異世界勇者~左目に隠された不思議な力は~

野うさぎ

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第1章

第2話

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「そういうことなら、通れ。
ちなみに、どうなっても知らんぞ」

 通っていいの?
 やったあ。

 俺とニーノは、研究所の中に入っていった。

 研究所が広く、どこに何があるのかもわからないし、どこをどう探せばいいのかもわからない。
 だから、手当たり次第、探す形となる。

 ここは、勘と運に任せよう。

「白衣を着ていないから、侵入者だ、多分」

 白衣を着た人が目の前にいたけど、多分って、確証もなく疑うなって。

「侵入者ですわ」

「では、このチビだけ捕縛しよう」

 白衣を着た男の人が、ニーノに手を伸ばそうとしたけど、ニーノがその手を弾いた。

「触らないでくださいますの?」

「侵入者を見逃せるほど、甘くないんだぞ」

「こんなか弱い、小さな乙女に、触るなんて、非常識にもほどがありますわ」

「ならば、今すぐ所長に会わせなくてはな」
 
「所長に会えば、何かご褒美がもらえますの?」

 ご褒美がもらえるの?
 すごーい!

「つまり、従う必要すらもないということ・・・・ですわね?」


 ニーノが剣を抜き、一撃で白衣を着た男性を倒した。

 笑顔のまま、スキップするニーノの後を僕は追った。

 目的と場所にはたどり着けずにいたけど、ここで研究所にヒビが入った。

「一体、何が起こった!?」

「魔力の波動を感じる場所に、行きますわ」

 走るニーノの後を追って、そこでたどり着いたのは、研究員を倒し、ワンエイスたちを助け出している、左目を髪で隠し、背中までの長い髪を持つ薄い紫髪の、たった一人の小さな尖った耳を持つエルフだった。

「リコルド・・・」

 僕は、その子の名前を呼んだ。


「リコルド様・・・、どうしてここにいらっしゃいますの?」
 ニーノが、驚きを隠せないでいた。

「そんなことは、決まっているのです」

 リコルドは、一人称は「あたし」のなのです口調。
 長い剣を腰にしまいながら、話す。


「あたしも、ワンエイスの研究所を壊し、ワンエイスたちを助けるようにと、言われたからなのです。
アイリス様や、毒蛇様も、あたしが助けて救出したのですよ」

 すごい・・・・。
 

「あたち達が、迷子になっている間に、研究所の中から、囚われている人たちを見つけ出すなんて・・・・」

「あたしは、無謀なことはしないのですよ。
地図とかも、持ってきているのです」

 こうして、リコルドがどこからか、地図を出して、俺たちに見せた。

「研究所に来る前から、入手していたのです」

「そんな発想があったのですの?
悔しいけれど、あたちの負けですわ」

「やっと、負けを認めてくれたのですね?

ということは、明日からはこのあたしが、ライハイツ様のパートナーとなるのです。

これで勝敗も決まりましたし、文句は一切と言わせないのです」
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