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番外編 小さなパパとママ

第1話

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 わたし、金魚草 牡丹きんぎょそう ぼたん
 身長146センチ。
 11歳。小学五年生。

 1月9日生まれのやぎ座。
 誕生石は、ガーネット。
 誕生花は、すみれ。

 性格は、おっちょこちょい、天然、腹黒、マイペース、自己中、食いしん坊、敬語を使わない、などと言われるの。

 小中一貫校で、身長150センチという、一歳年上で、わたしより背が高いずっと憧れだった先輩と付き合うことになったの。

「先輩‥‥」
 
 先輩とわたしは、幼稚園からの幼なじみだったけど、
なかなか付き合うことができなくて、
離ればなれになったけど、
先輩が転校してくれたおかげで、
やっと一緒になれた。

わたしと先輩は、夜を共に過ごした。
「好きだよ‥‥」
「オレも‥‥」

 先輩の家で、先輩と一緒に寝る夜。
 明日学校休みだもん。


 どうゆう経緯かわからないけど、わたしに赤ちゃんができた。
 痛い。
 学校では太った扱い。
 体育はお腹が苦しくて、跳び箱が跳べなくなった。
 縄跳びもできない。
 お腹だけ、何故か膨らむ。

 わたしは、学校に行きづらくなった。
 先生からも何度か電話がかかって来るようになった。

 痛い、痛い。
 
 わたしは、食欲がなくなり、ご飯とかを食べなくなった。
 夏バテ?
 にしては、まだ早いような‥‥。

 わたしが五人姉妹の三女で、上のお姉ちゃん、下のお姉ちゃん、上の妹、下の妹、みんな妊娠が判明した。

 姉妹揃って赤ちゃんできていると思わなかった。

 産婦人科のお医者さんの話によると、上のお姉ちゃんとわたしと下の妹は、女の子を妊娠していたらしい。
 下のお姉ちゃんと上の妹は、妊娠している赤ちゃんは男の子らしい。

 下の妹は、身長147センチ。
 上の妹(わたしとは双子の妹)は、身長148センチ。
 わたしは、身長146センチ。
 下のお姉ちゃんは、身長149センチ。
 上のお姉ちゃんは、身長150センチ。

 下の妹は、小学四年生。
 上の妹は、わたしと同じ小学五年生。
 下のお姉ちゃんは、小学六年生。
 上のお姉ちゃんは、中学一年生。

 出産は危険とされた。
「出産の際は、帝王切開になるかも」と言われたりもした。

 彼氏さんとも挨拶はすませた。
 せっかく授かった命なので、産むことにした。

 
 五人、同じ病院で産んだ。
 わたしたち、今日からママになるんだあ。

 それぞれがパパとなる。

 病院から退院しても、毎日夜泣きばかり。

 わたしは、育児に嫌気がさし、五人で、パパやママ任せにした。
 遊びたかったから。

 結局パパとなった彼氏とは、別れることになってしまった。
 赤ちゃんのせいだ‥‥。

 どうか、時間を戻してください。
 わたしが赤ちゃんを身籠る前に。
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