異世界勇者～それぞれの物語～

番外編 天罰を受けた者たち

第11話

 ユウヅキはカントに話そう。
 冷たくしても駄目なら‥‥
「カント、話があるの」
 今日こそこれで‥‥
「ユウヅキは光の天罰を受けたの」
「光の‥‥天罰？」
「ユウヅキは一回目はパパから、二回目はママから、三回目に受けると危ないの。人に被害をもたらす存在になるから。
ユウヅキは光の天罰により、闇と対をなして、闇の天罰からして邪魔だから命を狙われていて」
 カントはユウヅキを包みこむように抱きしめて「そうと言ってくれればよかったのに」と泣いていた。
 僕は嬉しくて久しぶりに微笑んだ。
「カント‥‥」
 ユウヅキとカントはキスをした。

僕がカントと手を繋いで、家に帰ると家族みんながキシキも迎えてくれた。
 ラストリーは「心配したんだから」と怒らないラストリーが怒っていた。
 ラストリーもカルキも元彼と再開できたらしい。
 泣かないカルキが泣いているから「どうして泣いているの？」と聞いたら「嬉しいから」と返された。
「タシミは俺のこと受け入れてくれたし、ユウヅキも帰ってきた‥‥」
 おかしいね。ユウヅキたちは天罰を受けたのに、ユウヅキは笑うようになったし、カルキは泣くようになって、ラストリーは怒るようになっていた。
 愛はもしかしたら、天罰の力も変えてしまうのかもしれない。
ユウヅキの特異体質が治り、闇から狙われなくなった。
 カルキはお風呂に入っても水と一体化しなくなった。今では、タシミと一緒にお風呂に入ってるよ。
 ラストリーは身長の伸び縮みがなくなり、本来の平均的な身長に戻った。 
 ずっと戻れないと思っていたのに。
しばらくしたら、天罰の儀式は世界中禁止された。これで平和がいつまでも続きましたとさ。