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事後処理。
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「ていうわけで、父上には隠居してもらうから。あとはヨロシク~」
ドン、と荒々しく元ロマド王の背中を叩き、マルドゥアさんが兵士達に言いました。
兵士達は困惑した様子でしたが、私達が決闘を見守ったこと。
それと、執事とメイドの証言もあり、ロマド王は王としてのメンツを失いました。
ロマドは武力重視の国で、こういった入れ替えはたびたび起こるらしいので、従わないというわけではなかったのですけど。
なにより、マルドゥアさんが女性であったことが影響しているようです。
「おい」
「あ、アルジェルドさん。今回はご協力、ありがとうございます」
「聞いてないぞ。それに、嘘をついた」
「ボクが女だってことですか」
「それ以外も」
「言うと都合が悪かったんですよ。だから言えなかったんです」
「ルシフェルは何も言わなかった」
「千里眼王子ですか。彼は多分、僕の考えを察してくれたんだと思いますよ」
話を聞く限り、マルドゥアさんと旦那様は計画の協力関係にあったみたいですね。
旦那様は詳しく説明する間もなく、風魔で寝に入ってしまったため聞けなかったのですが、ようやくすっきりしました。
すると、マルドゥアさんが私のほうへ向くと、じぃと見つめてきました。
「ラティアンカさん……」
「は、はい」
「あなたも災難だね。この人に捕まって」
「え?」
「どういう意味だ」
む、と不満げな旦那様に、マルドゥアさんは言いました。
「色々と重いんですよ。世界一の魔術師の嫁っていう称号に、容姿。おまけに気持ち! 気持ちの重さです! 同じ女性として言われていただきます。クソ重いんですよ」
「……重いって」
「たとえラティアンカさんに捨てられようと、一生ストーカーする勢いです」
驚きました。
私達が一度離婚の危機に陥ったことを知らないであろうマルドゥアさんがそれを言うとは、本当に旦那様の印象はそんな感じなんですね。
「……何でそんなことがわかる」
「え? 指輪です」
私のつけている指輪を見て、マルドゥアさんは自らの腕をさすって見せます。
「気持ち悪いんですよそれ。まるでいくつもの目にガン見されてるみたいで」
「旦那様。まさか」
「……ネックレスと同じ防護魔術を、それにかけた」
やっぱり。
マルドゥアさんの発言は、ネックレスを目にした人達の発言と一致していました。
ご丁寧に鳥肌まで立てています。
「さっき、ボクと父上が戦ってた時も、王宮や自分達に結界術を使ってましたよね。お陰でこの王宮は無傷ですし」
「まあな」
「アルジェルドさんの真の強みは、結界術だったりするのかもしれないですね」
あながち、間違いではないでしょう。
ナジクーー自国に張ってきた結界は未だにそのままですし、それをキープし続け、他の魔術を使ってみせる、達人レベルの実力の持ち主なのです。
その結界は見事なもので、他の魔術師がいらないくらいたど言われてきました。
「ボクはこれから事後処理をするよ。仲間達を集めて、話し合わないとね。それと、王としての報告もかねて。兄さん達もうるさいだろうし」
「そうか」
「頑張ってくださいね」
「うん。……ラティアンカさん。さっき、この人のこと重いって言ったけどさ。大事にしてくれる、いい人だとボク思うよ」
その言葉に、思わず口角が上がりました。
ええ、そうでしょう。
私の旦那様はとても素敵な人なのよ、と。
自慢したくてしょうがないのですが、やめておきます。
「ちゃんとアストロとも仲直りする。あと、チビ達どうなったかな」
「チビ達?」
「人形操術の使い手の2人」
「女王様が面倒を見てくださっていますよ。乱暴はされていません」
私の言葉にほっと安堵の息を漏らし、マルドゥアさんは緊張を解きます。
「よかった。あの子達、ボクの大事な妹だからさ。何かあったらどうしようかと」
「いい子達ですよね」
「うん。正直、あんなことに手を貸させていたのが、吐き気がするくらい嫌だ。……あの子達は人を殺してる。まともな感性では育てない。だから、ボクは、彼女達の人生をサポートしていかなきゃ」
「あの子達、人を殺すのは嫌だと言っていました。殺戮に快楽は見出していません」
「それがボクにとっての、ちょっとした救いだね。妹達を迎えに行きたいんだけど」
「なら、またこちらに2人を送り届けに来よう。約束だ」
旦那様が「今度は嘘つくな」と釘を刺したので、「つきませんよ」とマルドゥアさんは真剣に言いました。
「今思えば、この国にとってはかなり都合の良い王様だったよ、父上は。ボクの計画に感づくほどの優秀さを持ちながら、決して男女差別を覆そうとしなかった。それじゃダメだ。ボクは世界を変える。ボクが生きているうちには無理かもしれないけど。いつかは男尊女卑、なくしてみせる」
「なくなるといいですよね。私も、できることはしたいと思っています」
「うん。困ったことがあったらいつでも来て。あ、真名でも言ったほうがいい? ていうか一応伝えておくね」
アレン様ーールシフェル様の時とは打って変わって、躊躇うことなくマルドゥアさんは真名を言いました。
「マルドゥア・ドルス・ロマドだよ。よろしく」
「名前は変わらないのですね」
「女だからね。真名はあんまり重視されなかったんだ……っと、さて!」
パン! と自分の膝を叩くと、マルドゥアさんは私達に背を向けました。
先程まで戦っていましたので、その体はボロボロです。
膝を叩いたのも、気合を入れるためでしょう。
「じゃあね、お二人共。また会う日にね」
