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Aルート月島
第4話 月島さん気に入らない奴には容赦なし!
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秋月、釈迦峰、浅田、月島の四人は冒険者ギルドに向かった。
「あっ!アキヅキ様!シャカミネ様!お待ちしておりました!」
冒険者ギルドにつくと受付の女性が出迎えてくれた。
「ギルド長がお待ちです・・・あの、後ろのお二人は?ッ!あのその人、その両腕は!能力者さんですか!あの、冒険者登録してませんよね!冒険者に興味は?」
「お前のおっぱい触らせてくれるなら考えるけど?」
酒瓶を握り、物凄く酒臭い浅田と月島。そして月島の両腕を見て驚き、勧誘しようとする受付嬢。
「あの二人は、その仲間なんで気にしないで下さい」
「ハッ!今はそれどころじゃありませんね!ではこちらに」
受付嬢に冒険者ギルドの一室に案内される。そこには30人の冒険者が集められていた。四人は一番後ろの席についた。
「・・・まだ集まりきってないが仕方がない始めるか。さて皆を緊急召集したのはあるモンスターの討伐して欲しいからだ!」
ギルド長は前置きもなしに要件の説明に入った、どうやら本当に余裕がなさそいだ。
「そいつは『人狼』の討伐だ!」
ギルド長が討伐目標の名を挙げると室内が一瞬静寂に包まれ、次の瞬間爆笑が巻き起こる。
「なあ、なんで皆爆笑してるんだ?」
月島は隣の席に座っている秋月に問いかける。
「『人狼』ってモンスターは、まあ簡単にいえば二足歩行ができる狼かな。毛色とかは生息域で異なるけどドミニオン共和国雪のように白いんだ」
「で、周りの奴等の様子からしてあんまり強くないんだろ?」
「・・・この辺一帯はある人狼の縄張りなんだよね。その人狼は人狼の変異種で三つの頭がある人狼。『サーべラス』って名をつけられた人狼なんだけど、サーべラスは自分の群れにいる人狼に人間を襲う事を禁じているらしいんだ」
「モンスターなのにか?変わった奴だな、もしかしてラノベみたいに『死んで転生したら狼だった件』みたいな感じじゃね?」
「それはわからないけど、協力的ってわけでもないんだよね。冒険者登録する時に説明されたけど、正当防衛以外での人狼相手の戦闘禁止、人狼との過度な接触禁止、気まぐれで冒険者を助けてくれる時はあるけど食べ物を置いて去るか人狼と協力して倒したモンスターの素材は人狼に全てを渡すっていう決まりがあるんだよ」
「「「へえ~、そうなんだ」」」
「いや、羅漢は一瞬に冒険者登録する時に聞いたよね、誓約書にも書いてあったよね」
「・・・つまり人狼の討伐はそのサーべラスを怒らせる事態になりかねない。人狼が人を襲うようになるんじゃね?」
「その通りだが半分外れだ」
月島達の会話が聞こえていたのかギルド長はその会話に乗っかり説明を続けた。
「サーべラスが南から北上して来た別の群れを率いる人狼に負けた」
爆笑していた連中が笑うのをやめて、一気にざわつき始める。
「サーべラスは成体のドラゴンに勝つくらい強いって噂らしいよ」
秋月が月島に補足した。
「なるほど、ドラゴンと殺り合えるモンスターを負かすモンスターが現れた。そりゃ普通は慌てるわな」
「ギルド長!群れの規模は!」
集まった冒険者の一人がギルド長に質問する。人狼だけであらず狼系モンスターは群れの規模によって脅威度がはね上がる。
「未知数だ」
「・・・・未知数?」
「サーべラスを倒した人狼だが、これまでに見たことがないタイプの人狼だったらしい。大きさは約10m!青い炎を纏い!狼の額には人面があり人語を喋ったそうだ!」
「いやいやいやいや、もうそれ別の生き物でしょ!なんなんすかその生物は!」
周りの冒険者達も同意見とばかりに首を縦に振っている。
「竜一、もしかして・・・」
「さあな、まだわからんが、もしそうなら銀月に押し付けるはずが、全くやれやれだぜ」
「軍は派遣されないのか?こんな緊急事態になにやってんだよ!」
冒険者達の質問が続く。
