私は"悪女の手下"ですが、苦労が絶えません。何故でしょうか?

こん

文字の大きさ
上 下
2 / 5
悪女の手下

2 悪女の手下

しおりを挟む

「姉様!!私がそんな奴の事を好きになるような女だとお思いですか?第一、姉様を傷つける奴は大っ嫌いですし。普通に好みでもありませんわ!!!何故か私達姉妹が不仲だとか、私と姉様の婚約者は運命だとか言われてますけどあんな奴(社交会から)消えてしまえばいいのに!!」

流石姉妹である、発想が同じ。それに、聞いてはいたがかなりのシスコンだった。
シンシアによると、毎回毎回断っているのにアプローチされ続けており、この最近ではアプローチから執着に変わって来ているそうで、部屋にいる時に視線を感じたり、レディの婚約者が知っているはずもない事を知っていたりするらしい。流石に聞いていて気持ち悪くなる内容ばかりだった。

そうして用意に用意を重ねていたところ、何と卒業パーティーで婚約者が婚約破棄を堂々と言い退けたのだ。


レディを蔑ろにし、婚約者としての屈辱的行為をしたいた方からの婚約破棄なので確実にレディが被害者になれるし、賠償金もがっぽりもらえそうだ。
ちなみに、レディはその様子を見て笑いを堪えていたし、シンシアも婚約者の誘いを断ってレディの横で婚約者を睨みつけていた。
そんな中にも関わらず、その婚約者は証拠もないレディの犯行をつらつらと述べ始める。
この状況に何故気付かないのだろう。

「ここまでしていたとは!!何という重罪だろう…!」

ここまで来ると、逆に凄いと思う。この人はどういう神経をしているのだろうか。

「私はそんな事しておりませんわ。それに、証拠を頂かないと納得出来ませんわ……」
「証拠?そんなもの無くても罪はこの場でもうすでに証明されているようなものだ」

訳の分からなさに私は首を傾げ、レディの方を見やるがレディは一人楽しそうにし、シンシアは苦笑いをしている。
ますます分からない。

「シンシア、もう大丈夫だよ」

まるで恋人に言うかのような熱の籠った声でシンシアを呼びかける。

「レディ、君がシンシアを虐めていることも、シンシアの私との関係という弱みを握って今も脅している事は分かっている。シンシア、僕がいるから正直に言ってくれないか?君の言葉は証拠になる」

酷い茶番もかなり盛り上がって来た為、ゾロゾロと多くの人がここに集まって来ている。

そんな中、シンシアは肩を震わしながら口を開いた。

「私……は、そんな事されておりません!!!」

大声がホールに響きわたった。シンシアはかなり限界だったらしく、可愛らしい顔に青筋が立っているのが見えた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の大きな勘違い

神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。 もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし 封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。 お気に入り、感想お願いします!

その悪役令嬢、問題児につき

ニコ
恋愛
 婚約破棄された悪役令嬢がストッパーが無くなり暴走するお話。 ※結構ぶっ飛んでます。もうご都合主義の塊です。難しく考えたら負け!

お前は整形した醜い顔だと婚約破棄されたので溺愛してくれる王子に乗り換えます! 実は整形なんてしていなかったと気づいてももう遅い

朱之ユク
恋愛
 美しい顔をしたスカーレットは突如それまで付き合ってくれていた彼氏にお前の顔は整形だと言われて婚約破棄を言い渡されてしまう。彼氏はそのままスカーレットのことを罵りまくるが実はスカーレットは整形なんてしてない。  正真正銘の美しい顔でいただけだ。多少メイクはしているけど、醜いと罵られる覚えはありません。  溺愛してくれる王子と新たに婚約することになったので、いまさら復縁したいと言ってももう遅い!  

【完結】もしかして悪役令嬢とはわたくしのことでしょうか?

桃田みかん
恋愛
ナルトリア公爵の長女イザベルには五歳のフローラという可愛い妹がいる。 天使のように可愛らしいフローラはちょっぴりわがままな小悪魔でもあった。 そんなフローラが階段から落ちて怪我をしてから、少し性格が変わった。 「お姉様を悪役令嬢になんてさせません!」 イザベルにこう高らかに宣言したフローラに、戸惑うばかり。 フローラは天使なのか小悪魔なのか…

歪んだ恋にさようなら

木蓮
恋愛
双子の姉妹のアリアとセレンと婚約者たちは仲の良い友人だった。しかし自分が信じる”恋人への愛”を叶えるために好き勝手に振るまうセレンにアリアは心がすり減っていく。そして、セレンがアリアの大切な物を奪っていった時、アリアはセレンが信じる愛を奪うことにした。 小説家になろう様にも投稿しています。

その方は婚約者ではありませんよ、お姉様

夜桜
恋愛
マリサは、姉のニーナに婚約者を取られてしまった。 しかし、本当は婚約者ではなく……?

悪役令嬢は天然

西楓
恋愛
死んだと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢に転生⁉︎転生したがゲームの存在を知らず天然に振る舞う悪役令嬢に対し、ゲームだと知っているヒロインは…

婚約破棄ですか……。……あの、契約書類は読みましたか?

冬吹せいら
恋愛
 伯爵家の令息――ローイ・ランドルフは、侯爵家の令嬢――アリア・テスタロトと婚約を結んだ。  しかし、この婚約の本当の目的は、伯爵家による侯爵家の乗っ取りである。  侯爵家の領地に、ズカズカと進行し、我がもの顔で建物の建設を始める伯爵家。  ある程度領地を蝕んだところで、ローイはアリアとの婚約を破棄しようとした。 「おかしいと思いませんか? 自らの領地を荒されているのに、何も言わないなんて――」  アリアが、ローイに対して、不気味に語り掛ける。  侯爵家は、最初から気が付いていたのだ。 「契約書類は、ちゃんと読みましたか?」  伯爵家の没落が、今、始まろうとしている――。

処理中です...