そのままマルドゥアさんは忙しそうに消えていきました。
「……ひとまず。戻りましょうか、アストロへ」
「ああ」
ドン、と荒々しく元ロマド王の背中を叩き、マルドゥアさんが兵士達に言いました。
兵士達は困惑した様子でしたが、私達が決闘を見守ったこと。
それと、執事とメイドの証言もあり、ロマド王は王としてのメンツを失いました。
ロマドは武力重視の国で、こういった入れ替えはたびたび起こるらしいので、従わないというわけではなかったのですけど。
なにより、マルドゥアさんが女性であったことが影響しているようです。
「おい」
「あ、アルジェルドさん。今回はご協力、ありがとうございます」
「聞いてないぞ。それに、嘘をついた」
「ボクが女だってことですか」
「それ以外も」
「言うと都合が悪かったんですよ。だから言えなかったんです」
「ルシフェルは何も言わなかった」
「千里眼王子ですか。彼は多分、僕の考えを察してくれたんだと思いますよ」
話を聞く限り、マルドゥアさんと旦那様は計画の協力関係にあったみたいですね。
旦那様は詳しく説明する間もなく、風魔で寝に入ってしまったため聞けなかったのですが、ようやくすっきりしました。
すると、マルドゥアさんが私のほうへ向くと、じぃと見つめてきました。
「ラティアンカさん……」
「は、はい」
「あなたも災難だね。この人に捕まって」
「え?」
「どういう意味だ」
む、と不満げな旦那様に、マルドゥアさんは言いました。
「色々と重いんですよ。世界一の魔術師の嫁っていう称号に、容姿。おまけに気持ち! 気持ちの重さです! 同じ女性として言われていただきます。クソ重いんですよ」
「……重いって」
「たとえラティアンカさんに捨てられようと、一生ストーカーする勢いです」
驚きました。
私達が一度離婚の危機に陥ったことを知らないであろうマルドゥアさんがそれを言うとは、本当に旦那様の印象はそんな感じなんですね。
「……何でそんなことがわかる」
「え? 指輪です」
私のつけている指輪を見て、マルドゥアさんは自らの腕をさすって見せます。
「気持ち悪いんですよそれ。まるでいくつもの目にガン見されてるみたいで」
「旦那様。まさか」
「……ネックレスと同じ防護魔術を、それにかけた」
やっぱり。
マルドゥアさんの発言は、ネックレスを目にした人達の発言と一致していました。
ご丁寧に鳥肌まで立てています。
「さっき、ボクと父上が戦ってた時も、王宮や自分達に結界術を使ってましたよね。お陰でこの王宮は無傷ですし」
「まあな」
「アルジェルドさんの真の強みは、結界術だったりするのかもしれないですね」
あながち、間違いではないでしょう。
ナジクーー自国に張ってきた結界は未だにそのままですし、それをキープし続け、他の魔術を使ってみせる、達人レベルの実力の持ち主なのです。
その結界は見事なもので、他の魔術師がいらないくらいたど言われてきました。
「ボクはこれから事後処理をするよ。仲間達を集めて、話し合わないとね。それと、王としての報告もかねて。兄さん達もうるさいだろうし」
「そうか」
「頑張ってくださいね」
「うん。……ラティアンカさん。さっき、この人のこと重いって言ったけどさ。大事にしてくれる、いい人だとボク思うよ」
その言葉に、思わず口角が上がりました。
ええ、そうでしょう。
私の旦那様はとても素敵な人なのよ、と。
自慢したくてしょうがないのですが、やめておきます。
「ちゃんとアストロとも仲直りする。あと、チビ達どうなったかな」
「チビ達?」
「人形操術の使い手の2人」
「女王様が面倒を見てくださっていますよ。乱暴はされていません」
私の言葉にほっと安堵の息を漏らし、マルドゥアさんは緊張を解きます。
「よかった。あの子達、ボクの大事な妹だからさ。何かあったらどうしようかと」
「いい子達ですよね」
「うん。正直、あんなことに手を貸させていたのが、吐き気がするくらい嫌だ。……あの子達は人を殺してる。まともな感性では育てない。だから、ボクは、彼女達の人生をサポートしていかなきゃ」
「あの子達、人を殺すのは嫌だと言っていました。殺戮に快楽は見出していません」
「それがボクにとっての、ちょっとした救いだね。妹達を迎えに行きたいんだけど」
「なら、またこちらに2人を送り届けに来よう。約束だ」
旦那様が「今度は嘘つくな」と釘を刺したので、「つきませんよ」とマルドゥアさんは真剣に言いました。
「今思えば、この国にとってはかなり都合の良い王様だったよ、父上は。ボクの計画に感づくほどの優秀さを持ちながら、決して男女差別を覆そうとしなかった。それじゃダメだ。ボクは世界を変える。ボクが生きているうちには無理かもしれないけど。いつかは男尊女卑、なくしてみせる」
「なくなるといいですよね。私も、できることはしたいと思っています」
「うん。困ったことがあったらいつでも来て。あ、真名でも言ったほうがいい? ていうか一応伝えておくね」
アレン様ーールシフェル様の時とは打って変わって、躊躇うことなくマルドゥアさんは真名を言いました。
「マルドゥア・ドルス・ロマドだよ。よろしく」
「名前は変わらないのですね」
「女だからね。真名はあんまり重視されなかったんだ……っと、さて!」
パン! と自分の膝を叩くと、マルドゥアさんは私達に背を向けました。
先程まで戦っていましたので、その体はボロボロです。
膝を叩いたのも、気合を入れるためでしょう。
「じゃあね、お二人共。また会う日にね」
そのままマルドゥアさんは忙しそうに消えていきました。
「……ひとまず。戻りましょうか、アストロへ」
「ああ」
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