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あ~何か頭がガンガンする。
そう思いながら目を覚ますと、見知らぬ光景が目に飛び込んできた。
(なに、この派手な部屋は!?)
ベッドに寝転んだまま、周囲を見渡すと一面ピンク色の壁紙の部屋だったのだ。
完全に私の部屋ではない。
そのまま視線を横に動かして、ギクッと身体の動きが一瞬にして固まった。
なぜなら、隣に男性が寝ていたから。
(え?え?えーっ!?なんでベッドに男性が一緒に寝てるの!?)
もう頭の中はパニックだ。
昨日の夜のことを必死に思い出す。
(そうだ、この人は昨夜お店で一緒に飲んだイケメンの蒼太くんだ!)
調子に乗ってお酒を飲みまくった私は酔っ払って、蒼太くんに介抱してもらったのだ。
だんだんと記憶が蘇ってくる。
で、ここは‥‥きっとラブホテルだ。
私の住所が分からず、蒼太くんは「適当なところで一晩過ごす」と意識が朦朧としている私に話しかけていた記憶がうっすらある。
蒼太くんは白いバスローブを着て、すやすやと眠っていた。
私は昨日の服を着たままだし、身体にはなんの違和感もないから、いわゆるラブホテルでの男女の営みはなかったのだろう。
というか、私は処女だから、初めてはめっちゃ痛いっていうし、もししていたらこんなに今普通でいられる気がしない。
ふぅと息を大きくゆっくり吐き出すと、今度はもう一度まじまじと周囲を見回す。
(ラブホテルも初めて来たから興味深いな~。へぇ~こんなところなんだ!ベッドがでっかい。あ、お風呂場スケスケじゃない!?なにこれ、面白い!)
パニックが落ち着くと、今度は好奇心が湧いてきて思わず色々と周囲を観察してしまった。
ひと通り観察し終えると、さてこの後どうするかと考える。
初対面だった相手に介抱されておいて、ラブホテルで朝顔を合わせるのはなんとなく気まずい。
なんせ名前しか知らない相手だ。
昨日は偶然お店で居合わせて色々話したけど、たぶんもう会うこともないだろう。
お互い恋愛とかそういう感じじゃなかったし、昨日はそれぞれ何かモヤモヤしたものを吐き出したい気分で、知らない相手だから気兼ねなく吐き出しやすい雰囲気だったのだ。
だからあの場限りで色々吐き出したのに、朝こんなところで顔を合わすと蒼太くんも気まずいに違いない。
そう思った私は、蒼太くんが全く起きる素振りなく熟睡してるのをいいことに、お金だけをテーブルに置いてその場を去った。
ラブホテルのお値段がどれくらいか知識がなくて分からなかったから、とりあえず1万円置いてきたけど、それで足りるだろうかというのだけが気掛かりだった。
家に帰ると、まずは速攻でシャワーを浴びる。
シャワーのお湯に打たれながら、「あぁもう何やってんだか私」と項垂れた。
いい歳して飲みつぶれてしまうとは大失態だ。
しかも初対面の相手に介抱させてしまって本当に申し訳なかったなぁと反省する。
(でも思う存分に推しのことを語っても全然引かずに笑って聞いてくれていたから、つい気持ちよくなって飲み過ぎちゃったんだよねぇ)
蒼太くんは、人に気持ちよく話させる天才かもしれない。
そんな稀有な人に申し訳ないことしちゃったなぁと思った。
シャワーから出ると、私はスマホをおもむろに手に取り、あることを検索する。
検索エンジンには「ラブホ 値段 相場」と打ち込む。
1万円を置いてきたけど、一体相場はいくらだったのか気になっていて確かめておこうと思ったのだ。
調べたところによると、5千円前後の安いところから2万円くらいの高いところまで色々だそうだ。
私が見つけたサイトでは、少なくとも1万円は用意しておこうと推奨していた。
(ということは、そんな高そうなところでもなかったし、1万円置いてきたからそれで充分足りそうかな!良かった~!)
