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第1章 幼稚園から始まる悲劇
第10話 正反対の従姉妹
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「初めまして。
私、セリオって言います」
敬語で、デボーレという子に挨拶をしてみた。
「あたしは、デボーレ。
もしかして、話で聞いた通り、あたしの従妹・・・・?」
向こうは、困惑している様子だった。
「そうみたいね。
私は聞かされても、いまいちピンとこないのだけども」
「それは、あたしもそう」
デボーレは、ゆっくり私に近づいた。
「君は、あたしに近づいても平気なの?」
「平気って?」
「何も聞かされてない?
あたしは、死に寄せによって、たくさんの人の命が奪われているって」
「聞いている。
だけど、それを知った上で、君に助けに来たのよ」
「どうして?」
「守りたいから」
「へ?」
「君のことも守りたいし、周りにいる人も救いたいから」
「あたしが怖くないの?」
「君は、何も悪くない。
だから、怖くないわ。
君はこの呪いを背負って、どうにかしたいとか思ってる?
変えたいって、全力になれる?
私は、助けたいの」
わかってもらえるかな?
ここまで、様々なことを経験しすぎたら、何も信じられなくなっいるかもしれない。
「あたしと一緒にいるのは、危ない。
関係のない君を巻き込みたくない。
セリオちゃんだって、死にたくないでしょ?」
「死にたくないけど、デボーレはこのままでいいの?」
「仕方ないかも。
こんなふうに生まれたら、変えられないよ。
変わらない」
この様子だと、諦めてる?
「今すぐに、信じなくてもいい。
私、信じてもらえるまで、何回でも助けるから」
「セリオちゃんが、そうしたいなら」
デボーレは、どこか納得していない様子だった。
それでもいい。
私は、信用してもらうために有言実行できればいい。
「ほんとに、その覚悟はあるのか?」
ペングウィーが、私に質問した。
「え?」
「どんな災難が起こるかわからない。
それに、君には魔力が宿ってない。
アコーソのように致命傷を負う戦いがあったら、どうする?
あるいは、アコーソよりも強い敵が現れることも考えられる。
おいらだって、あの時は助けられた。
だけど、いつでも、どこでもっていうわけじゃない」
「それは・・・」
私は、そこまで考えてなかった。
「デボーレを救いたいなら、自分の身を守れるようになるんだ。
まず、そこからだ」
ペングウィーは、どうしてそんな厳しいことを言うの?
「セリオちゃん、ペングウィー君の言うことも、最もだよ。
自分の身を守れるようにならないと、誰かのことを救うことなんてできない。
魔法が使えないならさ、そこから始めないと」
デボーレまで・・・。
「私には、魔力がない。
だけど、魔法なしでもやってこれた」
「最強の魔法を使いこなせる者がいたら・・・?」
ペングウィーが、険しい表情をした。
「え?」
「アコーソは君と同じように魔力を持っていないし、この世界では弱い方に入る。
だから、勝てた」
「魔力を持つ魔法学園の生徒や先生も、何人かやられたわ」
「魔法学園の生徒は、いくら魔力を持っていても、使いこなし方を知らない人の集まりだった。
それに、先生を倒すことができたのは、きっと、アコーソの実績ではなく、仲間達が優秀だったから。
アコーソ自身は、自分の実績だと思っているみたいだが、それの勘違いが滅亡へと導くことをわかっていない。
魔力を持たないアコーソが、なぜ今まで助かってこれたのか?
どうして、行動からしてみても、決して賢い方ではない彼女が指名手配をされても捕まらなかったのか?
疑問に思ったことはないかい?」
「それは・・・あるかもしれない」
アコーソは追われる身でありながらも捕まることはなく、魔法学園も襲撃できた。
だけど、伯父さんと私とペングウィーと戦った時は、思ったより強くなかった。
理由は、叔父さんとペングウィーが頼りになるからだと思っていた。
「おそらく、彼女だけで異世界転移すれば生き残れないと思っている。
だけど、仲間の魔力と知能だけで、守られてきた。
その仲間を、彼女は魔法学園で犠牲にしてしまった。
もし、そこでアコーソの仲間が生きていたら、酒場での戦いは勝算はなかった。
これから先、彼女は脱獄を企むかもしれないけど、そこまでの知能はないだろうし、仮に成功したとしても、生き残れない。
真っ先に、殺される運命だな」
確かに言われてみれば、アコーソは仲間を動かしているところがあった。
「だけど、どうしてアコーソは優秀な仲間を?
仲間も同じ保育園の人間世界出身だったわ」
「そこが、謎なとこだ。
もしかしたら、最強の魔力の使い手が紛れ込んでいたのかもしれないな。
どうやって集めたのかも、そして、彼女が異世界転移して経緯もわかっていない」
「確かに、私ペングウィーによって、異世界転移したもんね」
「あたしも」
「だけど、アコーソみたいな人は、魔法精霊は他にもいるけれど、異世界転移なんてさせたいやつはいないだろう。
となると、仲間のうちの誰かが異世界へ行くことを提案し、転移させたという方が辻褄があう」
確かに、今までどうしてアコーソが異世界に来て、どうやって来たとか今まで考えたことがなかった。
私、セリオって言います」
敬語で、デボーレという子に挨拶をしてみた。
「あたしは、デボーレ。
もしかして、話で聞いた通り、あたしの従妹・・・・?」
向こうは、困惑している様子だった。
「そうみたいね。
私は聞かされても、いまいちピンとこないのだけども」
「それは、あたしもそう」
デボーレは、ゆっくり私に近づいた。
「君は、あたしに近づいても平気なの?」
「平気って?」
「何も聞かされてない?
あたしは、死に寄せによって、たくさんの人の命が奪われているって」
「聞いている。
だけど、それを知った上で、君に助けに来たのよ」
「どうして?」
「守りたいから」
「へ?」
「君のことも守りたいし、周りにいる人も救いたいから」
「あたしが怖くないの?」
「君は、何も悪くない。
だから、怖くないわ。
君はこの呪いを背負って、どうにかしたいとか思ってる?
変えたいって、全力になれる?
私は、助けたいの」
わかってもらえるかな?
ここまで、様々なことを経験しすぎたら、何も信じられなくなっいるかもしれない。
「あたしと一緒にいるのは、危ない。
関係のない君を巻き込みたくない。
セリオちゃんだって、死にたくないでしょ?」
「死にたくないけど、デボーレはこのままでいいの?」
「仕方ないかも。
こんなふうに生まれたら、変えられないよ。
変わらない」
この様子だと、諦めてる?
「今すぐに、信じなくてもいい。
私、信じてもらえるまで、何回でも助けるから」
「セリオちゃんが、そうしたいなら」
デボーレは、どこか納得していない様子だった。
それでもいい。
私は、信用してもらうために有言実行できればいい。
「ほんとに、その覚悟はあるのか?」
ペングウィーが、私に質問した。
「え?」
「どんな災難が起こるかわからない。
それに、君には魔力が宿ってない。
アコーソのように致命傷を負う戦いがあったら、どうする?
あるいは、アコーソよりも強い敵が現れることも考えられる。
おいらだって、あの時は助けられた。
だけど、いつでも、どこでもっていうわけじゃない」
「それは・・・」
私は、そこまで考えてなかった。
「デボーレを救いたいなら、自分の身を守れるようになるんだ。
まず、そこからだ」
ペングウィーは、どうしてそんな厳しいことを言うの?
「セリオちゃん、ペングウィー君の言うことも、最もだよ。
自分の身を守れるようにならないと、誰かのことを救うことなんてできない。
魔法が使えないならさ、そこから始めないと」
デボーレまで・・・。
「私には、魔力がない。
だけど、魔法なしでもやってこれた」
「最強の魔法を使いこなせる者がいたら・・・?」
ペングウィーが、険しい表情をした。
「え?」
「アコーソは君と同じように魔力を持っていないし、この世界では弱い方に入る。
だから、勝てた」
「魔力を持つ魔法学園の生徒や先生も、何人かやられたわ」
「魔法学園の生徒は、いくら魔力を持っていても、使いこなし方を知らない人の集まりだった。
それに、先生を倒すことができたのは、きっと、アコーソの実績ではなく、仲間達が優秀だったから。
アコーソ自身は、自分の実績だと思っているみたいだが、それの勘違いが滅亡へと導くことをわかっていない。
魔力を持たないアコーソが、なぜ今まで助かってこれたのか?
どうして、行動からしてみても、決して賢い方ではない彼女が指名手配をされても捕まらなかったのか?
疑問に思ったことはないかい?」
「それは・・・あるかもしれない」
アコーソは追われる身でありながらも捕まることはなく、魔法学園も襲撃できた。
だけど、伯父さんと私とペングウィーと戦った時は、思ったより強くなかった。
理由は、叔父さんとペングウィーが頼りになるからだと思っていた。
「おそらく、彼女だけで異世界転移すれば生き残れないと思っている。
だけど、仲間の魔力と知能だけで、守られてきた。
その仲間を、彼女は魔法学園で犠牲にしてしまった。
もし、そこでアコーソの仲間が生きていたら、酒場での戦いは勝算はなかった。
これから先、彼女は脱獄を企むかもしれないけど、そこまでの知能はないだろうし、仮に成功したとしても、生き残れない。
真っ先に、殺される運命だな」
確かに言われてみれば、アコーソは仲間を動かしているところがあった。
「だけど、どうしてアコーソは優秀な仲間を?
仲間も同じ保育園の人間世界出身だったわ」
「そこが、謎なとこだ。
もしかしたら、最強の魔力の使い手が紛れ込んでいたのかもしれないな。
どうやって集めたのかも、そして、彼女が異世界転移して経緯もわかっていない」
「確かに、私ペングウィーによって、異世界転移したもんね」
「あたしも」
「だけど、アコーソみたいな人は、魔法精霊は他にもいるけれど、異世界転移なんてさせたいやつはいないだろう。
となると、仲間のうちの誰かが異世界へ行くことを提案し、転移させたという方が辻褄があう」
確かに、今までどうしてアコーソが異世界に来て、どうやって来たとか今まで考えたことがなかった。
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