17 / 32
#16. 2つの演技
しおりを挟む
情緒不安定で錯乱状態になってしまった翌日、目を覚ますと智くんはすでに出勤してしまっていた。
ぐっすり眠ることができたおかげで、頭はスッキリしている。
気持ちも落ち着いていて冷静さを取り戻した私は、自分の部屋に戻って顔を洗うと、これからのことを考えた。
幸い今日はアルバイトが休みの日だ。
思考を整理する時間はゆっくりある。
私が一番怯えているのは、このままプラハに居られなくなってしまうのではないかということだ。
それを確かめるためには、まずあの2人組がツイートしていた投稿が拡散していないかどうかを確認する必要があるだろう。
あれが不発だったのなら、記者が追ってくることもない。
スキャンダル最中のSNSの記憶が頭をよぎり、また少し手が震える。
あんなふうに悪意にまみれた投稿がいっぱいあったらと思うと確認するのは怖かったが、私がやるしかないのだ。
ゴクリと唾を呑み込むと、恐る恐るSNSを開いてエゴサーチしてみた。
すぐにあの2人組だと思われる投稿を見つけたが、いいねはごく僅かしかなく、リツイートはされていない。
「良かった。拡散されてないみたい‥‥!」
私はホッと安堵の息を吐く。
この様子ならプラハに居られなくなるという心配はなさそうだ。
あとは観光シーズン中に日本から来た人にまたあのように気付かれないように注意しなければいけない。
(アルバイト中にマスクや帽子を被ることはできないから、眼鏡だけでも着用しよう。ちょうど日本で使っていた変装用グッズが手元にあるし!)
現状の把握と今後の対策立案が終わると、張り詰めていた気持ちがだんだんと緩んでいく。
それと同時に改めて昨夜の出来事が脳裏に思い浮かぶ。
今こうして私が落ち着いていられるのは、ひとえに智くんのおかげだ。
きっと気になってるだろうけど、何も聞かないでそばにいてくれたことには本当に感謝している。
今までの人生では、何か辛いことに直面しても1人で耐えて乗り越えてきた。
誰かに頼ったり、素直に甘えたのは初めてだった。
抱きしめられて、体温を感じて、そばにいてもらうとあんなに安心して心が安らぐなんて知らなかった。
でもそれは誰でもいいわけじゃない。
あれは相手が智くんだったからだ。
(惹かれているのは、きっと男性慣れしていない私がスキンシップに動揺してるだけって思ってたのに‥‥。もう誤魔化せないくらい私にとって智くんの存在が大きくなってる‥‥!)
もう認めなければいけない。
好意を持っちゃダメな相手なのに、私は智くんを男性として好きになってしまっている。
彼がこうしてそばにいて優しくしてくれるのは、私だからじゃなくて、あくまで私が婚約者役として必要だからだ。
自分のことに興味がなくて、好意を持たなくて、女避けになる相手として。
だから、いくら彼が優しかったり、恋人のようなスキンシップをしてきても勘違いしちゃいけないのだ。
そして彼のそばに居続けるためには、好意を見せずに、ただの婚約者役でいなければいけない。
(それでも智くんが好きだから少しでも長く一緒にいたい‥‥!だから、私は婚約者役に徹しないと!彼のことをなんとも思ってない演技をしないと!)
