運命的に出会ったエリート弁護士に身も心も甘く深く堕とされました

美並ナナ

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Epilogue

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――数ヶ月後。


「ここだよ。ずっと海外に住んでたから俺も久しぶりに来た」

「自然豊かなところですね」
 
私と春臣さんは手を繋いで石段になった階段を登る。

木々の緑と空に抱かれた平地にある霊園は、他に人がおらずとても静かだ。

この日、私たちはアメリカから一時帰国してこの場所へ足を運んでいた。

なぜ霊園に来ているのかといえば、ここに春臣さんの実のご両親が眠るお墓があるからだ。

「香澄、体調は大丈夫?」

「はい。問題ないです」

「ここに来るのは俺だけでも良かったのに」 

「いいえ、私もきちんとご挨拶したかったので」

春臣さんは私の手を引いて参拝者用に舗装された道を歩きながら、心配げな眼差しを私に向ける。

それに対して私は安心させるようにニッコリ微笑みを返した。

私の意思を尊重して「分かったよ」と目を細めた春臣さんは、繋いだ手をギュッと握り直す。

そして労わるように親指で私の手の甲をそっと撫でた。

「春臣さんって意外と心配性ですよね。この前会った時にサイモンさんもそう言ってましたよ」

「そうかな? 普通だと思うけど。……サイモンと言えば、職場で「春臣と香澄をくっつけたのは自分の功績だ」って事あるごとに声高に自慢してるから最近困ってるよ」

「ふふっ。そうなんですか? サイモンさんらしいですね。でも実際彼のおかげでもありますから」

「最初に香澄から事情を聞いた時は驚いたよ。ああ、だからあの日帰り際に意味深な言動をしてたのかって合点がいったしね」

「それにしてもサイモンさんの鋭さは本当に凄いですよね」

後から本人に聞いたところ、サイモンさんは私と会った時に春臣さんの想い人だとすぐにピンと来たらしい。

以前春臣さんとあのバーに飲みに行った時に、月の光に耳を傾ける春臣さんの様子見をてこの曲に誰かとの思い出があるのかなと思ったそうだ。

そして日本人であり、なおかつクラッシック好きな私が春臣さんを訪ねて現れたことで、点と点が繋がった感じがしたという。

「サイモンは証人になれて喜んでたよ。あと、Bar Moonlightのオーナーもね」

「お二人とも快く引き受けてくださって嬉しかったですね」

証人というのは、婚姻届のことだ。

そう、私と春臣さんは先日婚姻届を領事館に提出して結婚したのだ。

今の私はもう東條ではない――久坂香澄だ。

本当の意味で東條家からは離籍した形となる。

入籍することにしたのは決してそれが理由というわけではない。

これからも二人で一緒にいるためだ。

というのも、サンフランシスコに拠点を置き働く春臣さんと離れないためには、私にも長期滞在が可能なVISAが必要だった。

そこで二人で話し合った結果、結婚してしまおうという結論に至った。

もちろんお互いのことが好きで、これからも将来を共にしていきたいという想いが前提にあってこその決断だ。

今の私たちの左手薬指には、二人の想いを形にしたようなお揃いの指輪が光っている。

「一緒に暮らすために必要なことではあったけど、再会してすぐに香澄が日本に一度帰ったのは寂しかった。戻ってこないんじゃないかと不安だったし」

「色々日本で済ませておくこともありましたから」

春臣さんの言うように、あのサンフランシスコで再会した夜から数日後に私は日本へ帰国した。

もともと数日の滞在の予定で訪れていたからだ。

なにしろ2年も経っていて春臣さんが私を覚えていてくれるか、受け入れてくれるかの確証はなかった。

もしかしたら迷惑になるかもしれないと不安を抱えて、それでもどうしても運命を手繰り寄せたくて私は彼を訪ねたのだ。

だから一度帰国して、今度は向こうで春臣さんと暮らすつもりで荷物をまとめて再び旅立った。

幸いにもピアノとインターネットさえあれば場所を選ばない仕事に移行していたことも身軽に動けた一因だ。

「それにしても俺がサンフランシスコにいるってことを突き止めるために香澄が義父を事前に訪ねていたことには後から聞いて驚いたよ」

「春臣さんとの偶然の出会いを待つつもりはなかったんです。今度は私が春臣さんのことを調べて意図的に近づこうと思いました。といっても春臣さんの職場くらいしか把握していなかったので、結局サイモンさんに助けられましたけど」

「そう思うとサイモンはやっぱりファインプレーだったんだね」

春臣さんはサイモンさんの自慢げな顔を思い浮かべたのか楽しげに笑う。

私も釣られて笑顔を溢した。

会話の流れで、自然と私の意識はサンフランシスコへ会いに行く前の出来事へ向かう。

実はあの時、私は眞帆経由でアポイントを得て春臣さんのお義父とう様に会いに行き、春臣さんの居場所を教えて欲しいとお願いしていたのだ。

お義父様は佐々木さんの刑事裁判の過程で私の存在や、春臣さんとの関係も知っていた。

それだけでなく、養子に引き取る上で春臣さんの生い立ちも当然把握していたため、私と春臣さんの因縁まで把握している様子だった。

それゆえ、「もう二人は会わない方がお互いのためなのでは?」と最初はやんわり断られた。

だが、私が東條家と縁を絶ったことや婚約を破棄したことを話すと真剣さを感じ取ってくれたようで、ようやく居場所を教えてくれたという経緯があったのだ。


「今回の一時帰国で春臣さんのお義父様とお義母かあ様に正式にご挨拶できて良かったです。緊張していたんですけど私大丈夫でしたか?」

「全く問題なかったよ。義父も義母も娘ができて嬉しそうだったしね」

「快く迎えてくださってホッとしました。お義父様もお義母様も春臣さんの結婚をすごく喜ばれていましたね」

「それは俺もちょっと意外だった。口にしないだけで心配してたんだろうね。……義両親だから距離があると思ってたけど意外と愛されてたんだなって思い知ったよ」

「春臣さん……」

「俺が勝手に距離を置いていたのかも。これからは今までしてこなかった分、少しは親孝行しようかな」

少し照れくさそうに春臣さんは笑う。

結婚の報告を機に、春臣さんと義両親との距離は縮まったようだ。

複雑な生い立ちのせいで家族愛が分からないと言っていた春臣さんの心境に変化が訪れたのなら喜ばしいことだと思う。

「私も久坂香澄になったので、家族として一緒に親孝行したいです」

「香澄……」

「アメリカと日本で距離は遠いですけど、定期的に連絡して顔を見せるようにしましょうね!」

私にはもう実の両親はいないも同然だ。

だから春臣さんの妻として笑顔で迎え入れ、本当の娘のように良くしてくださったお二人に孝行ができれば嬉しく思う。

そんなふうに思っていると、春臣さんがふと立ち止まり、繋いでいた手をいきなり引いて自分の方に私を抱き寄せた。

腕の中にすっぽり包まれ、顔の位置にある春臣さんの胸からは規則正しい心臓の音が聞こえてくる。

「春臣さん?」

「いきなりごめん。ただ、香澄と家族になったんだなって改めて実感して。そう思うと無性に愛しさが込み上げてきて抱きしめたくなった。それに俺の義両親を大切にしてくれようとしてるのも嬉しいよ」

「義両親だけでなくお亡くなりになったご両親にも結婚を報告しましょう。きっと天国で喜んでくださいますよ」

「そうだね」

再び歩き出した私たちは、しばらくして霊園の中でも一際静かなところに位置するご両親のお墓の前に並び立つ。

誰も訪れていなかったのか墓石に汚れが目立っていたため簡単に清掃し、持参した色とりどりの花を供えた。

春臣さんがお供物として缶ビールを置き、ローソクの火で線香をつけると、私たちは隣に並んで合掌する。

「父さん、母さん、しばらく墓参りに来られてなくてごめん。今日は報告に来た。俺、結婚したよ。妻も一緒に来てくれたんだ」

「香澄です。はじめまして。お会いできて光栄です」

お墓に向かって語りかける春臣さんに続き、私もご両親に挨拶を述べる。

結婚の報告と挨拶だけをするつもりだった春臣さんはそれで満足すると、お供物に手を伸ばして後片付けを始めようとした。

だが、私はその動きを遮った。

そのまま伝え足りない言葉をお墓に向かって紡ぎ続ける。

「……ご両親には他にもお伝えしなければいけないことがあります。実は私はお二方を死に追いやった医師・東條清隆の娘です。そんな私が春臣さんの妻だなんて何の冗談だと思われるかもしれません。ご不快にさせてしまいましたら申し訳ありません」

「香澄……。いいよ、そんなことを謝らなくても。香澄は何も悪くない。それに東條医師の娘でも俺が香澄を愛していて結婚したいと思ったんだから両親に謝る必要はないよ」

「いいえ。そういうわけにはいかないです。……お父様、お母様。私の父のせいで本当に申し訳ありませんでした。今さらではありますが、父に代わって心よりお詫び申し上げます」

私は深く深く頭を下げて故人に謝意を表した。

春臣さんは私の肩を抱き、そこまでする必要はないとやめさせようとする。

でも私は自分の気が済むまで頭を下げ続け、ようやく頭を上げると、今度はポケットから一枚の封筒を取り出して春臣さんへ差し出した。

突然渡された封筒に春臣さんは困惑気味に私に尋ねる。

「……これは?」

「父から春臣さんに宛てた謝罪状です。遅くなり申し訳ありません」

「謝罪、状……? なんでこんなものが?」

驚きに目を見張る春臣さんに私は事情を説明する。

これは私が春臣さんとサンフランシスコで再会して結ばれた後に、一時帰国した時に父から受け取ったものだ。

週刊誌に情報を売らない代わりに謝罪して欲しいと条件を申し出ていたにも関わらず、それが履行されていなかったため催促しに私は実家を訪ねたのだ。

合わせて戸籍上も東條家から抜けることも告げてきた。

「色々済ませておくことって、そういうことだったんだ。まさか香澄がそんな行動をしていたなんて思いもよらなかった」

「本当は直接口頭で謝罪すべきところ、こんな形ですみません」

「いや、十分すぎるよ。むしろ香澄を好きになった時点でもう東條医師のことは放念したから、謝罪がもらえるなんて思わなかった。……俺のためにありがとう、香澄」


これが最善の形だとは私も思わない。

こんな謝罪状だけでは父の罪が無かったことにはならないし、春臣さんのご両親が戻ってくるわけでもないことは分かっている。

だけど父の娘として春臣さんのために最低限できることはしたと思いたい。

「春臣さんへは謝罪状だけになりましたが……おそらく父は近いうちに社会的に制裁を受けると思います」

「どういうこと?」

「父の悪行が週刊誌の記者に知られたようで、記事になるようです」

私が情報を売るまでもなく、どこからかパワハラの実態が漏れたのだ。

週刊誌に掲載されれば、父が大切にしている名誉や世間体は崩れ去るだろう。

「……香澄は大丈夫? 縁は切ったと言っても実の父親だろう?」

「心配しないでください。大丈夫です。……父には因果応報の報いを受け入れ、深い反省と罪の償いをして欲しいと思っています」

2年前に東條家を出て、家族と決別した時から覚悟していたことだ。

今の私には春臣さんが隣にいてくれる。

春臣さんの義両親だって本当の娘のように私を受け入れてくれている。

それに何よりも大切にしたい、守りたいものが今の私にはできた。

私は春臣さんに封筒を渡し終えると、再びご両親のお墓に身体を向ける。

まだ伝えたいことがあるのだ。


「お父様、お母様。もう一言、お伝えさせてください。……春臣さんを産んでくださってありがとうございます。実は春臣さんとは今日まで紆余曲折ありました。でも私は春臣さんと出会えて本当に良かったと思っています。今とても幸せです。だからそんな機会をくださったお二方に感謝しています」

「……っ」

隣で私の言葉を聞いていた春臣さんがぐっと言葉を呑み込む。

肩を抱く力が強くなり、胸を突き上げてくる感情が溢れ出すのを耐えるかのようだ。


「お二方が繋いでくださった命を私も春臣さんと一緒に繋いでいこうと思います。天国で見守っていてくだされば嬉しいです」


最後にそう締めくくり、私はそっと自分のふっくらしたお腹に手を当てて微笑んだ。

その手の上に春臣さんの温かくて大きな手が重なる。

私のお腹の中には新しい命が宿っていた。



~END~
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