Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜

美並ナナ

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#8. 同居生活の始まり

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「では、今日からよろしくお願いします」

「こちらこそ」


4月半ばのある週末、私はカタリーナの家から桜庭さんの家へ引っ越してきた。

引っ越すといっても、大きめのスーツケースが1つだけという非常に身軽なものだ。

「荷物はそれだけ?」

「そうです。もともと身軽な状態だったので」

「そう。ところで敬語はなしね」

「あ、そうでした」

役に入り込まないとなかなかスイッチが切り替わらなくて慣れない。

でもこれまで演じてきたドラマや映画とは違って、カメラが回ってる時だけでなく、いつ演技が必要になるか分からないのだ。

小さな綻びから嘘がバレてしまわないように自然な演技ができるようにならなければいけない。


あの桜を楽しむ会が終わったあと、私はカタリーナとアンドレイに桜庭さんのことを話した。

シナリオ通りに、実はもともと子供の頃から憧れていた人で好きだったから、プラハに追いかけてきて、その想いが成就して婚約者になったと話して聞かせたのだ。

アンドレイはともかく、カタリーナはその作り話を完全に疑っていて訝しげだったけど、私に何かしら考えがあると思ったのか何も言わないでいてくれた。

今度紹介してねとだけ最後に言うと、私を送り出してくれたのだった。



桜庭さんは緊急時を除くと基本的にカレンダー通りの勤務のようで、今日は休日とのことだ。

なので私の引っ越しに付き合ってくれていて、部屋の中や家の近所を案内してくれた。

私がお借りする部屋はゲストルームで、カタリーナの家と同じく、トイレやバスルームが併設されている。

リビングとキッチンは桜庭さんと共同で使うことになるようだ。

「基本的に僕は外食が多いから、キッチンも好きに使ってくれていいよ。環菜は料理するの?」

「するよ。だからお言葉に甘えて好きに使わせてもらうね」

「じゃあ、ひと通り案内したからちょっと休憩しようか。何か飲む?コーヒーか紅茶かどっちがいい?」

「あ、それなら私が淹れるよ。備品の場所を教えてもらってもいい?」

「それくらい僕がやるのに。でもまぁついでだから説明しとこうか」

桜庭さんに続いてキッチンに行き、キッチンの使い方や備品の場所などを教えてもらう。

説明されながらコーヒーを淹れた。

本音を言えば、私が淹れると言い出したのは、人に飲み物を提供してもらうのが怖いからだった。

あのスキャンダルの原因が、飲み物に睡眠薬を盛られたことから始まっていたため、その教訓として信頼できない人から飲み物を受け取ることを避けるようにしていた。

私たちはコーヒーを淹れ終わるとマグカップを持ってリビングに戻り、ソファーに腰を下ろし休憩する。

桜庭さんはブラックで飲むようだ。

私は砂糖とミルクを入れて、マイルドに味を調整しながら口をつけた。

「ところで、環菜はいつプラハに来たの?」

「今年の3月下旬かな。まだ1ヶ月も経ってないの」

「最近なんだね。なんでプラハに来ることになったの?」

「えっと、それは‥‥。まぁ色々あって!」

あまり聞かれたくない質問に言葉が詰まったが、誤魔化すように明るく笑った。

何かしら察するものがあったのか、桜庭さんはそれ以上理由については触れず、別の質問に変えた。

「日本では何の仕事してたの?」

だが、その質問もまたしても答えに困るものだった。

アンドレイに同じことを聞かれた時の答えを踏襲して、曖昧な答えをしつつ、私は逆に質問をすることで話を逸らした。

