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悪女の手下
2 悪女の手下
しおりを挟む「姉様!!私がそんな奴の事を好きになるような女だとお思いですか?第一、姉様を傷つける奴は大っ嫌いですし。普通に好みでもありませんわ!!!何故か私達姉妹が不仲だとか、私と姉様の婚約者は運命だとか言われてますけどあんな奴(社交会から)消えてしまえばいいのに!!」
流石姉妹である、発想が同じ。それに、聞いてはいたがかなりのシスコンだった。
シンシアによると、毎回毎回断っているのにアプローチされ続けており、この最近ではアプローチから執着に変わって来ているそうで、部屋にいる時に視線を感じたり、レディの婚約者が知っているはずもない事を知っていたりするらしい。流石に聞いていて気持ち悪くなる内容ばかりだった。
そうして用意に用意を重ねていたところ、何と卒業パーティーで婚約者が婚約破棄を堂々と言い退けたのだ。
レディを蔑ろにし、婚約者としての屈辱的行為をしたいた方からの婚約破棄なので確実にレディが被害者になれるし、賠償金もがっぽりもらえそうだ。
ちなみに、レディはその様子を見て笑いを堪えていたし、シンシアも婚約者の誘いを断ってレディの横で婚約者を睨みつけていた。
そんな中にも関わらず、その婚約者は証拠もないレディの犯行をつらつらと述べ始める。
この状況に何故気付かないのだろう。
「ここまでしていたとは!!何という重罪だろう…!」
ここまで来ると、逆に凄いと思う。この人はどういう神経をしているのだろうか。
「私はそんな事しておりませんわ。それに、証拠を頂かないと納得出来ませんわ……」
「証拠?そんなもの無くても罪はこの場でもうすでに証明されているようなものだ」
訳の分からなさに私は首を傾げ、レディの方を見やるがレディは一人楽しそうにし、シンシアは苦笑いをしている。
ますます分からない。
「シンシア、もう大丈夫だよ」
まるで恋人に言うかのような熱の籠った声でシンシアを呼びかける。
「レディ、君がシンシアを虐めていることも、シンシアの私との関係という弱みを握って今も脅している事は分かっている。シンシア、僕がいるから正直に言ってくれないか?君の言葉は証拠になる」
酷い茶番もかなり盛り上がって来た為、ゾロゾロと多くの人がここに集まって来ている。
そんな中、シンシアは肩を震わしながら口を開いた。
「私……は、そんな事されておりません!!!」
大声がホールに響きわたった。シンシアはかなり限界だったらしく、可愛らしい顔に青筋が立っているのが見えた。
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