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女神教の暗躍と、攻めてきたモノ。
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私はそのままマオ様に俵担ぎされたまま玉座の間に駆け込みました。
仕事をしていた女王様が、突然私達がやってきたことにより眉を顰めました。
「……マオ。お客様に何てことをしているの」
「すみません母上。しかし、それどころではないゆえ」
私をおろしたマオ様は、「説明しろ」と言わんばかりに私を見ました。
元々そのつもりです。
「女王様。女神教は、ロールを女神の魂の入れ物にし、女神に仕立て上げるつもりです。おまけにレオン様を殺そうとしています」
「……事実ですか」
「はい」
「その点については、私が保証しましょう」
「何か決定づける証拠があるとでも?」
「私は女神教に加担し、レオンを殺そうとしていたのですから」
ーー今、なんと。
マオ様の顔を見上げれば、冗談を言っているのではないと否応にもわからされました。
女王様の顔つきがみるみる厳しげになっていきます。
「マオ。口を滑らせた……ということでは、すまされませんよ」
「どんな処罰でも受けましょう。だから母上。どうか女神教を捕らえてくれませんか。このままじゃ、シャルロッテもレオンも危ない」
「あなたにどんな心境の変化があったかは知りませんが、わかりました。その場合、あなたは共犯者として王族としての地位は剥奪されます。よろしいので?」
「構わないです」
一切の澱みなくそう言い切ったマオ様。
レオン様を殺そうとしていたなんて。そんなに弟を憎んでらっしゃったのですか。
言いたいことは山ほどありました。
しかしマオ様の張り詰めた雰囲気に捕まり、もう口は役立たずとして機能してくれません。
その時。
「じょっ……女王様!! 大変ですっ、魔術師が城を攻め込んできました!!」
足をもつれさせ、物凄い勢いで兵士さんが玉座の間に入ってきました。
鬼気迫る表情の兵士さんの報告を聞いた女王様が、手っ取り早く指示を下します。
「直ちに向かい撃ちましょう。私も向かいます。それと……レオンも共に。マオ。あなたはどうしますか」
「私ですか」
「あなたは己の身を犯罪者として貶めました。ここで女神教と同じ牢屋に閉じ込められるか、協力して少しでも罪を軽くするか。選びなさい」
女王として、手厳しい二択の選択肢です。
マオ様は迷うそぶりを見せずに答えました。
「もちろん協力させていただきます。……女王様」
「期待しておりますよ」
「その期待に答えるよう、全力を尽くさせていただきます」
綺麗に頭を下げ、マオ様は早足でその場を去っていきました。
その後ろ姿を見送った私でしたが、再び頭痛と共に未来の記憶が流れ込んできました。
今度はーーロールとレオン様が一緒にいて、誰かを探している映像です。
そこに女の子が二人現れて、それで。
「ーーーーー」
あってはならない、最悪の未来が見えました。
早く、ロール達のところへ向かわなければ。
「女王様、兵士さんの何人かを私と共に行動させてもらえはしませんか」
「ラティアンカ様?」
「私は非戦闘員ですが……未来を読むことができます。ロール達の力になりたいのです」
未来が読める。
そんな現実味のない話、信じてもらえるかは疑問でした。
しかし女王様は力強く頷くと、私のそばに数人の兵士の方を置いてくれました。
「頼みます」
「わかりました。すみません、よろしくお願いします」
私が声をかけると、神妙な様子で兵士さん達も頷いてくれました。
「……ラティアンカ様には、この国一と名高い騎士を同行させていただきます。どうかシャルロッテをお守りください」
数人の中から、一人だけ熊のようなガタイの良い男性が私に敬礼しました。
この状況の場合、神子であるロールの保護が最優先事項となります。
私がロールの元へ向かうと判断してのことでしょう。
あの未来が起こる前に、ロールを連れ出さなくては。
仕事をしていた女王様が、突然私達がやってきたことにより眉を顰めました。
「……マオ。お客様に何てことをしているの」
「すみません母上。しかし、それどころではないゆえ」
私をおろしたマオ様は、「説明しろ」と言わんばかりに私を見ました。
元々そのつもりです。
「女王様。女神教は、ロールを女神の魂の入れ物にし、女神に仕立て上げるつもりです。おまけにレオン様を殺そうとしています」
「……事実ですか」
「はい」
「その点については、私が保証しましょう」
「何か決定づける証拠があるとでも?」
「私は女神教に加担し、レオンを殺そうとしていたのですから」
ーー今、なんと。
マオ様の顔を見上げれば、冗談を言っているのではないと否応にもわからされました。
女王様の顔つきがみるみる厳しげになっていきます。
「マオ。口を滑らせた……ということでは、すまされませんよ」
「どんな処罰でも受けましょう。だから母上。どうか女神教を捕らえてくれませんか。このままじゃ、シャルロッテもレオンも危ない」
「あなたにどんな心境の変化があったかは知りませんが、わかりました。その場合、あなたは共犯者として王族としての地位は剥奪されます。よろしいので?」
「構わないです」
一切の澱みなくそう言い切ったマオ様。
レオン様を殺そうとしていたなんて。そんなに弟を憎んでらっしゃったのですか。
言いたいことは山ほどありました。
しかしマオ様の張り詰めた雰囲気に捕まり、もう口は役立たずとして機能してくれません。
その時。
「じょっ……女王様!! 大変ですっ、魔術師が城を攻め込んできました!!」
足をもつれさせ、物凄い勢いで兵士さんが玉座の間に入ってきました。
鬼気迫る表情の兵士さんの報告を聞いた女王様が、手っ取り早く指示を下します。
「直ちに向かい撃ちましょう。私も向かいます。それと……レオンも共に。マオ。あなたはどうしますか」
「私ですか」
「あなたは己の身を犯罪者として貶めました。ここで女神教と同じ牢屋に閉じ込められるか、協力して少しでも罪を軽くするか。選びなさい」
女王として、手厳しい二択の選択肢です。
マオ様は迷うそぶりを見せずに答えました。
「もちろん協力させていただきます。……女王様」
「期待しておりますよ」
「その期待に答えるよう、全力を尽くさせていただきます」
綺麗に頭を下げ、マオ様は早足でその場を去っていきました。
その後ろ姿を見送った私でしたが、再び頭痛と共に未来の記憶が流れ込んできました。
今度はーーロールとレオン様が一緒にいて、誰かを探している映像です。
そこに女の子が二人現れて、それで。
「ーーーーー」
あってはならない、最悪の未来が見えました。
早く、ロール達のところへ向かわなければ。
「女王様、兵士さんの何人かを私と共に行動させてもらえはしませんか」
「ラティアンカ様?」
「私は非戦闘員ですが……未来を読むことができます。ロール達の力になりたいのです」
未来が読める。
そんな現実味のない話、信じてもらえるかは疑問でした。
しかし女王様は力強く頷くと、私のそばに数人の兵士の方を置いてくれました。
「頼みます」
「わかりました。すみません、よろしくお願いします」
私が声をかけると、神妙な様子で兵士さん達も頷いてくれました。
「……ラティアンカ様には、この国一と名高い騎士を同行させていただきます。どうかシャルロッテをお守りください」
数人の中から、一人だけ熊のようなガタイの良い男性が私に敬礼しました。
この状況の場合、神子であるロールの保護が最優先事項となります。
私がロールの元へ向かうと判断してのことでしょう。
あの未来が起こる前に、ロールを連れ出さなくては。
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