私の幼馴染は、世界一無敵な騎士

野うさぎ

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第1章 親友と同じ人を好きになってしまって

第14話 青葉の気持ち

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 誠君は、何か言おうとしている様子がなかった。
 反論を諦めたのか、青葉ちゃんの気持ちに気づけたのか。

 どちらにしても、誠君は追い込まれる一方だと思う。

「嫌い、大嫌い。

鬱陶しい、鬱陶しいだけ。

パラレルループしてきたとか言うけど、今のあたしは幼馴染みなんて恋愛対象にしない。

好きな人ができたから、告白したいから、この場を借りて言わせてもらうよ。

大嫌い。

二度と関わらないで?

あたしの気持ちなんて、ちっともわかってない。

あたしの感情を、誠君は無視してる。

これで懲りたら、もうさようなら」

「待てよ」

「往生際が悪い。

何なの?」

 誠君は泣きながら、青葉ちゃんに一言を伝えた。

「何もわかってあげられなくて、ごめんね?」

「嘘でしょ?

嘘つき。

君と言うことは、信じないことにしたの。

大嫌いだから」

「多分、わかってる。

君にまだ伝えたいこと、あるの」

「君の声なんか、二度と聞きたくない」

 青葉ちゃんは冷たく言い放った。

 本当に青葉ちゃんなの?

「青葉をこんなに傷つけているなんて、知らなかった。

本当にごめんね?

だけど、俺はまだ青葉が好きなんだ」

「好きになってほしくない。

こんな障害持ちなんかに。

騎士を目指す厨二病なんかに。

だから、追いかけてこないで?

二度と、二度とね。

やっぱり、あたしは大人な男が好き。

じゃあね」

 青葉ちゃんは、勇気さんと青葉ちゃんのお姉さんがいるところに向かった。

「行きましょう、お姉様、勇気さん」

「あら、もういいの?

執拗にアプローチしてきた人なんでしょ?

もっと、立ち直れないくらいに罵倒した方がいい、んじゃないのかしら?」

「もういいの。

言いたいことは、全て言い切ったから。

それに、誠は罵倒しきったし、前に進めないだろうから」

「偉いわ。

嫌なことは、はっきり伝えることはすごく大切なのよ。

姉として、感激しちゃう。

さすが、あたしの妹ね。

失恋の傷は深いかもしれないけど、誰もが通る道だから、あまり気にしすぎなくても大丈夫よ。

今日は、焼き肉パーティーにする?

それとも、スイーツビュッフェ?」

「うーん、勇気さんとお姉様も一緒に行くこと前提なら、みんなが食べれる物にした方がいいかな?」

「さすが!

青葉は、細かいところまで気が配れるのね。

勇気は、何なら食べれそう?」

「実はスイーツも焼き肉もそんなに好きじゃなくて、回転寿司とかラーメン屋がいいな」

「あら、まあ。

それなら、バイキングにする?

好きな物を、自分でとって食べるの」

「いいね、それ。

勇気さんは?」

「おっ、これで寿司もラーメンも食べれそうだ」

「それはどうなのか、わかんないけどね」

 勇気さん、青葉ちゃん、青葉ちゃんのお姉さんは笑いながら倉庫を出た。
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