11 / 41
第1章 幼少期
番外編 イフストーリー〜赤音の大学生活〜
しおりを挟む
私には、異世界でも、人間世界でも、最強の騎士であり、大学生の幼馴染がいる。
その名も、真君。
彼は、極度の変わり者。
真君を支えたのは私だけど、なぜか真君は私のことを好きにならない。
私は、小さい頃から真君が好きで、こんなライトノベルみたいなハーレムを送るよりも、私に一途でいてほしくても、彼にはそれが伝わらない。
私の名前は、西園寺《さいおんじ》赤音《あかね》。
男子大生の幼馴染に思いを寄せ女子大生。
身長は高くもなければ低くもない、150センチ代後半。
真君の従兄の勇気さんにどんなに言い寄られても、私の本命は真君に決まっていて、浮気男なんて相手にしない。
「俺、好きな人ができちゃった」
「今度は、どんな人?」
他人に思いを寄せるとかはしないでほしい。
だけど、あいつは告白しても、振られる。
「先輩だよ。
スポーツサークルの体育先輩」
あいつか。
「巨乳じゃないけど、いいのか?」
「巨乳なんて、浮気されるだけだし。
勇気にとられるから、いやなの」
その言葉に、私も巨乳だから、傷つくところがある。
「あかねちゃん、今は貧乳の時代なの」
女性のことを、胸で判断しているのかな?
本人は自覚がないのだろうけど、思ったことをそのまま言葉にしてしまう傾向があるから、それが相手を無意識に傷つけてしまうことがある。
「だから、一緒にサークル入ろう。
赤音ちゃんにも、体育先輩の良さを知ってもらいたいから」
「入るって、そのサークル、真君はできるの?」
「できるかできないかじゃない、やるかやらないかだよ」
私は、真君が弟みたいでほっとけないから、面倒を見てしまうところがある。
結構、無謀なところがあるって、わかるでしょ?
私と、真君は、異世界の大学にいる。
その理由としては、話すと長くなるけど、私も真君も、二人で同じ学校に行った方が安心するというのが一番、大きいかもしれない。
私は、水色とも呼べるような赤髪ショートヘアーで、真君に片思いをする幼馴染で、性格は自分で言うのもなんだけど、世話焼き女房。
同じ大学の男子たちからは「お色気要員」と呼ばれるほど、自他ともにスタイルはいい方だけど、真君には全然見向きもされない。
露出が多い服をあえて着ているのに、真君はそれでも他の女性のところに目がいく。
私と誠君で、サークルに向かった。
先輩の名前は、モーション先輩だ。
誠君の片思いの相手。
真君は惚れっぽくて、すぐにいろいろな女性を好きになり、勇気さんにとられる。
でも、まあ、また失敗に終わることは目に見えている。
私が真君を好きなら、告白すればいいだけかもしれないけど、真君には最悪の人がいる。
嫉妬深いカンツォーネさんは、だれかが幸せが成就することが気に入らなくて、恋人がいる人や、異性から人気がある人を見つけては、攻撃をする。
それに、勇気さんも、従弟に好きな人がいるということも黙ってられないらしくて、すぐに自分の物にしては、妊娠が判明したら、姿を消すことの繰り返し。
「真君、モーション先輩にも迷惑がかかるよ・・・」
「それでも、好きになった人のことを全力で守りたいから・・・・」
「え?」
真君、その言葉は私だけに向けてほしかった。
いくつもの女性を好きになっては、かっこいい言葉を使う。
だけど、それを素直に歓迎できない自分がいる。
真君が大切にするのは、私だけでいいなんてわがままかな?
「モーション先輩、おはようございます」
「ああ、おはよう、まこっち」
「まこっち!?」
「そう、実は僕は先輩からあだ名で呼ばれているの」
真君は、嬉しそうだけど、私だって、まこっちで呼びたいよ。
最初は「井藤君」と苗字でしか呼べなかったけど、頑張って「真君」と下の名前で呼べるようになれたの。
モーション先輩は、スタイルもよくて、髪が長い。
私ももう少し細ければ、髪も長ければいいのかな?
