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第37話 等価交換だ
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「ならアンタ達は何で旅をしているんだ?もし住む場所を探しているならウチの町に・・・・何で目をそらせるんだ?」
マラカスは何とか協力をしてもらえないか、焚き付ける方法を探ろうとするが目をそらされて黙ってしまった。
その時の七瀬の心中は。
『言える訳がない』
『横殴り』(冒険者の狩りの最中に横やりをいれ獲物をかっさらったり)、『ルート』(冒険者達のよく使う狩場にいる魔物を絶滅させ植物を乱獲したり、『PK』(冒険者を襲い、殺しはしないが所持品の全てを略奪して全裸にして放置)、『月島君のオシッコを彼の能力を使い、回復薬を造り出し高額で販売』(この世界には薬草などの回復アイテムはあるが即効性がない。月島の回復薬は即効性があり、たちまち傷が塞がり体力が回復する)、『飲み水がない町で碧海君の能力で水を出して高額で販売』。
もう一度言おう、言える訳がない!
「さて、私達はこれ以上君達に危害を加えるつもりはないよ。それにこの町には何となくで立ち寄っただけだからね」
「何となく?」
「そう月島君、あそこにいる人が『ヤバいな、何かこっちに面白い事が起こりそうな気がする』の一言で来ただけだからね」
「じゃあ、何の為に旅をしてるんだよ!完全に気分じゃねえか!アンタ等には目的がないのか!」
元の世界に帰る・・・・為ではないね。
皆は、いずれ帰れればいいかなあと思ってる程度だ。今すぐにでも帰りたいとは思っていないようだ。
あと月島君と会った日から鍛練(隠れてやってるようだが私には邪気を感じられるのでバレバレな)しているようだが、彼の父親が得意としていた『次元跳躍(ディメンション・ジャンプ)』を完全には習得するに至らなかった。
どうやら月島君は『移動系の能力』習得に必要な才能が『他の能力(邪気を用いた)』に比べていまいちだったようだ。
但し、世界を渡ることは出来ないが長距離を移動するくらいは出来るようだ。
はっきり言って皆は旅行気分で旅をしている。月島君に至ってはゲーム感覚だ。
『目的がない旅』
ただ私はそれでいいと思っている。
もし彼が明確な目的・目標を持った時、彼は『いかなる手段』を取ってでも達成しようとするだろう。『今のお遊び程度』では絶対に済まない。
穏便に済ませようとする気が全くないのだから。
もし、やられたら倍返しでは済まない、やられたらやった人の周りの人ごと殲滅してやろうかと考える悪魔的思考の持ち主だからね。
それに月島君は私が殺し、じゃなかった、戦いたいしね。
彼が『悪さをする度に戦闘能力が上がっている』気がするんだよ。だから今は人助けより彼の好きにさせた方がいい。
「じゃあ、私達はこれで失礼する、ん?」
七瀬はこちらに向かってくる集団を感知した。
月島もそれに気づいたようで、その集団がいる方角を見ていた。
この町が目的なら速度的に10~15分くらいでつくだろう。
「聖騎士だ。聖騎士の連中がまた来やがったんだ!クソっ!なあアンタ等頼む!助けてくれ!俺等が出来る事はなんでもするから」
「いいだろう」
「えっ、月島君!どうしたんだい?気分でも悪いのかい?熱は?吐き気は?横になった方がいいんじゃ?」
月島は七瀬を無視してマラカスに話かける。
「おいお前、今何でもすると言ったな?なら『生け贄』を差し出せ」
「は?生け贄?」
「敵の数、俺等が殺した数だけ、この町にいる人間からその数だけの『生け贄』を差し出せ。言っておくが奴隷に欲しい訳じゃない。殺すぞ。その生け贄は」
「はあああああ!何でだよ!何でそうなる!」
「当たり前だろ?お前等は今日初めて会った人間に人殺しを頼むんだ。相手が悪人だろうが善人だろうが人殺しは人殺し。これくらいの代償くらい支払うのはむしろ当然だろ?この町にくる途中で見てきたが田畑は焼かれてたし、他の町には井戸に毒を入れられてる所もあった。どうせ金品も巻き上げられてそうで報酬も期待できない。なら、てめえ等の払えるのはてめえ等の命だけだ。言っておくが俺はツケやら借金が嫌いでな。払わずに逃げた奴からお金を取り立てるバイトをやった事があってな。ソイツと同様で初めて会った貴様等に信用すら出来ないんだからな」
「そんな!そんなの無理に決まって、なら殺さなくていい!追い返せれば、」
「今、追い返しても今度は更に強い連中がくるぞ。どうするつもりだ?」
「っ!そ、それは・・・・」
「そのかわり生け贄になる奴はお前等に選ばせてやる」
マラカスは考える。
無理だろ!そんなの!最初から戦ってくれる気がないからこんな事を言うんだろ!汚ねえよ!いや待てよ・・・・もし、生け贄を差し出しても本当に殺す気があるのか?もしかしたら冗談、いや、それはない!コイツの目が本気で殺すと言っている!