つまり、智くんを好きになってしまったことで、私は2つの演技をしなくてはならなくなった。
【昔馴染みで彼のことが大好きな婚約者役】と【婚約者役を頼まれた彼に興味のない秋月環菜役】の2つだ。
私は演技のプロである。
同時期に複数のドラマや映画に出演して、複数の役を演じることも少なくない。
彼と少しでも一緒にいたいという自分の想いのためにやり遂げてみせると心に誓ったーー。
夜になると、仕事を終えた智くんが帰ってきた。
今日の帰宅時間は早く、まだ19時くらいだ。
彼の帰宅は、【婚約者役を頼まれた彼に興味のない秋月環菜役】の舞台の幕開けの合図だ。
智くんは足早に玄関からリビングにやってきて、リビングで夕食を食べている私の姿を見つけると、ホッと安堵した表情になった。
「おかえり!」
「ただいま。良かった、いつも通りの環菜に戻ってる」
「昨日はごめんね!智くんにも迷惑かけちゃって反省してる!あ、夕食はもう食べた?ソーメンがあるけど食べる?」
私は何事もなかったかのようなカラッとした笑顔で、いつも通りに声をかけた。
いつも通りすぎて逆に怪しく感じたのか、智くんは探るような目を向けてきた。
「‥‥まだ食べてないから、ソーメンいただくよ。ありがとう。ところで、環菜‥‥」
「分かった!じゃあ準備してくるから、リビングでゆっくりしてて!」
智くんが何か言い出した言葉を遮り、私は立ち上がってキッチンへ向かう。
きっと彼が話そうとしているのは、昨日の私に何があったのかについてだろう。
どこまで誤魔化せるか分からないが、できるだけその話は避けたい。
キッチンから智くんの分のソーメンを持って戻ると、彼はネクタイを緩め、シャツの袖を捲り上げてオフモードになっていた。
こうして改めて智くんの姿を見ると、やっぱり容姿端麗な人だなと思う。
好きになってしまうと、さらに何倍にも増してカッコ良く見えてしまうから不思議なものだ。
今は【彼に興味のない私役】のはずなのに、ドキドキしてしまうのを止められない。
(演技って、鼓動の動きまでは操れないんだよね‥‥。今初めて、心臓まで演技力でなんとかできればって思っちゃったかも)
至って平然を装いながら、ソーメンを彼の前のテーブルに置き、私も腰かける。
「ありがとう。それで環菜、昨日は何があったか聞いていい?」
私が逃げる前に捕まえてしまおうと思ったのか、座るやいなや手首を掴まれ、問いかけられた。
突然の行動に驚くが、【彼に興味のない私役】の私は動じてはいけない。
平然とした態度を維持しつつ、明るい顔を彼に見せる。
「別に大した事じゃないよ。仕事終わりで疲れてたのに手を煩わせてごめんね!お恥ずかしい姿をお見せしちゃいました!できれば忘れて欲しいな」
ドジしちゃった、恥ずかしい!という自分の失敗談を語るテンションで話す。
「そういえば智くんの部屋に初めて入ったけど、本がいっぱいあるんだね」
智くんが何かを言う前にすかさず話題も変えた。
聞きたいことが聞き出せずに不満げな様子だったが、私が何も言うつもりがないことを察してくれたようで、智くんもそれ以上は質問を重ねなかった。
掴まれていた手首からも手が離れる。
「ヨーロッパ各国の歴史や文化、伝統に関する本ばかりだよ。こんな仕事してると頭に入れておかないといけないから」
「そうなんだ。日本語か英語で書かれたチェコに関するものもある?」
「英語だったらあったと思うよ」
「もしよかったら貸して欲しいな!私ももっとチェコについて知りたいから」
アルバイト先のカフェで同僚や常連さんと話す時に役立つだろうと思って聞いてみる。
それにプラハに住んでいる以上、住んでるその国のことを知ろうとするのは大切なことだと思うのだ。
「もちろんいいよ。あとで持っていく」
「ありがとう!」
私はちゃんと【彼に興味のない私役】を演じながらいつも通りに会話ができていることに内心ホッとして胸を撫で下ろした。
部屋でシャワーを浴び、そろそろベッドに行こうと寝る準備を始めた頃、コンコンと部屋のドアがノックされる音が聞こえた。
私はそちらの方へ向かい、ドアを開けると、智くんが片手に本を持って立っていた。
「これ、さっき言ってた本」
「明日でも良かったのに。わざわざありがとう」
智くんは律儀に約束を守って持ってきてくれたのだった。
Tシャツにスエット姿になっていて、智くんも寝る前のようだった。
受け取った本をパラパラとめくって見ていると、頭上から視線を感じ、顔を上げた。
智くんがじっと私を観察するように見ている。
「なに?どうかした?」
そう聞き返すと同時に、ふわりと抱きしめられる。
シャワーを浴びたばかりなのか、智くんからはシャンプーの香りがする。
「今日は一緒に寝なくていいの?」
「え?」
智くんのことが好きな私は内心大騒ぎなのだが、勘違いしてはいけないと強く理性が働き、【彼に興味のない私役】のスイッチが入った。
動揺することなく落ち着きながら、智くんの胸を両手で押して距離をとり、目を見てニコリと笑う。
「もちろん一緒になんて寝ないよ。だって私たちは婚約者役なだけでしょ?人がいないところでフリする必要ないじゃない。昨日はイレギュラーというか、本当に申し訳なかったと思ってる。あ、お詫びに婚約者役として何かやろうか?」
私はワザと「婚約者役」という言葉を多用して強調させて話した。
智くんは一瞬わずかに顔を歪めたように見えたが、すぐにいつもの微笑みを浮かべた。
「そうだね。うん、考えておくよ」
「何でも言ってね!婚約者役として完璧にやり遂げてみせるから。じゃあおやすみ」
「‥‥おやすみ」
私たちはニコリと笑い合い、ドアを閉めた。
ドアが閉まるのを確認すると、気が抜けたようにその場に私はしゃがみ込む。
(ちゃんとなんとも思っていないように見えたかな?好きだってバレてないよね‥‥?)
遅れてきたように今になって心臓がバクバクと大きく鳴り出す。
シャワー直後の智くんは破壊力があった。
昨日の私はあの状態の智くんに一晩しがみついていたのだ。
それを何とも思っていなかったあたり、よほど精神状態が異常だったことが分かる。
精神状態が正常で、なおかつ好きだと自覚した今、もともと海外育ちでスキンシップの多い智くんとの同居生活はなかなかの難易度だと気付き、頭を抱えずにはいられなかったーー。
ぐっすり眠ることができたおかげで、頭はスッキリしている。
気持ちも落ち着いていて冷静さを取り戻した私は、自分の部屋に戻って顔を洗うと、これからのことを考えた。
幸い今日はアルバイトが休みの日だ。
思考を整理する時間はゆっくりある。
私が一番怯えているのは、このままプラハに居られなくなってしまうのではないかということだ。
それを確かめるためには、まずあの2人組がツイートしていた投稿が拡散していないかどうかを確認する必要があるだろう。
あれが不発だったのなら、記者が追ってくることもない。
スキャンダル最中のSNSの記憶が頭をよぎり、また少し手が震える。
あんなふうに悪意にまみれた投稿がいっぱいあったらと思うと確認するのは怖かったが、私がやるしかないのだ。
ゴクリと唾を呑み込むと、恐る恐るSNSを開いてエゴサーチしてみた。
すぐにあの2人組だと思われる投稿を見つけたが、いいねはごく僅かしかなく、リツイートはされていない。
「良かった。拡散されてないみたい‥‥!」
私はホッと安堵の息を吐く。
この様子ならプラハに居られなくなるという心配はなさそうだ。
あとは観光シーズン中に日本から来た人にまたあのように気付かれないように注意しなければいけない。
(アルバイト中にマスクや帽子を被ることはできないから、眼鏡だけでも着用しよう。ちょうど日本で使っていた変装用グッズが手元にあるし!)
現状の把握と今後の対策立案が終わると、張り詰めていた気持ちがだんだんと緩んでいく。
それと同時に改めて昨夜の出来事が脳裏に思い浮かぶ。
今こうして私が落ち着いていられるのは、ひとえに智くんのおかげだ。
きっと気になってるだろうけど、何も聞かないでそばにいてくれたことには本当に感謝している。
今までの人生では、何か辛いことに直面しても1人で耐えて乗り越えてきた。
誰かに頼ったり、素直に甘えたのは初めてだった。
抱きしめられて、体温を感じて、そばにいてもらうとあんなに安心して心が安らぐなんて知らなかった。
でもそれは誰でもいいわけじゃない。
あれは相手が智くんだったからだ。
(惹かれているのは、きっと男性慣れしていない私がスキンシップに動揺してるだけって思ってたのに‥‥。もう誤魔化せないくらい私にとって智くんの存在が大きくなってる‥‥!)