「色々だけど、お芝居を少しかじったりしてたかなぁ。桜庭さんはプラハに赴任する前はどこにいたの?」

「外務省に入省したあとは、しばらく日本で研修があって、そのあとはロンドンに赴任してたよ。ロンドンは2年だったかな」

「ロンドンもいいね!ミュージカルも盛んだし見所が多そう!」

「今度ロンドンに連れて行ってあげようか?プラハからそんなに遠くないし」

そんな素敵な提案にすぐに飛びついてしまいたかったが、よく考えるとロンドンは日本人が多くて危険だ。

あまり人目につきたくないから避けたい場所だった。

「嬉しい提案だけど、もっと日本人が少ない穴場みたいなところにせっかくだから行きたくって!智くん、どこかオススメある?」

「‥‥そうだな、チェコ国内だと、温泉保養地として有名なカルロヴィバリとか、ピルスナービールの発祥地のピルゼンとかかな。あと国境を越えるけど近場だと、クリスマスマーケットが有名なドイツのドレスデンもいいかもね」

桜庭さんの口から出てくる都市の名前は、すべて私にとっては聞いたことがないところだった。

つまり日本人に馴染みのない場所なのだろう。

それなら人目に神経を尖らせずに気兼ねなく楽しめそうだ。

「全部聞いたことない都市だけど、だからこそ興味あるかも!ヨーロッパは隣接してるから、せっかくだし色々行ってみたいな」

私は目を輝かせて、ヨーロッパの国々に思いを馳せた。

「ちなみにプラハはもう色々見て回った?」

「実は全然まだなんだよね。前に住んでた家の近くを散策したくらいで」

「それなら午後はせっかくだしプラハ城とか、カレル橋とか、いわゆる観光名所を案内するよ」

「忙しいのにいいの?」

「もちろん」

ニコニコとした王子様スマイルを向けられて、もちろん善意で言ってくれているのは分かるが何か裏を感じてしまう。

私はこの際だからズバリ聞いてみる。

「あの、何か企んでる?他にも意図があったりする?」

私の質問は的を得ていたようで、桜庭さんは少し驚いた顔をすると、今度はニヤリと口角を上げた。

それは王子様スマイルなんかじゃなくて、どこか黒いものが見え隠れしている。

「すごいね、環菜は。まさか見抜かれるとは」

「だってそういう顔してたよ。やっぱり何か他に目的があるの?」

「そのとおり。散策しながら、婚約者の練習をしよう。外でそれらしく振る舞えるかの予行練習ね」

「‥‥本当にそれだけ?」

「それだけだよ」

なんとなく言葉に含みを感じたが、それ以上話すつもりはないらしい。

彼は口を閉ざしてニコニコと笑うだけだった。



コーヒーを飲み終わると、私たちは出掛ける準備をして外に出る。

まず最初に向かうのはカレル橋だ。

石畳みの道を歩き出すと、桜庭さんが私に手を差し出してきた。

エスコートかなと思って、軽く手を重ねると、そのまま指を絡めてギュッと握られ驚く。

これは完全にエスコートではなく、普通に手を繋いでいる状態だ。

しかも密着度の高い恋人繋ぎだ。

思わず勢いよく私より背の高い彼を見上げたが、彼はさも当然のように首を傾げて私を見下ろす。

「なに?」

「なにって、これ何ですか?エスコートかと思ったのに」

「婚約者なんだから手を繋ぐくらい当たり前なんじゃないかと思って。これも演技の一貫だよ」

「うっ‥‥」

そう言われてしまうと何も言えない。

仕事の時以外でこんなふうに男性と手を繋ぐのは久しぶりで妙にドキドキしてしまう。

(いやいや、これも仕事みたいなものだよ!これは演技!婚約者役を遂行しなきゃ!)

いつものように軽く目を瞑って役に集中する。

この役の子なら、ずっと憧れてた人と婚約者になってすごく嬉しくてもっとくっつきたいって思うはずだと思った私は、繋いだ手と反対側の手で彼の腕を引き寄せて、密着させるように身体を彼の方へ寄せた。

