6 / 17
第0章
第5話
しおりを挟む
正直、情報が少なすぎるし、一日早く生まれようと、遅く生まれようと、行方不明捜しには関係ないと断言できる。
「王様、こんな情報だけではわかりません」
娘も娘なら、親も親なのか。
「うむ、少しだけ情報を付け加えておこう」
王様がメモを書いてくれたけれど、これは少しというレベルではなかった。
見てみると、こんな内容だった。
白い肌を持つ。
行方不明になった時期は、今から3日前。
身長は、四つごの中で一番高い。
時期女王としての素質を、四姉妹の中で一番に持っている。
ニーノとは、異母姉妹。
隣国の王子と婚約し、居候して以来、我が国にはいない。
「王様、お言葉なのですが・・・」
俺は、紙を握りしめながら、王様に怒りの炎をメラメラと向けた。
「なんじゃ?
まだ、情報が足りなかったのか?」
「行方不明って、言いましたよね?」
「それがどうしたんじゃ?」
「隣国の王子と居候して、この国にいないということが書いてありますが・・・・」
「そうじゃ。
我が国では行方不明扱いにはなっているが、隣の国にはおる」
「どこが行方不明だ!」
「ははははは・・・・」
王様が、苦笑いをする。
これで、よく王様になれたな・・・・。
「今までの苦労・・・・返してくれないか・・・?」
さすがに、俺はこればかりは許せそうになかった。
「いやあ、その方が盛り上がるかなーって・・・・」
「お父様、それではバンビーナお姉さまは・・・・?」
「試練を乗り越えることも、時としては必要だということを学ぶためにも・・・・。
このでっち上げが、欠かせなくて・・・・」
「でっち上げかあ・・・。
じゃあ、この試練は、必要ないんじゃない?」
「わはははは・・・・」
僕は、水を手から湧き出させ、痛くないしゃぼん玉をいくつか王様に噴射させた。
しゃぼん玉は、王様の顔の前で、いくつか弾けた。
「わ、すまん。
許してくれ」
「暴力で解決されなかったことくらい、ありがたく思いな。
ということで、今日から、俺は旅に出るから」
「二次試験は合格とする・・・・。
だから、許しておくれ」
こうして、王様からリコルドと俺で、勇者としての旅に出ることを許された。
「王様相手に、こんな技を放ってよかったのですか?」
「あんな話を大げさにする王様、王様でもなんでもない。
今日で、おさらばだ。
リコルド、今日からよろしくね」
「こちらこそ、今日からよろしくお願いしますなのです」
こうして、リコルドと俺での旅が始まった。
王様には洗いざらい白状させてもらったけど、ニーノが勇者としての予言を受けたというのも、王様のでっち上げで、左目に力を宿した、本物のちびっ子勇者はリコルド一人しかいないらしい。
「王様、こんな情報だけではわかりません」
娘も娘なら、親も親なのか。
「うむ、少しだけ情報を付け加えておこう」
王様がメモを書いてくれたけれど、これは少しというレベルではなかった。
見てみると、こんな内容だった。
白い肌を持つ。
行方不明になった時期は、今から3日前。
身長は、四つごの中で一番高い。
時期女王としての素質を、四姉妹の中で一番に持っている。
ニーノとは、異母姉妹。
隣国の王子と婚約し、居候して以来、我が国にはいない。
「王様、お言葉なのですが・・・」
俺は、紙を握りしめながら、王様に怒りの炎をメラメラと向けた。
「なんじゃ?
まだ、情報が足りなかったのか?」
「行方不明って、言いましたよね?」
「それがどうしたんじゃ?」
「隣国の王子と居候して、この国にいないということが書いてありますが・・・・」
「そうじゃ。
我が国では行方不明扱いにはなっているが、隣の国にはおる」
「どこが行方不明だ!」
「ははははは・・・・」
王様が、苦笑いをする。
これで、よく王様になれたな・・・・。
「今までの苦労・・・・返してくれないか・・・?」
さすがに、俺はこればかりは許せそうになかった。
「いやあ、その方が盛り上がるかなーって・・・・」
「お父様、それではバンビーナお姉さまは・・・・?」
「試練を乗り越えることも、時としては必要だということを学ぶためにも・・・・。
このでっち上げが、欠かせなくて・・・・」
「でっち上げかあ・・・。
じゃあ、この試練は、必要ないんじゃない?」
「わはははは・・・・」
僕は、水を手から湧き出させ、痛くないしゃぼん玉をいくつか王様に噴射させた。
しゃぼん玉は、王様の顔の前で、いくつか弾けた。
「わ、すまん。
許してくれ」
「暴力で解決されなかったことくらい、ありがたく思いな。
ということで、今日から、俺は旅に出るから」
「二次試験は合格とする・・・・。
だから、許しておくれ」
こうして、王様からリコルドと俺で、勇者としての旅に出ることを許された。
「王様相手に、こんな技を放ってよかったのですか?」
「あんな話を大げさにする王様、王様でもなんでもない。
今日で、おさらばだ。
リコルド、今日からよろしくね」
「こちらこそ、今日からよろしくお願いしますなのです」
こうして、リコルドと俺での旅が始まった。
王様には洗いざらい白状させてもらったけど、ニーノが勇者としての予言を受けたというのも、王様のでっち上げで、左目に力を宿した、本物のちびっ子勇者はリコルド一人しかいないらしい。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

異世界勇者~それぞれの物語~
野うさぎ
ファンタジー
この作品は、異世界勇者~左目に隠された不思議な力は~の番外編です。
※この小説はカクヨム、なろう、エブリスタ、野いちご、ベリーズカフェ、魔法のアイランドでも投稿しています。
ライブドアブログや、はてなブログにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ベッドの上の花嫁
野うさぎ
恋愛
小学からの幼馴染である穏やかかつ、クールなグルームに連れ去られた水色の髪を持つ気が強い主人公のブライドは、二人だけの生活を送る。
この作品は、なろう、カクヨム、エブリスタ、野いちご、魔法のアイランド、ベリーズカフェでも投稿しています。
18禁はエブリスタ、なろう、アルファポリスでの投稿のみとなります。

氷漬けになったこの世界で
野うさぎ
ファンタジー
これは、主人公が自分を見つけるための物語。
この小説はなろう、カクヨム、エブリスタ、魔法のアイランド、野いちご、ベリーズカフェなどでも投稿されています。
はてなブログやライブドアブログというブログにも掲載しています。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!


のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる