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番外編 戦うサファイア

第14話

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 うららちゃん、報われたかな。
 そんなにあたしは、たいしたことしていない気がする。
 また、恋の相談に来るよね。

 あ、うららちゃんだ。
 教室の扉が開いた。
 今は、朝も早いし、生徒は他にいない。
「まだ、心の準備ができていないの」

 心の準備?
 うららちゃんも、悩むことあるんだね。
 悩まない人なんて、いるのかなと不思議にもなってくる。
 平等ではないけれど、悩みはだれでもある。

 あたしも、それなりに悩むことがる。
 友達が沢山いても、親友ができないことだった。
 女子の人間関係は、一筋縄ではいかなくなる。
 悩むことは当然のように思えてくる。

「恋って、簡単には叶わないから、悩みきがしてくるの」
「実は、あたし、恋なんて経験したことなくて、
うららちゃんの気持ちを、わかってあげているようで、わかってあげられていないかもしれない」
「みいな」
「だけど、友達が悩んでいるなら、どうにかしてあげたくて」

 いいことしか言わないな。
 いいことばから言うのが、あたしなんだよ。

「諦めらめなければ、どうにかなるなんて、絶対嘘だと思う。
諦めるのも必要だと感じることもあるけれど、諦めきれないなら、
うららちゃんが納得する方法でやるしかないかなって」

 一番の得策かな。
 まだ人生経験の浅いあたしにはわからないことが多くて、
 先生とか親に相談すればいいのにと何度も思ったけれど、
 大人には隠したいことが存在してくる。

 大人になるって、どうゆうことかわかっていないけれど、
 子供から早く卒業したくて、
 でも、大人が背負う責任は負いたくない。

「うららの中では、答えは決まっていたの。
好きな人をいつか、振り向かせるって。
そのために努力するの、したいの」

「うんうん」
 うららちゃん、頑張ってね。
 
 そして、うららちゃんから
「やった。告白したら、二つ返事だった」
「よかったね、うららちゃん」

 今度は、心から喜ぶことができた。
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