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番外編 魔界王の嫁 第2章

第2話

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 子供の言うことに真剣に聞きたくもなる。
 非現実的なことは、私も好きだから。

「魔界王の嫁になって、人生楽すればいいんじゃかな」
「楽にはならないと思うよ、結婚って、大変ってよく聞くし」

 聞いた話しか知らない。
 自分が実際に体験したことないことは、想像でしかない。
 
「じゃあ、お姉さんのために特別な世界を見せてあげるよ」


 子供が指をパチンと鳴らしただけで、身に覚えのない景色。
「この世界で、頑張ってきてね」

 子供は姿を消す。
 
 ちょっと待って。
 ここは、どこなの?

 どこなのか、わからない場所に私はいる。
 景色が暗くて、不気味。
  

「嫁候補が現れたか」

 私の前には、男がいた。
 イケメンで、かっこいい。
 
「俺の嫁にならないか」
「はい、喜んでって言いたいけど・・・」

 イケメンなら、大歓迎。
 だけど、私の母はイケメンの父に一目ぼれして、交際0日婚をして、失敗している。
 私も、母も大のイケメン好き。
 だけど、告白する勇気もない私は、交際経験なし。

「なにか、迷いでもあるのか」
「嫁候補ということは、他にもいるってことですか?」
「いるとも。一夫多妻制という制度がないから、嫁は一人しか選べないとなる」

 なら、私だけを目に入れているわけでは、ないのが悔しい。

「あら、新人さん」

 目の前にいるのは、きれいな女性。
 金髪の髪に青い瞳。
 もしかして、外国人?
 外国人にしては、私よりも背が低い気がする。

「あなたは・・・」
 日本語が通じるかどうかわからないけれど、聞いてみた。

「あたしは、エミリア・カー。魔界王の花嫁候補の一人よ」
「日本語、わかるんですか?」
「あたしの母が日本人だから、ハーフなの。
だから、日本語については、母から聞かされていたわ」

 私とは、ライバルになるということかな。

「あたしとあなたは敵同士ね。
あなた、名前はなんて言うの?」
「私は、意真って言います」
「そう。意真さん。よろしくね」

「今日はお互い対面したことだし、決闘は明日かな」

「決闘?」
 そんな話、聞いてない。

「当り前よ。何も知らないで来たのね。
まあ、わからなくもないわ。私も一週間前まではそうだったから」

 この後、私とエミリアさんは、話をした。
 エミリアは社交的で、自分から話しかけてくれた。

 父がアメリカ人で、母が日本人らしい。
 金髪と青い瞳が父の遺伝子で、身長は母の遺伝子らしい。そのために、私よりも大体5センチも低いのかな?
 日本に生まれて、日本に住んでいたらしいけど、
 中学に上がったころに友達とうまくいかなくなり、いじめに会い、
 それで、アメリカに引っ越したらしい。
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