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篁少年の閻魔張 〜お節介な鬼と伊吹の山神〜 〜Since 810〜
第二話 真言を操る鬼
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目が覚めると、まるで言葉通り『憑き物がおちた』ような、晴れなかな顔の岑守に対し、広野は終始不機嫌だった。
「お……おはようございます」
「……はよ」
一応挨拶は返してくれたが、目に見えてふくれっ面の広野に、思わず岑守は苦笑を浮かべる。
「昨日のことは置いておいて、とりあえず、与えられた仕事をしましょう?」
岑守と広野が無理矢理、夜間移動を強行して着任した理由は、二人と同時に赴任が決まった国司、藤原貞嗣や、御長広岳を向かえるための、雑務の指揮をとるためである。
また、本来の目的である、平城京の安殿上皇と、東国の反乱分子を分断する任務も、忘れてはいけない。
きちんと、命じられた仕事をしなければ。
が。
「あの鬼は、どうした」
言ったそばから、忌々しそうに広野が口を開いた。
やれやれ……と、年若い同僚に、岑守は肩をすくめる。
「大人しく二人して、牢に入っているそうですよ」
もちろん、岑守自身が、確認したわけではない。
雑任たちの報告から聞いただけの、伝聞だ。
そんな時だった。
ずしんッ! と、地面が大きく揺れる。
「な……」
「地震か!」
しかし、揺れたのは一瞬の事。
何か、大きなものが、地面に落ちたかのような――。
「いよう! おはようさん! お! お前さん、顔色良くなったな。元気そうじゃねーの!」
調子はどうだい? と、竹生を肩車しながら、あの金髪の鬼が、のしのしと部屋に入ってきた。
「な……竹生!」
「おい! コラッ! どこが牢の中で大人しく! だ!」
今にも鬼に食いつきそうな勢いで、広野が岑守に叫ぶ。
しかし、そんな彼を無視して、鬼の肩から飛び降りるように地面に降りた竹生は、嬉しそうに父親に駆け寄った。
「すごいです! 亞輝斗は! このあたりを治める土地神様が、亞輝斗にむかって、頭を下げてお礼を言いに来たんです!」
「いやー、お前さんに憑いてたあの伊闘那な。このあたりを荒らしまわってて、土地神の奴、すごく困ってたんだと。んで、喰った……げふん、退治した礼に大量の品をもらったんだが……」
ちょいちょい。と、鬼は二人に手を招く。
恐る恐る建物の入り口についていくと、思わず、岑守と広野の目が点になった。
豪華な錦の山に、山の恵みの、みずみずしい木の実や果物。箱に入った金銀財宝と、そして――。
「く……熊ぁ!」
熊や猪、鹿といった、中型から大型の動物の死体がいくつか。
まるで先ほどまで生きていたかのような新鮮さで、捌いてうまい事保存すれば、肉はしばらく美味しくいただけそうだし、良い毛皮が取れるだろう。
もっとも、仏教が浸透した貴族階級の二人にとって、動物の殺生は禁じられていたし、肉食などもってのほかだが。
絶句する二人をよそに、赤い目を細めて、鬼は気前よく笑う。
「オレらは旅の身の上だから、こんな大荷物は正直持てないんで、ぜーんぶ、お前らにやるよ」
そして、ふと、何か引っかかった顔をし、そして、思い出したように、ポンっと手を打った。
「そうだそうだ」
箱を一つ開き、ガサゴソと中身を取り出し、そして、広野に向かって投げた。
「コイツはお前さんにやるわ。昨日壊しちまった、詫びの品!」
それは、一本の大きな太刀。
美しい作りだが、広野の使っていた太刀よりも、一回り程大きい。
投げてよこした鬼を睨みつつ、しかし相反して、まるでその太刀の輝きに、思わず一目惚れをしてしまったかのように、広野は、ほう――と、熱いため息を吐いた。
「っつーわけで、厨かりるぞー」
「……は?」
能天気な鬼の言葉に、広野はハッと我に返る。
