私の幼馴染は、世界一無敵な騎士

野うさぎ

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第1章 親友と同じ人を好きになってしまって

第3話 ライバルがいなくなっても続く片思い

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「弟と、幸せを築きあげたのは、青頭なのね。

よーく、わかったわ」

 冷たく言い放ったその言葉には、私は恐怖を感じた。

 次の瞬間、青葉ちゃんは血を出して倒れていた。

「青葉ちゃん!」

「青葉!」

 私と井藤君は、青葉ちゃんのところに駆け寄っていったけれど、脈も感じないし、息もしていなかった。

「そんな・・・・どうして・・・・?」

 私は、目の前の現実を受けれられないでいた。
 青葉ちゃんは、死んだ・・・・。

 唄さんは、せせら笑っていた。

「美しい光景ね。

あたしより、幸せになるとか信じらんない。

これで、誠を、弟を、不幸にできたわ」

 こうして、唄さんは去っていった。

 ひどい・・・・。

 青葉ちゃんは救急車に運ばれて、警察からの事情聴取を受けて、警察は唄さんを捜しに行く形になった。
 唄さんが何者なのかはわからないけれど、私は恐怖を覚えてしまった。

 私もあんな目にあうのなら、唄さんに告白する気にもなれない。
 青葉ちゃんがいなくなった今からでも、私は自分の気持ちに蓋をすることになった。

 青葉ちゃんに両親はいないから、児童養護施設の職員や子供たちが、お墓参りやお葬式などほかにも参加する形になっていた。
 私はというと、お墓参りにもお葬式にも行く気になれなかった。

 殺人現場を生まれて初めて見てしまった・・・。

 学校がある日は、井藤君がクラスの男子たちから「死人の彼氏がいるぞ!」とからかわれるところを見ては、私が「ちょっとやめなよ」と止めることが多かった。

「お前は、死人の親友か」

 クラスの男子生徒たちは、なぜか笑っていた。
 どこがおもしろいの?
 私には、クラスの男子たちの言動も、行動も理解できなかった。

「いいんだよ・・・。

僕は、まだ青葉のことが好きだし・・・・」

「井藤君?」

「はっ、死人のことを好きとか亡霊とか幽霊が好みなのか」

「言えてる、言えてる」

「ほんとにやめなってば!

本人は傷ついているの!

大切な人を失う気持ちがわかっているの!?」

「なんだよ、偽善ぶってさ」

「そーだ、そーだ」

「第一、井藤みたなバカで赤点とるようなやつに彼女できるとかありえねーし」

「俺が親切に東海のやろうに、井藤が発達障害があることを教えてあげたのに、否定しやがってよ。

そんなことないだって、よ!

事実に目を向けないことが、ほんとの恋愛なのかつっのー!」

「え?

井藤君に発達障害?」

「知らねーのか。

こいつの障害のせいで、両親が離婚になって、家族みーんな不幸にしちまったんだ」

「井藤君、どうなの?

本当のことを教えてよ。

でないと、勝手に否定するわけにはいかないから」

 井藤君はしばらく黙り込んだ後に、静かに口を開いた。
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