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番外編 左目に隠された不思議な力は~鈴木家の場合~

第1話

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 僕は、鈴木エイト。
 
 女顔であるため、女の子に間違われることがある。
 僕としては、女の子に間違われることは日常茶飯事なので、慣れ切っている。

 黒髪で、黒目。

 闇の塔に向かった時に、闇の門番に言われた。

「心の弱みが見えておるぞ」
 心の弱み? 言っている意味がわからなかったけれど、僕に弱みなんてないと思うので、「何のことかな?」と言った。
「ほう。自分の弱さに気づいてないな」
 そこで、景色は変わり、僕は見たくもないものを見せられた。

 それが何なのかは語りたくない。

 ここで、闇の門番が「死にたいなら、殺してあげるよ」と剣を持って、僕を刺した。

 闇の門番が僕の後ろに立ち、「君はもう逃げられない」と囁いた。

 僕はこんな僕でも怖受け入れてくれて、優しくしてくれるユリマのことを好きになりつつあったけれど、自分に自信はなかった。
 僕なんかが、ユリマを好きになってもいいのかっていつも思っていたから。

「鈴木君、私もドラゴンに変身したいわ」
「なんのことがよくわからないけど、変身できても、何もいいことはないとは思う」
「あるわ。もっとポジティブになりましょう」

 ネガティブな僕とポジティブなユリマは、正反対だった。
 僕は一人ではかなり寂しかったりするし、どうしていいのかわからなかったりするけれど、ユリマでも、誰でもだれかいてくれるとありがたかった。
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