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番外編 世界でたった一人の魔法少女

第6話

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 カテホーとは、家庭崩壊の略。
 人の心に乗り移り、家庭崩壊をさせる。
 何故、家庭崩壊をさせる必要があるんだか。
 私はそのカテホーと戦わなくてはならないけど、変身する呪文がわからないんだよな。

「どうやって変身するっけ?」
 ウサがどこからか現れて「トランスフォーメーションの後に自分で呪文を決めるんだ」
「呪文って自分で決められるの?」
「そう」

「トランスフォーメーション
カテホーよ、一瞬で滅びよ」
「何だ、その呪文?」
 
 私の大体、一時間くらい長い時間をかけた変身が始まる。

 まず光が私に集まる。

 腕を大きく広げ、
 ピンクのリボンが出現して私の腕や足に巻き付き、
 足に巻き付いたリボンは厚底スニーカーとなり、
 手に巻き付いたリボンは戦闘に使うスティックとなり、私はそれを掴む。

 首にリボンが巻き付き、
 それは戦いづらい、ロングマフラーとなる。

 私はバレリーナのように踊り、
 リボンが私のまわりを一週する。

 私は下はキュロット、上はピンクのワイシャツとなる。
 
 そして、長い台詞がある。
「宇宙を守る 輝く星の戦士
たった一人の魔法少女
ハートは常にここにあり

輝く星を抱きしめて
みんなを守る
勇気の魔法少女
カーレッジ スペース」
 
 やっと終わった。
 変身している時や、台詞を言っている時に攻撃されたら終わりだよ。

「カーレッジかあ、かっこいい」
 このマスコットめ、覚えてるんだな。

「カテホーがいる」
 カテホーとは、イメージで言えば、カラフルなフクロウ。
「ホー」
 「ええい」
 スティックを振り、粉が出てはカテホーを一匹消した。
そうしたら、沢山のカテホーが現れて、
「どうしたらいい?」
 スティックを沢山振って、粉を出しても勝てそうにない。
 だれか‥‥助けて‥‥ 

「ホー」「ホー」
 カテホーが一斉に私に襲いかかろうとした瞬間、
「待つのだ」

 カテホーたちと私が一斉に振りかえる。
 そこには、二人のイケメンがいた。
 顔は仮面で隠れているし、スーツはグレー。
「女一人に、カテホー複数とは卑怯なやつだな」
「相手になってやるぜ」

 一人は短剣、一人は長剣でカテホーと戦う。
 私はその姿に見とれていた。
「かっこいい‥‥」
 カテホーを倒してしまった‥‥。

「あの‥‥お名前はなんて申すのですか?」
 長剣を持つイケメンが「仮面兵士」
 短剣を持つイケメンが「仮面戦士」
 と名乗る。

 だけど、すぐに「さらばだ」と去ってしまった。

「ウサ、このイケメン誰なの?」
「知らない。初めて見た」

 また会えるかな?
 仮面戦士と仮面兵士に。
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