95 / 99
あなたは、幸せですか。
しおりを挟む
「ありがとう。行ってみますね」
「うん」
弟から地図を受け取り、私達は風魔に乗り込もうとしました。
すると、兄が私のことを引き止めます。
「ラティアンカ! きっと、もうここには戻ってきたくないのかもしれないが……何か辛いことがあったら、頼ってくれ」
「! 姉さん! 何かあったら言ってね!」
優しくしてくれる2人は、本当に私のことを心配してくれているみたいで。
嬉しい反面、こう思うのです。
「しばらくそういう場面はないですよ。だって」
私には、旦那様がいますから。
◆ ◆ ◆
「ここだな。どうする? すぐに会うか?」
地図を元にしてたどり着いたのは、小さな一軒家でした。
そこに妹がいる。
「……いえ。妹は私のことを知りません。顔だけ、見て帰ります」
「そうか」
スゥ、と、息を吸い込んで、風魔を降ります。
私と同じ運命を辿ることになった妹。
今、どういう気持ちでそこにいるのでしょう。
そっと一軒家の窓から中を覗きます。
「………」
「見えたか?」
「っ、はい」
そこに、いました。
一目でわかりました。
妹は、美人さんでしたから。
「ラティアンカに似てるな」
「……あんなに綺麗じゃないですよ」
「ラティアンカは綺麗だ」
「ありがとうございます」
彼女は新しい家族と、幸せそうに笑っていました。
それを見ただけで酷くほっとしました。
よかった。
本当に、よかった。
「……あら?」
パチ、と、彼女と目が合いました。
慌ててその場から離れようとしましたが、彼女が家から出てきてしまいました。
「お客さん? ひょっとして、パンを買いに来たの?」
「パ、パン?」
「うち、パン屋なの。あれ? 違った?」
「……いえ、買いに来ました」
「そう! じゃあ来て」
妹に手招きされるまま家に入れば、そこには確かにたくさんのパンが並んでいました。
「どれがいい?」
「じゃあ、このパンと、このパンを」
「了解!」
元気よく返事をすると、妹がパンを紙袋に包んでくれました。
それを私に渡してくれます。
「ありがとうございます。ちなみに、お代は」
「あー、いいよ」
「え?」
「幸せそうなカップル見れたから。私、人の幸せが好きなの」
私達を見て、カラリと笑う彼女。
本当に真っ直ぐ育ってくれたようです。
「あなたはーー」
「ん?」
「あなたは、幸せですか」
「当たり前! とーっても幸せ!」
元気にそう言い放つと、彼女は首を傾げました。
「お姉さん、どこかで見たことあるんだよね……会ったことある?」
「……………いえ、気のせいですよ」
「そっか。ごめんね。また来てよ! 旦那さんもお姉さんも、美人さんだから!」
そのまま店を出ました。
旦那様が風魔に乗り込むと、私に尋ねました。
「よかったのか?」
「はい。あの子は幸せだと、笑っていましたから」
ずっと不安でした。
私に力がないと思っていた頃には、妹は力がある故に利用され、苦しんでいるのではないかと。
兄と弟がいるので乱暴な扱いを受けているわけではないと信じていましたが、それでも心配だったのです。
何も気負わず、ああして元気でいてくれた。
それだけでいいのです。
「……帰ろうか」
「そうしましょう」
私達の家に。
しばらく空けていたので、少し埃が積っていそうですね。
掃除で忙しくなりそうです。
◆ ◆ ◆
それから、何ヶ月かして。
アストロに再び顔を出すことになったのですが、旦那様が「あ」と声を上げました。
「忘れてた」
「何をですか?」
「……ビアンカ」
「ビアンカ?」
ビアンカ、といったら、幻想の花ではないですか。
そのビアンカがどうしたんでしょうか。
「ビアンカの花、花屋に任せっぱなしだった」
「え?」
◆ ◆ ◆
「あら~! アルじゃない! そちらのとっても可愛らしいお嬢さんは?」
「嫁だ」
「じゃあラティアンカちゃんってこの子!? キャア~! 可愛い!」
……この方が、ペティアさんですか。
最初に私が旦那様の恋人だと勘違いしたお方。
しかし、彼はまあ立派な男性でした。
確かに男性同士の恋愛もあるでしょうけど、ペティアさんと旦那様はそんな感じではないでしょうね。
「ごめんなさいね、ラティアンカちゃん。アタシのせいで誤解させちゃったんでしょ? 安心してね。アタシ、とっても可愛い奥さんいるから」
「そ、そうですか」