私は失恋をきっかけに、ショートカットにしたけれど、真君はすぐに別れた。
もちろん、真君が別れた理由なんて、勇気さんにとられたからだけどね。
「赤音も、ちゃんと挨拶して」
「お・・・・おはようございます」
「おはよう、たしか赤音ちゃんだっけ?」
「はい、そうです。
これから、よろしくお願いします」
モーション先輩の笑顔・・・・すごく素敵。
同じ女性同士でも、惚れ惚れしちゃう。
「モーション先輩、この笑顔、すごく素敵です」
真君が言ったけれど、私の嫉妬が胸の中で湧き上がることが自分でもわかったけど、多分、真君にもモーション先輩にも、その気持ちは伝わっていない。
「そんなことないですよ。
それより、まこっちは、赤音ちゃんのことをもう少し、気にかけた方がいいんじゃない?」
「どういうことですか?」
「さあ、どういうことだろうね」
モーション先輩は、私にウィンクした。
もしかして、モーション先輩は私の気持ちに気づいてくれた?
モーション先輩が「あかねちゃんと二人だけで話がしたい」と、真君に伝え、私を体育館倉庫の裏に呼び出した。
「モーション先輩?」
「赤音ちゃん、やっぱり、幼馴染であるまこっちのことが好きなんだね?」
モーション先輩は、真剣な顔だった。
「はい。
ですが、真君が好きなのは、モーション先輩って聞きました」
「あたしも、幼馴染がいるから、その気持ちはわかるんだ。
大好きだった幼馴染はあたしの気持ちに気づくことなく、他の女とくっついて、家庭を持ってしまったけれど、赤音ちゃんには、まこっちが本気で好きなら、あたしのことを気にせず、ぶつかってほしいんだ。
後悔しないようにね。
幼馴染に失恋したら、辛いだけだから・・・・。
まこっちも、気づいてないだけで、もしかしたら、赤音ちゃんが好きかもしれないって思うところがあるんだ。
これは、赤音ちゃんのためでもあるし、まこっちのたまでもあるんだ」
「真君は、わたしの思いなんて、これぽっちも気づいてくれないです・・・・」
「まこっちの気持ちについては、あたしの勘でしかないけれど、だけど、赤音ちゃんがまこっちを好きな気持ちは本物だと思う・・・・」
「先輩、ずるいです・・・・。
私も、まこっちって呼びたいです」
「呼びたいなら、呼べばいい」
「え?」
「赤音ちゃんは、可能であるはずのことを、自分で不可能にしている気がするんだ。
幼馴染なんだから、まこっちって呼んでも、何も失礼なことはないんじゃないのか?」
「それは・・・・」
モーション先輩の言うことも、正しいかもしれない。
私が何て呼ぼうと、自由なんだ。
「それに、どうして、まこっちに告白できないんだい?」
「こわいからです・・・。
真君と今の関係が崩れることが・・・。
真君には、他人の恋を奪うような浮気性の従兄もいますし、人の幸せを妬んで、攻撃をするカンツォーネさんもいます。
だから、私が素直になったら、幸せが壊されていくような気がして・・・」
泣くことをこらえながら、私は必死に語る。
そう、自分が幼馴染にも言えないような、本心を。
「実は、人の恋を奪うことも、人を妬んでの攻撃も、自分自身を不幸にしてしまう行為でしかないんだ」
「そんなことって?」
勇気さんも、カンツォーネさんも、幸せじゃない?
「浮気をして、本当の恋が得られると思うかい?
人を妬んで、攻撃したら、何が残るんだい?
その人たちは、孤立するだけだ」
「言われてみれば・・・・」
勇気さんも、カンツォーネさんも、本当の友人もいないし、孤立しているようなものかも。
モーション先輩の言葉に元気づけられた私は、告白を決意する。
だけど、それは今じゃない。
カンツォーネさんや、勇気さんとも「本気だ」ってことを示さなくてはならないのと、恋が成就することは期待しないことだ。
だけど、別の日に「モーション先輩、付き合ってください」と告白する真君がいた。
「まこっち、本当にそれでいいの?」
「いいんです。
だって、本気の恋ですから」
このやりとりを見て、私はモーション先輩と、真君の恋を応援する決意をした。
恋が叶うことが、すべてじゃない。
応援してあげることも、大切なんだ。
だけど、次の日に、真君とモーション先輩の遺体が発見された。
犯人は、カンツォーネさんだった。
「カンツォーネさん、どうして?」
「リア充見てると、妬ましくなるのよ・・・・」
「私にも、同じことをしにきたんですか?」
「ううん。
リアルが弾けていない人のことなんて興味もないわ」
歩いて、去っていく唄さんに大きな声で
「カンツォーネさん、私、本気の恋に気づけました」
「恋?
へえ、どんな恋が聞かせてくれるかしら?」
「私は、真君の恋を応援しようと思いました。
だけど、モーション先輩のことも、ちょっとは憎いなって思っていたんです。
だから、このまま生きていても、私は辛かったと思います」
「助けたつもりではなかったけれど、つまらない人ね」
「つまらなくありません。
カンツォーネさんは、絶対に幸せになれません」
「そうね。
あたしは、幸せじゃない。
だから、あたしが幸せになれる未来があるなら、探してほしいわ」
「なれます。
絶対、なれます。
時間は、戻せるんです」
「時間が戻せるって、どういうこと?」
カンツォーネさんは、意味がよくわからなさそうだった。
「カンツォーネさんにとって、世界一無敵な騎士を見つけてほしいんです。
私も、私の世界一無敵な騎士を見つけられたんですから、カンツォーネさんも見つけれます。
カンツォーネさんにも、素敵な幼馴染ができるといいですね」
「話がよくわからないんだけど」
私の能力は、パラレルループ。
パラレルワールドに移行できるけど、それにはカンツォーネさんも一緒にいってほしかった。
カンツォーネさんが、このままだれかの殺人を行うくらいなら、パラレルワールドで幸せな未来になれるようにすればいい。
他にもいい方法があるかもしれないけど、私ができることと言えば、このくらいだった。
パラレルワールドでは、幼馴染と報われるようにしたい。
「聞いても、忘れちゃうだろうからさ、このまま騙されたと思って、私と一緒に行くしかないですよ。
パラレルワールド」
カンツォーネさんは一瞬青ざめていたかれど、私は構わずに、カンツォーネさんと一緒にパラレルワールドに旅立った。
その名も、真君。
彼は、極度の変わり者。
真君を支えたのは私だけど、なぜか真君は私のことを好きにならない。
私は、小さい頃から真君が好きで、こんなライトノベルみたいなハーレムを送るよりも、私に一途でいてほしくても、彼にはそれが伝わらない。
私の名前は、西園寺《さいおんじ》赤音《あかね》。
男子大生の幼馴染に思いを寄せ女子大生。
身長は高くもなければ低くもない、150センチ代後半。
真君の従兄の勇気さんにどんなに言い寄られても、私の本命は真君に決まっていて、浮気男なんて相手にしない。
「俺、好きな人ができちゃった」
「今度は、どんな人?」
他人に思いを寄せるとかはしないでほしい。
だけど、あいつは告白しても、振られる。
「先輩だよ。
スポーツサークルの体育先輩」
あいつか。
「巨乳じゃないけど、いいのか?」
「巨乳なんて、浮気されるだけだし。
勇気にとられるから、いやなの」
その言葉に、私も巨乳だから、傷つくところがある。
「あかねちゃん、今は貧乳の時代なの」
女性のことを、胸で判断しているのかな?
本人は自覚がないのだろうけど、思ったことをそのまま言葉にしてしまう傾向があるから、それが相手を無意識に傷つけてしまうことがある。
「だから、一緒にサークル入ろう。
赤音ちゃんにも、体育先輩の良さを知ってもらいたいから」
「入るって、そのサークル、真君はできるの?」
「できるかできないかじゃない、やるかやらないかだよ」
私は、真君が弟みたいでほっとけないから、面倒を見てしまうところがある。
結構、無謀なところがあるって、わかるでしょ?
私と、真君は、異世界の大学にいる。
その理由としては、話すと長くなるけど、私も真君も、二人で同じ学校に行った方が安心するというのが一番、大きいかもしれない。
私は、水色とも呼べるような赤髪ショートヘアーで、真君に片思いをする幼馴染で、性格は自分で言うのもなんだけど、世話焼き女房。
同じ大学の男子たちからは「お色気要員」と呼ばれるほど、自他ともにスタイルはいい方だけど、真君には全然見向きもされない。
露出が多い服をあえて着ているのに、真君はそれでも他の女性のところに目がいく。
私と誠君で、サークルに向かった。
先輩の名前は、モーション先輩だ。
誠君の片思いの相手。
真君は惚れっぽくて、すぐにいろいろな女性を好きになり、勇気さんにとられる。
でも、まあ、また失敗に終わることは目に見えている。
私が真君を好きなら、告白すればいいだけかもしれないけど、真君には最悪の人がいる。
嫉妬深いカンツォーネさんは、だれかが幸せが成就することが気に入らなくて、恋人がいる人や、異性から人気がある人を見つけては、攻撃をする。
それに、勇気さんも、従弟に好きな人がいるということも黙ってられないらしくて、すぐに自分の物にしては、妊娠が判明したら、姿を消すことの繰り返し。
「真君、モーション先輩にも迷惑がかかるよ・・・」
「それでも、好きになった人のことを全力で守りたいから・・・・」
「え?」
真君、その言葉は私だけに向けてほしかった。
いくつもの女性を好きになっては、かっこいい言葉を使う。
だけど、それを素直に歓迎できない自分がいる。
真君が大切にするのは、私だけでいいなんてわがままかな?
