外道降臨~本物の自重無しを見せてやるぜ!悪人プレイで異世界を蹂躙する

アカヤシ

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第16話 おかしいだろ!!

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「で?なんだっけ?そうだ!火竜の様子を見に来たのか?」

「火竜は代々ドレイク公爵家に従えていた竜だぞ!ドレイク公爵の畏敬の念を感じ、いや、恐れをなしひれ伏し奴隷となった火竜だぞ!その竜が死んだのなら確認にくるに決まっているだろ!」


なんかイラッとしてくるな。


火竜はドレイク公爵家に恐れて従っていたのではなく『古代魔道具』の力で支配されていただけだ。



火竜を取り込んだ時に火竜の記憶が流れ込んできた。




かつて火竜は人間の・・・平民の少女と友達だった。

火竜はよく少女を背に乗せて大空を舞っていた。

少女は火竜によく遊んでくれとせがんできた。

火竜は貧しい生活を強いられている少女に自分の財宝をやろうとしたが少女はそれを拒否した。

友達は金銭で繋がる薄っぺらなものじゃないよ!もっと別の何かで繋がるんだよ!

そう言ってその日も背中に乗せてとせがまれた。

暫くして少女は来なくなった。

火竜は少女を待ち続けた。

そして少女はやって来た。

血塗れになり、片腕がない状態だった。

少女は火竜に『貴族』が君を狙っている!だから逃げてと!

少女はその言葉を残して死んでいった。

だが遅かった。

そいつらは怪我をしている少女の後をつけて火竜と少女の『秘密の場所』へと辿りついた。

目の前に現れた人間を殺そうとするが奴等が持っていた『魔道具』から『黒い鎖』が放たれ火竜の体に絡み付いていく。

火竜がこの魔道具は『人間が創ったのではない』と気付いた時には、既に精神を支配されつつあった。

抵抗も空しく火竜はその貴族の支配下へと下った。

そして月日は流れ、魂が解放される時が来た。



『感謝する』

「はあ?後ろから殺られて喰われてんのに感謝?竜は蜥蜴レベルの知能か?」

『ふんっ!まあいい、肉体はくれてやる。但し魂はやらぬ!』

「はあ?魂だけでどうするんだ?」

『『古代竜』は魂さえ残っていれば、何度でも『再誕』出来る!この『少女の魂』と共に!』

そして火竜と少女の魂は空へと消えていった。

『火竜の肉体のみ』を取り込んだ結果、俺の右腕のみ竜化した。

ラクシャータが問いかけてきた。

「あれで良いの?『ドラゴンソウル』は聖剣や魔剣の材料にされるほどの超希少素材よ?貴方の右腕はただ『竜の肉体』になっただけで竜の『真の力』は発揮出来ないわよ?』

「・・・・別に、まあ同じ『ロリコン』に免じてな。それに、よく言うだろ『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』となら竜の魂がないなら、別の物を込めればいいだけの話だ」

「いや、パンがどうのって聞いたことないけど?あと火竜もアンタと一緒にするな!って言いそうね」

「それに奴は自分の魂の代わりに置いていった物があるしな。ありがたく貰うぜ」



火竜は支配されていた『古代魔道具』とやらのせいだ。人間の力ではない。

それを勘違いしてドヤ顔している奴等がいると思うとなんか無性に腹が立ってきた。

「何故火竜が死んだと分かった?」

「竜と会話が出来る魔道具が粉々に壊れたからだ!公爵様はすぐ我々に確認に向かわせたのだ!」

「たかが竜と会話が出来る魔道具なんぞが壊れただけでそんなに慌てるもんかねえ?」

おそらくその魔道具が火竜を支配した古代魔道具だろうか?
一回だけしか使えないのか?
とりあえず公爵家の血筋うんぬんで火竜が従っているというのは嘘っぱちみたいだな。完全に。

「じゃあ、アニス=べリアルが脱走したと感知した訳じゃないんだな?」

これは確認だ。兵士のアニスを見た時の驚きようは半端じゃなかったからな。
火竜の確認が主でアニス=べリアルの確認は簡単に済ます気だったのだろう。

「そっちより火竜の生存が優先と言われた。魔道具が壊れてすぐに部隊を編成したがどうしても時間がかかる。近いとはいえ時間が掛かり過ぎているから、逃げ出したのなら留まってはいないだろうと簡単に確認して国に報告すればよいと指示された」

すんません!セックスして監獄に留まっていました!

「おい!それより俺を解放しろ!」

はあ?何言ってんだコイツ?まさか自分は助かるなんて思ってんのか?

「なんだよ!早く傷を治せよ!俺を誰だと思ってやがる!俺は子爵の息子だぞ!分かるだろ?貴様は平民、俺は貴族。平民の分際で貴族に手を出した罪は大きいぞ!死刑にしてやるから覚悟しろ!・・・・何してる?さっさと治療しろよ!」

コイツ馬鹿なのか?何コイツの態度?なんでこの状況で上から目線?普通は一縷の望みを賭けて命乞いする場面じゃね?なんでコイツはこんなに態度が大きいんだ?

「もういいや、用済みだから、死ねや」

俺は兵士の腕を掴み、上空へと投げ飛ばした。

「・・・・ふう、ようやく右腕が馴れてきたぜ」

ゼロの竜の右腕の火竜の赤い鱗が黒い鱗に変貌し、手の甲にあった青色の宝石が金色に染まっていく。

「どうしたのその腕!色が変わっていってるわよ!まさか拒否反応が出てるんじゃ!」

「ちげえよ、『竜の魂』がなければ『真の力』が使えない?なら『俺の魂』を割ってぶちこんでやりゃあ良いだけだ!俺の魂が!竜ごときに遅れをとる訳がねえええええ!生まれ変われ!俺の右腕!『イビルブリンガー(邪悪をふりまく者)』!!!」

・『イビルブリンガー』

『悪魔の魂』と『火竜の肉体』が合わさって出来た『義手』。
『焼き尽くす赤い炎』から『破壊し尽くす漆黒の炎』へと変化。
『闇属性』と『火属性』に耐性がついた。

この義手は『流動化出来ない』



・・・・ちょっと待て。



頭の中に俺の右腕の説明が聞こえたから言ったんだけど、自分で言っといてなんだがおかしいだろ!訂正しろや!

誰が『悪魔』だ!誰が!

俺の魂をぶっ込んだはずなのに、悪魔の魂と火竜の肉体が合わさった結果・・・・おかしいだろ!

「確かに竜の魂に匹敵するわね、悪魔の魂なら」

「魂の部分に疑問を持てよ!」

「貴方のこれまでの所業、納得だわ!人を人と思わない残虐無慈悲の思考・言動・行動!悪魔なら仕方無いわね!」

ラクシャータさんがなんか納得してる!!

「え?お兄ちゃん悪魔なの?」

違うからねアニスたん!

そんな期待に満ちた目で見ないで!

「ぎゃああああああああああああああ!!」

今度はなんだよ!

グチャ!

空から人が降ってきてそのまま地面に落下。

結構な高さから顔から落ちたので即死してる。

(゜ロ゜;!投げたの忘れてた。

新技で『汚ねえ花火だ』みたいに決めるはずが忘れてた。

「・・・・えっと、もう用が済んだし。とりあえず王都に向かうか?」
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