これで一安心だ。
少なくともお金でさらなる迷惑をかけていることはなさそうだ。
スマホをよく見ると、LINEに未読のメッセージがいくつか溜まっている。
メッセージを確認すると、利々香と千賀子のグループLINEだった。
「昨日に懲りずにまた合コンしようね!」と利々香、「推しのコンサートと被らなかったらね」と千賀子。
そのメッセージを見て、すっかり忘れていた昨日の合コンを思い出す。
(そうだ、高橋さんに推しを語って引かれたんだった。なんかだいぶ前のことのように感じるな~)
蒼太くんに気持ちを吐き出して、思う存分語ったせいか、思いの外スッキリしていたのだ。
私はなんとなくしばらくはもう合コンはいっかな~と思い、「しばらくはやめとくかも」と返しておいた。
この土日は特に人と会う予定は入っていなかった。
アイドルや俳優などを推しにしている人なら、こういう時にコンサートに行ったり、出演してるドラマや映画を観たりなど、色々楽しめることがある。
推しが会社の先輩である私は、こういう時に楽しめることがないのが残念なところだ。
私の主戦場は平日の会社なのだ。
じゃあ土日に何もすることがないかと言えば、答えはNO。
たとえ会社の先輩が推しであろうとも、土日に推し活として楽しめることはあるのだ。
それが何かというと、推しが勧めてくれたものや場所を自分も体験すること。
百合さんのおすすめを体験すれば、私もその楽しさを理解できるし、共感できるし、そして崇めている百合さんを理解することに繋がるのだ。
昨日、百合さんが話していたダイニングバーに行ったのも推し活の一つだったりする。
この休日に私がするのは、ずばりスマホゲームのモンエクをプレイすることだ。
モンエクはこの前百合さんがハマったって言ってたし、あと仕事でも今後関わるから知っておきたいところでもあるのだ。
推し活しながら、仕事の勉強にもなるなんて一石二鳥だった。
さっそくスマホでモンエクのアプリをダウンロードし、ゲームをプレイし出すと、私は次第にどんどんと夢中になっていく。
(へぇ、確かにこれ面白い!普段ゲームはあんまりやらないって言ってた百合さんが面白いって言うだけのことはある!ストーリー性が高くて引き込まれる!)
RPGゲームなので、主人公が冒険をしていくのだが、その冒険に思わず感情移入してしまうのだ。
響子さんもハマってるって言ってたけど、女性がハマるのが分かる面白さだった。
このゲームにうちの会社の商品が登場するのは確かに嬉しいかもしれない。
(来週の打合せが楽しみ!あ、それに楽しみと言えば、その打合せに百合さんの弟もいるっていうし、より楽しみだーーー!)
来週の予定にワクワクして、私のテンションはうなぎのぼりだ。
そうして、ソファーにゴロゴロ転がりながら、スマホ片手にゲームを楽しむ至福の休日を過ごしたのだった。
そう思いながら目を覚ますと、見知らぬ光景が目に飛び込んできた。
(なに、この派手な部屋は!?)
ベッドに寝転んだまま、周囲を見渡すと一面ピンク色の壁紙の部屋だったのだ。
完全に私の部屋ではない。
そのまま視線を横に動かして、ギクッと身体の動きが一瞬にして固まった。
なぜなら、隣に男性が寝ていたから。
(え?え?えーっ!?なんでベッドに男性が一緒に寝てるの!?)
もう頭の中はパニックだ。
昨日の夜のことを必死に思い出す。
(そうだ、この人は昨夜お店で一緒に飲んだイケメンの蒼太くんだ!)
調子に乗ってお酒を飲みまくった私は酔っ払って、蒼太くんに介抱してもらったのだ。
だんだんと記憶が蘇ってくる。
で、ここは‥‥きっとラブホテルだ。
私の住所が分からず、蒼太くんは「適当なところで一晩過ごす」と意識が朦朧としている私に話しかけていた記憶がうっすらある。
蒼太くんは白いバスローブを着て、すやすやと眠っていた。
私は昨日の服を着たままだし、身体にはなんの違和感もないから、いわゆるラブホテルでの男女の営みはなかったのだろう。
というか、私は処女だから、初めてはめっちゃ痛いっていうし、もししていたらこんなに今普通でいられる気がしない。
ふぅと息を大きくゆっくり吐き出すと、今度はもう一度まじまじと周囲を見回す。
(ラブホテルも初めて来たから興味深いな~。へぇ~こんなところなんだ!ベッドがでっかい。あ、お風呂場スケスケじゃない!?なにこれ、面白い!)