彼の身体にぴったりと密着し、温かな体温を服越しに感じる。

「‥‥徹底した演技だね」

「こっちの方がもっと婚約者っぽいでしょ?長年憧れてた人と結ばれたんだから嬉しいし」

桜庭さんは少し驚いたようだが、納得したのか、私たちはそのままくっつきながら街を歩いた。

カレル橋に向かって川沿いを歩くと、川向かいにプラハ城が見え、圧巻の景色だった。

赤い屋根の建物が並ぶ街並みも可愛くて、まさにおとぎの国だ。

「あれがカレル橋だよ」

桜庭さんが指差す方を見ると、立派な橋がプラハ城がある対岸に向かってかかっている。

「カレル橋はプラハ最古の橋で、ゴシック様式で造られた美しい橋だよ。ちなみにこの川はなんていうか知ってる?」

「川の名前は意識したことなかったかも」

「これはモルダウ川っていう川で、チェコではヴルタヴァ川っていうけどね。ほら、モルダウ川っていえば日本でも歌で有名でしょ。我が祖国っていう楽曲聞いたことない?」

そう言われて記憶を遡ると、小学生の時に合唱したような気がした。

「聞いたことあるかも!へぇ、あのモルダウ川なんだぁ。なんか感慨深い!」

「ここ、夜もきれいだよ。オレンジの光が点々と灯るから幻想的だし」

「素敵だね!」

現地在住の外交官らしく、桜庭さんはまるでガイドさんのように解説しながら案内してくれる。

ちょっとお得な気分だった。

カレル橋に着くと、やはり観光名所とあって人がすごく多い。

みんな思い思いにその美しさをカメラに収めようと写真撮影をしている。

桜庭さんに手を引かれ、私はカメラを避けるようにしながら歩いた。

橋の上も美しく、欄干らんかんには聖人の像が数多く設置されていた。

そのどれもが精巧な造りで思わず見入ってしまう。

その時、風がピューっと吹き抜け、髪がふわりと舞い上がった。

橋の上は風通しがよくて、まだ肌寒いこの季節、風が冷たく感じた。

「寒い?」

「うん、でも大丈夫。橋の上は風通しがいいから、しょうがないね」

桜庭さんに問われ、心配させないように微笑むと、彼は私の顔を覗き込む。

そして握った手と反対側の手をおもむろに持ち上げると、そっとそのまま私の頬に触れた。

いきなりのことで一瞬ビクッと身がすくむ。

「頬っぺたが赤いね。触っても冷たいし」

「ま、まぁそうだろうね。でも大丈夫だよ?」

ちょっと動揺しながらも、「私は婚約者」と心の中で唱えて平然を装う。

(なんていうか、桜庭さんは仕草と行動がいちいち唐突!それに女性慣れしたスマートさで来られるから、プライベートでこういうこと長らくなかった私の心臓に悪いんだけど‥‥!)

桜庭さんはニコッと笑うと、今度は繋いでいた手を自分のコートのポケットに入れ込んだ。

「手ぐらいしか温めてあげられないけど。どう?さっきよりマシ?」

「えっ、あ、うん!」

「そう、それなら良かった。橋の上は寒いし、早めに通り抜けてプラハ城に向かおうか」

「そ、そうだね!」

ポケットに入れられた手はじんわりと温かい。

さらにポケットの中でギュッと手を強く握られてドキッとしてしまう。

(もう、本当に心臓に悪いよ‥‥!)

私はこの数時間で今回の婚約者役を演じる難しさを痛感し始めていた。

シーンごとに瞬間的に演じるドラマや映画の撮影と、ずっと演じ続けなければいけない今回の役は全く違う。

プライベートの延長のようで、どうしても素に戻ってしまいがちだ。

(それにしても、逆に桜庭さんは婚約者のふりが上手すぎる!当たり前のように恋人がすることをしてくるし、全然動揺もないし)

