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Cルート光が丘&田島
第3話 気配?
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田島獅子王丸は着替えを済ませると屋敷を出た。
屋敷は拳闘士のファイトマネーで買っておいたものだ。この国に保護された頃は王宮に住んでいた獅子王丸だったが国が用意する女も飯も飽きてきた頃、気晴らしに外に遊びに出掛けると喧嘩に巻き込まれた。
コロシアムの総支配人『ロンゾ=フェティー』が数人のチンピラに絡まれていたのだ。
チンピラ達は自分達を雇えと自分達は優秀で貴族だから役職を寄越せと。ロンゾの答えは勿論NOだ。
『拳闘士としてなら試してやってもいいがそれ以外の仕事となると貴様等のような猿には無理だ。礼節から学び直してこい』
ロンゾの言葉にキレたチンピラのリーダー格がロンゾを殴り飛ばした。ロンゾは優れた経営者だったが実力は素人だった。
偶々ロンゾがブッ飛んだ先に獅子王丸がいてぶつかった。
チンピラ達の命運は尽きたも同然だった。
「あん?誰だ、てめえ?ぶち殺されてえのか?さっさとソイツを引き渡せやブチ殺すぞ餓鬼!!!」
チンピラ達はすぐさま獅子王丸が逃げられないように囲む。チンピラの1人が獅子王丸に近付き胸ぐらを掴み喚き散らす。
ロンゾがブッ飛んだきたのを掴んだだけなのだがチンピラ達は勝手に助けたと勘違いしたようだ。
「誰に口聞いてるかわかってんのか?」
「あん?餓鬼が何粋がってんだコラ!足をブルプル震わせてビビってるくせに生意気な口聞いてんじゃねえぞ!」
実際には獅子王丸は全く動じていないがチンピラ達は自分達にビビってると思い込んでいるようだった。
「もう一度聞くが、誰に口聞いてるかわかってんのか?」
「知るわけねえだろうが雑魚が!」
チンピラの1人が獅子王丸に殴り掛かかろうとするが、その前に獅子王丸が動く。
獅子王丸は人差し指をチンピラの目に突き立てた。
「ぎゃあああああああああああ!!!」
よく漫画等で目潰しされるシーンで笑いを誘うものがあるがそんな可愛らしいものではない。一時的に視界を奪うというものではない。完全に人差し指が突き刺さり眼球を潰したのだ。
「誰が雑魚だ?もう一度言って見ろ虫けら共?」
獅子王丸が獅子化の能力を発動させるとチンピラ達は身体をガクガク震わせ先程の威勢が萎えなくなり必死の命乞いをするが獅子王丸は全員を半殺しにした。
その現場にいた人々はビビり誰一人として動けずにいた中。
「す、素晴らしい!君、名前は?出身は何処?仕事は?拳闘士に興味はないか?君ならスター選手に必ずなれるぞ!チャンピオンだって夢じゃない!金!名声!名誉!思うがままだ!」
ロンゾは恐れず獅子王丸に近付き声を掛けた。
獅子王丸は退屈しのぎにロンゾの誘いに乗り闘技場を訪れ、その日にチャンピオンと試合をして勝利。獅子王丸はデビュー戦でチャンピオンを粉砕し王都襲撃事件まで不敗の最強のチャンピオンとしてコロシアムに君臨していた。
獅子王丸は異世界に来て初めて満たされたと思った。
観客の熱気に当てられたのか自身の身体に熱が入り興奮する。
獅子王丸は能力者でありコロシアムに能力者が出場することは滅多にない。
能力者の数が圧倒的少ないという理由があるが収入の安定しない拳闘士なんてなるわけがない。国に仕え高給を手にする方が堅実だ。
初めて獅子化の能力を披露した時の観客の反応は中々に面白かった。
田島獅子王丸は日本にいた頃からある悩みがあった。
その悩みとは常に何者かの存在を感じる事だった。
しかも『複数』感じるのだ。
覚えている一番古い記憶の頃から、いや、もしかしたら生まれた時からかもしれない。
何をしている時でも感じるのだからたまったもんじゃない。
その複数の存在は互いに争っているのだ。鬱陶しいたらありゃしない。
はっきり感じる気配は『蒼と白の混じる雷』と『蒼炎』。
その2つがぶつかり合う光景をよく夢で見ていた。
異世界に来てその存在の1つ雷が消え掛かっていた。
ただし片方の炎の存在が強くなっていったが1つだけでも消えれば万々歳だった。
異世界で戦えば戦えばほど雷が小さくなり炎が大きくなっていく。
だが王都襲撃事件後は2つの存在が消え掛かっていた。嬉しいはず、嬉しいはずなのにどうも落ち着かない。
もしかして獅子化の能力が使えなくなったのは2つの存在のせい?いや、そんなはずがない。2つの存在は地球にいた頃からあったのだから。
しばらく王都をブラブラしているといつもの視線を感じる。
『・・・はあああ、またか』
田島獅子王丸は最近付けられていた。
獅子王丸の身体能力は一般人レベルまで下がっているためその道のプロならば察知できるわけがない。ならば獅子王丸を付けているのは。
獅子王丸は後ろを向くと付けている相手は慌てて隠れようとするが、ある者は転けて泣き出す。ある者は近くにある木箱を被るが顔しか隠す事ができない。ある者は人混みに紛れようとするが小さい身体なので弾かれる。
バレてしまっては仕方がないと付けていた相手から話かけてきた。
「チャンピオン!獅子化見せてくれよ!」
「チャンピオン!握手して!」
「チャンピオン!サイン頂戴!」
「チャンピオン!なんか奢ってよ!」
「チャンピオン!肩車して!」
付けている相手は男女五人のガキ共だった。
屋敷は拳闘士のファイトマネーで買っておいたものだ。この国に保護された頃は王宮に住んでいた獅子王丸だったが国が用意する女も飯も飽きてきた頃、気晴らしに外に遊びに出掛けると喧嘩に巻き込まれた。
コロシアムの総支配人『ロンゾ=フェティー』が数人のチンピラに絡まれていたのだ。
チンピラ達は自分達を雇えと自分達は優秀で貴族だから役職を寄越せと。ロンゾの答えは勿論NOだ。
『拳闘士としてなら試してやってもいいがそれ以外の仕事となると貴様等のような猿には無理だ。礼節から学び直してこい』
ロンゾの言葉にキレたチンピラのリーダー格がロンゾを殴り飛ばした。ロンゾは優れた経営者だったが実力は素人だった。
偶々ロンゾがブッ飛んだ先に獅子王丸がいてぶつかった。
チンピラ達の命運は尽きたも同然だった。
「あん?誰だ、てめえ?ぶち殺されてえのか?さっさとソイツを引き渡せやブチ殺すぞ餓鬼!!!」
チンピラ達はすぐさま獅子王丸が逃げられないように囲む。チンピラの1人が獅子王丸に近付き胸ぐらを掴み喚き散らす。
ロンゾがブッ飛んだきたのを掴んだだけなのだがチンピラ達は勝手に助けたと勘違いしたようだ。
「誰に口聞いてるかわかってんのか?」
「あん?餓鬼が何粋がってんだコラ!足をブルプル震わせてビビってるくせに生意気な口聞いてんじゃねえぞ!」
実際には獅子王丸は全く動じていないがチンピラ達は自分達にビビってると思い込んでいるようだった。
「もう一度聞くが、誰に口聞いてるかわかってんのか?」
「知るわけねえだろうが雑魚が!」
チンピラの1人が獅子王丸に殴り掛かかろうとするが、その前に獅子王丸が動く。
獅子王丸は人差し指をチンピラの目に突き立てた。
「ぎゃあああああああああああ!!!」
よく漫画等で目潰しされるシーンで笑いを誘うものがあるがそんな可愛らしいものではない。一時的に視界を奪うというものではない。完全に人差し指が突き刺さり眼球を潰したのだ。
「誰が雑魚だ?もう一度言って見ろ虫けら共?」
獅子王丸が獅子化の能力を発動させるとチンピラ達は身体をガクガク震わせ先程の威勢が萎えなくなり必死の命乞いをするが獅子王丸は全員を半殺しにした。
その現場にいた人々はビビり誰一人として動けずにいた中。
「す、素晴らしい!君、名前は?出身は何処?仕事は?拳闘士に興味はないか?君ならスター選手に必ずなれるぞ!チャンピオンだって夢じゃない!金!名声!名誉!思うがままだ!」
ロンゾは恐れず獅子王丸に近付き声を掛けた。
獅子王丸は退屈しのぎにロンゾの誘いに乗り闘技場を訪れ、その日にチャンピオンと試合をして勝利。獅子王丸はデビュー戦でチャンピオンを粉砕し王都襲撃事件まで不敗の最強のチャンピオンとしてコロシアムに君臨していた。
獅子王丸は異世界に来て初めて満たされたと思った。
観客の熱気に当てられたのか自身の身体に熱が入り興奮する。
獅子王丸は能力者でありコロシアムに能力者が出場することは滅多にない。
能力者の数が圧倒的少ないという理由があるが収入の安定しない拳闘士なんてなるわけがない。国に仕え高給を手にする方が堅実だ。
初めて獅子化の能力を披露した時の観客の反応は中々に面白かった。
田島獅子王丸は日本にいた頃からある悩みがあった。
その悩みとは常に何者かの存在を感じる事だった。
しかも『複数』感じるのだ。
覚えている一番古い記憶の頃から、いや、もしかしたら生まれた時からかもしれない。
何をしている時でも感じるのだからたまったもんじゃない。
その複数の存在は互いに争っているのだ。鬱陶しいたらありゃしない。
はっきり感じる気配は『蒼と白の混じる雷』と『蒼炎』。
その2つがぶつかり合う光景をよく夢で見ていた。
異世界に来てその存在の1つ雷が消え掛かっていた。
ただし片方の炎の存在が強くなっていったが1つだけでも消えれば万々歳だった。
異世界で戦えば戦えばほど雷が小さくなり炎が大きくなっていく。
だが王都襲撃事件後は2つの存在が消え掛かっていた。嬉しいはず、嬉しいはずなのにどうも落ち着かない。
もしかして獅子化の能力が使えなくなったのは2つの存在のせい?いや、そんなはずがない。2つの存在は地球にいた頃からあったのだから。
しばらく王都をブラブラしているといつもの視線を感じる。
『・・・はあああ、またか』
田島獅子王丸は最近付けられていた。
獅子王丸の身体能力は一般人レベルまで下がっているためその道のプロならば察知できるわけがない。ならば獅子王丸を付けているのは。
獅子王丸は後ろを向くと付けている相手は慌てて隠れようとするが、ある者は転けて泣き出す。ある者は近くにある木箱を被るが顔しか隠す事ができない。ある者は人混みに紛れようとするが小さい身体なので弾かれる。
バレてしまっては仕方がないと付けていた相手から話かけてきた。
「チャンピオン!獅子化見せてくれよ!」
「チャンピオン!握手して!」
「チャンピオン!サイン頂戴!」
「チャンピオン!なんか奢ってよ!」
「チャンピオン!肩車して!」
付けている相手は男女五人のガキ共だった。
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