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アルジェルドside
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「やぁ」
「……どうした、急に」
「いや? ただ、言ってみたかっただけ」
突拍子もないことを言い出すこいつのことを、俺はまだ理解できずにいる。
いや、こいつの考えを理解できるやつはいないと言ってもいいに違いない。
「さぁてと! 女王様への報告も終わったことだし、祝杯をあげようじゃないか!」
「酒なんてあるのか」
「そりゃあるでしょ。ここ、王宮だよ?」
するとエリクルは、ゴソゴソと腰に下げてあった収納袋を漁り出す。
「じゃーん」
「……それ」
「こっそり取ってきた、年代物のワインだよ! 僕もともとここに3年住んでたからさ、場所わかるんだよね」
「ダメだろ」
「今日くらいハメ外したって、誰も怒らないさ」
「それより、お前……収納の魔術に入るのは、風魔だけとか言ってなかったか」
「ああ」となんてことないことを思い出したように、エリクルは続けた。
「風魔ね、王宮の風魔置き場に置いてきたんだ。しばらく使わないだろうし、何よりスペース開くから楽なんだよね」
「そうか」
「さあさあ、僕の部屋に来なよ!」
普段なら遠慮して、ノリが悪いと言われていたであろうこの場面。
しかしエリクルが久しぶりに楽しそうだったため、頷くことにした。
「ささ、どうぞ~」
何というかまあ、簡素なものだ。
部屋にはベッドのテーブル、椅子しかない。
俺の言いたいことに気づいたらしいエリクルが、部屋の紹介をした。
「この部屋ね、僕が護衛……というか、アストロに留学してた時に使ってた部屋なんだ。僕、一応ロマドの王子ってことでここに来たんだけど、シャルロッテの護衛やってる時はハドルっていう謎の人物やっててね。かっこよくない?」
「知らん」
「あはは。でさ、その謎の人物が豪勢な部屋に住んでたら、素性がわかって面白くないでしょ。だから特徴をなくすため、家具は最低限にしてたんだ」
「お前の気合いの入り方こそが謎だ」
「えー?」
本当に今日は機嫌がいいらしい。
まるで鼻歌を歌い出しそうなほどの満面の笑みで、ワインのコルクをキュポンと抜いた。
注がれるそれは、綺麗な透明だ。
「ほら、飲みなよ」
「ああ」
「かんぱーい」
ワイングラスがぶつかり合い、ガラスの高い音が響く。
ワインを一気に煽ると、ブワッと顔が熱くなった。
「ん、美味しい」
「酒なんて久しぶりだな」
「そうだね。こう、うかうかして飲む暇すらなかったし」
エリクルは酒に弱そうに見えて酒豪である。
俺がとっとと潰れて介抱される未来しか見えないが……まあいいか。
注がれたワインを一口飲み、向き直れば、エリクルはもう三杯目を注いでいた。
随分とペースが早い。
「僕さ、シャルロッテに告白されたんだよね」
思わず飲んでいたワインを吹き出しそうになった。
ロールは今、いくつだったか……15、いや16か?
で、こいつは23。
「お前、ロリコンだったのか」
「やだな。断ったよ。それに、歳の差はアルとラティアンカ嬢とあんまり変わらないじゃないか」
言われてみればそうなのだろうか。
俺とラティアンカの差は5歳差だが、別に問題ない。
だって俺が好きだから。
「……なにドヤ顔してんのさ。キモいよ」
「うるさい」
「でもさ。僕、もうロリコンでいいかもしんない」
は?
