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25. 隠し事の告白

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急に抱きしめられ驚いて顔を上げると、そのまま唇を塞がれる。

最近は触れるだけの軽いキスが多かったのに、この日はすぐに舌が差し込まれた。

そして丹念に口の中を探られる。

「んんっ……」

奥の奥まで暴きたいというような深い口づけに、思わずくぐもった声が漏れた。

それでも舌の動きは止まらない。

 ……航さん、いきなりどうしちゃったの⁉︎

キスに応えながらも心の中は驚きにも似た混乱が駆け巡る。

さらにぐっと体を引き寄せられて、隙間なく体が密着するような体勢になった。

その時だ。

私は自分の下腹部に辺りに、何か硬いモノがあたるのを感じ取った。

今まで航さんとキスやハグをしている中では感じたことのないものだ。

 ……え、もしかしてこれ……?

私がピクリと反応したことで、気付いたことが分かったのだろう。

航さんは顔を離すと改めて私の目を見た。

「分かった?」

「え、あの、これって……」

「俺、勃つようになったんだ」

「えっ⁉︎」

まさかと思うと同時に、今あたっているコレは紛れもない航さんのモノであり、信じざるを得ない。

 ……え、それじゃあこれが隠していたこと? 一体いつから?

次々に疑問が浮かんでくる。

それを見越したように航さんは口を開いた。

「これが俺の隠し事。志穂にはバレたくないと思って隠してた。だからよそよそしくなってしまったんだ。あんまり深くキスすると反応してしまうし、自分の前に来られると反応した時にバレてしまうから」

「そ、そうだったんですか。でもなんで? それにいつから?」

「治ったのは実は付き合う前なんだ。ほら、会議室でキスしてしまったことがあっただろう? あの時に初めて反応した」

「そんな頃から……」

それはもう3ヶ月くらい前の話だ。

しかも付き合う前から治っていたなんて。

確か付き合う時に「俺は不能だから付き合っても大して今と変わらない」と言っていたのに。

 ……なんで? どうして?

「志穂に付き合って欲しいと言った時も嘘をついた。不能だから大丈夫って。嘘ついた上に今まで隠していてごめん」

「その、正直言ってすごく驚きました。でもなんで嘘ついたり、隠したりしたんですか?」

「分からない?」

少し眉を下げてそう問いかけてきた航さんは珍しくなんだが弱々しい。

不安げな瞳がやけに気になって、私は思わず一度離れた航さんの体に腕を回しもう一度ギュッと抱きしめていた。

「志穂?」

「分からないです。でもなんだか航さんが不安そうな顔をしていたからつい抱きしめたくなりました」

「……不安だったんだ」

「えっ?」

「俺が不能じゃなくなったって知ったら志穂が離れていくんじゃないかって。反応しないから安心するって以前から志穂はよく言っていたから。付き合う時だってセックスに発展するから彼氏彼女は嫌だって言ってただろう?」

吐露された内容は、すべてが私のためだった。

私が嫌がるから不能だと嘘をついて、私が怖がるから隠してくれていたのだ。

それくらい航さんは私を尊重してくれて、思いやってくれて、とても大切にしてくれていたのだ。

しかもいつも落ち着いていて余裕のある航さんのこの姿は、私が離れていかないようになりふり構っていられなかったと物語っているようで胸がキュンと締め付けられる。

「私の言動が航さんにそうさせていたんですね。航さんはとっても私のことを大切に思ってくれてたのに、他の人を好きにとか疑っちゃって……。本当にすみませんでした」

もう一度ギュッと航さんに抱きつき、謝罪の気持ちを込めて頬に唇を寄せた。

頬から唇を離した瞬間、今度はその唇を、待ち構えていたような唇に奪われる。

最近の優しいだけの軽いキスが嘘のように、さっきに続き今回もとても激しい。

バレないようにあまり深いキスはしないようにしていたという言葉に俄然真実味が増す。

本当はこうしたかったと言わんばかりのキスは、頭の芯がクラクラしそうだった。

もちろん体が近づいたことで、また下半身には硬いモノをあたっていた。

「それでお互いにトラウマと隠し事を曝け出したところで、改めて今後について話そうか?」

ふいに顔を離した航さんがそう切り出す。

すっかり激しいキスにとろけさせられていた私はその言葉で今がまだ話し合いの最中だったことを思い出した。

「今後について、ですか?」

「そう。包み隠さず本音を言うと、俺は志穂としたい。もうキスだけじゃ足りない。今後はそれも含めて付き合っていきたいと思ってる」

「航さん……」

「もちろん志穂の気持ちは尊重するよ。さっき好きな人とならって言ってたけど、俺とじゃ嫌?」

 ……こんな聞き方ズルい。嫌だなんて言えないよ。

前にも航さんが女性だったら絶対あざと女子だと思ったことがあったが、この尋ね方も相当だと思う。

しかもあんなにとろけるようなキスをした直後だからこそ余計にだ。

「……嫌じゃないです。 でも怖いのは怖いというか……」

モゴモゴ話して歯切れの悪い私を目にし、航さんは手を伸ばしてきて宥めるように髪を撫でる。

まるで小さな子供に話しかけるように目線を合わせ、少し首を傾げて再び尋ねてきた。

「なにが怖い?」

「航さんも私に勃たなかったら、今までの比じゃないくらい傷つくと思うんです。それが怖いです」

「俺が勃つのは志穂もさっき感じたと思ったけど?」

「でもいざその時に勃たなかったら? 二度あることは三度あるって言うじゃないですか。私、三度もあったら今度こそ立ち直れません……!」

航さんの眼差しから逃れるように私はふっと視線を逸らした。

その場面を想像してしまうだけで心がズタズタになりそうだ。

「志穂」

私の名前を呼ぶ穏やかな声が鼓膜を振るわせる。

髪を撫でていた手はいつの間にか私の頬に添えられ、否応なく視線を合わせられた。

「二度あることは三度あるって言うけど、別の言葉もあるよ」

「別の言葉、ですか……?」

「三度目の正直」

それは、”一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ”を意味することわざだった。

どちらも「三」を含むことわざだが、その意味は全く逆と言えるだろう。

思いもしなかったことを言われて、私は瞠目した。

まるで仕事で上司として視野を広げるアドバイスをくれた時のようだった。

「どっちの言葉を信じるかは志穂次第だと思う。けど、できれば志穂には俺を信じて欲しいな」

「航さんを信じる、ですか?」

「言ってなかったけど、俺、たぶん志穂にしか勃たないみたいなんだよね」

「えっ⁉︎」

またもや驚かされて、ぱちぱちと激しく瞬きを繰り返す。

今のは一体どういうことだろうか。

聞き間違いだろうかと頭が混乱した。

「付き合う前に治ったってさっき話したけど、それ以降この3ヶ月、志穂にしか反応してないんだ。もちろん試してないから確実にそうだとは断言できないけどね。あ、もちろん試す気はまったくないから」

「そう、なんですか?」

「だから志穂にしか勃たない俺のことを信じて欲しい」

今までの彼氏は私ダメだったのに、航さんは私ダメだと言う。

そんなことを言われたら、信じてみたくなる。

しかも、「二度あることは三度ある」と負のイメージに囚われていた私に、「三度目の正直」という新しい見方を示してくれた航さん。

そんな航さんのことを信じたいと思った。

「ちなみに、ここまでの話でお気付きかと思いますが、その、私処女なんですけど、それは嫌じゃないですか……?」

「まさか、嫌だと思うはずがない。志穂の三度目の正直になれるのが俺で良かったって心底思ってるくらいだし」

最後に気になっていたもう一つのことを確認し、その懸念が解消されたことでついに私は腹を括ることにした。

「分かりました。航さんのこと信じます……! 私とセックスしてください!」

自分のトラウマを打破するよう決意を込めてそう言うと、思い切って航さんの胸に飛び込んだ。

ギュッとしがみついたけど、だんだん緊張が襲ってくる。

なにしろ私は挿れる直前までは何度か経験したことはあるものの、最後まではしたことがない。

未知の領域に対してドキドキと心臓の鼓動が早まる。

その時、ふと自分の今の服装が視界に入り、瞬時に私はあることを思い出した。

 ……そうだ! 雨で濡れちゃったから、今の私はコンビニで買った色気もなにもない下着なんだった!

