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第1章 世界最強で超天然な叔父ライハイツ君と、最弱で真面目な甥っ子

第2話 そっちの意味じゃないわ!

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「雷君は、生徒会に立候補してくれててるね。
確か、議長で」

「はい」
 俺と、叔父さんが同時に言った。

「生徒会長と、副会長が、君のペースに疲れ切っているという報告が来てね・・・」

「え?憑かれてる?

何にですか?」

「そっちの意味じゃないわ!」

 三者面談でも、天然発言がでてくるのか・・・。

「君は、高校に行く気あるんですか?」

「はい、大学に行きたいです」

「答え方、間違えてる!?」

「後ね、忘れ物が多くてね、制服をよく忘れていたね」

「それ、忘れようのない物!?」

「そんなんで、高校に行けるの?」

「親孝行できます」

「進路の話を聞かれているんだ!

わかっているのか!?」

「このままだと、不良高校に進学することになるんだが、それでいいの?」

「不漁高校?
漁師じゃない学校のことですか?
行きたいです」

「底辺高校に行くことになるって、話をされているんだ!」

「雷君は、これからどうしていきたいとかっていうのは、あるのかい?」

「これから・・・・」

 叔父さんは、考え込んでいた。

「できることなら、過去に戻りたいです」

「未来のことを聞かれてるんんだ!」

「人間関係の話になるんだが、生徒会長と、副会長が君に気を使いすぎてしまうみたいで」

「気を使う?
気を放てるということですか?」

「一般人に、そんなことができるか!?」

「君は、議長に向いていないという話も出ていたんだ

「僕は、議長を剥けません。
皮むき器を、持ってきてませんから」

「そっちじゃねえ!?」

 何で、先生が何か言うたびに、ボケをかましてくるんだ?

「それと、一部の生徒が、君は非常に面白いという話もあった」

「面白いですか?
堅苦しい話しか、してませんが」

「君の天然が、そうしているんだ」

「体育の授業だけど、短距離走を1秒、中距離層を2秒、長距離走を3秒で走りきって、陸上部も驚いていたよ」

「もはや、人間でもない」

「ということは、俺はサッカー部で足が鍛えられたということですね?」

「サッカー部やっていても、そんなふうにはならん」

 叔父さんは、サッカー部には所属しているけど、早く走れるようになったのは、多分、ハーフオーガの血のせいだと思う。
 これだと、周囲に人間ではないことをばらしているようなものだ。

「サッカー部の顧問の先生から、君はボールを、ゴールと違う方向に飛ばすという報告もあってね」

「サッカー部に入った意味すらない!」

「雷君は、陸上部の方が合っているんじゃないかって、話もでていたんだ」

「僕は、陸で生活しています」

「ただ、ひたすら走る方がいいって、言われてるんだ!」
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