「モーション先輩、おはようございます」
「ああ、おはよう、まこっち」
「まこっち!?」
「そう、実は僕は先輩からあだ名で呼ばれているの」
真君は、嬉しそうだけど、私だって、まこっちで呼びたいよ。
最初は「井藤君」と苗字でしか呼べなかったけど、頑張って「真君」と下の名前で呼べるようになれたの。
モーション先輩は、スタイルもよくて、髪が長い。
私ももう少し細ければ、髪も長ければいいのかな?
私は失恋をきっかけに、ショートカットにしたけれど、真君はすぐに別れた。
もちろん、真君が別れた理由なんて、勇気さんにとられたからだけどね。
「赤音も、ちゃんと挨拶して」
「お・・・・おはようございます」
「おはよう、たしか赤音ちゃんだっけ?」
「はい、そうです。
これから、よろしくお願いします」
モーション先輩の笑顔・・・・すごく素敵。
同じ女性同士でも、惚れ惚れしちゃう。
「モーション先輩、この笑顔、すごく素敵です」
真君が言ったけれど、私の嫉妬が胸の中で湧き上がることが自分でもわかったけど、多分、真君にもモーション先輩にも、その気持ちは伝わっていない。
「そんなことないですよ。
それより、まこっちは、赤音ちゃんのことをもう少し、気にかけた方がいいんじゃない?」
「どういうことですか?」
「さあ、どういうことだろうね」
モーション先輩は、私にウィンクした。
もしかして、モーション先輩は私の気持ちに気づいてくれた?
モーション先輩が「あかねちゃんと二人だけで話がしたい」と、真君に伝え、私を体育館倉庫の裏に呼び出した。
「モーション先輩?」
「赤音ちゃん、やっぱり、幼馴染であるまこっちのことが好きなんだね?」
モーション先輩は、真剣な顔だった。
「はい。
ですが、真君が好きなのは、モーション先輩って聞きました」
「あたしも、幼馴染がいるから、その気持ちはわかるんだ。
大好きだった幼馴染はあたしの気持ちに気づくことなく、他の女とくっついて、家庭を持ってしまったけれど、赤音ちゃんには、まこっちが本気で好きなら、あたしのことを気にせず、ぶつかってほしいんだ。
後悔しないようにね。
幼馴染に失恋したら、辛いだけだから・・・・。
まこっちも、気づいてないだけで、もしかしたら、赤音ちゃんが好きかもしれないって思うところがあるんだ。
これは、赤音ちゃんのためでもあるし、まこっちのたまでもあるんだ」
「真君は、わたしの思いなんて、これぽっちも気づいてくれないです・・・・」
「まこっちの気持ちについては、あたしの勘でしかないけれど、だけど、赤音ちゃんがまこっちを好きな気持ちは本物だと思う・・・・」
「先輩、ずるいです・・・・。
私も、まこっちって呼びたいです」
「呼びたいなら、呼べばいい」
「え?」
「赤音ちゃんは、可能であるはずのことを、自分で不可能にしている気がするんだ。
幼馴染なんだから、まこっちって呼んでも、何も失礼なことはないんじゃないのか?」
「それは・・・・」
モーション先輩の言うことも、正しいかもしれない。
私が何て呼ぼうと、自由なんだ。
「それに、どうして、まこっちに告白できないんだい?」
「こわいからです・・・。
真君と今の関係が崩れることが・・・。
真君には、他人の恋を奪うような浮気性の従兄もいますし、人の幸せを妬んで、攻撃をするカンツォーネさんもいます。
だから、私が素直になったら、幸せが壊されていくような気がして・・・」
泣くことをこらえながら、私は必死に語る。
そう、自分が幼馴染にも言えないような、本心を。
「実は、人の恋を奪うことも、人を妬んでの攻撃も、自分自身を不幸にしてしまう行為でしかないんだ」
「そんなことって?」
勇気さんも、カンツォーネさんも、幸せじゃない?