もう認めなければいけない。
好意を持っちゃダメな相手なのに、私は智くんを男性として好きになってしまっている。
彼がこうしてそばにいて優しくしてくれるのは、私だからじゃなくて、あくまで私が婚約者役として必要だからだ。
自分のことに興味がなくて、好意を持たなくて、女避けになる相手として。
だから、いくら彼が優しかったり、恋人のようなスキンシップをしてきても勘違いしちゃいけないのだ。
そして彼のそばに居続けるためには、好意を見せずに、ただの婚約者役でいなければいけない。
(それでも智くんが好きだから少しでも長く一緒にいたい‥‥!だから、私は婚約者役に徹しないと!彼のことをなんとも思ってない演技をしないと!)
つまり、智くんを好きになってしまったことで、私は2つの演技をしなくてはならなくなった。
【昔馴染みで彼のことが大好きな婚約者役】と【婚約者役を頼まれた彼に興味のない秋月環菜役】の2つだ。
私は演技のプロである。
同時期に複数のドラマや映画に出演して、複数の役を演じることも少なくない。
彼と少しでも一緒にいたいという自分の想いのためにやり遂げてみせると心に誓ったーー。
夜になると、仕事を終えた智くんが帰ってきた。
今日の帰宅時間は早く、まだ19時くらいだ。
彼の帰宅は、【婚約者役を頼まれた彼に興味のない秋月環菜役】の舞台の幕開けの合図だ。
智くんは足早に玄関からリビングにやってきて、リビングで夕食を食べている私の姿を見つけると、ホッと安堵した表情になった。
「おかえり!」
「ただいま。良かった、いつも通りの環菜に戻ってる」
「昨日はごめんね!智くんにも迷惑かけちゃって反省してる!あ、夕食はもう食べた?ソーメンがあるけど食べる?」
私は何事もなかったかのようなカラッとした笑顔で、いつも通りに声をかけた。
いつも通りすぎて逆に怪しく感じたのか、智くんは探るような目を向けてきた。
「‥‥まだ食べてないから、ソーメンいただくよ。ありがとう。ところで、環菜‥‥」
「分かった!じゃあ準備してくるから、リビングでゆっくりしてて!」
智くんが何か言い出した言葉を遮り、私は立ち上がってキッチンへ向かう。
きっと彼が話そうとしているのは、昨日の私に何があったのかについてだろう。
どこまで誤魔化せるか分からないが、できるだけその話は避けたい。
キッチンから智くんの分のソーメンを持って戻ると、彼はネクタイを緩め、シャツの袖を捲り上げてオフモードになっていた。
こうして改めて智くんの姿を見ると、やっぱり容姿端麗な人だなと思う。
好きになってしまうと、さらに何倍にも増してカッコ良く見えてしまうから不思議なものだ。
今は【彼に興味のない私役】のはずなのに、ドキドキしてしまうのを止められない。
(演技って、鼓動の動きまでは操れないんだよね‥‥。今初めて、心臓まで演技力でなんとかできればって思っちゃったかも)
至って平然を装いながら、ソーメンを彼の前のテーブルに置き、私も腰かける。
「ありがとう。それで環菜、昨日は何があったか聞いていい?」
私が逃げる前に捕まえてしまおうと思ったのか、座るやいなや手首を掴まれ、問いかけられた。
突然の行動に驚くが、【彼に興味のない私役】の私は動じてはいけない。
平然とした態度を維持しつつ、明るい顔を彼に見せる。
「別に大した事じゃないよ。仕事終わりで疲れてたのに手を煩わせてごめんね!お恥ずかしい姿をお見せしちゃいました!できれば忘れて欲しいな」
ドジしちゃった、恥ずかしい!という自分の失敗談を語るテンションで話す。
「そういえば智くんの部屋に初めて入ったけど、本がいっぱいあるんだね」
智くんが何かを言う前にすかさず話題も変えた。
聞きたいことが聞き出せずに不満げな様子だったが、私が何も言うつもりがないことを察してくれたようで、智くんもそれ以上は質問を重ねなかった。
掴まれていた手首からも手が離れる。
「ヨーロッパ各国の歴史や文化、伝統に関する本ばかりだよ。こんな仕事してると頭に入れておかないといけないから」
「そうなんだ。日本語か英語で書かれたチェコに関するものもある?」
「英語だったらあったと思うよ」
「もしよかったら貸して欲しいな!私ももっとチェコについて知りたいから」
アルバイト先のカフェで同僚や常連さんと話す時に役立つだろうと思って聞いてみる。
それにプラハに住んでいる以上、住んでるその国のことを知ろうとするのは大切なことだと思うのだ。
「もちろんいいよ。あとで持っていく」
「ありがとう!」
私はちゃんと【彼に興味のない私役】を演じながらいつも通りに会話ができていることに内心ホッとして胸を撫で下ろした。
部屋でシャワーを浴び、そろそろベッドに行こうと寝る準備を始めた頃、コンコンと部屋のドアがノックされる音が聞こえた。
私はそちらの方へ向かい、ドアを開けると、智くんが片手に本を持って立っていた。
「これ、さっき言ってた本」
「明日でも良かったのに。わざわざありがとう」
智くんは律儀に約束を守って持ってきてくれたのだった。
Tシャツにスエット姿になっていて、智くんも寝る前のようだった。
受け取った本をパラパラとめくって見ていると、頭上から視線を感じ、顔を上げた。
智くんがじっと私を観察するように見ている。
「なに?どうかした?」
そう聞き返すと同時に、ふわりと抱きしめられる。
シャワーを浴びたばかりなのか、智くんからはシャンプーの香りがする。