パニックが落ち着くと、今度は好奇心が湧いてきて思わず色々と周囲を観察してしまった。
ひと通り観察し終えると、さてこの後どうするかと考える。
初対面だった相手に介抱されておいて、ラブホテルで朝顔を合わせるのはなんとなく気まずい。
なんせ名前しか知らない相手だ。
昨日は偶然お店で居合わせて色々話したけど、たぶんもう会うこともないだろう。
お互い恋愛とかそういう感じじゃなかったし、昨日はそれぞれ何かモヤモヤしたものを吐き出したい気分で、知らない相手だから気兼ねなく吐き出しやすい雰囲気だったのだ。
だからあの場限りで色々吐き出したのに、朝こんなところで顔を合わすと蒼太くんも気まずいに違いない。
そう思った私は、蒼太くんが全く起きる素振りなく熟睡してるのをいいことに、お金だけをテーブルに置いてその場を去った。
ラブホテルのお値段がどれくらいか知識がなくて分からなかったから、とりあえず1万円置いてきたけど、それで足りるだろうかというのだけが気掛かりだった。
家に帰ると、まずは速攻でシャワーを浴びる。
シャワーのお湯に打たれながら、「あぁもう何やってんだか私」と項垂れた。
いい歳して飲みつぶれてしまうとは大失態だ。
しかも初対面の相手に介抱させてしまって本当に申し訳なかったなぁと反省する。
(でも思う存分に推しのことを語っても全然引かずに笑って聞いてくれていたから、つい気持ちよくなって飲み過ぎちゃったんだよねぇ)
蒼太くんは、人に気持ちよく話させる天才かもしれない。
そんな稀有な人に申し訳ないことしちゃったなぁと思った。
シャワーから出ると、私はスマホをおもむろに手に取り、あることを検索する。
検索エンジンには「ラブホ 値段 相場」と打ち込む。
1万円を置いてきたけど、一体相場はいくらだったのか気になっていて確かめておこうと思ったのだ。
調べたところによると、5千円前後の安いところから2万円くらいの高いところまで色々だそうだ。
私が見つけたサイトでは、少なくとも1万円は用意しておこうと推奨していた。
(ということは、そんな高そうなところでもなかったし、1万円置いてきたからそれで充分足りそうかな!良かった~!)
これで一安心だ。
少なくともお金でさらなる迷惑をかけていることはなさそうだ。
スマホをよく見ると、LINEに未読のメッセージがいくつか溜まっている。
メッセージを確認すると、利々香と千賀子のグループLINEだった。
「昨日に懲りずにまた合コンしようね!」と利々香、「推しのコンサートと被らなかったらね」と千賀子。
そのメッセージを見て、すっかり忘れていた昨日の合コンを思い出す。
(そうだ、高橋さんに推しを語って引かれたんだった。なんかだいぶ前のことのように感じるな~)
蒼太くんに気持ちを吐き出して、思う存分語ったせいか、思いの外スッキリしていたのだ。
私はなんとなくしばらくはもう合コンはいっかな~と思い、「しばらくはやめとくかも」と返しておいた。
この土日は特に人と会う予定は入っていなかった。
アイドルや俳優などを推しにしている人なら、こういう時にコンサートに行ったり、出演してるドラマや映画を観たりなど、色々楽しめることがある。
推しが会社の先輩である私は、こういう時に楽しめることがないのが残念なところだ。
私の主戦場は平日の会社なのだ。
じゃあ土日に何もすることがないかと言えば、答えはNO。
たとえ会社の先輩が推しであろうとも、土日に推し活として楽しめることはあるのだ。
それが何かというと、推しが勧めてくれたものや場所を自分も体験すること。
百合さんのおすすめを体験すれば、私もその楽しさを理解できるし、共感できるし、そして崇めている百合さんを理解することに繋がるのだ。
昨日、百合さんが話していたダイニングバーに行ったのも推し活の一つだったりする。
この休日に私がするのは、ずばりスマホゲームのモンエクをプレイすることだ。
モンエクはこの前百合さんがハマったって言ってたし、あと仕事でも今後関わるから知っておきたいところでもあるのだ。
推し活しながら、仕事の勉強にもなるなんて一石二鳥だった。
さっそくスマホでモンエクのアプリをダウンロードし、ゲームをプレイし出すと、私は次第にどんどんと夢中になっていく。
(へぇ、確かにこれ面白い!普段ゲームはあんまりやらないって言ってた百合さんが面白いって言うだけのことはある!ストーリー性が高くて引き込まれる!)
RPGゲームなので、主人公が冒険をしていくのだが、その冒険に思わず感情移入してしまうのだ。
響子さんもハマってるって言ってたけど、女性がハマるのが分かる面白さだった。
このゲームにうちの会社の商品が登場するのは確かに嬉しいかもしれない。
(来週の打合せが楽しみ!あ、それに楽しみと言えば、その打合せに百合さんの弟もいるっていうし、より楽しみだーーー!)
来週の予定にワクワクして、私のテンションはうなぎのぼりだ。
そうして、ソファーにゴロゴロ転がりながら、スマホ片手にゲームを楽しむ至福の休日を過ごしたのだった。
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