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第1章 幼少期
第3話 辛い幼稚園時代
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真君は、何か言おうとしている様子がなかった。
反論を諦めたのか、青葉ちゃんの気持ちに気づけたのか。
どちらにしても、真君は追い込まれる一方だと思う。
「嫌い、大嫌い。
鬱陶しい、鬱陶しい。
あたしは幼馴染みなんて恋愛対象にしない。
好きな人ができたから、告白したいから、この場を借りて言わせてもらうよ。
大嫌い。
二度と関わらないで?
あたしの気持ちなんて、ちっともわかってない。
あたしの感情を、真君は無視してる。
これで懲りたら、もうさようなら」
「待てよ」
「往生際が悪い。
何なの?」
真君は泣きながら、青葉ちゃんに一言を伝えた。
「何もわかってあげられなくて、ごめんね?」
「嘘でしょ?
嘘つき。
君と言うことは、信じないことにしたの。
大嫌いだから」
「多分、わかってる。
君にまだ伝えたいこと、あるの」
「君の声なんか、二度と聞きたくない」
青葉ちゃんは冷たく言い放った。
本当に青葉ちゃんなの?
「青葉をこんなに傷つけているなんて、知らなかった。
本当にごめんね?
だけど、俺はまだ青葉が好きなんだ」
「好きになってほしくない。
騎士を目指す厨二病なんかに。
だから、追いかけてこないで?
二度と、二度とね。
やっぱり、あたしは大人な男が好き。
じゃあね」
青葉ちゃんは、勇気さんと青葉ちゃんの従姉がいるところに向かった。
「行きましょう」
「あら、もういいの?
執拗にアプローチしてきた人なんでしょ?
もっと、立ち直れないくらいに罵倒した方がいい、んじゃないのかしら?」
「もういいの。
言いたいことは、全て言い切ったから。
それに、真は罵倒しきったし、前に進めないだろうから」
「偉いわ。
嫌なことは、はっきり伝えることはすごく大切なのよ。
感激しちゃう。
さすが、あたしの従妹ね。
失恋の傷は深いかもしれないけど、誰もが通る道だから、あまり気にしすぎなくても大丈夫よ。
今日は、焼き肉パーティーにする?
それとも、スイーツビュッフェ?」
「うーん、みんなが食べれる物にした方がいいかな?」
「さすが!
勇気は、何なら食べれそう?」
「実はスイーツも焼き肉もそんなに好きじゃなくて、回転寿司とかラーメン屋がいいな」
「あら、まあ。
それなら、バイキングにする?
好きな物を、自分でとって食べるの」
「いいね、それ。
勇気さんは?」
「おっ、これで寿司もラーメンも食べれそうだ」
「それはどうなのか、わかんないけどね」
勇気さん、青葉ちゃん、青葉ちゃんの従姉は笑いながら倉庫を出た。
「青葉・・・青葉・・・・」
真君は、青葉ちゃん、青葉ちゃんの従姉、勇気さんがいなくなってから、好きな人の名前を呟きながら、一人で泣いていた。
真君の好きな人が私だったら、どんなにいいいか。
だけど、真君はなぜか、私のことなんて一向に好きにならない。
真君の瞳には、いつも青葉ちゃんばかりうつっていて、私のことは昔から眼中になかった。
「真君?」
「許せない・・・。
本当に許せなよ・・・・」
真君は、まだ泣いている。
「うん、許せないね」
「俺、いつか青葉を見返して、いい男になる。
それで、あの時に俺を選ばなかったことを後悔させてやるんだ・・・・」
「そっか・・・・」
真君は、袖で涙を拭った。
「ありがとう。
赤音。
君は、どんな時も一緒にいてくれる最高の幼馴染みだよ。
大、大、大親友だよ」
「うん。
そうだね。
私もそうだよ」
「俺も、君みたいな姉がいたら、もっと幸せな家庭とか築けただろうし、今の俺は赤音がいるだけで幸せだよ。
何だって乗り越えられそうだ。
これからは、赤音という大切な幼馴染みを守れるためだけの世界一無敵な騎士になるよ」
「ありがとう。
真君。
だけどね、真君、君はすでに、世界一無敵な騎士だよ。
だって、私の幼馴染みは、世界一無敵な騎士だから。
だから、真君のことは私が全力でサポートするから、安心して前進していいよ。
真君、青葉ちゃんが嫌いだとしても、私は真君が大好き」
「うん、幼馴染みとしてね」
「この大好きには、もうひとつどんな意味が含まれていると思う?」
私は、告白のつもりだった。
だけど、告白する勇気ないから、気づかせてもらおうと思った。
だけど、期待はしていない。
真君は、鈍感だから。
しかも、天然だし、いつも見当違いな答えをだすんだろうな。
「親友として?」
「もうひとつは?」
「大親友として!」
「どっちも、同じ意味でしょ?
なら、ほかの答えを出すなら?」
「姉弟として!
俺のことは、弟みたいな存在と思っているんじゃなくて?」
私は、ここで諦めた。
そうか、真君は私を恋愛対象として見ていないし、私の気持ちにも気づかない。
「やっぱ、なんでもない」
「えー、どうして?」
「どうしても」
こうして、真君と私は、二人で笑い合った。
こうして、家に帰った。
幼稚園に行くものの、青葉ちゃんは真君を避けていて、その度に私のところに来た。
「赤音、俺、幼稚園に行きたくない。
青葉に避けられるの辛いよ」
「青葉ちゃんは女子校に進学するみたいだし、私と真君は同じ小学校に行くことになるから、大丈夫だよ」
「それ、励ましているの?」
「励ましているよ!」
反論を諦めたのか、青葉ちゃんの気持ちに気づけたのか。
どちらにしても、真君は追い込まれる一方だと思う。
「嫌い、大嫌い。
鬱陶しい、鬱陶しい。
あたしは幼馴染みなんて恋愛対象にしない。
好きな人ができたから、告白したいから、この場を借りて言わせてもらうよ。
大嫌い。
二度と関わらないで?
あたしの気持ちなんて、ちっともわかってない。
あたしの感情を、真君は無視してる。
これで懲りたら、もうさようなら」
「待てよ」
「往生際が悪い。
何なの?」
真君は泣きながら、青葉ちゃんに一言を伝えた。
「何もわかってあげられなくて、ごめんね?」
「嘘でしょ?
嘘つき。
君と言うことは、信じないことにしたの。
大嫌いだから」
「多分、わかってる。
君にまだ伝えたいこと、あるの」
「君の声なんか、二度と聞きたくない」
青葉ちゃんは冷たく言い放った。
本当に青葉ちゃんなの?
「青葉をこんなに傷つけているなんて、知らなかった。
本当にごめんね?
だけど、俺はまだ青葉が好きなんだ」
「好きになってほしくない。
騎士を目指す厨二病なんかに。
だから、追いかけてこないで?
二度と、二度とね。
やっぱり、あたしは大人な男が好き。
じゃあね」
青葉ちゃんは、勇気さんと青葉ちゃんの従姉がいるところに向かった。
「行きましょう」
「あら、もういいの?
執拗にアプローチしてきた人なんでしょ?
もっと、立ち直れないくらいに罵倒した方がいい、んじゃないのかしら?」
「もういいの。
言いたいことは、全て言い切ったから。
それに、真は罵倒しきったし、前に進めないだろうから」
「偉いわ。
嫌なことは、はっきり伝えることはすごく大切なのよ。
感激しちゃう。
さすが、あたしの従妹ね。
失恋の傷は深いかもしれないけど、誰もが通る道だから、あまり気にしすぎなくても大丈夫よ。
今日は、焼き肉パーティーにする?
それとも、スイーツビュッフェ?」
「うーん、みんなが食べれる物にした方がいいかな?」
「さすが!
勇気は、何なら食べれそう?」
「実はスイーツも焼き肉もそんなに好きじゃなくて、回転寿司とかラーメン屋がいいな」
「あら、まあ。
それなら、バイキングにする?
好きな物を、自分でとって食べるの」
「いいね、それ。
勇気さんは?」
「おっ、これで寿司もラーメンも食べれそうだ」
「それはどうなのか、わかんないけどね」
勇気さん、青葉ちゃん、青葉ちゃんの従姉は笑いながら倉庫を出た。
「青葉・・・青葉・・・・」
真君は、青葉ちゃん、青葉ちゃんの従姉、勇気さんがいなくなってから、好きな人の名前を呟きながら、一人で泣いていた。
真君の好きな人が私だったら、どんなにいいいか。
だけど、真君はなぜか、私のことなんて一向に好きにならない。
真君の瞳には、いつも青葉ちゃんばかりうつっていて、私のことは昔から眼中になかった。
「真君?」
「許せない・・・。
本当に許せなよ・・・・」
真君は、まだ泣いている。
「うん、許せないね」
「俺、いつか青葉を見返して、いい男になる。
それで、あの時に俺を選ばなかったことを後悔させてやるんだ・・・・」
「そっか・・・・」
真君は、袖で涙を拭った。
「ありがとう。
赤音。
君は、どんな時も一緒にいてくれる最高の幼馴染みだよ。
大、大、大親友だよ」
「うん。
そうだね。
私もそうだよ」
「俺も、君みたいな姉がいたら、もっと幸せな家庭とか築けただろうし、今の俺は赤音がいるだけで幸せだよ。
何だって乗り越えられそうだ。
これからは、赤音という大切な幼馴染みを守れるためだけの世界一無敵な騎士になるよ」
「ありがとう。
真君。
だけどね、真君、君はすでに、世界一無敵な騎士だよ。
だって、私の幼馴染みは、世界一無敵な騎士だから。
だから、真君のことは私が全力でサポートするから、安心して前進していいよ。
真君、青葉ちゃんが嫌いだとしても、私は真君が大好き」
「うん、幼馴染みとしてね」
「この大好きには、もうひとつどんな意味が含まれていると思う?」
私は、告白のつもりだった。
だけど、告白する勇気ないから、気づかせてもらおうと思った。
だけど、期待はしていない。
真君は、鈍感だから。
しかも、天然だし、いつも見当違いな答えをだすんだろうな。
「親友として?」
「もうひとつは?」
「大親友として!」
「どっちも、同じ意味でしょ?
なら、ほかの答えを出すなら?」
「姉弟として!
俺のことは、弟みたいな存在と思っているんじゃなくて?」
私は、ここで諦めた。
そうか、真君は私を恋愛対象として見ていないし、私の気持ちにも気づかない。
「やっぱ、なんでもない」
「えー、どうして?」
「どうしても」
こうして、真君と私は、二人で笑い合った。
こうして、家に帰った。
幼稚園に行くものの、青葉ちゃんは真君を避けていて、その度に私のところに来た。
「赤音、俺、幼稚園に行きたくない。
青葉に避けられるの辛いよ」
「青葉ちゃんは女子校に進学するみたいだし、私と真君は同じ小学校に行くことになるから、大丈夫だよ」
「それ、励ましているの?」
「励ましているよ!」
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