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第三話 『治癒魔法』のお勉強
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後日、私が先生に居残りしてやった魔法を見せると、酷く驚かれた。
「まさか、ルーシュさんが魔力制御をこの短時間で可能にするだなんて……一体どんな手を使ったんです?」
「えと、頑張って練習しました」
本当にそれだけだ。
それと、レオナルドに手伝ってもらったってこと。
……それが大きいのかもしれない。
「おめでとうございます。これで基・礎・は! 終了です」
「ありがとうございます」
「基礎は」のところを強調した先生は、今まで見たことのないような晴れ晴れしい笑顔だ。
つられて笑顔になると、先生はすぐに切り替える。
「さあ、今日は羽よりもっと重いものを浮かせます。魔道学の教科書でも出してください」
自分の席に戻って魔法陣の書いた紙と、魔道学の教科書を取り出す。
ふと、ニヤニヤとした赤髪の彼女ーーアンナ・フォレットさんと目が合った。
きっと私が上手く魔法を使えないと思っているのだろう。
でも昨日、レオナルドにせっかく魔法の使い方を教えてもらったんだ。
失敗はしたくない。
「……ふー」
息を大きく吐き出して、集中する。
魔力を込めるのではなく、包み込むのだ。
そして、教科書が浮くというイメージを強く抱く。
……フワッ
「る、ルーシュさんが!?」
「信じられない……」
「本当に浮いてる……」
クラスメイトから、ざわめきの声が聞こえる。
教科書は無事に浮いていた。
やはりレオナルドに教えてもらってよかった。
そう心底思った。
(……うわぁ)
見れば、フォレットさんがこちらを思い切り睨んでいる。
私が上手くいったことが気に入らないのだろう。
私はそれを気づかないふりをした。
授業終了後、放課後となった。
私が移動しようとすると、フォレットさんが私の前に立った。
「ちょっと、どういうわけ?」
「……どういうわけ、とは」
「何であなたが、魔法を上手く使えるのって聞きたいの。何かズルでもしてるんでしょ?」
理不尽な言いがかりも何となく予想していたことだった。
私は咄嗟に否定する。
「ズルだなんて、そんな」
「嘘おっしゃい! あなたなんかが……できるわけないでしょ!」
ドンッ! と机を叩かれ、私は思わず萎縮した。
やはり彼女は怖い。
その緑色の瞳をこれでもかと吊り上げている。
「それに、本当は私があなたに……」
「そうよ! アンナ様と言う通りだわ!」
「白状なさい!」
取り巻きの二人も、「さあさあ」とばかりに私に迫ってきた。
こういう時、どうすればいいのだろう。
悩んで小さく口を開いた、その時だった。
「ルーシュさんはいますか」
騒がしかった教室が、水を打ったように静かになる。
見れば、レオナルドが教室の入口に立っていた。
「レオナルド?」
「リア! ちょっと来て!」
呼ばれたので、私は用意を纏めて教室を出る。
レオナルドは優しげな笑顔で私に言った。
「『治癒魔法』の研究として、まずそういうのを調べるために図書室に行ってみよう。今から行けるか?」
「大丈夫。行こう」
図書室に行くのは良い案だ。
『治癒魔法』は絵本に出てきたりするし、そういうのを参考にするのもいいかもしれない。
私はレオナルドと共に図書室へ向かった。
◆ ◆ ◆
魔導学院の図書室。
様々な参考資料があるとされており、国内でもかなり上位の保有数となっている。
ここであれば、一定のものは揃うだろう。
「じゃあ、リアも好きに探してて。俺は調べ物をするから」
「うん。ありがとうね、レオナルド」
お礼を言うと、レオナルドは何かを調べに行った。
「……あっ、『治癒魔法』、『治癒魔法』」
とにかく、一刻も早く『治癒魔法』を会得せねばならない。
お父様が不治の病に食い潰されてしまうタイムリミットは1年。
あと1年で、『治癒魔法』を会得しなきゃ……
「お父様が、死んじゃう」
それだけは嫌だった。
大好きなお父様がいなくなることは耐えられない。
それに、お父様の病気が治れば、王位争いがなくなるはず。
自然と滲んだ涙を拭って、私は『治癒魔法』に関する資料を探す。
「これと……これと、これと」
片っ端から『治癒魔法』に関係する資料を集めて、机に持っていこうとした。
でも、あまりに量が多すぎて思わずふらついてしまう。
「キャッ!?」
何かに足が引っかかって、私は転んでしまった。
運んでいた資料が音を立てて落ちる。
「ひ、拾わなきゃ……」
資料を拾い集めていると、親切な人が資料を拾ってくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
お礼を言って顔を上げると、息が止まりそうになった。
「……エンラー、先輩?」
「知っていてくれたの?」
当たり前だ。
資料を拾ってくれた親切な人は、一学年上の王子、ライヴ・エンラー先輩だった。
王子とは本当に王族であるわけではなく、彼の美貌、性格などから来るあだ名である。
彼はレオナルドとはまた違ったタイプのイケメンだ。
レオナルドが天使だとすれば、彼は爽やかな好青年といったところだろうか。
茶色の髪に翡翠の瞳の、優しげな顔立ちをしたエンラー先輩。
そんなエンラー先輩は、穏やかそうに笑って目尻を下げた。
「君は一年の特待生、リア・ルーシュさんだよね?」
「! どうして」
「君はとても有名だよ。知らないほうがおかしい」
全て資料を拾い終えた私は立ち上がり、エンラー先輩にお辞儀をする。
「ありがとうございます」
「いいよ。それより……君、『治癒魔法』に興味があるの?」
「!」
「集めているのが、それに関する資料ばかりだったからね」
図星だ。
この先輩、どういう観察力をしているんだろう。
エンラー先輩は、「はい」と私に1冊の本を差し出した。
「これは……」
「ちょうど僕も、『治癒魔法』に関する文献を読んでいたんだ。あげるよ」
そう言って彼は私の持っている資料のてっぺんにその本を置いた。
「じゃあ、僕はこれで」
エンラー先輩はそのまま去っていった。
「……文献、かぁ」
机にひとまず資料を置いた後、私はエンラー先輩が置いていった本を開いた。
「まさか、ルーシュさんが魔力制御をこの短時間で可能にするだなんて……一体どんな手を使ったんです?」
「えと、頑張って練習しました」
本当にそれだけだ。
それと、レオナルドに手伝ってもらったってこと。
……それが大きいのかもしれない。
「おめでとうございます。これで基・礎・は! 終了です」
「ありがとうございます」
「基礎は」のところを強調した先生は、今まで見たことのないような晴れ晴れしい笑顔だ。
つられて笑顔になると、先生はすぐに切り替える。
「さあ、今日は羽よりもっと重いものを浮かせます。魔道学の教科書でも出してください」
自分の席に戻って魔法陣の書いた紙と、魔道学の教科書を取り出す。
ふと、ニヤニヤとした赤髪の彼女ーーアンナ・フォレットさんと目が合った。
きっと私が上手く魔法を使えないと思っているのだろう。
でも昨日、レオナルドにせっかく魔法の使い方を教えてもらったんだ。
失敗はしたくない。
「……ふー」
息を大きく吐き出して、集中する。
魔力を込めるのではなく、包み込むのだ。
そして、教科書が浮くというイメージを強く抱く。
……フワッ
「る、ルーシュさんが!?」
「信じられない……」
「本当に浮いてる……」
クラスメイトから、ざわめきの声が聞こえる。
教科書は無事に浮いていた。
やはりレオナルドに教えてもらってよかった。
そう心底思った。
(……うわぁ)
見れば、フォレットさんがこちらを思い切り睨んでいる。
私が上手くいったことが気に入らないのだろう。
私はそれを気づかないふりをした。
授業終了後、放課後となった。
私が移動しようとすると、フォレットさんが私の前に立った。
「ちょっと、どういうわけ?」
「……どういうわけ、とは」
「何であなたが、魔法を上手く使えるのって聞きたいの。何かズルでもしてるんでしょ?」
理不尽な言いがかりも何となく予想していたことだった。
私は咄嗟に否定する。
「ズルだなんて、そんな」
「嘘おっしゃい! あなたなんかが……できるわけないでしょ!」
ドンッ! と机を叩かれ、私は思わず萎縮した。
やはり彼女は怖い。
その緑色の瞳をこれでもかと吊り上げている。
「それに、本当は私があなたに……」
「そうよ! アンナ様と言う通りだわ!」
「白状なさい!」
取り巻きの二人も、「さあさあ」とばかりに私に迫ってきた。
こういう時、どうすればいいのだろう。
悩んで小さく口を開いた、その時だった。
「ルーシュさんはいますか」
騒がしかった教室が、水を打ったように静かになる。
見れば、レオナルドが教室の入口に立っていた。
「レオナルド?」
「リア! ちょっと来て!」
呼ばれたので、私は用意を纏めて教室を出る。
レオナルドは優しげな笑顔で私に言った。
「『治癒魔法』の研究として、まずそういうのを調べるために図書室に行ってみよう。今から行けるか?」
「大丈夫。行こう」
図書室に行くのは良い案だ。
『治癒魔法』は絵本に出てきたりするし、そういうのを参考にするのもいいかもしれない。
私はレオナルドと共に図書室へ向かった。
◆ ◆ ◆
魔導学院の図書室。
様々な参考資料があるとされており、国内でもかなり上位の保有数となっている。
ここであれば、一定のものは揃うだろう。
「じゃあ、リアも好きに探してて。俺は調べ物をするから」
「うん。ありがとうね、レオナルド」
お礼を言うと、レオナルドは何かを調べに行った。
「……あっ、『治癒魔法』、『治癒魔法』」
とにかく、一刻も早く『治癒魔法』を会得せねばならない。
お父様が不治の病に食い潰されてしまうタイムリミットは1年。
あと1年で、『治癒魔法』を会得しなきゃ……
「お父様が、死んじゃう」
それだけは嫌だった。
大好きなお父様がいなくなることは耐えられない。
それに、お父様の病気が治れば、王位争いがなくなるはず。
自然と滲んだ涙を拭って、私は『治癒魔法』に関する資料を探す。
「これと……これと、これと」
片っ端から『治癒魔法』に関係する資料を集めて、机に持っていこうとした。
でも、あまりに量が多すぎて思わずふらついてしまう。
「キャッ!?」
何かに足が引っかかって、私は転んでしまった。
運んでいた資料が音を立てて落ちる。
「ひ、拾わなきゃ……」
資料を拾い集めていると、親切な人が資料を拾ってくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
お礼を言って顔を上げると、息が止まりそうになった。
「……エンラー、先輩?」
「知っていてくれたの?」
当たり前だ。
資料を拾ってくれた親切な人は、一学年上の王子、ライヴ・エンラー先輩だった。
王子とは本当に王族であるわけではなく、彼の美貌、性格などから来るあだ名である。
彼はレオナルドとはまた違ったタイプのイケメンだ。
レオナルドが天使だとすれば、彼は爽やかな好青年といったところだろうか。
茶色の髪に翡翠の瞳の、優しげな顔立ちをしたエンラー先輩。
そんなエンラー先輩は、穏やかそうに笑って目尻を下げた。
「君は一年の特待生、リア・ルーシュさんだよね?」
「! どうして」
「君はとても有名だよ。知らないほうがおかしい」
全て資料を拾い終えた私は立ち上がり、エンラー先輩にお辞儀をする。
「ありがとうございます」
「いいよ。それより……君、『治癒魔法』に興味があるの?」
「!」
「集めているのが、それに関する資料ばかりだったからね」
図星だ。
この先輩、どういう観察力をしているんだろう。
エンラー先輩は、「はい」と私に1冊の本を差し出した。
「これは……」
「ちょうど僕も、『治癒魔法』に関する文献を読んでいたんだ。あげるよ」
そう言って彼は私の持っている資料のてっぺんにその本を置いた。
「じゃあ、僕はこれで」
エンラー先輩はそのまま去っていった。
「……文献、かぁ」
机にひとまず資料を置いた後、私はエンラー先輩が置いていった本を開いた。
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