「ていうか、遅すぎよ~! ビアンカの花、枯れると思ってなかったの!?」
「……もう枯れてるよな」
ビアンカは、幻想の花です。
その名の通り枯れるのはとても早く、私がこの国を離れた時点でもう萎れていたのでしょう。
ところが。
「それがね、枯れてないの」
「え?」
「は?」
「あなたがとってきたの、本当にビアンカ?」
ペティアさんが見せたのは、淡い青をした豊かな花弁を持つ花。
それは確かに見事に咲いていました。
「………これ、ペルマナントじゃないですか」
「!?」
「図鑑で見たことあります」
ペルマナントは、ビアンカと違い、真反対の花だったはず。
確か永久の花といって、ビアンカより珍しいものです。
「アナタ、運いいわね……」
「とりあえず、もらう」
「はい、どーぞ」
ペティアさんから花を受け取り、微笑む旦那様。
旦那様と花って似合いますよね。
「……行こうか」
「はい」
◆ ◆ ◆
目的の地に降り立てば、見えたのは愛しい人達の背中。
彼らは何かに向かって座り込んでいました。
その何かは、分かりきっています。
「ロール」
「! ラティ様!」
「ラティアンカ嬢。アルも元気にしてた?」
「……まぁ」
「はは。上がりなよ」
ロールとエリクル様の家。
そこに向かう前に、ペルマナントの花をそこに置きます。
「美味しいお菓子が手に入ったんですよ~!」
「シャルロッテ。もうそろそろ制限しないと、太るよ」
「うぐっ!」
「太ってもロールは可愛いですよ」
「ラティ様~!」
「甘やかしちゃダメだよ」
「……お菓子ぐらい、いいんじゃないか?」
「アルも何言ってるの」
幸せってきっと、こういうことを言うんでしょうね。
何てないことで笑って、愛しい人と過ごす。
だって、自然と頬が緩むんですから。
私達が去った後。
その墓前には、ペルマナントの花が綺麗に備えられていました。
~完~
◆ ◆ ◆
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!
これにて本編を終了させていただきます。
番外編を置いてくので、よかったら見ていってください!!
本当にありがとうございました!!
「うん」
弟から地図を受け取り、私達は風魔に乗り込もうとしました。
すると、兄が私のことを引き止めます。
「ラティアンカ! きっと、もうここには戻ってきたくないのかもしれないが……何か辛いことがあったら、頼ってくれ」
「! 姉さん! 何かあったら言ってね!」
優しくしてくれる2人は、本当に私のことを心配してくれているみたいで。
嬉しい反面、こう思うのです。
「しばらくそういう場面はないですよ。だって」
私には、旦那様がいますから。
◆ ◆ ◆
「ここだな。どうする? すぐに会うか?」
地図を元にしてたどり着いたのは、小さな一軒家でした。
そこに妹がいる。
「……いえ。妹は私のことを知りません。顔だけ、見て帰ります」
「そうか」
スゥ、と、息を吸い込んで、風魔を降ります。
私と同じ運命を辿ることになった妹。
今、どういう気持ちでそこにいるのでしょう。
そっと一軒家の窓から中を覗きます。
「………」
「見えたか?」
「っ、はい」
そこに、いました。
一目でわかりました。
妹は、美人さんでしたから。
「ラティアンカに似てるな」
「……あんなに綺麗じゃないですよ」
「ラティアンカは綺麗だ」
「ありがとうございます」
彼女は新しい家族と、幸せそうに笑っていました。
それを見ただけで酷くほっとしました。
よかった。
本当に、よかった。
「……あら?」
パチ、と、彼女と目が合いました。
慌ててその場から離れようとしましたが、彼女が家から出てきてしまいました。
「お客さん? ひょっとして、パンを買いに来たの?」
「パ、パン?」
「うち、パン屋なの。あれ? 違った?」
「……いえ、買いに来ました」
「そう! じゃあ来て」
妹に手招きされるまま家に入れば、そこには確かにたくさんのパンが並んでいました。
「どれがいい?」
「じゃあ、このパンと、このパンを」
「了解!」
元気よく返事をすると、妹がパンを紙袋に包んでくれました。
それを私に渡してくれます。
「ありがとうございます。ちなみに、お代は」
「あー、いいよ」
「え?」
「幸せそうなカップル見れたから。私、人の幸せが好きなの」
私達を見て、カラリと笑う彼女。
本当に真っ直ぐ育ってくれたようです。