最初くらい下着にだって気を配りたいし、下着がダサすぎて萎えさせてしまうかもしれない。

さすがにこれではダメだと思った私は、咄嗟にパッと勢いよく航さんから体を離した。

自分から抱きついておいていきなり離れた私の行動に驚いたらしい航さんは目を丸くしている。

「どうかした?」

「いえ、あの、その、やっぱり後日にしませんか?」

「………は?」

私の言葉に航さんは一瞬絶句すると、今度は気の抜けたようなため息を吐き出した。

「志穂、また謎の思考回路で変な結論導いたの? 今度はなに考えた?」

「えーっと、恥ずかしいのでヒミツです……!」

「あれだけ煽っておいてそれはないんじゃない?」

そう一言告げた航さんは、体を離して私の肩を掴むと、そのままベッドの上に私を押し倒した。

呆気なく倒れ込んだ私の上に航さんが覆い被さってくる。

航さんとはこれまで何度もベッドで一緒に寝ているけど、こうして押し倒されるのは初めてだった。

「わ、航さん⁉︎」

「前も言っただろう? そうやってベッドの上で抱きついたり、可愛いこと言ったりすると、普通の男なら押し倒すって」

「でも航さんは……!」

「俺も普通の男だよ。しかも志穂にしか反応しない、志穂にとってはより危険なね」

そのまま耳にふっと息を吹きかけられ、舌先で輪郭をなぞられる。

いつもとは違う官能的な刺激に体がビクリと震えた。

「それで、なに考えたの?」

愛撫の合間に耳元で囁かれた低い声はそれだけでゾクリとさせられる。

耳への唇による刺激も相まっておかしくなりそうだ。

言わなければこのまま続きそうな予感を感じ、恥を忍んで私は口を開く。

「その、今の私の下着、コンビニでさっき買ったヤツなんです……! だから全然可愛くないし、見せたくないというか。航さんの気が乗らなくなったら嫌だからまた別の日にしたいんです……!」

「…………なんだ、そんなことか」

力なくそう呟いた航さんは、耳への愛撫をやめ、へなへなと力が抜けたように私の首筋に頭を埋めた。

なんだか疲れたようにぐったりして見えるのは気のせいだろうか。

「大丈夫ですか?」

「……大丈夫じゃない。志穂、こういうの生殺しって言うんだけど。だいたい、下着なんか結局脱ぐんだからなんでもいい」

航さんらしからぬ投げやりな台詞に少し驚く。

なんだかいつもと違って余裕がなく疲労困憊な様子なのは、どうやら私が原因のようだ。

「それに下着って言うけど、そもそも上は付けてないんじゃない?」  

「えっ、なんで知ってるんですか⁉︎」

「抱きしめた時の感触で分かる」

実はお風呂に入った後、湿った下着は脱ぎ捨てて、ガウンの下にはコンビニで買ったキャミソールとショーツしか履いていなかった。

航さんの言うとおりノーブラである。

「中身が志穂なんだったら俺は下着は気にしない。気になるんだったらまた別の機会に可愛いのを見せてくれたらいいから。”私とセックスしてください”って言っておいてやっぱり今のナシって言うのは志穂が悪いよ。仕事の時も契約しますって言われてやっぱり白紙でって直後に言われたら困惑するだろう?」

仕事での具体的なシチュエーションを例に挙げられて、ありありとその場面が想像できた私はその通りだと頷いた。

同時に生殺しだと言う航さんの言葉の意味もはっきりと理解できた。

「分かりました。確かに私が考えなしでした。続行でお願いします……! ただあんまり見ないでくださいね?」

「大丈夫。たぶん下着を気にしている余裕なんて俺にはなさそうだから」

ようやく腹を決めた私の言葉を聞いて、航さんは埋めていた首筋から顔を起こす。

微笑をフッと浮かべると、押し倒した姿勢のまま私を上から見下ろし、塞ぐように唇を重ねた。
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