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超大規模依頼編
第ニ話 超大規模依頼
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その後アレク達は教室に戻り、早速ホームルームが開始する。
といっても新学期からの連絡事項で終わってしまうので、呆気のないものだ。
アリーシャの話を大人しく聞いていれば、あっという間に終了する。
「本日はこれで終了でーす。明日から通常授業だから、教科書忘れずにね。解散!」
解散と言われて、生徒達がゾロゾロと教室を出て各々の住処に帰っていく。
アレクも戻ろうとした時、ポンと誰かが肩を叩いた。
「アレク」
「兄様! 迎えにきてくれたの?」
振り向けばガディが立っていた。
銀の髪に眉目秀麗、おまけに仮にも生徒会長となるとガディは目立つ。
周囲が騒つくのももはや日常であるため、ガディはてんで気にしない。
「今から時間取れるか?」
「? うん。でも、帰るだけじゃ」
「ちょっと面倒なことが起きた」
ガディの渋い顔に、アレクは首を横に傾げた。
◆ ◆ ◆
ガディに連れていかれたのは学園長室であった。
ノックもせずにガディが入ると、学園長からの苦情が飛んでくる。
「ちょっと! あれほどノックしろと言ったのに!」
「わかったって」
「棒読み!」
ガディはつまらなそうに返事をすると、既にソファに座っていたエルルの横に座る。
今日の学園長は小さな子供の姿であり、それも相まって迫力がなかった。
「……あ!」
「よう、坊主」
ガディ、エルルと向かい合って座る人物を見て、アレクは思わず声を上げる。
「えっと……ヨーク・フールさんでしたっけ」
「正解。よく覚えていたな」
「あなたが覚えておけって言ったんじゃないですか」
先ほどアレクのペンを拾ってくれた男だ。
アレクが彼の名前を呼んだので、エルルは不思議そうにアレクに尋ねる。
「アレク、ヨークと面識があったの」
「うん。さっきペンを拾ってくれたんだ」
「ヨークにしてはなかなかいい仕事するじゃない」
「おいおい、エルルの嬢ちゃん。SSSランク捕まえて何言ってるんだ」
「SSSランク!?」
アレクは仰天のあまり叫ぶ。
ギルドでSSSランクといえば、ギルド最高峰の称号である。
ちなみにガディとエルルは、幼少期から受けてきた依頼の数の多さと、その難易度の高さ、英雄家の一門であったことが後押ししてSSSランクを獲得している。
ケケケ、と軽薄な笑い方をして、ヨークはエルルを見つめ返した。
「エルル嬢ちゃんやガディの坊主。俺達は確かに同じランクの持ち主だ。だがな、お前達が一番実力の伴わないSSSランクであることを忘れてはいないか?」
「えっ」
それも初耳だ。
驚きの連続である。
途端に嫌そうな顔をした二人に、ヨークはまたしても可笑しげにニヤついた。
「さては二人共、弟に見栄でも張ってたか? 残念だが、俺がバラしちまったぞ」
「……ヨークめ」
「ヨークのくせに」
「お高くとまってんなよ、貴族様。ギルドではどーせ汚く生きた者勝ちだ」
三人の間に険悪な雰囲気が流れる。
ただならぬ状況にアレクが口を出せずにいると、そこで学園長が出てくる。
「本題に移ってくれないかな~。私も暇じゃないんだよね」
「学園長……」
ヨークはソファから腰を上げると、学園長の顎を掴んで上を向かせる。
身長差も相まって、その威圧感は相当なものだ。
「今日はあの綺麗な姉ちゃん姿じゃないんだな。こんなガキじゃ唆るもんもねえ」
「あのさ、やめてくれない? 私だって好きでこの体質やってるわけじゃないんだ」
「おっと。すまない。……そろそろ話すか」
ヨークがソファに座り直すと、学園長がため息を吐いて横へと座る。
アレクは兄と姉の隣に並んだ。
「アレク、だっけか。二人の弟。改めて詳しく自己紹介しよう。俺はヨーク・フール。ギルドランクSSS保持者であり、二人と三年前に超大規模を担当した」
「三年前……」
ガディとエルルが依頼で、家を一年ほど離れていた時期がある。
その時期と合致していたため、アレクが納得していると、「思い当たりがあるようだな」とヨークは言った。
「あの依頼はかなりの難易度でな。死者も多数出た。その時に、ギルドの治療役だった治癒の魔法使いも死んだ。それでだ、アレク」
ヨークはアレクに向き直ると、とある提案を持ちかける。
「俺達にどうか協力してはくれないか」
「協力……」
「お前。アレクにはその話はしないと言っていただろう」
噛み付くようにガディが吠えれば、ヨークはすかさずガディを睨む。
「なりふり構っていられないんだよ。そもそも、昔っからお前らは弟の治癒魔法が優れていることを散々アピールしてきたじゃねえか。まさかこうなると思っていなかったか? 俺もだよ。見知らぬガキにこんなことを任せるつもりはなかった。だがこのガキは、ギルドマスターのお墨付きだ」
「!」
ギルドマスターの名前が出たことで、二人は苦虫を噛み潰したような顔をする。
権力的に逆らえない相手だ。
なんだかんだでギルドにいられるのはギルドマスターのお陰であるし、生活費を工面できるのもギルドのお陰である。
ヨークは二人に構うことなく説明を続けた。
「またしても超大規模依頼が発生した。大悪魔の討伐だ。本来なら御伽噺の天使みたいに存在しないはずの、架空の存在だったが……近年発見された新種の魔物だ」
天使、という言葉にアレクの肩が揺れる。
実際には天使、というか天族も存在している。アレク達の先祖がそれだ。
過剰に冷や汗をかくアレクだったが、ヨークはそれも気にならないらしい。
「三年前の依頼は一年かかった。今回もどれだけかかるかわからん。そもそも対象を見つけなきゃ話にならねえ。だが……この依頼を達成した暁には、褒美として何でも与えると上からの通達だ」
するとヨークは、アレクに向かって頭を下げた。
突然の行動にポカンとしていると、ヨークは小さな声で絞り出すように言う。
「頼む……ミーシャがいなくなって、後がない。俺達は攻撃に集中したい。というか、治癒魔法に回せるだけの戦力がない。お前の力が必要だ」
「ヨークさん……」
「待って」
そこで割って入ったのがエルルだ。
エルルはアレクに強く懇願した。
「アレク。お願いだから、今回だけは断って」
「おい、エルル」
それをガディが止める。
この前過保護にしないと決めたばかりなのだ。
ここはアレクの意志に沿うべき。
しかしエルルは止まらない。
「今回ばかりは話が違うの。私の信用してた人も、三年前死んだ。ミーシャさんだって、守りきれなかったのは私」
「エルル!」
「今回は……私は、あなたを守れる自信がない」
萎れるエルルに、ヨークは珍しいものを見たと目を見開く。
「何だ。弱気だな嬢ちゃん。前線から一歩引いて気弱になったか?」
「うるさい」
「そもそもお前らには、あの頃の鋭さがない。どうしちまったんだよ。この学園のせいか?」
「あの」
ヨークの言葉を遮り、アレクが顔を上げた。
「その悪魔を倒したら……たくさんの人が助かりますか」
「助かるどころじゃない。世界中の人間が救われる」
「なら、やります」
「アレク!」
エルルが非難の声を上げるが、ヨークは「わかった」と頷いた。
「協力、感謝する。また明日に会おう」
そうしてヨークは学園長室から出ていった。
事の顛末を見守っていた学園長は、脱力してソファに沈み込む。
「突然やってきて学園長室を貸せって言い出したかと思えば……まさかアレク君に協力仰ぐなんてね」
学園長は体を起こすと、三人をぐるりと見回した。
「もうこの際だから何も言わないけど、一年も休んだら君達留年だからね?」
「留年!?」
最悪の可能性にアレクは顔を青く染めた。
しかしガディとエルルはどこ吹く風だ。
二人にとって、そこまで大切なことではないらしい。
「ぜ、絶対依頼を早く終わらせなくちゃ……!」
「依頼と学園生活掛け持ちすればいいだろ」
ガディの発言に、エルルは眉を顰めた。
「そんなマルチタスクできるほどの体力が残るかしら。もう三年前のことは思い出したくないのだけど」
「今回はまた違うケースだろ。何とかなる」
兄の楽観的な意見に、エルルとアレクは顔を見合わせた。
といっても新学期からの連絡事項で終わってしまうので、呆気のないものだ。
アリーシャの話を大人しく聞いていれば、あっという間に終了する。
「本日はこれで終了でーす。明日から通常授業だから、教科書忘れずにね。解散!」
解散と言われて、生徒達がゾロゾロと教室を出て各々の住処に帰っていく。
アレクも戻ろうとした時、ポンと誰かが肩を叩いた。
「アレク」
「兄様! 迎えにきてくれたの?」
振り向けばガディが立っていた。
銀の髪に眉目秀麗、おまけに仮にも生徒会長となるとガディは目立つ。
周囲が騒つくのももはや日常であるため、ガディはてんで気にしない。
「今から時間取れるか?」
「? うん。でも、帰るだけじゃ」
「ちょっと面倒なことが起きた」
ガディの渋い顔に、アレクは首を横に傾げた。
◆ ◆ ◆
ガディに連れていかれたのは学園長室であった。
ノックもせずにガディが入ると、学園長からの苦情が飛んでくる。
「ちょっと! あれほどノックしろと言ったのに!」
「わかったって」
「棒読み!」
ガディはつまらなそうに返事をすると、既にソファに座っていたエルルの横に座る。
今日の学園長は小さな子供の姿であり、それも相まって迫力がなかった。
「……あ!」
「よう、坊主」
ガディ、エルルと向かい合って座る人物を見て、アレクは思わず声を上げる。
「えっと……ヨーク・フールさんでしたっけ」
「正解。よく覚えていたな」
「あなたが覚えておけって言ったんじゃないですか」
先ほどアレクのペンを拾ってくれた男だ。
アレクが彼の名前を呼んだので、エルルは不思議そうにアレクに尋ねる。
「アレク、ヨークと面識があったの」
「うん。さっきペンを拾ってくれたんだ」
「ヨークにしてはなかなかいい仕事するじゃない」
「おいおい、エルルの嬢ちゃん。SSSランク捕まえて何言ってるんだ」
「SSSランク!?」
アレクは仰天のあまり叫ぶ。
ギルドでSSSランクといえば、ギルド最高峰の称号である。
ちなみにガディとエルルは、幼少期から受けてきた依頼の数の多さと、その難易度の高さ、英雄家の一門であったことが後押ししてSSSランクを獲得している。
ケケケ、と軽薄な笑い方をして、ヨークはエルルを見つめ返した。
「エルル嬢ちゃんやガディの坊主。俺達は確かに同じランクの持ち主だ。だがな、お前達が一番実力の伴わないSSSランクであることを忘れてはいないか?」
「えっ」
それも初耳だ。
驚きの連続である。
途端に嫌そうな顔をした二人に、ヨークはまたしても可笑しげにニヤついた。
「さては二人共、弟に見栄でも張ってたか? 残念だが、俺がバラしちまったぞ」
「……ヨークめ」
「ヨークのくせに」
「お高くとまってんなよ、貴族様。ギルドではどーせ汚く生きた者勝ちだ」
三人の間に険悪な雰囲気が流れる。
ただならぬ状況にアレクが口を出せずにいると、そこで学園長が出てくる。
「本題に移ってくれないかな~。私も暇じゃないんだよね」
「学園長……」
ヨークはソファから腰を上げると、学園長の顎を掴んで上を向かせる。
身長差も相まって、その威圧感は相当なものだ。
「今日はあの綺麗な姉ちゃん姿じゃないんだな。こんなガキじゃ唆るもんもねえ」
「あのさ、やめてくれない? 私だって好きでこの体質やってるわけじゃないんだ」
「おっと。すまない。……そろそろ話すか」
ヨークがソファに座り直すと、学園長がため息を吐いて横へと座る。
アレクは兄と姉の隣に並んだ。
「アレク、だっけか。二人の弟。改めて詳しく自己紹介しよう。俺はヨーク・フール。ギルドランクSSS保持者であり、二人と三年前に超大規模を担当した」
「三年前……」
ガディとエルルが依頼で、家を一年ほど離れていた時期がある。
その時期と合致していたため、アレクが納得していると、「思い当たりがあるようだな」とヨークは言った。
「あの依頼はかなりの難易度でな。死者も多数出た。その時に、ギルドの治療役だった治癒の魔法使いも死んだ。それでだ、アレク」
ヨークはアレクに向き直ると、とある提案を持ちかける。
「俺達にどうか協力してはくれないか」
「協力……」
「お前。アレクにはその話はしないと言っていただろう」
噛み付くようにガディが吠えれば、ヨークはすかさずガディを睨む。
「なりふり構っていられないんだよ。そもそも、昔っからお前らは弟の治癒魔法が優れていることを散々アピールしてきたじゃねえか。まさかこうなると思っていなかったか? 俺もだよ。見知らぬガキにこんなことを任せるつもりはなかった。だがこのガキは、ギルドマスターのお墨付きだ」
「!」
ギルドマスターの名前が出たことで、二人は苦虫を噛み潰したような顔をする。
権力的に逆らえない相手だ。
なんだかんだでギルドにいられるのはギルドマスターのお陰であるし、生活費を工面できるのもギルドのお陰である。
ヨークは二人に構うことなく説明を続けた。
「またしても超大規模依頼が発生した。大悪魔の討伐だ。本来なら御伽噺の天使みたいに存在しないはずの、架空の存在だったが……近年発見された新種の魔物だ」
天使、という言葉にアレクの肩が揺れる。
実際には天使、というか天族も存在している。アレク達の先祖がそれだ。
過剰に冷や汗をかくアレクだったが、ヨークはそれも気にならないらしい。
「三年前の依頼は一年かかった。今回もどれだけかかるかわからん。そもそも対象を見つけなきゃ話にならねえ。だが……この依頼を達成した暁には、褒美として何でも与えると上からの通達だ」
するとヨークは、アレクに向かって頭を下げた。
突然の行動にポカンとしていると、ヨークは小さな声で絞り出すように言う。
「頼む……ミーシャがいなくなって、後がない。俺達は攻撃に集中したい。というか、治癒魔法に回せるだけの戦力がない。お前の力が必要だ」
「ヨークさん……」
「待って」
そこで割って入ったのがエルルだ。
エルルはアレクに強く懇願した。
「アレク。お願いだから、今回だけは断って」
「おい、エルル」
それをガディが止める。
この前過保護にしないと決めたばかりなのだ。
ここはアレクの意志に沿うべき。
しかしエルルは止まらない。
「今回ばかりは話が違うの。私の信用してた人も、三年前死んだ。ミーシャさんだって、守りきれなかったのは私」
「エルル!」
「今回は……私は、あなたを守れる自信がない」
萎れるエルルに、ヨークは珍しいものを見たと目を見開く。
「何だ。弱気だな嬢ちゃん。前線から一歩引いて気弱になったか?」
「うるさい」
「そもそもお前らには、あの頃の鋭さがない。どうしちまったんだよ。この学園のせいか?」
「あの」
ヨークの言葉を遮り、アレクが顔を上げた。
「その悪魔を倒したら……たくさんの人が助かりますか」
「助かるどころじゃない。世界中の人間が救われる」
「なら、やります」
「アレク!」
エルルが非難の声を上げるが、ヨークは「わかった」と頷いた。
「協力、感謝する。また明日に会おう」
そうしてヨークは学園長室から出ていった。
事の顛末を見守っていた学園長は、脱力してソファに沈み込む。
「突然やってきて学園長室を貸せって言い出したかと思えば……まさかアレク君に協力仰ぐなんてね」
学園長は体を起こすと、三人をぐるりと見回した。
「もうこの際だから何も言わないけど、一年も休んだら君達留年だからね?」
「留年!?」
最悪の可能性にアレクは顔を青く染めた。
しかしガディとエルルはどこ吹く風だ。
二人にとって、そこまで大切なことではないらしい。
「ぜ、絶対依頼を早く終わらせなくちゃ……!」
「依頼と学園生活掛け持ちすればいいだろ」
ガディの発言に、エルルは眉を顰めた。
「そんなマルチタスクできるほどの体力が残るかしら。もう三年前のことは思い出したくないのだけど」
「今回はまた違うケースだろ。何とかなる」
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