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第二十四話 聖女はパシられる?みたいです4
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すぐに助けないと!
「行って!クロマメ!」
私の声をきっかけにクロマメが横から飛び出した。
「ギュオオオオ!」
ガガッと鋭い衝撃波がうまれ、鹿にむかっていったが、鹿はするりと衝撃波を避けた。
「う、うあ…」
「大丈夫?」
私が子供に声をかけると、子供は涙目でその場を去っていった。
「クロマメ…」
私は、鹿と向き合うクロマメを見つめた。
すごい…殺気をおびてる。
「キュム…キュアッ!」
と、ゴオオオオオッと勢い良くクロマメの口から炎が飛び出した。だが、
「え!?」
鹿が、炎を吸い込んでしまった!
…なんで?
『ヒトノコヨ…』
しゃ、しゃべったあ!?
鹿が語りかけてきたのを見て、思わず私は呆然とした。
『汝…何故戦イヲ望ム?』
「え…それは、あなたが人を襲おうとしていたからよ!」
『何故魔物ガヒトノコヲ襲ッテハナラナイ?』
私はその言葉にはっとした。
魔物は、人の命の概念がないんだ!
『幼キ聖女ヨ…光ノフル森ニオイデ…』
光のふる森…?
その言葉を言い残して、鹿は華麗に飛んで消えていった。
「…クロマメ!」
はっと私はクロマメに駆け寄る。
クロマメは炎を出したせいか、「ケプ」と黒い煙を吐き出した。
光のふる森…?それって?
「あれー!ライナじゃん!」
その甲高い声に私は振り返った。
そこには、リルちゃんがいた。
いや、リルちゃんだけじゃない。チーム・ツキカゲの全員がいた。
「私は買い物中に魔物がきたから応戦しただけで」
「すごいじゃない。やったわ。ライナ」
ミレアさんが優しく微笑んだ。
「でも、何故みんなここに…」
「私たちは依頼であの魔物の討伐を目標としていたんだ。だが、ライナが倒してくれたみたいだな」
タイハルさんが横から出てきた。
私、追っ払ったっていうか、勝手にあっちが去ってっただけだけど?
「まさか…チーム・ツキカゲ!?」
その声に振り返ると、男の人がわなわなと私たちに指をさしていた。
もう!失礼だなあ!
「チーム・ツキカゲが倒してくれたぞー!」
男の人がそう叫ぶと、どこからか人が群がってきた。
「まずい。逃げるぞ」
「へ?」
ガシッとタイハルさんにつかまれた時には、もう遅い。
すごい勢いで群れてくる人を振り切って、私たちはチームに帰還したのだった。
「行って!クロマメ!」
私の声をきっかけにクロマメが横から飛び出した。
「ギュオオオオ!」
ガガッと鋭い衝撃波がうまれ、鹿にむかっていったが、鹿はするりと衝撃波を避けた。
「う、うあ…」
「大丈夫?」
私が子供に声をかけると、子供は涙目でその場を去っていった。
「クロマメ…」
私は、鹿と向き合うクロマメを見つめた。
すごい…殺気をおびてる。
「キュム…キュアッ!」
と、ゴオオオオオッと勢い良くクロマメの口から炎が飛び出した。だが、
「え!?」
鹿が、炎を吸い込んでしまった!
…なんで?
『ヒトノコヨ…』
しゃ、しゃべったあ!?
鹿が語りかけてきたのを見て、思わず私は呆然とした。
『汝…何故戦イヲ望ム?』
「え…それは、あなたが人を襲おうとしていたからよ!」
『何故魔物ガヒトノコヲ襲ッテハナラナイ?』
私はその言葉にはっとした。
魔物は、人の命の概念がないんだ!
『幼キ聖女ヨ…光ノフル森ニオイデ…』
光のふる森…?
その言葉を言い残して、鹿は華麗に飛んで消えていった。
「…クロマメ!」
はっと私はクロマメに駆け寄る。
クロマメは炎を出したせいか、「ケプ」と黒い煙を吐き出した。
光のふる森…?それって?
「あれー!ライナじゃん!」
その甲高い声に私は振り返った。
そこには、リルちゃんがいた。
いや、リルちゃんだけじゃない。チーム・ツキカゲの全員がいた。
「私は買い物中に魔物がきたから応戦しただけで」
「すごいじゃない。やったわ。ライナ」
ミレアさんが優しく微笑んだ。
「でも、何故みんなここに…」
「私たちは依頼であの魔物の討伐を目標としていたんだ。だが、ライナが倒してくれたみたいだな」
タイハルさんが横から出てきた。
私、追っ払ったっていうか、勝手にあっちが去ってっただけだけど?
「まさか…チーム・ツキカゲ!?」
その声に振り返ると、男の人がわなわなと私たちに指をさしていた。
もう!失礼だなあ!
「チーム・ツキカゲが倒してくれたぞー!」
男の人がそう叫ぶと、どこからか人が群がってきた。
「まずい。逃げるぞ」
「へ?」
ガシッとタイハルさんにつかまれた時には、もう遅い。
すごい勢いで群れてくる人を振り切って、私たちはチームに帰還したのだった。
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