今こいつなんて言った。
驚きのあまり固まっていれば、エリクルが再び酒を飲む。
もう既に5杯目である。
「シャルロッテさ……可愛いんだよね。昔から一緒だったけどさ。僕のこと、好きだって言ってくれるし」
「うっっわ」
「酷くない? 君達の恋愛、応援したの僕だよね?」
「いや……すまん。予想外すぎた」
「まあいいよ」
「本当に好きなんだな」
「好きだよ。今はまあ、親愛として」
多分エリクルが崩される日は、そう遠くないだろう。
こいつとロールがイチャイチャしている光景が目に浮かぶ。
「お前とさ、ラティアンカ嬢。最近凄い仲いいじゃん」
「………まあ」
「こう、目の前でイチャイチャしやがって……」
「嫉妬か」
「うんまあ、ぶっちゃけ羨ましい」
エリクルは7杯目を煽る。
その顔が朱色に染まっているため、そうとう酔いが回ってきているな。
俺は2杯目を舐めるように飲んでいたが、それでも体がほてるのだ。
このワイン、度数はかなり高めだろう。
明日の体調の安然が消えたことを悟った。
「ねえ、アル。君は……愛する人か世界。どっちを取るんだい?」
不意に投げ出された質問。
テンションが上がっているんだろう。
俺もまあ、相当理性がなくなってきている。
「もちろん愛する人だ」
「それさ、世界一の魔術師がしていい回答じゃないよね。うん、不正解。でも……アルジェルド・マルシムとしては正解だ」
「俺は愛する人が死ななければ世界を滅ぼすとしても、喜んでそれに付き従おう。愛する人と共に散るのも悪くない」
「残された側が一番辛い……なんちゃって」
「それ、何杯目だ」
「数えてないや」
気づけばまるまる一瓶ワインは消えていた。
これで終わりかと思えば、また新しいものを取り出す。
「いくつ盗んだんだ」
「やだなぁ。全部は盗んでないよ」
全部は、というところに含みを感じる。
これを飲んでしまっている時点で俺も共犯なのだろうか。
「お前今、相当嬉しいんだな」
「……うん、そうだ。僕、ご機嫌でしょ。だって8年だよ? 8年あがいた。ラティアンカ嬢と一緒にいるシャルロッテに会った時、別人かと思った。性格変わりすぎ」
「そんなにか」
「まあ、クソガキだったよ、シャルロッテ。でも可愛い」
「ほらぁ」と、これまた何かを収納から取り出す。
それは色とりどりの便箋達だ。
綺麗に纏められている。
「これさぁ、離れてた時にシャルロッテが、僕に送った手紙なんだよね。もう嬉しくて嬉しくて」
「だろうな。そこまで熱心だったら、嬉しくもなるだろう」
「でもさ。返事、あんまり本心書けなかった。恥ずかしかったから」
「お前は俺か」
「バカ言うな。お前よりよっぽどマシだ」
へっ、と鼻で笑われる。
どこまでも失礼だなこいつ。
「………ほんと、君と知り合えてよかった」
ポツリ、と小さく呟かれたそれに、手が止まる。
「シャルロッテが僕のこと忘れてること、すぐわかった。僕を見る目は何の興味を示してなかったから。ゾッとした。僕は、存在を否定された気がした。でも、まあ……ラティアンカ嬢や、君がいてくれて。シャルロッテは一人じゃなかった。だからまあ、任せてもいいかなって思ったんだ」
愛する人に見限られるのが、どれほど恐ろしいことか。
俺にもわかる。この旅は、俺の不甲斐なさから始まったから。
「こう言っちゃなんだけど……お前がヘタレでよかった」
「ヘタレってなんだ」
「それかむっつり」
「……喧嘩売ってるのか」
「100パー負けるから勘弁して」
よく回る舌は、饒舌に俺を煽ってくる。
腹が立つが、その苛立ちは次の言葉で霧散した。
「僕さ、幸せだよ……いい仲間に恵まれて、好きな子と一緒に暮らすことになって。シャルロッテさ、神子やめるんだって。明日から、死んだことにして田舎町にひっこむんだ。僕と一緒にね」
「そんな話になってたのか」
「うん。だからまあ、会いにきて。シャルロッテはもちろん、僕も嬉しい」
気づけば、2本目ももう消失していた。
エリクルの口は酒臭い。
酔いは限界まできていた。
「今度会う時は、お互い子持ちかもな」
「ラティアンカ嬢とアルの子供とか……うわ、想像するだけでえげつな」
「お前らも人のこと言えるか」
「僕はシャルロッテとそういう仲になるの、随分先だよ。どうせ君らは一年以内にそうなるだろ。あ、無理か? 怖くて手、出せない?」
「俺は二度も同じ轍は踏まない。絶対、ラティアンカを不安にさせない」
「言ってろよ。また泣きついてきても知らないからな」
「お前こそな」
ガラン、と空のワイン瓶が床に転がる。
それをぼぅっと眺めていれば、気づけば朝だった。
「……どうした、急に」
「いや? ただ、言ってみたかっただけ」
突拍子もないことを言い出すこいつのことを、俺はまだ理解できずにいる。
いや、こいつの考えを理解できるやつはいないと言ってもいいに違いない。
「さぁてと! 女王様への報告も終わったことだし、祝杯をあげようじゃないか!」
「酒なんてあるのか」
「そりゃあるでしょ。ここ、王宮だよ?」
するとエリクルは、ゴソゴソと腰に下げてあった収納袋を漁り出す。
「じゃーん」
「……それ」
「こっそり取ってきた、年代物のワインだよ! 僕もともとここに3年住んでたからさ、場所わかるんだよね」
「ダメだろ」
「今日くらいハメ外したって、誰も怒らないさ」
「それより、お前……収納の魔術に入るのは、風魔だけとか言ってなかったか」
「ああ」となんてことないことを思い出したように、エリクルは続けた。
「風魔ね、王宮の風魔置き場に置いてきたんだ。しばらく使わないだろうし、何よりスペース開くから楽なんだよね」
「そうか」
「さあさあ、僕の部屋に来なよ!」
普段なら遠慮して、ノリが悪いと言われていたであろうこの場面。
しかしエリクルが久しぶりに楽しそうだったため、頷くことにした。
「ささ、どうぞ~」
何というかまあ、簡素なものだ。
部屋にはベッドのテーブル、椅子しかない。
俺の言いたいことに気づいたらしいエリクルが、部屋の紹介をした。
「この部屋ね、僕が護衛……というか、アストロに留学してた時に使ってた部屋なんだ。僕、一応ロマドの王子ってことでここに来たんだけど、シャルロッテの護衛やってる時はハドルっていう謎の人物やっててね。かっこよくない?」
「知らん」
「あはは。でさ、その謎の人物が豪勢な部屋に住んでたら、素性がわかって面白くないでしょ。だから特徴をなくすため、家具は最低限にしてたんだ」
「お前の気合いの入り方こそが謎だ」
「えー?」
本当に今日は機嫌がいいらしい。
まるで鼻歌を歌い出しそうなほどの満面の笑みで、ワインのコルクをキュポンと抜いた。
注がれるそれは、綺麗な透明だ。
「ほら、飲みなよ」
「ああ」
「かんぱーい」
ワイングラスがぶつかり合い、ガラスの高い音が響く。
ワインを一気に煽ると、ブワッと顔が熱くなった。
「ん、美味しい」
「酒なんて久しぶりだな」
「そうだね。こう、うかうかして飲む暇すらなかったし」
エリクルは酒に弱そうに見えて酒豪である。
俺がとっとと潰れて介抱される未来しか見えないが……まあいいか。
注がれたワインを一口飲み、向き直れば、エリクルはもう三杯目を注いでいた。
随分とペースが早い。
「僕さ、シャルロッテに告白されたんだよね」
思わず飲んでいたワインを吹き出しそうになった。
ロールは今、いくつだったか……15、いや16か?
で、こいつは23。
「お前、ロリコンだったのか」
「やだな。断ったよ。それに、歳の差はアルとラティアンカ嬢とあんまり変わらないじゃないか」
言われてみればそうなのだろうか。
俺とラティアンカの差は5歳差だが、別に問題ない。
だって俺が好きだから。
「……なにドヤ顔してんのさ。キモいよ」
「うるさい」
「でもさ。僕、もうロリコンでいいかもしんない」
は?
今こいつなんて言った。
驚きのあまり固まっていれば、エリクルが再び酒を飲む。
もう既に5杯目である。
「シャルロッテさ……可愛いんだよね。昔から一緒だったけどさ。僕のこと、好きだって言ってくれるし」
「うっっわ」
「酷くない? 君達の恋愛、応援したの僕だよね?」
「いや……すまん。予想外すぎた」
「まあいいよ」
「本当に好きなんだな」
「好きだよ。今はまあ、親愛として」
多分エリクルが崩される日は、そう遠くないだろう。
こいつとロールがイチャイチャしている光景が目に浮かぶ。
「お前とさ、ラティアンカ嬢。最近凄い仲いいじゃん」
「………まあ」
「こう、目の前でイチャイチャしやがって……」
「嫉妬か」
「うんまあ、ぶっちゃけ羨ましい」
エリクルは7杯目を煽る。
その顔が朱色に染まっているため、そうとう酔いが回ってきているな。
俺は2杯目を舐めるように飲んでいたが、それでも体がほてるのだ。
このワイン、度数はかなり高めだろう。
明日の体調の安然が消えたことを悟った。
「ねえ、アル。君は……愛する人か世界。どっちを取るんだい?」
不意に投げ出された質問。
テンションが上がっているんだろう。
俺もまあ、相当理性がなくなってきている。
「もちろん愛する人だ」
「それさ、世界一の魔術師がしていい回答じゃないよね。うん、不正解。でも……アルジェルド・マルシムとしては正解だ」
「俺は愛する人が死ななければ世界を滅ぼすとしても、喜んでそれに付き従おう。愛する人と共に散るのも悪くない」
「残された側が一番辛い……なんちゃって」
「それ、何杯目だ」
「数えてないや」
気づけばまるまる一瓶ワインは消えていた。
これで終わりかと思えば、また新しいものを取り出す。
「いくつ盗んだんだ」
「やだなぁ。全部は盗んでないよ」
全部は、というところに含みを感じる。
これを飲んでしまっている時点で俺も共犯なのだろうか。
「お前今、相当嬉しいんだな」
「……うん、そうだ。僕、ご機嫌でしょ。だって8年だよ? 8年あがいた。ラティアンカ嬢と一緒にいるシャルロッテに会った時、別人かと思った。性格変わりすぎ」
「そんなにか」
「まあ、クソガキだったよ、シャルロッテ。でも可愛い」
「ほらぁ」と、これまた何かを収納から取り出す。
それは色とりどりの便箋達だ。
綺麗に纏められている。
「これさぁ、離れてた時にシャルロッテが、僕に送った手紙なんだよね。もう嬉しくて嬉しくて」
「だろうな。そこまで熱心だったら、嬉しくもなるだろう」
「でもさ。返事、あんまり本心書けなかった。恥ずかしかったから」
「お前は俺か」
「バカ言うな。お前よりよっぽどマシだ」
へっ、と鼻で笑われる。
どこまでも失礼だなこいつ。
「………ほんと、君と知り合えてよかった」
ポツリ、と小さく呟かれたそれに、手が止まる。
「シャルロッテが僕のこと忘れてること、すぐわかった。僕を見る目は何の興味を示してなかったから。ゾッとした。僕は、存在を否定された気がした。でも、まあ……ラティアンカ嬢や、君がいてくれて。シャルロッテは一人じゃなかった。だからまあ、任せてもいいかなって思ったんだ」
愛する人に見限られるのが、どれほど恐ろしいことか。
俺にもわかる。この旅は、俺の不甲斐なさから始まったから。
「こう言っちゃなんだけど……お前がヘタレでよかった」
「ヘタレってなんだ」
「それかむっつり」
「……喧嘩売ってるのか」
「100パー負けるから勘弁して」
よく回る舌は、饒舌に俺を煽ってくる。
腹が立つが、その苛立ちは次の言葉で霧散した。
「僕さ、幸せだよ……いい仲間に恵まれて、好きな子と一緒に暮らすことになって。シャルロッテさ、神子やめるんだって。明日から、死んだことにして田舎町にひっこむんだ。僕と一緒にね」
「そんな話になってたのか」
「うん。だからまあ、会いにきて。シャルロッテはもちろん、僕も嬉しい」
気づけば、2本目ももう消失していた。
エリクルの口は酒臭い。
酔いは限界まできていた。
「今度会う時は、お互い子持ちかもな」
「ラティアンカ嬢とアルの子供とか……うわ、想像するだけでえげつな」
「お前らも人のこと言えるか」
「僕はシャルロッテとそういう仲になるの、随分先だよ。どうせ君らは一年以内にそうなるだろ。あ、無理か? 怖くて手、出せない?」
「俺は二度も同じ轍は踏まない。絶対、ラティアンカを不安にさせない」
「言ってろよ。また泣きついてきても知らないからな」
「お前こそな」
ガラン、と空のワイン瓶が床に転がる。
それをぼぅっと眺めていれば、気づけば朝だった。
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