「単純な話だろ?支払えるお金や差し出せる物もないんだ。なら命を差し出すしかない、敵の命と貴様等の命、いわゆる『等価交換』であり、俺に支払う報酬としてはむしろ善良価格だ。どうする?早く選ばないと奴等が来るぞ?」
マラカスは何とか協力をしてもらえないか、焚き付ける方法を探ろうとするが目をそらされて黙ってしまった。
その時の七瀬の心中は。
『言える訳がない』
『横殴り』(冒険者の狩りの最中に横やりをいれ獲物をかっさらったり)、『ルート』(冒険者達のよく使う狩場にいる魔物を絶滅させ植物を乱獲したり、『PK』(冒険者を襲い、殺しはしないが所持品の全てを略奪して全裸にして放置)、『月島君のオシッコを彼の能力を使い、回復薬を造り出し高額で販売』(この世界には薬草などの回復アイテムはあるが即効性がない。月島の回復薬は即効性があり、たちまち傷が塞がり体力が回復する)、『飲み水がない町で碧海君の能力で水を出して高額で販売』。
もう一度言おう、言える訳がない!
「さて、私達はこれ以上君達に危害を加えるつもりはないよ。それにこの町には何となくで立ち寄っただけだからね」
「何となく?」
「そう月島君、あそこにいる人が『ヤバいな、何かこっちに面白い事が起こりそうな気がする』の一言で来ただけだからね」
「じゃあ、何の為に旅をしてるんだよ!完全に気分じゃねえか!アンタ等には目的がないのか!」
元の世界に帰る・・・・為ではないね。
皆は、いずれ帰れればいいかなあと思ってる程度だ。今すぐにでも帰りたいとは思っていないようだ。
あと月島君と会った日から鍛練(隠れてやってるようだが私には邪気を感じられるのでバレバレな)しているようだが、彼の父親が得意としていた『次元跳躍(ディメンション・ジャンプ)』を完全には習得するに至らなかった。
どうやら月島君は『移動系の能力』習得に必要な才能が『他の能力(邪気を用いた)』に比べていまいちだったようだ。
但し、世界を渡ることは出来ないが長距離を移動するくらいは出来るようだ。
はっきり言って皆は旅行気分で旅をしている。月島君に至ってはゲーム感覚だ。
『目的がない旅』
ただ私はそれでいいと思っている。
もし彼が明確な目的・目標を持った時、彼は『いかなる手段』を取ってでも達成しようとするだろう。『今のお遊び程度』では絶対に済まない。
穏便に済ませようとする気が全くないのだから。
もし、やられたら倍返しでは済まない、やられたらやった人の周りの人ごと殲滅してやろうかと考える悪魔的思考の持ち主だからね。
それに月島君は私が殺し、じゃなかった、戦いたいしね。
彼が『悪さをする度に戦闘能力が上がっている』気がするんだよ。だから今は人助けより彼の好きにさせた方がいい。
「じゃあ、私達はこれで失礼する、ん?」
七瀬はこちらに向かってくる集団を感知した。
月島もそれに気づいたようで、その集団がいる方角を見ていた。
この町が目的なら速度的に10~15分くらいでつくだろう。
「聖騎士だ。聖騎士の連中がまた来やがったんだ!クソっ!なあアンタ等頼む!助けてくれ!俺等が出来る事はなんでもするから」
「いいだろう」
「えっ、月島君!どうしたんだい?気分でも悪いのかい?熱は?吐き気は?横になった方がいいんじゃ?」
月島は七瀬を無視してマラカスに話かける。
「おいお前、今何でもすると言ったな?なら『生け贄』を差し出せ」
「は?生け贄?」
「敵の数、俺等が殺した数だけ、この町にいる人間からその数だけの『生け贄』を差し出せ。言っておくが奴隷に欲しい訳じゃない。殺すぞ。その生け贄は」
「はあああああ!何でだよ!何でそうなる!」
「当たり前だろ?お前等は今日初めて会った人間に人殺しを頼むんだ。相手が悪人だろうが善人だろうが人殺しは人殺し。これくらいの代償くらい支払うのはむしろ当然だろ?この町にくる途中で見てきたが田畑は焼かれてたし、他の町には井戸に毒を入れられてる所もあった。どうせ金品も巻き上げられてそうで報酬も期待できない。なら、てめえ等の払えるのはてめえ等の命だけだ。言っておくが俺はツケやら借金が嫌いでな。払わずに逃げた奴からお金を取り立てるバイトをやった事があってな。ソイツと同様で初めて会った貴様等に信用すら出来ないんだからな」
「そんな!そんなの無理に決まって、なら殺さなくていい!追い返せれば、」
「今、追い返しても今度は更に強い連中がくるぞ。どうするつもりだ?」
「っ!そ、それは・・・・」
「そのかわり生け贄になる奴はお前等に選ばせてやる」
マラカスは考える。
無理だろ!そんなの!最初から戦ってくれる気がないからこんな事を言うんだろ!汚ねえよ!いや待てよ・・・・もし、生け贄を差し出しても本当に殺す気があるのか?もしかしたら冗談、いや、それはない!コイツの目が本気で殺すと言っている!
「単純な話だろ?支払えるお金や差し出せる物もないんだ。なら命を差し出すしかない、敵の命と貴様等の命、いわゆる『等価交換』であり、俺に支払う報酬としてはむしろ善良価格だ。どうする?早く選ばないと奴等が来るぞ?」
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