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しおりを挟むそう言うと、二人の周りにこの国での重鎮を担う方達の令息達が集まって来た。
その姿に私達は全員息を呑む。
そう、その令息達の中には彼女達の婚約者もいたのだ。
アイリーナ男爵令嬢は彼らも虜にしたのだろうか。
「何故…」
いつもはしっかりとしているリーファが悲しそうに自身の婚約者に問う。
彼女の婚約者はこの国の第二王子だ。小さい頃から将来を約束してきた仲だと恥ずかしがりながら私たちに言っていたこともあったので、ショックが大きいようである。
「何故?本当に分からないのかい?リーファ。君には失望したよ。僕と一緒にこの国を支えると言っていたのに、国民の一人をいじめるなんてさ」
王子が男爵令嬢と一緒にいる事でさえ不思議なのに、その辛辣な言葉にさらに疑問が深まる。横を見ると、フィオリーナも不思議そうにしていた。
何せ、王子が男爵令嬢に夢中になっている所なんて見た事無いのだ。私達から見た王子はリーファの可愛い所を永遠に従者に言い続けて、1ヶ月会えなかったら発狂する様な人だったはず。
「何を言って…いるのですか?」
リーファのその声は今にも消え入りそうなくらい弱々しい物だった。
リーファの友達である私達は王子の奇行を知っているものの、王子はリーファの前では完璧を演じている。
その為、王子の言葉を違和感なく受け止めたリーファは私達が支えているものの、今にも倒れそうである。
「フィオリーナ嬢、俺も殿下と同じ気持ちだ。弱い物虐め程嫌いな物は無いと言ったはずだ」
「そうですね…」
フィオリーナ様の婚約者は、騎士団長の息子で現在の騎士界のエース。
フィオリーナ様を見ると、相手を馬鹿にして見る時の顔をしていた。思ったよりもダメージを受けていないをようで良かった。
まぁ、常々アイツが嫌いだと愚痴っていたので、内心はとてもウキウキしていそうな所もある。
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