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番外編 ミステリー探偵団

第4話

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 石狩が殺された事件が起きた。
 ニュースにもなったし、一体だれが?

 石狩
 4月2日生まれ。高校三年A組。
 一人っ子で、両親が高校入学する前に離婚してのシングルマザー。
 発見された場所は、校内の男子トイレ。
 置き手紙には、「高校三年のミステリー探偵団全員抹殺」と書いてあった。

 釧路、多摩川、私は呆然とするしかなかった。
 私たちがターゲットなんて、想像もしなかったから。
  次は誰になるの?

 私たちがターゲットにされる前に、犯人を突き止めないと。
 死体のまわりにあるものを調べるしかない。
 
 置き手紙を読むと、字は石狩が書いたような文字だった。自殺?
 自殺なら、他の団員を抹殺することなんてできないはず。
 脅し?ひとまず脅しと仮定しよう。
 何故、男子トイレで倒れる必要がある?
  犯人は、男子という仮説が立てられる。

 石狩の目は開いている。
 短い髪が、肩まで伸びてる?
 昨日まで短髪のはずなのに、1日で伸びるかな?
 目は赤く充血をしている。
 怪我はしてない。毒殺かな?
 
 男子トイレの掃除用具入れには、ほうき、バケツ、水掻き、雑巾などが入っていた。
 もちろん、水道もある。
 
 早く事件を解かなくては。
 これだけの情報だと、何も真相が浮かばない。

 ここは、三年の教室に近い。
 まず、三年のクラスメートに、三人で手分けして聞くことにしよう。
 いつ、どこで何があるかわからないから、
 何時何分に、
 どこで、
 誰とどんな内容で話をするか、
 あらかじめ三人で決めておく。

 聞き込みスタートだ。
石狩の担任の先生にも話を聞くことにもなっているし、先生の話を聞くことから始まる。

「石狩さんが、男子トイレで倒れていましたが、何か心当たりありますか?」
「ないですね」
「何か、トラブルとかは?」
「そうゆう情報は一切ありません」
「石狩さんのクラスメートや先生方との人間関係は、どういった感じでしょうか?」
「クラスメートとは仲良くしていましたし、目立ったことは何ひとつとしてないです」

 情報がなさすぎる。
 何故、生徒のはずなのに、こんなによく知らないんだ?
 クラスは20人も30人もいるし、一人一人がどうしているかは見てないだろう。

「とにかく、先生というのは生徒に勉強だけ教えればいいんです。
成績も中ぐらいですので、いちいち見てられませんよ」

 生徒の冷酷な態度は何なんだ?
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