「浮気をして、本当の恋が得られると思うかい?
人を妬んで、攻撃したら、何が残るんだい?
その人たちは、孤立するだけだ」
「言われてみれば・・・・」
勇気さんも、カンツォーネさんも、本当の友人もいないし、孤立しているようなものかも。
モーション先輩の言葉に元気づけられた私は、告白を決意する。
だけど、それは今じゃない。
カンツォーネさんや、勇気さんとも「本気だ」ってことを示さなくてはならないのと、恋が成就することは期待しないことだ。
だけど、別の日に「モーション先輩、付き合ってください」と告白する真君がいた。
「まこっち、本当にそれでいいの?」
「いいんです。
だって、本気の恋ですから」
このやりとりを見て、私はモーション先輩と、真君の恋を応援する決意をした。
恋が叶うことが、すべてじゃない。
応援してあげることも、大切なんだ。
だけど、次の日に、真君とモーション先輩の遺体が発見された。
犯人は、カンツォーネさんだった。
「カンツォーネさん、どうして?」
「リア充見てると、妬ましくなるのよ・・・・」
「私にも、同じことをしにきたんですか?」
「ううん。
リアルが弾けていない人のことなんて興味もないわ」
歩いて、去っていく唄さんに大きな声で
「カンツォーネさん、私、本気の恋に気づけました」
「恋?
へえ、どんな恋が聞かせてくれるかしら?」
「私は、真君の恋を応援しようと思いました。
だけど、モーション先輩のことも、ちょっとは憎いなって思っていたんです。
だから、このまま生きていても、私は辛かったと思います」
「助けたつもりではなかったけれど、つまらない人ね」
「つまらなくありません。
カンツォーネさんは、絶対に幸せになれません」
「そうね。
あたしは、幸せじゃない。
だから、あたしが幸せになれる未来があるなら、探してほしいわ」
「なれます。
絶対、なれます。
時間は、戻せるんです」
「時間が戻せるって、どういうこと?」
カンツォーネさんは、意味がよくわからなさそうだった。
「カンツォーネさんにとって、世界一無敵な騎士を見つけてほしいんです。
私も、私の世界一無敵な騎士を見つけられたんですから、カンツォーネさんも見つけれます。
カンツォーネさんにも、素敵な幼馴染ができるといいですね」
「話がよくわからないんだけど」
私の能力は、パラレルループ。
パラレルワールドに移行できるけど、それにはカンツォーネさんも一緒にいってほしかった。
カンツォーネさんが、このままだれかの殺人を行うくらいなら、パラレルワールドで幸せな未来になれるようにすればいい。
他にもいい方法があるかもしれないけど、私ができることと言えば、このくらいだった。
パラレルワールドでは、幼馴染と報われるようにしたい。
「聞いても、忘れちゃうだろうからさ、このまま騙されたと思って、私と一緒に行くしかないですよ。
パラレルワールド」
カンツォーネさんは一瞬青ざめていたかれど、私は構わずに、カンツォーネさんと一緒にパラレルワールドに旅立った。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)
松丹子
恋愛
スパダリな父、優しい長兄、愛想のいい次兄、チャラい従兄に囲まれて、男に抱く理想が高くなってしまった女子高生、橘礼奈。
平凡な自分に見合うフツーな高校生活をエンジョイしようと…思っているはずなのに、幼い頃から抱いていた淡い想いを自覚せざるを得なくなり……
恋愛、家族愛、友情、部活に進路……
緩やかでほんのり甘い青春模様。
*関連作品は下記の通りです。単体でお読みいただけるようにしているつもりです(が、ひたすらキャラクターが多いのであまりオススメできません…)
★展開の都合上、礼奈の誕生日は親世代の作品と齟齬があります。一種のパラレルワールドとしてご了承いただければ幸いです。
*関連作品
『神崎くんは残念なイケメン』(香子視点)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(政人視点)
上記二作を読めばキャラクターは押さえられると思います。
(以降、時系列順『物狂ほしや色と情』、『期待ハズレな吉田さん、自由人な前田くん』、『さくやこの』、『爆走織姫はやさぐれ彦星と結ばれたい』、『色ハくれなゐ 情ハ愛』、『初恋旅行に出かけます』)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる