いじめ殺し~いじめられっ子からの復讐~

野うさぎ

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番外編 第2章

第4話

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 世界君から、勝恋について聞かされた。
 この家に来ることになった経緯も教えてもらった。

 だけど、ここで個人的に疑問点が出てきた。
 まず、勝恋はいつから、いじめ殺しが住みついていることを知っていたのだろうか?
 そして、勝恋ぐらいの身体能力があるなら、妹や母親を助けることもできたのでは?
 
 聞けば、聞くほど、怪しいところはあった。

「君のお姉さんに会って、話ができるかな?
いじめ殺しについて、少しでも知りたいの」

「何かあったら、世界のことはこの子が守ってくれるってさ」
 リスニーがそういうものだから、俺は照れ隠しをしながら、静かに反論した。
「そんなことは言わなくていいの」

 世界君に案内されて、芸神の家についた。
 ここで、勝恋と対面することになった。
 家の中だと何かあった時に戦ったり、逃げたりできないから、家の外で話をすることにした。

「話があるの」
 俺は静かに答えた。

「何かしら?」
「いじめ殺しは、いつから君の前の家に住みついていたの?」
「数か月前からよ」
「数か月前に気づいていたって、ことになるよね?
どうにかしようと思わなかったの?」
「さあ…」

 返答に困っている様子だった。

「そして、この家にはどうやって入ってきたの?
第三者が入れない限り、勝手に入ることはできないはず。
今までの証言からすれば、明確な証拠がなければ、君が入れたと疑うことになるよ」

 俺は、きつく問い詰めた。

「うふふ」
 勝恋は、静かに笑った。

「君は今、疑われているの。
黒船あぶき君と関係性があるか、あるいは、黒幕かとかね。
普通に考えれば、そんな中、笑っている余裕なんてない。
疑いを解きたいのなら、真剣に答えてくれるかな?」

「私を犯人扱いするのね」
「証拠があれば、容疑者から外すことはできるよ。
俺は、不必要に一般人を疑いたいわけじゃない。
だけど、一般人の中に黒幕がいるから、疑わなきゃいけなくなるの」

「私をどうするつもりなの?」
「そんなことは、今知らなきゃいけないことじゃない。
質問に内容は、君があの家にいじめ殺しを入れたかどうか」
「入れたわ」
「やっぱりね。 おかしいと思ったよ。
ちなみに、陸野君の家もだれかいじめ殺しがいれたはずだけど、これは推測によると…」
「黒船あぶきの確率が高いよね」
 リスニーが口をはさんだ。

「おらっちが、真実を確かめちゃうぞ。
つまーり、勝恋がいじめ殺しを前の家におびき寄せて、数か月間も住まわして、母親と妹を殺すように仕向けた。
だけど、何か裏があって、弟を生かした。
その後に陸野の家も襲われたけど、黒船あぶきが家に入れたんだと、さ。
だけど、その情報を与える第三者がいないと成立しないよね。 しないよね」
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