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番外編 オンラインゲームインザワールド

第2話

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憧れの私をいつしか、描くようになっていた。
ボブカット、ワンピースやミニスカートが似合っていて、キュロットをはいたりもして、
ブーツも履いて、ショートブーツ、ミディアムブーツ、ロングブーツ、ニーハイブーツとか、
現実の私みたくタイツではなくて、ニーハイソックスで、
ピンク、黄色、オレンジが似合っていて、
肌は白くもなくて、黒くもなくて、
身長は154センチから157センチまでで、
ボブカットやショートヘアーの方が似合っていて、
片目が前髪で隠れている、
そんな主人公を描き、自分で小説を書いて、自分ひとりで物語を楽しむようにもなっていた。

私みたく20代とかじゃなくて、10代の子が活躍する物語は好きだった。

私も10代になれば、何でもできるのかな?とさえ思えてもきた。

普通に進学して、普通に就職する道を選んだけど、それでよかったのだろうか?
大学なんて、知名度も難易度も低いし、普通に働いても手取りで月10万前後しかなかった。
私は、あまりにも普通を求めすぎたんだと思う。
私がこれからの人生をどうしたいかがなくて、先生が言ったからとか、親が言ったからで方向性を決めてしまい、いざその道を選んでも、どうしていいのかわからず、挫折した。

私はゲームの中で、理想の自分になりきっていると思う。
さすがに、性格までは変えられないけれど、性格も理想そのものになれればいいけど、今の技術では難しいらしい。その先の未来の技術では、できるかもしれないと言われている。
性格も設定できれば、もっと違う性格になっていたんだろうな、とさえ思えてくる。
みんなのお姉さん的存在になれるような性格がいいなと思っていて、しっかり者で、賢くて、クールで、無口なキャラに憧れていた。

だから、ゲームの中の私は、片目を前髪で隠しているため、慣れないうちは歩きにくいと思う。だけど、人間、慣れるものと聞いたし、ずっとこれでいるわけではないから。
髪はボブヘア―で、すごくかわいい。
身長は、150センチ代だから、現実の私よりも、女の子らしく感じる。
ピンクの膝上のワンピースに、オレンジの膝上のハイソックスの上に、黄色のニーハイブーツ。
イメージカラーがピンク、オレンジ、黄色になるように考えたの。
ワンピースも無地ではなく、小さな水玉に見えるような花柄。
ニーハイブーツにも、後ろに大きなリボンがある。
自分で設定したけれど、かわいい。

服屋を見つけた。
そうだ、カチューシャにしようかな?
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