異最強騎士

野うさぎ

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第1章 幼少期

番外編 空気が読めない相棒

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 こわがりだけど、プライドが高い男の神様で、水の天罰の神様であるワッサーからの天罰を受けると、泣くことができなくなるらしい。
 あいつは、泣くこと大嫌いみたい。

 身長160センチの女の神様で、テュネーからの雷の天罰の神様から天罰を受けると、怒ることができなくなるらしい。
 怒られることにすごく弱いせいもあるだろう。
 そして、女装をしたくなるとか、身長をコントロールできるとか。
 黄色の瞳と、プラチナブロンドのミディアムくらいの髪を持つ。
 ピンクは好きではないみたいだ。
 一人称は「あたし」のなのです口調。

 二人の神様に導かれるまま、俺は三人の天罰を受けた者を探した。

 どうやってか、無の天罰の神様の天罰を受けたラストリーと、鉄の天罰の神様の天罰を受けたユウヅキと、鋼の天罰の神様の天罰を受けたカルキを僕は、見つけることができた。


 無の天罰を受けると、人々からは透明人間と同じような扱いで、誰もラストリーの存在を認識できない。
 無というのは、何もないということを意味する。
 というか、ラストリーという存在がなかったこととなり、同じ天罰を受けている者同士か、天罰の神様の守護を受けている者しか、見えない。

 となると、ラストリーの存在を認識できるのは、今のところ俺と、鉄の天罰を受けているユウヅキと、鋼の天罰を受けているカルキと、炎の天罰を受けているユルトと、氷の天罰を受けているりとぐらいだ。

 ユウヅキは鉄を武器にして戦えるみたいだし、カルキは鋼を武器にできる。

 すごく心強いね。 

 俺は、いろいろな人と、友達になれるの。


 異世界では、緑色の髪を持つ。
 異能力は、雷属性。 


 そして、薄い緑髪で左目を髪で隠した、エルフの世界での王国の第四王女クウォーターエルフのニーノ。
 この子は、冒険をともにしている。
 次世代の、左目に力を宿した、ちびっ子勇者ということで。
 僕は護衛の役みたいだけど、この子は強いし、頼りになるの。

 僕の最初の任務は、囚われた副団長のアイリスの救出と、毒蛇《どくへび》の救出と「ワンエイスの末路」という、研究所を見つけ出すことだった。

「ここが、ワンエイスの末路か」

 ここに、アイリスという女性と、毒蛇という男性がいるかどうかはわからない。
 俺も、実際に会ったことがないからだ。

 僕たちの目的は、ワンエイスの末路からワンスイスたちを救いだすこと、
 アイリスや毒蛇を助けて、守り切ること。

 ワンエイスの末路は、ワンエイスを研究材料にしているらしいけど、目的は不明。
 どんな理由であっても、許せないよね。

 ニーノは、勇者であるために剣を持っている。

 ワンエイスの末路の研究所の前まで行くと、さっそく見張りという人たちがいた。

「何しに来た?」
 
 しかも、腰には剣が入った鞘が見えている。

「えーと、あたち達は、アイリスと毒蛇を助けに来ましたわ」

「そういうことなら、通れ。
ちなみに、どうなっても知らんぞ」

 通っていいの?
 やったあ。

 俺とニーノは、研究所の中に入っていった。

 研究所が広く、どこに何があるのかもわからないし、どこをどう探せばいいのかもわからない。
 だから、手当たり次第、探す形となる。

 ここは、勘と運に任せよう。

「白衣を着ていないから、侵入者だ、多分」

 白衣を着た人が目の前にいたけど、多分って、確証もなく疑うなって。

「侵入者ですわ」

「では、このチビだけ捕縛しよう」

 白衣を着た男の人が、ニーノに手を伸ばそうとしたけど、ニーノがその手を弾いた。

「触らないでくださいますの?」

「侵入者を見逃せるほど、甘くないんだぞ」

「こんなか弱い、小さな乙女に、触るなんて、非常識にもほどがありますわ」

「ならば、今すぐ所長に会わせなくてはな」
 
「所長に会えば、何かご褒美がもらえますの?」

 ご褒美がもらえるの?
 すごーい!

「つまり、従う必要すらもないということ・・・・ですわね?」


 ニーノが剣を抜き、一撃で白衣を着た男性を倒した。

 笑顔のまま、スキップするニーノの後を僕は追った。

 目的と場所にはたどり着けずにいたけど、ここで研究所にヒビが入った。

「一体、何が起こった!?」

「魔力の波動を感じる場所に、行きますわ」

 走るニーノの後を追って、そこでたどり着いたのは、研究員を倒し、ワンエイスたちを助け出している、左目を髪で隠し、背中までの長い髪を持つ薄い紫髪の、たった一人の小さな尖った耳を持つエルフだった。

「リコルド・・・」

 僕は、その子の名前を呼んだ。


「リコルド様・・・、どうしてここにいらっしゃいますの?」
 ニーノが、驚きを隠せないでいた。

「そんなことは、決まっているのです」

 リコルドは、一人称は「あたし」のなのです口調。
 長い剣を腰にしまいながら、話す。


「あたしも、ワンエイスの研究所を壊し、ワンエイスたちを助けるようにと、言われたからなのです。
アイリス様や、毒蛇様も、あたしが助けて救出したのですよ」

 すごい・・・・。
 

「あたち達が、迷子になっている間に、研究所の中から、囚われている人たちを見つけ出すなんて・・・・」

「あたしは、無謀なことはしないのですよ。
地図とかも、持ってきているのです」

 こうして、リコルドがどこからか、地図を出して、俺たちに見せた。

「研究所に来る前から、入手していたのです」

「そんな発想があったのですの?
悔しいけれど、あたちの負けですわ」

「やっと、負けを認めてくれたのですね?

ということは、明日からはこのあたしが、ライハイツ様のパートナーとなるのです。

これで勝敗も決まりましたし、文句は一切と言わせないのです」

 この後は、ニーノは勇者ではなく、本格的に王女として王国にいることになった。
 ここで、試験が終わりということではなく、勇者として選ばれる称号をリコルドが得ることになっただけであって、ニーノからしてみれば父親だけど、ハーフエルフである、尖った耳を持つ王様からは「勇者として旅立つことができる」という称号をもらってなかった。

 つまり、第一次試験には受かったけど、第二次試験は受けていない状態。
 次の試験は明日からで、この試験に受かれば、リコルドと俺は、旅立つことができる。

 試験の内容と言うのは、行方不明になった第三王女を見つけ出すことだった。

 情報もない中、さすがにそれを見つけることは難しいと思っていたが、王様がいくつかヒントをくれた。

 ヒントが書いてある髪を、俺にくれたんだ。

 エルフの耳を持つ。
 顔は、ニーノと似ている。
 名前は、バンビーナ。
 第一王女の育とは一日遅れて生まれて、第二王女のバンビーノと同じ日に生まれ、第四王女のニーノより一日早く生まれた。
 右目に不思議な力を持っているため、右目を髪で隠している。

「王様、こんな情報だけではわかりません」

「うむ、少しだけ情報を付け加えておこう」

 王様がメモを書いてくれたけれど、これは少しというレベルではなかった。
 見てみると、こんな内容だった。

 白い肌を持つ。
 行方不明になった時期は、今から3日前。
 身長は、四つごの中で一番高い。
 時期女王としての素質を、四姉妹の中で一番に持っている。
 ニーノとは、異母姉妹。
 隣国の王子と婚約し、居候して以来、我が国にはいない。

 俺は、ここで新たな事実に気づく。

「第三王女さんは、きっと神隠しにあっているんですよ」

「何を言っているんですか?」

 王様は、なぜか首をかしげていた。

「きっと、そうなんです。

王女様は、神隠しに隣の王国であったと書いてあります」

「お主、文章をちゃんと読んどるか?

そんな内容のことは、書いてなかったはずじゃ」

「書いてなくても、書いてあっても、正解は変わらないんだから、変えちゃだめですよ」

「え?
え?」

「王様、そういうことでしたら、一緒に隣国まで殴り込みに行きましょう」

「あの・・・・」

 王様は戸惑っている様子だったけど、俺は王様の腕を引っ張て、隣国に向かった。

「バンビーノ王女は、どこにいますか?」

 と、不良らしき人に聞いてみた。

「何だ、お前、喧嘩売っているのか?」

「うん、そうだよ。

お姫様を取り返すための喧嘩なの」

 俺は、笑顔で答えた。
 よかった。
 これで、バンビーナだっけ?を助けられるね。

「おい、こら!

いい度胸じゃねえか」

「すいません、すいません」

 と、ひたすら謝る王様に、僕は説得をした。

「王様、バンビーナを助けたくないんですか?

父親なら、自分の力で助けた方が、かっこいいと思います」

「すまない。

実は、娘が行方不明というのは、ただのでっち上げなんだ。

だから、この通りに許してくれ」

「許すって、何を?

ああ、わかった。

娘さんと喧嘩したんですね。

それなら、早く謝りに行きましょう」

「もう、終わりでござる・・・・」

「終わりって、何が?」

「とにかく、終わりでござるよ。

君は、目的と違う方向に動いたのでござる・・・。

よって、君はこの世界にいられないのでござるよ」

「待ってよ、リーベ。

王女様を助けなくちゃいけないの」

「だから、これはでっち上げだ、と。

でっち上げって言わないで、嘘はついていないんだから」

「言葉の意味、理解してる?

これ、嘘って意味でござる」

「そんなあ。

王様、嘘なんてついていないですよね?」

「すまぬ。

嘘じゃ。

だから、元いた世界に帰っておくれ」

「やだよお。

せっかく、友達ができたのに」


「このド天然め。

地獄に引きずりこもうとしていることが、わからないわけ?」

「地獄なんて、この世界のどこにあるの?」

「いい加減、理解するのでござる。

君を騙そうとしたのでござるよ」

「騙そうなんてそんな・・・」

「やっぱりな」

 どこからか声がしたと思ったら、テュー君が現れた。

「生きていたのでござるか?」

「生きているも、どうもこうも、無事だ。

怪しいと思って、俺の性格に似たアバターを、こちらの世界に送り込んだ。

まさか、それに引っかかるとは思わなかったな」

「騙していたでござるか?」

「それは、どっちだ?

この子を、この世界に送りこんだことが、誤算だったな」

 この後、リーベと王様が、っどうなったのかは知らない。
 聞かされても、あまり理解できなかったな。

 この世界にいることは、すごく楽しくて、どれもいい思い出だった。
 
 結局、バンビーナは、隣のお城で、婚約者と仲良く暮らしていたみたい。
 何もなくて、よかったね。

 そころで、でっち上げって、どういう意味なんだろう?

 左目に力を宿せたら、めちゃくちゃかっこいいだろうな。
 
 リーベと、王様は、どういうわけだが、人間世界の刑務所で、僕を見て怯えているような感じがするのは、気のせいかな?

 この後、ニーノという人が「よくもやってくれましたわね」と剣を向けてきたけど、俺は素手で剣を折ったら、逃げ出してしまった。
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