「軍は首都とレアス山に回されて、嵐船も出せないそうだ。我々で何とかするしかあるまい!」
「ふざけんなよ!なんで俺等がやらなきゃいけないんだよ!俺は降りるぜ!」
「待たんか!今逃げた奴は冒険者資格を永久剥奪を言い渡す!それが嫌なら座れ!」
自分達も拒否しようと立ち上がっていた者達は席につき、ざわついていた室内がまた一気に静まりかえる。
気に入らなければ他国に逃げればいい。この国ではそうはいかない。他国に逃亡どころか町から町への移動すら困難なこの国ではどの村や町も閉鎖的な傾向にある。逃げた先で受け入れてくれるか暮らしていけるかは運任せ、しかも謎のモンスターは南からやってくる。
北に行けば行くほど気象が悪くなり、南に行けば行くほど北よりかは大分マシ程度の天気の荒れ具合。
南に逃げたいが謎のモンスターと出くわす可能性が高い。人狼達がわざわざ平地を避けて山を通って北上してくれるなら、積雪地帯に特化した馬のアイオーンであれば逃げ切れる可能性も・・・運が良ければの話だが。
「なんかヤバそうだし帰って話し合う?」
「いいのか帰って?」
「よくよく考えたら『冒険者への強制参加権』はCより上のランクの人が対象であって羅漢と僕はまだ下位ランク、」
「ああ、シャカミネ、アキヅキ、君らは私の権限で本日付でCランクだ。己の課せられた責務を全うしろ!」
「は?昇級試験もなしにですか?」
「無論今回の件が済み生きていた場合は元のランクに戻すが今後の昇級試験の採点でいろをつけてやる。存分に励むがいい!」
は?冒険者30名、月島組の全員が意味が理解出来なかった。今の発言に励める要素がどこにあった?
「あ、あの報酬は?」
「はああああ?出来てもいないのに報酬をねだるのか貴様は!!!」
は?いや冒険者なんだから報酬の確認くらいするに決まってンだろ。
「君らは冒険者の前にこの国に住む、ドミニオン共和国の国民だ。国家の崩壊の危機に金!金!金!意地汚いにもほどがあるわ!恥を知れ!」
ンンンン?え?ひょっとしてタダ働きですか?
「とにかく!この敵変異種の人狼はサーべラスとの戦いで傷を負い退却し、サーべラスの群れの人狼達が相討ちで敵人狼に大打撃を与えて我々に迎撃準備を整える時間を作ってくれたのだ!いいな!相討ちでもいい!敵人狼共を討ち取ってこい!」
・・・・おい、こいつ、はっきり言ったぞ!冒険者達に死んでこいっていったぞ!
「いいか!これ以上北上させることは許されない!我々で食い止めねばならない!」
「我々?ギルド長はどうするのですか?」
「私はギルド長なのだからギルドに居なくてはならない!君達の帰る場所は私が守ってやる!」
・・・もうこいつが何を言っているのか意味不明である。
「鬱陶しいなコイツ、おい、羅漢。ギルドの職員全員連れてこい」
「何を勝手に指示を出してる!おい!」
羅漢はすぐさま部屋を出て職員、受付を含め14人全員を連れて来た。
「お前等に質問なんだがこのギルドのトップはコイツ、で次に権限を持っているのはどいつだ?」
「えっと、副長のリンクスさんですけど。今は召集に応じてくれなかった冒険者達を説得して回っています」
「そうかなら連絡手段はなさそうだからギルドに二、三人残して残りがそのリンクスって奴を探してこい。どうせこんな事態だ、通常業務も止まってんだろ!さっさと行ってこいや!」
慌てて職員達が厚着して外へと走っていき20分ほど掛かり、副長のリンクスを連れて帰って来た。
「あの、私に何かご用件があると伺ったのですが?」
「アンタは何故冒険者達の説得に行ったんだ?」
「え?それは人狼が群れでくるからです。狼系のモンスターは複数で一人を襲います。どれだけ優れた技量を持っていたとしてもさすがに30人では厳しいです。ですから!」
「タダ働きじゃあ誰もやる気は出さんだろ?」
月島の問いにリンクスは首を傾げる。
「・・・タダ働き?何の事ですか?」
俺達の後ろでギルド長が騒ごうとしていたので秋月と釈迦峰が取り押さえた。
「今回の依頼人は前議長の『メザイア』様です!そして報酬に上限はありません!」
・・・は?上限?最低限じゃなくて?
「メザイア様の全財産を使ってでも足りなければ借金してもかまいませんと仰っており、討伐に掛かる全費用はメザイア様が持つそうです。武器や防具や道具の費用も全てです!」
ヒュ~!相当気前がいいな。
秋月と釈迦峰はもういいだろうとギルド長を押さえつけていた手を離す。
「メザイア様の依頼は『サーべラスの仇を討って欲しい』とのこと」
ドミニオン共和国前議長メザイアと三つ頭の人狼サーべラス、何かしらの繋がりがあるのだろうか?
「くそっ!言うことないだろうが!どうせコイツのほとんどが死ぬんだ!報酬の話はしなくてもよかっただろうが!」
「貴方は、まさか!命懸けになるかもしれない戦いに送り出さなければならないのに!せめて報酬は、」
「コイツ等はドミニオン共和国の国民だ!国家の危機なら命を賭けて戦う義務があるんだよ!」
「国民だから戦わなければならないならギルド長だって共和国の国民でしょ!貴方だって戦う義務がある!」
「黙れこのアマ!」
ギルド長が副長のリンクスの右足を蹴りを入れる。リンクスは痛みに耐えきれず倒れ込み右膝を手で押さえる。
「はははは!バカ女が!昔は上級冒険者だったが膝の怪我が原因で引退。冒険者時代の経験をかわれて副長になっただけの屑が誰に逆らってる!私はギルド長!なんだぞ!貴様等は黙って私の!命令を聞いていればいいんだ!」
「・・・リンクスとかいったな、お前の人柄はよくわかった」
月島がギルド長とリンクスの間に割って入る。そしてギルド長の額に押し付ける・・・拳銃の銃口を。
ズドン!
ギルドの一室が完全に静まりかえる。ドシャッ!というギルド長の体が床に倒れ込む音がやけに部屋に響いた。
「ギルド長は不幸な事故に遭い死んだ。副長リンクス、今日からお前がギルドの長だ。冒険者に指示を出せ!」
「あっ!アキヅキ様!シャカミネ様!お待ちしておりました!」
冒険者ギルドにつくと受付の女性が出迎えてくれた。
「ギルド長がお待ちです・・・あの、後ろのお二人は?ッ!あのその人、その両腕は!能力者さんですか!あの、冒険者登録してませんよね!冒険者に興味は?」
「お前のおっぱい触らせてくれるなら考えるけど?」
酒瓶を握り、物凄く酒臭い浅田と月島。そして月島の両腕を見て驚き、勧誘しようとする受付嬢。
「あの二人は、その仲間なんで気にしないで下さい」
「ハッ!今はそれどころじゃありませんね!ではこちらに」
受付嬢に冒険者ギルドの一室に案内される。そこには30人の冒険者が集められていた。四人は一番後ろの席についた。
「・・・まだ集まりきってないが仕方がない始めるか。さて皆を緊急召集したのはあるモンスターの討伐して欲しいからだ!」
ギルド長は前置きもなしに要件の説明に入った、どうやら本当に余裕がなさそいだ。
「そいつは『人狼』の討伐だ!」
ギルド長が討伐目標の名を挙げると室内が一瞬静寂に包まれ、次の瞬間爆笑が巻き起こる。
「なあ、なんで皆爆笑してるんだ?」
月島は隣の席に座っている秋月に問いかける。
「『人狼』ってモンスターは、まあ簡単にいえば二足歩行ができる狼かな。毛色とかは生息域で異なるけどドミニオン共和国雪のように白いんだ」
「で、周りの奴等の様子からしてあんまり強くないんだろ?」
「・・・この辺一帯はある人狼の縄張りなんだよね。その人狼は人狼の変異種で三つの頭がある人狼。『サーべラス』って名をつけられた人狼なんだけど、サーべラスは自分の群れにいる人狼に人間を襲う事を禁じているらしいんだ」
「モンスターなのにか?変わった奴だな、もしかしてラノベみたいに『死んで転生したら狼だった件』みたいな感じじゃね?」
「それはわからないけど、協力的ってわけでもないんだよね。冒険者登録する時に説明されたけど、正当防衛以外での人狼相手の戦闘禁止、人狼との過度な接触禁止、気まぐれで冒険者を助けてくれる時はあるけど食べ物を置いて去るか人狼と協力して倒したモンスターの素材は人狼に全てを渡すっていう決まりがあるんだよ」
「「「へえ~、そうなんだ」」」
「いや、羅漢は一瞬に冒険者登録する時に聞いたよね、誓約書にも書いてあったよね」
「・・・つまり人狼の討伐はそのサーべラスを怒らせる事態になりかねない。人狼が人を襲うようになるんじゃね?」
「その通りだが半分外れだ」
月島達の会話が聞こえていたのかギルド長はその会話に乗っかり説明を続けた。
「サーべラスが南から北上して来た別の群れを率いる人狼に負けた」
爆笑していた連中が笑うのをやめて、一気にざわつき始める。
「サーべラスは成体のドラゴンに勝つくらい強いって噂らしいよ」
秋月が月島に補足した。
「なるほど、ドラゴンと殺り合えるモンスターを負かすモンスターが現れた。そりゃ普通は慌てるわな」
「ギルド長!群れの規模は!」
集まった冒険者の一人がギルド長に質問する。人狼だけであらず狼系モンスターは群れの規模によって脅威度がはね上がる。
「未知数だ」
「・・・・未知数?」
「サーべラスを倒した人狼だが、これまでに見たことがないタイプの人狼だったらしい。大きさは約10m!青い炎を纏い!狼の額には人面があり人語を喋ったそうだ!」
「いやいやいやいや、もうそれ別の生き物でしょ!なんなんすかその生物は!」
周りの冒険者達も同意見とばかりに首を縦に振っている。
「竜一、もしかして・・・」
「さあな、まだわからんが、もしそうなら銀月に押し付けるはずが、全くやれやれだぜ」
「軍は派遣されないのか?こんな緊急事態になにやってんだよ!」
冒険者達の質問が続く。
「軍は首都とレアス山に回されて、嵐船も出せないそうだ。我々で何とかするしかあるまい!」
「ふざけんなよ!なんで俺等がやらなきゃいけないんだよ!俺は降りるぜ!」
「待たんか!今逃げた奴は冒険者資格を永久剥奪を言い渡す!それが嫌なら座れ!」
自分達も拒否しようと立ち上がっていた者達は席につき、ざわついていた室内がまた一気に静まりかえる。
気に入らなければ他国に逃げればいい。この国ではそうはいかない。他国に逃亡どころか町から町への移動すら困難なこの国ではどの村や町も閉鎖的な傾向にある。逃げた先で受け入れてくれるか暮らしていけるかは運任せ、しかも謎のモンスターは南からやってくる。
北に行けば行くほど気象が悪くなり、南に行けば行くほど北よりかは大分マシ程度の天気の荒れ具合。
南に逃げたいが謎のモンスターと出くわす可能性が高い。人狼達がわざわざ平地を避けて山を通って北上してくれるなら、積雪地帯に特化した馬のアイオーンであれば逃げ切れる可能性も・・・運が良ければの話だが。
「なんかヤバそうだし帰って話し合う?」
「いいのか帰って?」
「よくよく考えたら『冒険者への強制参加権』はCより上のランクの人が対象であって羅漢と僕はまだ下位ランク、」
「ああ、シャカミネ、アキヅキ、君らは私の権限で本日付でCランクだ。己の課せられた責務を全うしろ!」
「は?昇級試験もなしにですか?」
「無論今回の件が済み生きていた場合は元のランクに戻すが今後の昇級試験の採点でいろをつけてやる。存分に励むがいい!」
は?冒険者30名、月島組の全員が意味が理解出来なかった。今の発言に励める要素がどこにあった?
「あ、あの報酬は?」
「はああああ?出来てもいないのに報酬をねだるのか貴様は!!!」
は?いや冒険者なんだから報酬の確認くらいするに決まってンだろ。
「君らは冒険者の前にこの国に住む、ドミニオン共和国の国民だ。国家の崩壊の危機に金!金!金!意地汚いにもほどがあるわ!恥を知れ!」
ンンンン?え?ひょっとしてタダ働きですか?
「とにかく!この敵変異種の人狼はサーべラスとの戦いで傷を負い退却し、サーべラスの群れの人狼達が相討ちで敵人狼に大打撃を与えて我々に迎撃準備を整える時間を作ってくれたのだ!いいな!相討ちでもいい!敵人狼共を討ち取ってこい!」
・・・・おい、こいつ、はっきり言ったぞ!冒険者達に死んでこいっていったぞ!
「いいか!これ以上北上させることは許されない!我々で食い止めねばならない!」
「我々?ギルド長はどうするのですか?」
「私はギルド長なのだからギルドに居なくてはならない!君達の帰る場所は私が守ってやる!」
・・・もうこいつが何を言っているのか意味不明である。
「鬱陶しいなコイツ、おい、羅漢。ギルドの職員全員連れてこい」
「何を勝手に指示を出してる!おい!」
羅漢はすぐさま部屋を出て職員、受付を含め14人全員を連れて来た。
「お前等に質問なんだがこのギルドのトップはコイツ、で次に権限を持っているのはどいつだ?」
「えっと、副長のリンクスさんですけど。今は召集に応じてくれなかった冒険者達を説得して回っています」
「そうかなら連絡手段はなさそうだからギルドに二、三人残して残りがそのリンクスって奴を探してこい。どうせこんな事態だ、通常業務も止まってんだろ!さっさと行ってこいや!」
慌てて職員達が厚着して外へと走っていき20分ほど掛かり、副長のリンクスを連れて帰って来た。
「あの、私に何かご用件があると伺ったのですが?」
「アンタは何故冒険者達の説得に行ったんだ?」
「え?それは人狼が群れでくるからです。狼系のモンスターは複数で一人を襲います。どれだけ優れた技量を持っていたとしてもさすがに30人では厳しいです。ですから!」
「タダ働きじゃあ誰もやる気は出さんだろ?」
月島の問いにリンクスは首を傾げる。
「・・・タダ働き?何の事ですか?」
俺達の後ろでギルド長が騒ごうとしていたので秋月と釈迦峰が取り押さえた。
「今回の依頼人は前議長の『メザイア』様です!そして報酬に上限はありません!」
・・・は?上限?最低限じゃなくて?
「メザイア様の全財産を使ってでも足りなければ借金してもかまいませんと仰っており、討伐に掛かる全費用はメザイア様が持つそうです。武器や防具や道具の費用も全てです!」
ヒュ~!相当気前がいいな。
秋月と釈迦峰はもういいだろうとギルド長を押さえつけていた手を離す。
「メザイア様の依頼は『サーべラスの仇を討って欲しい』とのこと」
ドミニオン共和国前議長メザイアと三つ頭の人狼サーべラス、何かしらの繋がりがあるのだろうか?
「くそっ!言うことないだろうが!どうせコイツのほとんどが死ぬんだ!報酬の話はしなくてもよかっただろうが!」
「貴方は、まさか!命懸けになるかもしれない戦いに送り出さなければならないのに!せめて報酬は、」
「コイツ等はドミニオン共和国の国民だ!国家の危機なら命を賭けて戦う義務があるんだよ!」
「国民だから戦わなければならないならギルド長だって共和国の国民でしょ!貴方だって戦う義務がある!」
「黙れこのアマ!」
ギルド長が副長のリンクスの右足を蹴りを入れる。リンクスは痛みに耐えきれず倒れ込み右膝を手で押さえる。
「はははは!バカ女が!昔は上級冒険者だったが膝の怪我が原因で引退。冒険者時代の経験をかわれて副長になっただけの屑が誰に逆らってる!私はギルド長!なんだぞ!貴様等は黙って私の!命令を聞いていればいいんだ!」
「・・・リンクスとかいったな、お前の人柄はよくわかった」
月島がギルド長とリンクスの間に割って入る。そしてギルド長の額に押し付ける・・・拳銃の銃口を。
ズドン!
ギルドの一室が完全に静まりかえる。ドシャッ!というギルド長の体が床に倒れ込む音がやけに部屋に響いた。
「ギルド長は不幸な事故に遭い死んだ。副長リンクス、今日からお前がギルドの長だ。冒険者に指示を出せ!」
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