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第1章 世界最強で超天然な叔父ライハイツ君と、最弱で真面目な甥っ子

第9話 ここで、地獄が待っているとは思わなかった

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 あのリスは、何だったのだろう?
 そんな疑問を抱えながら、俺はそのまま家に帰ることにした。

 ここで、地獄が待っているとは思わなかった。
 
「待ってよ・・・、これは、どういうことだ?」

 家が、荒らされていた。
 そして、おじいちゃん、ライハイツ叔父さん、まほさん、そして従妹まで、死んでいた・・・・。

「何がどうなって・・・・?」
 
 突然の出来事に、頭が追いつかなかった。

「発見」

 後ろから声がしたかと思うと、振り返る暇もなく、俺は無残に刺された。

「この、いじめっ子のくせに、いじめっ子のくせに」

「うわっ」

 俺の背中なのか、腰あたりなのかわからないけど、大量の血が流れていくことがわかる。
 俺は、うつ伏せの状態で、床に倒れこんだ。

「誤解だ・・・・」

「俺は、いじめなんてしていない」と、言おうとしても、言うことすらできないくらい、意識が遠のいていた。

 頭の中で、声がした。

「今の人生に、満足しているか?」

 しているわけがない。
 しているものか、こんな俺に名前もなくて、本当の親がわからない人生。

 もしも、願いが叶うなら、人生を別の形でやり直したい。
 そんなこと、できるわけないか。

「できるぞ」

 え?
 そんなことを思っている間に、どこからか光がでてきた。



「起きてよ、起きて」

 気が付けば、教室の机の上で突っ伏していた状態で寝ていた。
 俺は、顔を上げた。

「全く、もうすぐでお昼休み終わるよ」

 目の前には、ライハイツ叔父さんがいた。

「叔父さん、なんで学校にいるの?」

「おじさん?

何を言っているの?

そんな年じゃないよ」

「じゃあ、何なの?」

「僕たち、同じ学校の同級生でしょ?

それ以外に、何があるの?」

 これは、夢?

「俺は、君をなんて呼べばいいの・・・?」

「幼馴染に向かって、今更?

いつも、ライハイツ君って呼んでるじゃん」

「じゃあ、ライハイツ君?」

「馬鹿馬鹿しい。

もう行くよ」

「行くって、どこへ?」

「馬鹿なの?

帰るに決まってんじゃん。

今、何時だと思っているの?」

 叔父さん、ライハイツ君の性格が違う気がする。
 容姿は同じだけど、言い方も、きつくなっている。

 ライハイツ君が、カバンを持って、教室を出ようとしたら、転んだ。

「いてっ」

 俺は、その様子を見て、思わず笑ってしまった。

「ライハイツ君は、相変わらず天然だね」

「うっさい、笑うな!

ちなみに、天然じゃないから」

「そこが、天然なんだよ。

超天然さん」

 ライハイツ君は、ここで顔を真っ赤にして「さっさと帰るぞ」と、教室を出て行った。
 俺も、カバンを持って、その後を追う。

 これが、超天然な叔父ライハイツ君と、最弱で真面目な甥っ子の俺の物語なんだ。
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