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第1章 幼少期
第5話 信じられるものはない
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私は、今までのストレスがたまっていたのか、華ちゃんと長電話をしている。
「こりゃあ、疲れるよ。
だって、一方的に話すし、こちらの話を理解していないし、いつも的外れな答えばかりだしてさ、しかも、本人に自覚がないなんて」
「ほんと、そう。
いつも、そう。
だけど、ほうっておけないの」
「だから、井藤君から人が離れていくんじゃない?」
「私は保育園の時からずっと一緒だけど、真君と友情が続いた人を知らない」
「西園寺さんは、偉いよ。
ちゃんと面倒みててさ」
「だよね?
自分でもそう思う。
こんな毎日君とずっと一緒にいられて、なおかつ、私はいまだに真君が好き。
だから、私はおかしい人じゃないかって疑っているの」
「そんなことない。
恋をするのに、おかしいとか絶対ない。
誰だって、何でこんな人を好きになったんだろう?って人を好きになることだってある。
だから、西園寺さんが特別なんかじゃない」
「そうだよね。
だけど、やっぱり私はつらいよ。
真君に振り向いてもらえない私がいる価値があるのかなって。
ただ、一緒にいるだけで、何の価値も魅力も引き出していない。
そして、どうして真君は私のことを好きにならないのかなって」
「井藤君も、悪意はないかもしれない。
だけど、自分の身勝手さが人を追い込んでいることに気づいていない。
それなら、井藤君はこれからも敵を作るし、いろいろな方法でまわりを振り回す。
だから、西園寺さん、これから同じ小学校だって言うし、つらい時はいつでも相談に乗ってね」
「うん。
ありがとう。
華ちゃん」
「西園寺さんは、一人で頑張りすぎなところがあるから、つらい時も悲しい時も、遠慮なく私を頼ってよ。
それに、井藤君に敵が多いのは、明らかに彼の方に問題があると思うからさ」
「そっか。
やっぱり、デリカシーとかないもんね。
青葉ちゃんの件は今更どうにもならなくて、私も青葉ちゃんの気持ちに気づいてあげられなかった」
「仕方ないよ。
私たちは相手の気持ちを想像することはできてもさ、エスパーじゃないもん。
何でもわかるって無理があるよ。
それを誰にも相談しなかった東海さんにも問題があると思うな」
「これで、すっきりした。
これから、よろしくね、華ちゃん」
「西園寺さんも、よろしくね」
こうして、私たちはお互いに電話を切った。
それから、誠君のことを語れる華ちゃんとは、親友のいう間柄になれた。
「クラス違うけど、親友だよ」
私と真君は同じクラスになれたけれど、華ちゃんとは隣のクラスだ。
「隣のクラスぐらいで、大袈裟。
これぐらいで、友情が終わったりしないから、大丈夫だよ」
しばらくしてから、真君から衝撃の一言を言われた。
「俺、好きな人できたよ」
私は、今も真君が好き。
だから、その言葉にはズシリと重い物がのしかかるような感覚に襲われるけど、本人はそのことに気づかないんだろうな。
「どんな人?」
どうせ、私でないことはわかっている。
本当は聞きたくないけど、口の方が勝手に動いてしまう。
「モーション先輩だよ」
「モーション先輩?」
「本名は知らないけど、みんなからあだ名で呼ばれているの。
俺、モーション先輩のことを好きになってさ」
「どこが好きになったの?」
私は嫉妬してしまっている、誰なのかわからない見ず知らずの人に。
「一生懸命なところと、あとすっごく美人。
お化粧も上手なんだよ」
真君はもしかして、化粧している女性の方が好み?
そういえば、私はいつもすっぴんで、お化粧とは無縁の生活を送っている。
私も、お化粧とか始めてみようかな。
「髪も長くて、綺麗なんだあ」
私は青葉ちゃんをライバル視していたから、いつもボブとかセミショートぐらいにして、髪を伸ばさないようにしていた。
だけど、髪が長い女性を好きになってしまうとは、思わなかった。
「赤音、聞いてる?」
「聞いてるよ」
「俺、モーション先輩にアッタクするよ」
「アタックって?
しかも、言葉を間違えているし」
「とにかく、モーション先輩に自分のことを好きになってもらいたいんだよ」
「モーション先輩とは、いつから知り合ったの?」
「ない。
あるわけないじゃん。
入学初日からさあ、ただの一目ぼれだって」
「それ、危険だよ」
「何が危険なの?」
どうして、真君はわからないの?
どう考えても、振り向いてもらえる確率は低いはずなのに、どうしてそんな無謀な行動をするの?
「一目ぼれってことは、モーション先輩は真君を知らないかもしれないんだよ?
真君こそ、突然知らない人から、好きですアピールされたらこわくないの?」
「そういうの、よくわかんないな。
俺、相手がどうこうとかじゃなくて、自分がどうしたいかを第一優先として生きてきたからさ
この人、何なんだろう?
私は、この人とずっと一緒にいていいのだろうか?
「モーション先輩は、どこにいるかな?」
私と真君は廊下を歩いていた。
今、どこにいるのかわからないモーション先輩を探すために。
結局、ついてきてしまった・・・・。
私、何をやっているんだろう?
真君はルンルン気分だけど、私は最悪。
青葉ちゃんは私のライバルであったけれど、親友でもあったから、傷つけたくないという気持ちでいったりきたりしていたけれど、モーション先輩は完全に赤の他人だ。
モーション先輩に抱く感情は、嫉妬でしかない。
「こりゃあ、疲れるよ。
だって、一方的に話すし、こちらの話を理解していないし、いつも的外れな答えばかりだしてさ、しかも、本人に自覚がないなんて」
「ほんと、そう。
いつも、そう。
だけど、ほうっておけないの」
「だから、井藤君から人が離れていくんじゃない?」
「私は保育園の時からずっと一緒だけど、真君と友情が続いた人を知らない」
「西園寺さんは、偉いよ。
ちゃんと面倒みててさ」
「だよね?
自分でもそう思う。
こんな毎日君とずっと一緒にいられて、なおかつ、私はいまだに真君が好き。
だから、私はおかしい人じゃないかって疑っているの」
「そんなことない。
恋をするのに、おかしいとか絶対ない。
誰だって、何でこんな人を好きになったんだろう?って人を好きになることだってある。
だから、西園寺さんが特別なんかじゃない」
「そうだよね。
だけど、やっぱり私はつらいよ。
真君に振り向いてもらえない私がいる価値があるのかなって。
ただ、一緒にいるだけで、何の価値も魅力も引き出していない。
そして、どうして真君は私のことを好きにならないのかなって」
「井藤君も、悪意はないかもしれない。
だけど、自分の身勝手さが人を追い込んでいることに気づいていない。
それなら、井藤君はこれからも敵を作るし、いろいろな方法でまわりを振り回す。
だから、西園寺さん、これから同じ小学校だって言うし、つらい時はいつでも相談に乗ってね」
「うん。
ありがとう。
華ちゃん」
「西園寺さんは、一人で頑張りすぎなところがあるから、つらい時も悲しい時も、遠慮なく私を頼ってよ。
それに、井藤君に敵が多いのは、明らかに彼の方に問題があると思うからさ」
「そっか。
やっぱり、デリカシーとかないもんね。
青葉ちゃんの件は今更どうにもならなくて、私も青葉ちゃんの気持ちに気づいてあげられなかった」
「仕方ないよ。
私たちは相手の気持ちを想像することはできてもさ、エスパーじゃないもん。
何でもわかるって無理があるよ。
それを誰にも相談しなかった東海さんにも問題があると思うな」
「これで、すっきりした。
これから、よろしくね、華ちゃん」
「西園寺さんも、よろしくね」
こうして、私たちはお互いに電話を切った。
それから、誠君のことを語れる華ちゃんとは、親友のいう間柄になれた。
「クラス違うけど、親友だよ」
私と真君は同じクラスになれたけれど、華ちゃんとは隣のクラスだ。
「隣のクラスぐらいで、大袈裟。
これぐらいで、友情が終わったりしないから、大丈夫だよ」
しばらくしてから、真君から衝撃の一言を言われた。
「俺、好きな人できたよ」
私は、今も真君が好き。
だから、その言葉にはズシリと重い物がのしかかるような感覚に襲われるけど、本人はそのことに気づかないんだろうな。
「どんな人?」
どうせ、私でないことはわかっている。
本当は聞きたくないけど、口の方が勝手に動いてしまう。
「モーション先輩だよ」
「モーション先輩?」
「本名は知らないけど、みんなからあだ名で呼ばれているの。
俺、モーション先輩のことを好きになってさ」
「どこが好きになったの?」
私は嫉妬してしまっている、誰なのかわからない見ず知らずの人に。
「一生懸命なところと、あとすっごく美人。
お化粧も上手なんだよ」
真君はもしかして、化粧している女性の方が好み?
そういえば、私はいつもすっぴんで、お化粧とは無縁の生活を送っている。
私も、お化粧とか始めてみようかな。
「髪も長くて、綺麗なんだあ」
私は青葉ちゃんをライバル視していたから、いつもボブとかセミショートぐらいにして、髪を伸ばさないようにしていた。
だけど、髪が長い女性を好きになってしまうとは、思わなかった。
「赤音、聞いてる?」
「聞いてるよ」
「俺、モーション先輩にアッタクするよ」
「アタックって?
しかも、言葉を間違えているし」
「とにかく、モーション先輩に自分のことを好きになってもらいたいんだよ」
「モーション先輩とは、いつから知り合ったの?」
「ない。
あるわけないじゃん。
入学初日からさあ、ただの一目ぼれだって」
「それ、危険だよ」
「何が危険なの?」
どうして、真君はわからないの?
どう考えても、振り向いてもらえる確率は低いはずなのに、どうしてそんな無謀な行動をするの?
「一目ぼれってことは、モーション先輩は真君を知らないかもしれないんだよ?
真君こそ、突然知らない人から、好きですアピールされたらこわくないの?」
「そういうの、よくわかんないな。
俺、相手がどうこうとかじゃなくて、自分がどうしたいかを第一優先として生きてきたからさ
この人、何なんだろう?
私は、この人とずっと一緒にいていいのだろうか?
「モーション先輩は、どこにいるかな?」
私と真君は廊下を歩いていた。
今、どこにいるのかわからないモーション先輩を探すために。
結局、ついてきてしまった・・・・。
私、何をやっているんだろう?
真君はルンルン気分だけど、私は最悪。
青葉ちゃんは私のライバルであったけれど、親友でもあったから、傷つけたくないという気持ちでいったりきたりしていたけれど、モーション先輩は完全に赤の他人だ。
モーション先輩に抱く感情は、嫉妬でしかない。
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