「今日は一緒に寝なくていいの?」
「え?」
智くんのことが好きな私は内心大騒ぎなのだが、勘違いしてはいけないと強く理性が働き、【彼に興味のない私役】のスイッチが入った。
動揺することなく落ち着きながら、智くんの胸を両手で押して距離をとり、目を見てニコリと笑う。
「もちろん一緒になんて寝ないよ。だって私たちは婚約者役なだけでしょ?人がいないところでフリする必要ないじゃない。昨日はイレギュラーというか、本当に申し訳なかったと思ってる。あ、お詫びに婚約者役として何かやろうか?」
私はワザと「婚約者役」という言葉を多用して強調させて話した。
智くんは一瞬わずかに顔を歪めたように見えたが、すぐにいつもの微笑みを浮かべた。
「そうだね。うん、考えておくよ」
「何でも言ってね!婚約者役として完璧にやり遂げてみせるから。じゃあおやすみ」
「‥‥おやすみ」
私たちはニコリと笑い合い、ドアを閉めた。
ドアが閉まるのを確認すると、気が抜けたようにその場に私はしゃがみ込む。
(ちゃんとなんとも思っていないように見えたかな?好きだってバレてないよね‥‥?)
遅れてきたように今になって心臓がバクバクと大きく鳴り出す。
シャワー直後の智くんは破壊力があった。
昨日の私はあの状態の智くんに一晩しがみついていたのだ。
それを何とも思っていなかったあたり、よほど精神状態が異常だったことが分かる。
精神状態が正常で、なおかつ好きだと自覚した今、もともと海外育ちでスキンシップの多い智くんとの同居生活はなかなかの難易度だと気付き、頭を抱えずにはいられなかったーー。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~
神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。
一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!?
美味しいご飯と家族と仕事と夢。
能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。
※注意※ 2020年執筆作品
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
羽村美海
恋愛
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。
とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。
そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー
住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに触れ惹かれていく美桜の行き着く先は……?
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
✧天澤美桜•20歳✧
古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様
✧九條 尊•30歳✧
誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社会の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心会の若頭
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
*西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨
※TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。
※設定や登場する人物、団体、グループの名称等全てフィクションです。
※随時概要含め本文の改稿や修正等をしています。
✧
✧連載期間22.4.29〜22.7.7 ✧
✧22.3.14 エブリスタ様にて先行公開✧
【第15回らぶドロップス恋愛小説コンテスト一次選考通過作品です。コンテストの結果が出たので再公開しました。※エブリスタ様限定でヤス視点のSS公開中】
恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~
泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の
元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳
×
敏腕だけど冷徹と噂されている
俺様部長 木沢彰吾34歳
ある朝、花梨が出社すると
異動の辞令が張り出されていた。
異動先は木沢部長率いる
〝ブランディング戦略部〟
なんでこんな時期に……
あまりの〝異例〟の辞令に
戸惑いを隠せない花梨。
しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!
花梨の前途多難な日々が、今始まる……
***
元気いっぱい、はりきりガール花梨と
ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる