鳥のジュースだ。美味いぞ。」
「誰が飲むかァァァ!?」
僕の声が、森の奥にこだましていった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる