111 / 227
超大規模依頼編
第五話 不意打ち
しおりを挟む
その後、アレク達は問題の農村へと足を運んだ。
といってもそれなりに遠いので、足には馬車を使っている。
馬車の中では各々が時間潰しをしているが、そこでレンカが文句を垂れる。
「ていうかぁ、なんでフィース学園長の瞬間移動使わなかったわけ? それ使えばすぐでしょ。ギルマスと学園長仲良しなわけだし」
すると、横にいたヨークが渋い顔で振り返って答える。
「学園長は忙しいんだぞ。そもそも俺らなんてガキ扱いだし。そこの……アレクの坊主ならわかるだろ」
「え?」
突然話しかけられ、アレクは外へ向けていた目線をヨークに戻す。
「坊主なら、学園長がハイエルフなこと知ってるだろ」
「……逆に、ヨークさんも知ってるんですね」
「まあな。協力も何度もしてもらった。今回もと思ったが、そもそもあの人気まぐれだしな。許可が下りなかった」
「学園長先生、優しいのに」
学園長が協力しないのを意外に思っていると、はあ、とレンカがため息を吐いた。
「そりゃああんたがお気に入りだからでしょう。学園の天才児らしいじゃない。さっき聞いたばっかだから私も詳しくないけど」
「そ、そうなんですか?」
「ええ。あんたが大切らしいおにーちゃんとおねーちゃんにね」
チラリと視線をやれば、ガディとエルルが馬車の隅で眠っているのが見える。
こんなところで寝こけるなど珍しい。というかありえない。
二人は馬車の上や移動中などは、常に気を抜かずにいることがほとんどだ。
それほど今回一緒にいるメンバーを信頼しているのだろう。
一方ヨークはアレクの最初の顔合わせの態度を思い出して、後悔に駆られていた。
「流石に最初にしては攻めすぎたな……挙句、学園長が今回手を貸してくれなかった理由は、アレクの坊主に手を出したからだろう」
「そうなんですか?」
「絶対そうだろうよ。俺なんざ、後から学園長に釘刺されてるからな」
自分の生徒に傷をつけてくれるなとのことである。
恐らく、治癒魔法の及ぶ範囲なら目を瞑るが、それ以外は擦り傷もつけるなとのことだろう。
無理だとも言えず、ヨークはできるだけ努力すると返した。
今後一切学園長からは支援を期待できないだろう。
「おい、つくぞ」
馬車を運転していたラフテルが声を上げる。
すぐさま双子が反応して目を覚ませば、馬車が次第に減速して止まった。
「……ここは」
「破壊された農村だ」
アレクは馬車を降り、目の前の光景に愕然とした。
農村というより、そこは荒野であった。
建物どころか草木一本も生えていない。
エルルが地面に手をつくと、すぐに魔力の特定を始める。
「……酷いな」
ガディがポツリと呟くと、ラフテルが続けて己の故郷のことを思い出す。
「アルスフォードもこんな感じだった。燃やされ、壊され、原型も残らず。俺らの一族が統治している土地も被害だらけだ。ここ一年は作物が育たないと言われて、てんで参っている」
「本当かそれ。じゃあどうするんだ」
「しばらくは異国からの輸入に頼りきりだろうな。いつまで続くかはわからんが」
そんな二人の会話を尻目に、エルルは魔力を追い続ける。
「……?」
そこでエルルは微かな違和感を覚えた。
あらゆる魔物の魔力がひしめき合っているものの、大悪魔とおぼしき魔力の持ち主が確認できない。
邪悪で、それでいて莫大な魔力を持つ者はいくら探しても見つけられなかった。
「……」
「おい、エルルの嬢ちゃん。見つかったか」
「いや……変よ。どう考えても大悪魔らしき魔力はーー」
エルルが何か言いかけた瞬間、何かの影がエルルに向かって襲い掛かった。
「!」
咄嗟にエルルは短剣を抜いて応戦するも、あまりの強さに弾き返すこともできずよろめく。
ガディが横から短剣を振り翳したので、襲ってきた何かは身を翻してその場から離れた。
「何だ!?」
急すぎる襲撃者に、ヨーク達も警戒体制を取る。
「……アハっ」
襲撃者の正体は女だった。
大ぶりの大剣を手にした彼女はぐるりと全員を見回すと、更に愉快げに笑った。
「あはっ、あはっ、ははは……」
「ラリってるわけこの女」
レンカが悪態をつけば、女は笑いながら続けた。
「ははっ、ごめんねぇ。つい、面白くって」
「はぁ?」
「だってぇ、こんな面子で大悪魔? だっけ……てやつを狩ろうとしてんでしょ? おもしろー!」
女がその場で笑い転げたので、アレクは背筋に薄ら寒いものを感じた。
これはグラフィールで、ディラン王に感じたものと同じだ。
得体の知れないものへの恐怖。
「っ、うわああああ……」
「おい!」
すると、ずっと黙ったままであったハウンドが、大きな悲鳴を上げて蹲った。
涙をボロボロ流しているが、立派な成人男性である。
「なんだよこのおっかないの……だから嫌だったんだよこの依頼……」
「うっわ……」
ハウンドが泣き喚き始めたので、わかりやすくレンカが引いた。
それに構わず、ハウンドはひぐひぐと肩を揺らして泣いている。
「えっと……あの、大丈夫ですか」
アレクが思わず声をかけると、ハウンドが弾かれたように顔を上げた。
「君……優しいね」
「いや、その」
「こいつ……追っ払ってくれない?」
「ええ……」
困惑気味に女を見つめれば、ニコリと女が微笑み返してくる。
攻撃してきた割にはやけに友好的だ。
すると女がアレクに向かって話しかけてくる。
「ねーえ、キミィ」
「はい!」
「キミってこの面子の中で随分浮いてるね」
「浮いてるって……どういう意味でですか」
「えーっとね」
次の瞬間、エルルが女のいる位置に向かって攻撃魔法を仕掛けた。
火柱が大きく上がり、反応の遅れた女の腕が燃える。
「あっつ! あーもー最悪」
「アレクに近づくな!」
「別に変なことしないって。今日は顔見にきただけだし」
「……大悪魔の仲間だったりするのかしら」
エルルの言葉に、女は笑って首を振る。
「なわけないじゃーん! あんな奴の仲間とかごめんだしぃ」
「じゃあ、あなたは……」
「ーーねえ、アレク君」
名前を呼ばれたアレクが、驚いて女を見つめる。
女は相変わらず笑ったままであった。
「キミ、幸せ?」
「……え」
「幸せ?」
「……まあ、幸せですけど」
「そっかー。じゃあ、こいつら殺すね」
女は大剣を何事もなかったかのように構えた。
質問の意味もわからないし、行動の意味もわからない。
ポカンと口を開けたままのアレクをすり抜けて、女は蹲ったハウンドに向かって剣を振った。
「こっちくるなよ!」
ギャン、とハウンドが叫んだ。
その叫びがまるで頭に直接響くような騒音で、アレクは眩暈がして膝をつく。
「ーーえ」
ぶしゅ、と女の耳から血が溢れた。
女は自らの血を拭うと目を細める。
「ふーん。面白いもの持ってるじゃん」
「ううぅ……やっぱ僕には無理だったんだよ。僕ってば、周りに迷惑かけてばっかり」
ぐすぐすと泣きながらもハウンドがゆらりと立ち上がる。
ハウンドに向かってヨークが叫んだ。
「おいハウンド! テメェのスキルはこっちにも影響出るんだから、迂闊に使うんじゃねえ!」
「ご、ごめんなさい。でも、身の危険があったし」
「せめて使う時は使うって言え!」
「無理だよぉ」
そうこうしている間に女は再び、ハウンドに向かって剣を振り翳す。
触れるか触れないかの瀬戸際になって、ラフテルがそれを阻んだ。
「……っ!」
剣の圧にラフテルが凄む。
そもそもこの大剣を振り回せるだけの筋肉量が、女の細腕のどこにあるというのか。
それでも意地になって剣を振り切り、ラフテルが大きく息を吐いた。
「おい、急ぎすぎだ」
「ミヤちゃん」
(新しい敵!?)
新たに参戦した筋骨隆々な男に、アレクが眉を顰める。
攻撃しようにも、二人には隙がない。
アレクは必死になってタイミングを見極めようとしていた。
「いいじゃーん。これが私達の任務なわけだし」
「……一人は残せよ。命令だ」
「りょうかーい」
(戦うしか……ないんだ!)
アレクは緊張で自らの袖を握りしめた。
といってもそれなりに遠いので、足には馬車を使っている。
馬車の中では各々が時間潰しをしているが、そこでレンカが文句を垂れる。
「ていうかぁ、なんでフィース学園長の瞬間移動使わなかったわけ? それ使えばすぐでしょ。ギルマスと学園長仲良しなわけだし」
すると、横にいたヨークが渋い顔で振り返って答える。
「学園長は忙しいんだぞ。そもそも俺らなんてガキ扱いだし。そこの……アレクの坊主ならわかるだろ」
「え?」
突然話しかけられ、アレクは外へ向けていた目線をヨークに戻す。
「坊主なら、学園長がハイエルフなこと知ってるだろ」
「……逆に、ヨークさんも知ってるんですね」
「まあな。協力も何度もしてもらった。今回もと思ったが、そもそもあの人気まぐれだしな。許可が下りなかった」
「学園長先生、優しいのに」
学園長が協力しないのを意外に思っていると、はあ、とレンカがため息を吐いた。
「そりゃああんたがお気に入りだからでしょう。学園の天才児らしいじゃない。さっき聞いたばっかだから私も詳しくないけど」
「そ、そうなんですか?」
「ええ。あんたが大切らしいおにーちゃんとおねーちゃんにね」
チラリと視線をやれば、ガディとエルルが馬車の隅で眠っているのが見える。
こんなところで寝こけるなど珍しい。というかありえない。
二人は馬車の上や移動中などは、常に気を抜かずにいることがほとんどだ。
それほど今回一緒にいるメンバーを信頼しているのだろう。
一方ヨークはアレクの最初の顔合わせの態度を思い出して、後悔に駆られていた。
「流石に最初にしては攻めすぎたな……挙句、学園長が今回手を貸してくれなかった理由は、アレクの坊主に手を出したからだろう」
「そうなんですか?」
「絶対そうだろうよ。俺なんざ、後から学園長に釘刺されてるからな」
自分の生徒に傷をつけてくれるなとのことである。
恐らく、治癒魔法の及ぶ範囲なら目を瞑るが、それ以外は擦り傷もつけるなとのことだろう。
無理だとも言えず、ヨークはできるだけ努力すると返した。
今後一切学園長からは支援を期待できないだろう。
「おい、つくぞ」
馬車を運転していたラフテルが声を上げる。
すぐさま双子が反応して目を覚ませば、馬車が次第に減速して止まった。
「……ここは」
「破壊された農村だ」
アレクは馬車を降り、目の前の光景に愕然とした。
農村というより、そこは荒野であった。
建物どころか草木一本も生えていない。
エルルが地面に手をつくと、すぐに魔力の特定を始める。
「……酷いな」
ガディがポツリと呟くと、ラフテルが続けて己の故郷のことを思い出す。
「アルスフォードもこんな感じだった。燃やされ、壊され、原型も残らず。俺らの一族が統治している土地も被害だらけだ。ここ一年は作物が育たないと言われて、てんで参っている」
「本当かそれ。じゃあどうするんだ」
「しばらくは異国からの輸入に頼りきりだろうな。いつまで続くかはわからんが」
そんな二人の会話を尻目に、エルルは魔力を追い続ける。
「……?」
そこでエルルは微かな違和感を覚えた。
あらゆる魔物の魔力がひしめき合っているものの、大悪魔とおぼしき魔力の持ち主が確認できない。
邪悪で、それでいて莫大な魔力を持つ者はいくら探しても見つけられなかった。
「……」
「おい、エルルの嬢ちゃん。見つかったか」
「いや……変よ。どう考えても大悪魔らしき魔力はーー」
エルルが何か言いかけた瞬間、何かの影がエルルに向かって襲い掛かった。
「!」
咄嗟にエルルは短剣を抜いて応戦するも、あまりの強さに弾き返すこともできずよろめく。
ガディが横から短剣を振り翳したので、襲ってきた何かは身を翻してその場から離れた。
「何だ!?」
急すぎる襲撃者に、ヨーク達も警戒体制を取る。
「……アハっ」
襲撃者の正体は女だった。
大ぶりの大剣を手にした彼女はぐるりと全員を見回すと、更に愉快げに笑った。
「あはっ、あはっ、ははは……」
「ラリってるわけこの女」
レンカが悪態をつけば、女は笑いながら続けた。
「ははっ、ごめんねぇ。つい、面白くって」
「はぁ?」
「だってぇ、こんな面子で大悪魔? だっけ……てやつを狩ろうとしてんでしょ? おもしろー!」
女がその場で笑い転げたので、アレクは背筋に薄ら寒いものを感じた。
これはグラフィールで、ディラン王に感じたものと同じだ。
得体の知れないものへの恐怖。
「っ、うわああああ……」
「おい!」
すると、ずっと黙ったままであったハウンドが、大きな悲鳴を上げて蹲った。
涙をボロボロ流しているが、立派な成人男性である。
「なんだよこのおっかないの……だから嫌だったんだよこの依頼……」
「うっわ……」
ハウンドが泣き喚き始めたので、わかりやすくレンカが引いた。
それに構わず、ハウンドはひぐひぐと肩を揺らして泣いている。
「えっと……あの、大丈夫ですか」
アレクが思わず声をかけると、ハウンドが弾かれたように顔を上げた。
「君……優しいね」
「いや、その」
「こいつ……追っ払ってくれない?」
「ええ……」
困惑気味に女を見つめれば、ニコリと女が微笑み返してくる。
攻撃してきた割にはやけに友好的だ。
すると女がアレクに向かって話しかけてくる。
「ねーえ、キミィ」
「はい!」
「キミってこの面子の中で随分浮いてるね」
「浮いてるって……どういう意味でですか」
「えーっとね」
次の瞬間、エルルが女のいる位置に向かって攻撃魔法を仕掛けた。
火柱が大きく上がり、反応の遅れた女の腕が燃える。
「あっつ! あーもー最悪」
「アレクに近づくな!」
「別に変なことしないって。今日は顔見にきただけだし」
「……大悪魔の仲間だったりするのかしら」
エルルの言葉に、女は笑って首を振る。
「なわけないじゃーん! あんな奴の仲間とかごめんだしぃ」
「じゃあ、あなたは……」
「ーーねえ、アレク君」
名前を呼ばれたアレクが、驚いて女を見つめる。
女は相変わらず笑ったままであった。
「キミ、幸せ?」
「……え」
「幸せ?」
「……まあ、幸せですけど」
「そっかー。じゃあ、こいつら殺すね」
女は大剣を何事もなかったかのように構えた。
質問の意味もわからないし、行動の意味もわからない。
ポカンと口を開けたままのアレクをすり抜けて、女は蹲ったハウンドに向かって剣を振った。
「こっちくるなよ!」
ギャン、とハウンドが叫んだ。
その叫びがまるで頭に直接響くような騒音で、アレクは眩暈がして膝をつく。
「ーーえ」
ぶしゅ、と女の耳から血が溢れた。
女は自らの血を拭うと目を細める。
「ふーん。面白いもの持ってるじゃん」
「ううぅ……やっぱ僕には無理だったんだよ。僕ってば、周りに迷惑かけてばっかり」
ぐすぐすと泣きながらもハウンドがゆらりと立ち上がる。
ハウンドに向かってヨークが叫んだ。
「おいハウンド! テメェのスキルはこっちにも影響出るんだから、迂闊に使うんじゃねえ!」
「ご、ごめんなさい。でも、身の危険があったし」
「せめて使う時は使うって言え!」
「無理だよぉ」
そうこうしている間に女は再び、ハウンドに向かって剣を振り翳す。
触れるか触れないかの瀬戸際になって、ラフテルがそれを阻んだ。
「……っ!」
剣の圧にラフテルが凄む。
そもそもこの大剣を振り回せるだけの筋肉量が、女の細腕のどこにあるというのか。
それでも意地になって剣を振り切り、ラフテルが大きく息を吐いた。
「おい、急ぎすぎだ」
「ミヤちゃん」
(新しい敵!?)
新たに参戦した筋骨隆々な男に、アレクが眉を顰める。
攻撃しようにも、二人には隙がない。
アレクは必死になってタイミングを見極めようとしていた。
「いいじゃーん。これが私達の任務なわけだし」
「……一人は残せよ。命令だ」
「りょうかーい」
(戦うしか……ないんだ!)
アレクは緊張で自らの袖を握りしめた。
0
お気に入りに追加
10,426
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
敗戦して嫁ぎましたが、存在を忘れ去られてしまったので自給自足で頑張ります!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
魔族 vs 人間。
冷戦を経ながらくすぶり続けた長い戦いは、人間側の敗戦に近い状況で、ついに終止符が打たれた。
名ばかりの王族リュシェラは、和平の証として、魔王イヴァシグスに第7王妃として嫁ぐ事になる。だけど、嫁いだ夫には魔人の妻との間に、すでに皇子も皇女も何人も居るのだ。
人間のリュシェラが、ここで王妃として求められる事は何もない。和平とは名ばかりの、敗戦国の隷妃として、リュシェラはただ静かに命が潰えていくのを待つばかり……なんて、殊勝な性格でもなく、与えられた宮でのんびり自給自足の生活を楽しんでいく。
そんなリュシェラには、実は誰にも言えない秘密があった。
※※※※※※※※※※※※※
短編は難しいな…と痛感したので、慣れた文字数、文体で書いてみました。
お付き合い頂けたら嬉しいです!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。