なんだか演技で負けている気がして悔しくなった。


橋を渡り終えて、そのままプラハ城の方へ向かって歩いている途中、桜庭さんが顔を覗き込むように私を見てきた。

「どうかした?」

「別に」

「なんか言いたそうな顔してるけど」

「じゃあ言うけど、なんで桜庭さんはそんなに普通なの?なんでそんなに演技上手いの?」

悔しさから私はちょっと不貞腐れるように言い募る。

そんな私の態度を意外なものを見る眼差しで見たあと、彼はニコニコと笑う。

その瞳には愉快そうな色が浮かんでいた。

「本番に向けた予行練習なんだから慣れといた方がいいでしょ。婚約者ならこんな感じかなって思うことを実践してるだけだよ」

「手慣れてるし、私より演技が自然で上手いからなんか悔しい」

そうボヤくと、彼はクスクスと笑い出した。

常日頃の王子様スマイルとは違って、こんなふうに笑う姿は初めて見るので、珍しくて思わず凝視してしまう。

そんな私の視線に気づいたのか、彼は笑いながら口を開く。

「笑ってごめんね。別に環菜をバカにしてるわけじゃないよ。ただ、環菜って意外と負けず嫌いなんだね」

「負けず嫌いっていうか、今はただ悔しいだけ。私まだ上手く婚約者のふりできてないから。もっと上手くできるはずなのに、まだ納得いってないの!」

「それを負けず嫌いって言うんだと思うけど。まぁ今日は初日だし、あくまで練習だから。パーティーの時に上手くやってくれればいいよ」

慰めるように言われて、それもなんだか悔しかった。

(絶対本番では完璧に演じてやるんだから!期待以上のできだったって言わせてやりたい!)

女優魂をくすぐられて、私はますますこの難役への熱意を燃やした。

そうこうしているうちに、丘の上に建つプラハ城に到着した。

プラハ城は世界遺産にも登録されているチェコを代表する観光名所だ。

一つの町のようになっていて様々な建物や広場があり、教会、美術館などが敷地内に建てられているそうだ。

また今度ゆっくり来ればいいやと思い、今日は散策しながら景色を楽しむことにした。

丘の上に建っているので、プラハの町が一望できるのだ。

「うわ~!すごい絶景!」

眼下に広がる景色に息を呑む。

そんな素晴らしい景色を前に、カレル橋の時と同様、多くの観光客が写真撮影を楽しんでいた。

「環菜は写真を撮ったりはしないんだね」

「うん、私はいいかな。そのぶん目に焼き付けたいの」

言葉通りこの情景を記憶に残そうと、私はじーっとひたすら景色を見つめていた。

真横で同じように景色を見ていた桜庭さんは、ふと思い出したようにつぶやく。

「そういえば、さっき僕のことを桜庭さんって言ってたね」

「そうだっけ?」

「まだ慣れなさそうだね。もっと上手く婚約者のふりができるようになりたいとも言ってたし、向上心のある環菜のために、協力してあげるよ」

「協力って‥‥」

協力ってなに?と言いかけたところで、それ以上言葉を続けることができなくなった。

なぜなら、桜庭さんに指で顎をクイっと持ち上げられて、そのまま唇にキスを落とされたからだ。

「‥‥!!!」

突然のことに茫然自失状態になる。

唇が離れると、驚きで目を見開く私と彼の目が合った。

「あれ?目瞑ってなかったの?」

「‥‥」

「もう一回する?」

「‥‥しない。というか、これは何!?」

「キスだけど」

「それは分かってる!そうじゃなくて、いきなり突然なに!?」

混乱する私を尻目に、彼は平然としてしれっと答える。

「婚約者ならこんな絶景を一緒に見ていたらするかなと思って。それにもっと上手く演じられるようになるための荒治療だよ。僕は環菜に協力したつもりだけど、ならなかった?」

「その気持ちはありがたいけど、でもキスって‥‥!」

「別に舌を入れたわけでもないし、軽いフレンチキスじゃない。海外だと普通だよ」

普通‥‥本当にそうなんだろうか。

頬っぺたにキスは挨拶として海外では普通だとしても、唇へのキスは違うと思うが、確固たる根拠もないから外交官相手に言い返せなかった。

「これからも呼び間違えたり、婚約者のふりの綻びが見えたら荒治療するからそのつもりで頑張ってね」

「‥‥!」

桜庭さんはニッコリとした笑顔を浮かべて、私を諭すように言い含めた。

私はますますこの難役の先行きに不安を感じるのであったーー。
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