幸薄な私達の幸せな在処

こん

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次に会ったのは1週間後。その日も薬草採取だった。

木の影からやたらと視線を感じる。
振り返ると、この前の男の子がいた。銀髪と赤い目は今日も綺麗だった。
しかし、私と目が合うと逃げるように森へと消えていった。
私と話す気はさらさらないようだ。

また1週間後、また1週間後…毎回男の子は私を木の影から見ていたが、私が気づくと逃げるように帰る。

そうして半年が経ったある日、痺れを切らした私は声をかける事にした。
薬草採取の日、いつも通り籠を持って森で指定された草を摘む。暫くすると、ふと視線を感じた。

その視線を感じてすぐ、立ち上がって叫ぶ。

「私に何か用ですかー!!」

私の声は、真昼間の森の中をこだましていく。
視界の端に、草がガサっと動いたのが見えた。

「待って下さい!!!」

逃げられてたまるかと必死に叫んだ。

「あの、あの時はありがとうございました!もし、貴方がいなかったら私、死んでました」

あたりはシーンと静まり返っている。やはり、駄目だったか。

「うーん、どうやったら伝わるだろう…」
「ねえ、怖くないの?」
「うおぉ!!」

急に声が聞こえたものだから、反射で叫んでしまった。しかも、女の子らしからぬ野太い声で。
私の叫び声に驚いてしまったのか、男の子も怯えている。

「ご、ごめん。急に声を出してビックリしたよね。えっとー…ほら」

そう言って彼の背中をさする。その体は思ったよりも細い体をしていた。
男の子は私に触れられたのが嫌だったのか、怯えるのもやめてびっくりした顔でこちらを見た。

「僕が…怖くないの?」
「怖い…?」

そういえば、最初に声をかけられた時もそう言っていた。

「うん…だって僕を見ると皆怖がるから」
「怖くない」

つい食い気味に言ってしまう。
白い髪と赤い目のせいだ。
この子は何も悪くない。
ずっとそう思ってきた。
親が色で人を嫌っている様子も訳が分からなかった。

「私は怖くないよ。むしろ…綺麗」

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