声をしたほうを振り返ると、鬼は巨大な熊を抱え、自分たちを通り過ぎ、建物の中をのしのしと歩いていた。
「おいコラマテッ! その熊どうするつもりだッ!」
「え? 料理。一晩泊めてくれたお礼に、お前らの今日の昼飯、作ってやるよ」
広野の怒声に、鬼は、きょとんとした表情で答える。
「あ、こう見ててオレ、飯炊き得意なんだ。ヤギョウからの評判もよかったし、楽しみに待っててくれ!」
熊を肩に抱えたまま、しがみつく岑守と広野を引きずって鬼は厨へ突入し、そして案の定、そこで働く者たちの、阿鼻叫喚の悲鳴がこだました。
◆◇◆
「まったく、何やってるんですか……」
大柄な体で、ちょこんと正座で待っていた亞輝斗を、少年はじっとりと睨んだ。
鬼とは違い、牢の中で、真面目に大人しく、一人で待っていた義覚を岑守は連れ出し、そして二人の聴取を開始する。
鬼の調理中、ずっと見張っていたが、妙なものを入れた形跡もなく、一口食べると悲しいかな――その料理は、本当に美味しかった。
また、これまでの言動で、この鬼は、突拍子のない行動は起こすものの、決して悪いモノではなさそうだ――と岑守は判断。また、広野が暴れてはいけないと思い、この場では席を外してもらった。
「私は、大和国吉野より参りました。由衛と申します」
跪いて礼をする義覚に、岑守は眉を顰めた。
「たしか君は、義覚、と。呼ばれていなかったですか? それに、大和国――その鬼は、東国の悪路王や阿弖流為とは、無関係?」
岑守と広野の父、小野永見と坂上田村麻呂が、東国に住まう蝦夷と闘い、勝利したのが、約八年前の事。
「『義覚』は本当は、自分のじいちゃんだか、そのもっと前だかの、先祖の名前です。亞輝斗様、全然名前覚えてくれないんで、自分の一族、全員一括して『義覚』って呼んでます」
じっとりと睨む義覚に、亞輝斗は照れたように笑う。
うん、例によって、褒めてない。
「そんなわけで、亞輝斗様は一応、吉野一帯の土地神ってことになってるんで、たぶんその、東国の鬼とは、関係ないんじゃないかなーと思います。今みたいに時々暇して、『里を出る者を守護する』って口実で、一緒にくっついてウロチョロしてますけど、基本はウチから動きませんし……」
「悪路王に阿弖流為か……名前は聞いたことあるけど、直に会ったことはねーなぁ……」
義覚の言葉に、うんうんと、亞輝斗はうなずいた。
「三輪山の大物主とか、葛城山の一言主は、近所のよしみでダチだけど」
岑守が噴き出し、調書の記録をとっていた雑任の手が思わず止まる。
なんか、すごい名前が出てきたし……。
「そ……それで、君たちは一体、何処に向かおうとしていたのかい?」
気を取り直して、岑守は義覚に問いかけた。
「はい。自分たち……というか、自分の目的は、比叡山に行って、仏門に入ることです。……さすがに亞輝斗様は、山に入る前に門前払いでしょうけど」
「ウワサに聞いてさ、気になってんだよなー密教! 独学で真言勉強してるけど、ホントなら義覚派遣せずに、オレ自身が弟子になりてぇ」
亞輝斗の言葉に、岑守は耳を疑った。
同時に、先日狐に憑かれた際に、かすかに記憶に残る、不思議な音の響き……。
「あれは、真言だったのか……」
「? お前、知ってるのか? もしかして、比叡山に知り合い、いたりする?」
亞輝斗の言葉に、ハッと岑守は顔をあげ、そして、首を横に振った。
「いや、比叡山ではないが、知り合いに、密教に詳しい人間がいるので……」
「なーんだ。紹介状書いてもらおうと思ったのに……」
ちぇっと子どものように唇を尖らせ、亞輝斗が床に寝そべった。
「残念ながら現在、近江国は、平城京からの人間の流入を制限しています。あなた方は十中八九、無関係だとは思うのですが……」
岑守は立ち上がり、そして二人に向かい合うよう膝をついて、頭を下げる。
「牢ではない、きちんとした部屋を準備させます。ですから、申し訳ないですが、しばらく此処に、逗留していただきたい」
ぶーぶーと文句を言う亞輝斗を義覚がたしなめながら、二人は部屋を出て行った。
そんな背中を見送りながら、岑守は雑任に指示をする。
「文を……そして、都に早馬を。たしか、彼が、滞在していた筈――」
「お……おはようございます」
「……はよ」
一応挨拶は返してくれたが、目に見えてふくれっ面の広野に、思わず岑守は苦笑を浮かべる。
「昨日のことは置いておいて、とりあえず、与えられた仕事をしましょう?」
岑守と広野が無理矢理、夜間移動を強行して着任した理由は、二人と同時に赴任が決まった国司、藤原貞嗣や、御長広岳を向かえるための、雑務の指揮をとるためである。
また、本来の目的である、平城京の安殿上皇と、東国の反乱分子を分断する任務も、忘れてはいけない。
きちんと、命じられた仕事をしなければ。
が。
「あの鬼は、どうした」
言ったそばから、忌々しそうに広野が口を開いた。
やれやれ……と、年若い同僚に、岑守は肩をすくめる。
「大人しく二人して、牢に入っているそうですよ」
もちろん、岑守自身が、確認したわけではない。
雑任たちの報告から聞いただけの、伝聞だ。
そんな時だった。
ずしんッ! と、地面が大きく揺れる。
「な……」
「地震か!」
しかし、揺れたのは一瞬の事。
何か、大きなものが、地面に落ちたかのような――。
「いよう! おはようさん! お! お前さん、顔色良くなったな。元気そうじゃねーの!」
調子はどうだい? と、竹生を肩車しながら、あの金髪の鬼が、のしのしと部屋に入ってきた。
「な……竹生!」
「おい! コラッ! どこが牢の中で大人しく! だ!」
今にも鬼に食いつきそうな勢いで、広野が岑守に叫ぶ。
しかし、そんな彼を無視して、鬼の肩から飛び降りるように地面に降りた竹生は、嬉しそうに父親に駆け寄った。
「すごいです! 亞輝斗は! このあたりを治める土地神様が、亞輝斗にむかって、頭を下げてお礼を言いに来たんです!」
「いやー、お前さんに憑いてたあの伊闘那な。このあたりを荒らしまわってて、土地神の奴、すごく困ってたんだと。んで、喰った……げふん、退治した礼に大量の品をもらったんだが……」
ちょいちょい。と、鬼は二人に手を招く。
恐る恐る建物の入り口についていくと、思わず、岑守と広野の目が点になった。
豪華な錦の山に、山の恵みの、みずみずしい木の実や果物。箱に入った金銀財宝と、そして――。
「く……熊ぁ!」
熊や猪、鹿といった、中型から大型の動物の死体がいくつか。
まるで先ほどまで生きていたかのような新鮮さで、捌いてうまい事保存すれば、肉はしばらく美味しくいただけそうだし、良い毛皮が取れるだろう。
もっとも、仏教が浸透した貴族階級の二人にとって、動物の殺生は禁じられていたし、肉食などもってのほかだが。
絶句する二人をよそに、赤い目を細めて、鬼は気前よく笑う。
「オレらは旅の身の上だから、こんな大荷物は正直持てないんで、ぜーんぶ、お前らにやるよ」
そして、ふと、何か引っかかった顔をし、そして、思い出したように、ポンっと手を打った。
「そうだそうだ」
箱を一つ開き、ガサゴソと中身を取り出し、そして、広野に向かって投げた。
「コイツはお前さんにやるわ。昨日壊しちまった、詫びの品!」
それは、一本の大きな太刀。
美しい作りだが、広野の使っていた太刀よりも、一回り程大きい。
投げてよこした鬼を睨みつつ、しかし相反して、まるでその太刀の輝きに、思わず一目惚れをしてしまったかのように、広野は、ほう――と、熱いため息を吐いた。
「っつーわけで、厨かりるぞー」
「……は?」
能天気な鬼の言葉に、広野はハッと我に返る。
声をしたほうを振り返ると、鬼は巨大な熊を抱え、自分たちを通り過ぎ、建物の中をのしのしと歩いていた。
「おいコラマテッ! その熊どうするつもりだッ!」
「え? 料理。一晩泊めてくれたお礼に、お前らの今日の昼飯、作ってやるよ」
広野の怒声に、鬼は、きょとんとした表情で答える。
「あ、こう見ててオレ、飯炊き得意なんだ。ヤギョウからの評判もよかったし、楽しみに待っててくれ!」
熊を肩に抱えたまま、しがみつく岑守と広野を引きずって鬼は厨へ突入し、そして案の定、そこで働く者たちの、阿鼻叫喚の悲鳴がこだました。
◆◇◆
「まったく、何やってるんですか……」
大柄な体で、ちょこんと正座で待っていた亞輝斗を、少年はじっとりと睨んだ。
鬼とは違い、牢の中で、真面目に大人しく、一人で待っていた義覚を岑守は連れ出し、そして二人の聴取を開始する。
鬼の調理中、ずっと見張っていたが、妙なものを入れた形跡もなく、一口食べると悲しいかな――その料理は、本当に美味しかった。
また、これまでの言動で、この鬼は、突拍子のない行動は起こすものの、決して悪いモノではなさそうだ――と岑守は判断。また、広野が暴れてはいけないと思い、この場では席を外してもらった。
「私は、大和国吉野より参りました。由衛と申します」
跪いて礼をする義覚に、岑守は眉を顰めた。
「たしか君は、義覚、と。呼ばれていなかったですか? それに、大和国――その鬼は、東国の悪路王や阿弖流為とは、無関係?」
岑守と広野の父、小野永見と坂上田村麻呂が、東国に住まう蝦夷と闘い、勝利したのが、約八年前の事。
「『義覚』は本当は、自分のじいちゃんだか、そのもっと前だかの、先祖の名前です。亞輝斗様、全然名前覚えてくれないんで、自分の一族、全員一括して『義覚』って呼んでます」
じっとりと睨む義覚に、亞輝斗は照れたように笑う。
うん、例によって、褒めてない。
「そんなわけで、亞輝斗様は一応、吉野一帯の土地神ってことになってるんで、たぶんその、東国の鬼とは、関係ないんじゃないかなーと思います。今みたいに時々暇して、『里を出る者を守護する』って口実で、一緒にくっついてウロチョロしてますけど、基本はウチから動きませんし……」
「悪路王に阿弖流為か……名前は聞いたことあるけど、直に会ったことはねーなぁ……」
義覚の言葉に、うんうんと、亞輝斗はうなずいた。
「三輪山の大物主とか、葛城山の一言主は、近所のよしみでダチだけど」
岑守が噴き出し、調書の記録をとっていた雑任の手が思わず止まる。
なんか、すごい名前が出てきたし……。
「そ……それで、君たちは一体、何処に向かおうとしていたのかい?」
気を取り直して、岑守は義覚に問いかけた。
「はい。自分たち……というか、自分の目的は、比叡山に行って、仏門に入ることです。……さすがに亞輝斗様は、山に入る前に門前払いでしょうけど」
「ウワサに聞いてさ、気になってんだよなー密教! 独学で真言勉強してるけど、ホントなら義覚派遣せずに、オレ自身が弟子になりてぇ」
亞輝斗の言葉に、岑守は耳を疑った。
同時に、先日狐に憑かれた際に、かすかに記憶に残る、不思議な音の響き……。
「あれは、真言だったのか……」
「? お前、知ってるのか? もしかして、比叡山に知り合い、いたりする?」
亞輝斗の言葉に、ハッと岑守は顔をあげ、そして、首を横に振った。
「いや、比叡山ではないが、知り合いに、密教に詳しい人間がいるので……」
「なーんだ。紹介状書いてもらおうと思ったのに……」
ちぇっと子どものように唇を尖らせ、亞輝斗が床に寝そべった。
「残念ながら現在、近江国は、平城京からの人間の流入を制限しています。あなた方は十中八九、無関係だとは思うのですが……」
岑守は立ち上がり、そして二人に向かい合うよう膝をついて、頭を下げる。
「牢ではない、きちんとした部屋を準備させます。ですから、申し訳ないですが、しばらく此処に、逗留していただきたい」
ぶーぶーと文句を言う亞輝斗を義覚がたしなめながら、二人は部屋を出て行った。
そんな背中を見送りながら、岑守は雑任に指示をする。
「文を……そして、都に早馬を。たしか、彼が、滞在していた筈――」
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