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Bルート銀月
第1話 バウリンガル公国の国境砦を制圧しちゃいました!
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ユステリカ王国の争乱から1週間、銀月一行は途中で買い付けた馬車での移動によりようやくバウリンガル公国の国境に辿り着いたが、まだバウリンガル公国に入国出来ずにいた。
「おいおい、問答無用で矢で射殺すとかあんまりだろ」
国境砦を見渡せる山から双眼鏡で観察していた銀月一行。ユステリカ王国側から来た人間を警告もなしに老若男女関係なしに殺していた。
「国境を越えようするだけで警告なしで殺すか普通?」
「んー、それもだけどなんかあの砦で騒がしくないかい?」
「どうする?中央突破する?また別の関所に行ってみる?」
「救出が目的だし、それに幽鬼の件もあるからあんまり目立つのは控えたほうがいいから中央突破はねえ?」
「・・・あの、銀月さん、砦の中央、あれって?」
銀月は砦の中央に視線を向ける。
「あれは・・・子供か?」
バウリンガル公国国境砦の中央広場、そこには10歳前後の褐色の肌をした女の子が断頭台に固定されており、バウリンガル公国側の砦の扉付近では戦闘が行われていた。
「・・・子供相手にちょっと厳し過ぎやしませんかねえ!!!」
「確かアニスちゃんも処刑される予定だったっていうしね。子供相手でも容赦なしだねこの世界」
「あの子は罪人なのか?」
「え?銀月君?え?まさか助けに行く気?目立つ行動は慎むんじゃなかったのかい?って行っちゃたか」
銀月は砦に向かって走り出した。
「銀月さん、僕も行きます!」
「天導君!君戦えないだろ!そういうのは力を使いこなしてからいいなさい!ああもう!フォルテとリオンは・・・あ?あれ?リオンは?」
「リオンさんならあそこに、」
アプリコットが指を指している方を見る。
「ウオオオ!ウオオオ!ウオオオオオオ!」
銀月の背中に飛び乗り共に突っ込んでいくリオンさん。
「銀月の後ろにくっついて行きました」
「彼女は私達の中で一番年長者じゃなかったかな?精神が体に引っ張られてない?子供ぽくなってない?」
「七瀬、私はお嬢についてる!アンタも援護、」
チュドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
国境砦から空にまで昇る火柱が発生。砦の至る所から爆音が鳴り響き、悲鳴や叫び声が聞こえてきだした。
・・・・・せめて静かに攻められないのかな君達!少しは自重しなさい!
「炎獣皇だ!炎獣皇がいるぞ!あの漆黒の獅子は間違いない!ぎゃあああああ!」
「ユステリカ王国が攻めて来たぞ!ぐあああああああ!」
「今すぐ報告しなければ!ぎゃあああああ!」
えらい有名人ですねリオンさん!子供の姿なら誤魔化せたかもしれないのに何故変身した!
「はあ~、仕方がない!なら私は本丸に連絡しようとする奴等を叩く!」
こうしてバウリンガル公国国境砦を制圧してしまいました。
断頭台に固定された褐色の肌の少女を解放した銀月は彼女に処刑されそうになった理由を聞いた。
少女の名前はノーレス。ノーレス=レオパルド。
バウリンガル公国の女王の弟の娘だという。
バウリンガル公国でラクシャータの父ゼニスドルの弟であるゼルコティーネを筆頭に謀反を起こした。
女王は暗殺され遺体をバラバラにされ首都に晒されているそうだ。
ノーレスの両親は娘を逃がすために盾となって死んだらしい。
そしてゼルコティーネが王となり、バウリンガル公国から『バウリンガル神光国』へと名を変えた。
すぐにゼルコティーネの行いが許せなかった各地の貴族達は私兵を率いてバウリンガル神光国の首都を攻めたが、貴族達の私兵と各地でかき集めた農民兵も含め、反乱軍の三万人の兵が10分すら持たず虐殺されたそうだ。
「はあ?三万人が・・・大爆発でも起きたのかい?」
「いえ、光の矢が降り注いだのです、まるで雨のように・・・分厚い鎧や盾を貫く光の矢。その光景は美しくも残虐でした。怨敵の顔すら拝めずに逃げるしか出来ませんでした」
そう語るのはバウリンガル神光国側からノーレスを助けようとして砦の扉前で戦っていた部隊を指揮していたゼリュウスという名の五十歳の元冒険者だった。
「光の矢・・・ッ!まさかその能力者は私達くらいの年齢の女の子じゃなかったかい?」
七瀬の言葉にゼリュウスは目を背けたがポツリポツリと話始めた。
「もう人ではありません」
「何?人ではない?まさか人外になっているのか?」
「いえ・・・部品です」
「・・・部品?」
「ゼルコティーネは能力者を『魔道具に組み込み消費する部品』として扱っているのです! もし貴方達が探しているのが『能力者』でバウリンガルにいるならその方は既に魔道具に組み込まれているでしょう。奴等は能力者を判別することができ、能力者狩りをかなり昔からやっていたようです」
「・・・・は?」
「私の孫も能力者狩りに遭い、孫を探して調べている内に連中の企みに気付いたのですが・・・既に手遅れでした。感情を取り払われ、飲み食いの必要のない体に改造されて、身体中に魔道具を埋め込まれて、能力を増幅させ強制的に能力を発動させる魔道具に組み込まれてしまっているでしょう」
「おいおい、問答無用で矢で射殺すとかあんまりだろ」
国境砦を見渡せる山から双眼鏡で観察していた銀月一行。ユステリカ王国側から来た人間を警告もなしに老若男女関係なしに殺していた。
「国境を越えようするだけで警告なしで殺すか普通?」
「んー、それもだけどなんかあの砦で騒がしくないかい?」
「どうする?中央突破する?また別の関所に行ってみる?」
「救出が目的だし、それに幽鬼の件もあるからあんまり目立つのは控えたほうがいいから中央突破はねえ?」
「・・・あの、銀月さん、砦の中央、あれって?」
銀月は砦の中央に視線を向ける。
「あれは・・・子供か?」
バウリンガル公国国境砦の中央広場、そこには10歳前後の褐色の肌をした女の子が断頭台に固定されており、バウリンガル公国側の砦の扉付近では戦闘が行われていた。
「・・・子供相手にちょっと厳し過ぎやしませんかねえ!!!」
「確かアニスちゃんも処刑される予定だったっていうしね。子供相手でも容赦なしだねこの世界」
「あの子は罪人なのか?」
「え?銀月君?え?まさか助けに行く気?目立つ行動は慎むんじゃなかったのかい?って行っちゃたか」
銀月は砦に向かって走り出した。
「銀月さん、僕も行きます!」
「天導君!君戦えないだろ!そういうのは力を使いこなしてからいいなさい!ああもう!フォルテとリオンは・・・あ?あれ?リオンは?」
「リオンさんならあそこに、」
アプリコットが指を指している方を見る。
「ウオオオ!ウオオオ!ウオオオオオオ!」
銀月の背中に飛び乗り共に突っ込んでいくリオンさん。
「銀月の後ろにくっついて行きました」
「彼女は私達の中で一番年長者じゃなかったかな?精神が体に引っ張られてない?子供ぽくなってない?」
「七瀬、私はお嬢についてる!アンタも援護、」
チュドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
国境砦から空にまで昇る火柱が発生。砦の至る所から爆音が鳴り響き、悲鳴や叫び声が聞こえてきだした。
・・・・・せめて静かに攻められないのかな君達!少しは自重しなさい!
「炎獣皇だ!炎獣皇がいるぞ!あの漆黒の獅子は間違いない!ぎゃあああああ!」
「ユステリカ王国が攻めて来たぞ!ぐあああああああ!」
「今すぐ報告しなければ!ぎゃあああああ!」
えらい有名人ですねリオンさん!子供の姿なら誤魔化せたかもしれないのに何故変身した!
「はあ~、仕方がない!なら私は本丸に連絡しようとする奴等を叩く!」
こうしてバウリンガル公国国境砦を制圧してしまいました。
断頭台に固定された褐色の肌の少女を解放した銀月は彼女に処刑されそうになった理由を聞いた。
少女の名前はノーレス。ノーレス=レオパルド。
バウリンガル公国の女王の弟の娘だという。
バウリンガル公国でラクシャータの父ゼニスドルの弟であるゼルコティーネを筆頭に謀反を起こした。
女王は暗殺され遺体をバラバラにされ首都に晒されているそうだ。
ノーレスの両親は娘を逃がすために盾となって死んだらしい。
そしてゼルコティーネが王となり、バウリンガル公国から『バウリンガル神光国』へと名を変えた。
すぐにゼルコティーネの行いが許せなかった各地の貴族達は私兵を率いてバウリンガル神光国の首都を攻めたが、貴族達の私兵と各地でかき集めた農民兵も含め、反乱軍の三万人の兵が10分すら持たず虐殺されたそうだ。
「はあ?三万人が・・・大爆発でも起きたのかい?」
「いえ、光の矢が降り注いだのです、まるで雨のように・・・分厚い鎧や盾を貫く光の矢。その光景は美しくも残虐でした。怨敵の顔すら拝めずに逃げるしか出来ませんでした」
そう語るのはバウリンガル神光国側からノーレスを助けようとして砦の扉前で戦っていた部隊を指揮していたゼリュウスという名の五十歳の元冒険者だった。
「光の矢・・・ッ!まさかその能力者は私達くらいの年齢の女の子じゃなかったかい?」
七瀬の言葉にゼリュウスは目を背けたがポツリポツリと話始めた。
「もう人ではありません」
「何?人ではない?まさか人外になっているのか?」
「いえ・・・部品です」
「・・・部品?」
「ゼルコティーネは能力者を『魔道具に組み込み消費する部品』として扱っているのです! もし貴方達が探しているのが『能力者』でバウリンガルにいるならその方は既に魔道具に組み込まれているでしょう。奴等は能力者を判別することができ、能力者狩りをかなり昔からやっていたようです」
「・・・・は?」
「私の孫も能力者狩りに遭い、孫を探して調べている内に連中の企みに気付いたのですが・・・既に手遅れでした。感情を取り払われ、飲み食いの必要のない体に改造されて、身体中に魔道具を埋め込まれて、能力を増幅させ強制的に能力を発動させる魔道具に組み込まれてしまっているでしょう」
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