「あなたはーー」
「ん?」
「あなたは、幸せですか」
「当たり前! とーっても幸せ!」
元気にそう言い放つと、彼女は首を傾げました。
「お姉さん、どこかで見たことあるんだよね……会ったことある?」
「……………いえ、気のせいですよ」
「そっか。ごめんね。また来てよ! 旦那さんもお姉さんも、美人さんだから!」
そのまま店を出ました。
旦那様が風魔に乗り込むと、私に尋ねました。
「よかったのか?」
「はい。あの子は幸せだと、笑っていましたから」
ずっと不安でした。
私に力がないと思っていた頃には、妹は力がある故に利用され、苦しんでいるのではないかと。
兄と弟がいるので乱暴な扱いを受けているわけではないと信じていましたが、それでも心配だったのです。
何も気負わず、ああして元気でいてくれた。
それだけでいいのです。
「……帰ろうか」
「そうしましょう」
私達の家に。
しばらく空けていたので、少し埃が積っていそうですね。
掃除で忙しくなりそうです。
◆ ◆ ◆
それから、何ヶ月かして。
アストロに再び顔を出すことになったのですが、旦那様が「あ」と声を上げました。
「忘れてた」
「何をですか?」
「……ビアンカ」
「ビアンカ?」
ビアンカ、といったら、幻想の花ではないですか。
そのビアンカがどうしたんでしょうか。
「ビアンカの花、花屋に任せっぱなしだった」
「え?」
◆ ◆ ◆
「あら~! アルじゃない! そちらのとっても可愛らしいお嬢さんは?」
「嫁だ」
「じゃあラティアンカちゃんってこの子!? キャア~! 可愛い!」
……この方が、ペティアさんですか。
最初に私が旦那様の恋人だと勘違いしたお方。
しかし、彼はまあ立派な男性でした。
確かに男性同士の恋愛もあるでしょうけど、ペティアさんと旦那様はそんな感じではないでしょうね。
「ごめんなさいね、ラティアンカちゃん。アタシのせいで誤解させちゃったんでしょ? 安心してね。アタシ、とっても可愛い奥さんいるから」
「そ、そうですか」
「ていうか、遅すぎよ~! ビアンカの花、枯れると思ってなかったの!?」
「……もう枯れてるよな」
ビアンカは、幻想の花です。
その名の通り枯れるのはとても早く、私がこの国を離れた時点でもう萎れていたのでしょう。
ところが。
「それがね、枯れてないの」
「え?」
「は?」
「あなたがとってきたの、本当にビアンカ?」
ペティアさんが見せたのは、淡い青をした豊かな花弁を持つ花。
それは確かに見事に咲いていました。
「………これ、ペルマナントじゃないですか」
「!?」
「図鑑で見たことあります」
ペルマナントは、ビアンカと違い、真反対の花だったはず。
確か永久の花といって、ビアンカより珍しいものです。
「アナタ、運いいわね……」
「とりあえず、もらう」
「はい、どーぞ」
ペティアさんから花を受け取り、微笑む旦那様。
旦那様と花って似合いますよね。
「……行こうか」
「はい」
◆ ◆ ◆
目的の地に降り立てば、見えたのは愛しい人達の背中。
彼らは何かに向かって座り込んでいました。
その何かは、分かりきっています。
「ロール」
「! ラティ様!」
「ラティアンカ嬢。アルも元気にしてた?」
「……まぁ」
「はは。上がりなよ」
ロールとエリクル様の家。
そこに向かう前に、ペルマナントの花をそこに置きます。
「美味しいお菓子が手に入ったんですよ~!」
「シャルロッテ。もうそろそろ制限しないと、太るよ」
「うぐっ!」
「太ってもロールは可愛いですよ」
「ラティ様~!」
「甘やかしちゃダメだよ」
「……お菓子ぐらい、いいんじゃないか?」
「アルも何言ってるの」
幸せってきっと、こういうことを言うんでしょうね。
何てないことで笑って、愛しい人と過ごす。
だって、自然と頬が緩むんですから。
私達が去った後。
その墓前には、ペルマナントの花が綺麗に備えられていました。
~完~
◆ ◆ ◆
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!
これにて本編を終了させていただきます。
番外編を置いてくので、よかったら見ていってください!!
本当にありがとうございました!!
320
あなたにおすすめの小説
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる