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第1章
第5話
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ここで、レコナイーズとヒポポパーラメンスの喧嘩する声が聞こえた。
「あたしは、山賊退治をしたいのですわっ!」
「それが、良くないという話だ!
この他人を冷ややかに挑発するところが、山賊退治に採用できんところ。
海賊退治か、空賊退治にしておくんだ」
「あたしは海賊退治や空賊退治の成績は、上から12位しかなくても、山賊退治だけ11位だったのですわよ!」
ここで、トゥリッツさんが口をはさんだ。
「どうしたんだ?」
「あたしは山賊退治になりたいのに、ヒポポパーラメンスがだめって・・・」
「事情は把握してないが、ヒポポパーラメンスが言うなら・・・」
トゥリッツさんは、考えこみながら話した。
「優秀な君には納得のできないアドバイスになるかもしれないが、山賊退治を候補から外して、宇宙賊を視野に入れるのは、どうか?」
それを聞いたレコナイーズは、不思議そうな表情をしていた。
「宇宙賊なのですか?」
宇宙賊とは、エリートだけがなれる宇宙専門の盗賊退治屋。
レコナイーズは、そこまで優秀だったんだ。
「レコナイーズは、我ら研究員の間でも、宇宙賊退治は上位9位となる。
番号はもらえないが、他の退治屋よりも、もっと優秀な成績を残せる。
悪くない話では、ないか?」
「いいのです。
賛成なのですわ」
「その代わり、山賊退治からは採用されなくなるが、レコナイーズならきっと優位に立てると信じてるぞ」
「了解なのです。
では、試験をシーウ様と一緒に受けて来るのですわ」
こうして、レコナイーズは笑顔で走り去った。
「本題に入るのだが、サランはヒポポパーラメンスとペアで、任務を行う」
トゥリッツさんが言う、ヒポポパーラメンスと言うカバのぬいぐるみは、初対面のはずだが、なぜか知っている感じがした。
まるで、夢で見たことが本当の出来事かのように・・・。
「妾は、その提案を辞退させてもらおう」
「何故?」
トゥリッツさんが眉をひそめた。
「妾に、サランの護衛は務まらん。
そこで、考えた。
安寧秩序、意気消沈、一罰百戒の魔法を持つ方を相棒にするのは、どうか?」
「どうしたんだ、ヒポポパーラメンス。
話し合いにより、君がサランとの魔法相性がいいと言う結果となり、任命したのだ」
トゥリッツさんはそう言うけど、できれば俺としても他のやつにしてほしい。
なぜなら、俺はカバが苦手だからだ。
本物のカバなんて、見てられない。
それは、俺が漆器《しっき》覇業《はぎょう》として生きていた時からそうだった。
だから、カバ以外の生物にしてほしくて仕方がない。
だから、俺はここで願った。
カバ以外の生物が、相棒になることを。
「理由を聞かせてくれないか?」
「妾の魔法を知っていれば、想像がつくだろう?
ワープ、テレパシー、ループ。
この3つの魔法のみで、妾がサランのためにできることはなかった。
サランの身に、どんな危険があっても、助けられん。
そこで、考えた。
妾の次に数値がいい方を・・・」
「彼が使えるのは、安寧秩序、意気消沈、一罰百戒。
その言葉の意味、わかってるな?」
俺は四字熟語には詳しくないけど、安寧秩序が平和的な意味で、意気消沈が落ち込むことで、一罰百戒が罰による成敗だっけ?
そんな意味だったような?
「成績は落ちたとしても、サランの身の安全が優先事項。
妾は、傍観者にしかならん。
ならば、サラン、相棒を紹介したるが、どうだ?」
ヒポポパーラメンスが俺に問いかけたけど、そんなことはカバから開放されるためには、迷うことじゃない。
「俺に、君たちが言う相棒を見せてくれないか?」
俺は、トゥリッツさんとヒポポパーラメンスに案内された。
誰が相棒になるんだろう?
そして、俺は宙に浮くクジラのぬいぐるみを見た。
「彼の名は、ウェイオ」
トゥリッツさんが、俺に目を向けながら話した。
「ウェイオ?」
「君の相棒だ。
君との魔法相性は、ヒポポパーラメンスの次にいいとされる」
「ワイをお呼びか?」
ウェイオと言うクジラのぬいぐるみは、俺たちを見た。
「そして、今回はレコナイーズが山賊退治から外れたために、別の女性を任務に行かせる。
彼女は確か、一網打尽と隠忍自重、雲散霧消という魔法を持つ
」
「俺、四字熟語詳しくない・・・」
「後に、彼女と合流することになるか、その時に魔法性質がわかるだろう。
彼女の相棒は、温厚篤実と夏炉冬扇と外柔内剛の魔法だ」
「またしても、四字熟語・・・」
説明されても、俺はトゥリッツさんに言われてること、半分以上は理解してないと思う。
「ウェイオ、彼はサランだ。
これから、任務に同行だ」
「確か、ヒポポパーラメンスが一緒と聞いたが?」
「彼は、訳ありで辞退した。
代わりに、二番目に優秀なウェイオを選んだ」
「ヒポポパーラメンスは、こんないい機会を何故に自ら逃した?」
ウェイオは、トゥリッツさんの次はヒポポパーラメンスを見ながら話した。
「それは妾のワープ、テレパシー、ループの魔法から詳しい察してほしい。
妾は、戦闘力もなく、無能なのだ」
この説明だけで、事情の把握は難しいのでは?
「ワイも、どこまで貢献できるか・・・」
「貢献しなくてもよい。
任務を達成できれば、よいのだからな」
俺は、ここで疑問に持つ。
ヒポポパーラメンスは、いつループしたんだ?
「あたしは、山賊退治をしたいのですわっ!」
「それが、良くないという話だ!
この他人を冷ややかに挑発するところが、山賊退治に採用できんところ。
海賊退治か、空賊退治にしておくんだ」
「あたしは海賊退治や空賊退治の成績は、上から12位しかなくても、山賊退治だけ11位だったのですわよ!」
ここで、トゥリッツさんが口をはさんだ。
「どうしたんだ?」
「あたしは山賊退治になりたいのに、ヒポポパーラメンスがだめって・・・」
「事情は把握してないが、ヒポポパーラメンスが言うなら・・・」
トゥリッツさんは、考えこみながら話した。
「優秀な君には納得のできないアドバイスになるかもしれないが、山賊退治を候補から外して、宇宙賊を視野に入れるのは、どうか?」
それを聞いたレコナイーズは、不思議そうな表情をしていた。
「宇宙賊なのですか?」
宇宙賊とは、エリートだけがなれる宇宙専門の盗賊退治屋。
レコナイーズは、そこまで優秀だったんだ。
「レコナイーズは、我ら研究員の間でも、宇宙賊退治は上位9位となる。
番号はもらえないが、他の退治屋よりも、もっと優秀な成績を残せる。
悪くない話では、ないか?」
「いいのです。
賛成なのですわ」
「その代わり、山賊退治からは採用されなくなるが、レコナイーズならきっと優位に立てると信じてるぞ」
「了解なのです。
では、試験をシーウ様と一緒に受けて来るのですわ」
こうして、レコナイーズは笑顔で走り去った。
「本題に入るのだが、サランはヒポポパーラメンスとペアで、任務を行う」
トゥリッツさんが言う、ヒポポパーラメンスと言うカバのぬいぐるみは、初対面のはずだが、なぜか知っている感じがした。
まるで、夢で見たことが本当の出来事かのように・・・。
「妾は、その提案を辞退させてもらおう」
「何故?」
トゥリッツさんが眉をひそめた。
「妾に、サランの護衛は務まらん。
そこで、考えた。
安寧秩序、意気消沈、一罰百戒の魔法を持つ方を相棒にするのは、どうか?」
「どうしたんだ、ヒポポパーラメンス。
話し合いにより、君がサランとの魔法相性がいいと言う結果となり、任命したのだ」
トゥリッツさんはそう言うけど、できれば俺としても他のやつにしてほしい。
なぜなら、俺はカバが苦手だからだ。
本物のカバなんて、見てられない。
それは、俺が漆器《しっき》覇業《はぎょう》として生きていた時からそうだった。
だから、カバ以外の生物にしてほしくて仕方がない。
だから、俺はここで願った。
カバ以外の生物が、相棒になることを。
「理由を聞かせてくれないか?」
「妾の魔法を知っていれば、想像がつくだろう?
ワープ、テレパシー、ループ。
この3つの魔法のみで、妾がサランのためにできることはなかった。
サランの身に、どんな危険があっても、助けられん。
そこで、考えた。
妾の次に数値がいい方を・・・」
「彼が使えるのは、安寧秩序、意気消沈、一罰百戒。
その言葉の意味、わかってるな?」
俺は四字熟語には詳しくないけど、安寧秩序が平和的な意味で、意気消沈が落ち込むことで、一罰百戒が罰による成敗だっけ?
そんな意味だったような?
「成績は落ちたとしても、サランの身の安全が優先事項。
妾は、傍観者にしかならん。
ならば、サラン、相棒を紹介したるが、どうだ?」
ヒポポパーラメンスが俺に問いかけたけど、そんなことはカバから開放されるためには、迷うことじゃない。
「俺に、君たちが言う相棒を見せてくれないか?」
俺は、トゥリッツさんとヒポポパーラメンスに案内された。
誰が相棒になるんだろう?
そして、俺は宙に浮くクジラのぬいぐるみを見た。
「彼の名は、ウェイオ」
トゥリッツさんが、俺に目を向けながら話した。
「ウェイオ?」
「君の相棒だ。
君との魔法相性は、ヒポポパーラメンスの次にいいとされる」
「ワイをお呼びか?」
ウェイオと言うクジラのぬいぐるみは、俺たちを見た。
「そして、今回はレコナイーズが山賊退治から外れたために、別の女性を任務に行かせる。
彼女は確か、一網打尽と隠忍自重、雲散霧消という魔法を持つ
」
「俺、四字熟語詳しくない・・・」
「後に、彼女と合流することになるか、その時に魔法性質がわかるだろう。
彼女の相棒は、温厚篤実と夏炉冬扇と外柔内剛の魔法だ」
「またしても、四字熟語・・・」
説明されても、俺はトゥリッツさんに言われてること、半分以上は理解してないと思う。
「ウェイオ、彼はサランだ。
これから、任務に同行だ」
「確か、ヒポポパーラメンスが一緒と聞いたが?」
「彼は、訳ありで辞退した。
代わりに、二番目に優秀なウェイオを選んだ」
「ヒポポパーラメンスは、こんないい機会を何故に自ら逃した?」
ウェイオは、トゥリッツさんの次はヒポポパーラメンスを見ながら話した。
「それは妾のワープ、テレパシー、ループの魔法から詳しい察してほしい。
妾は、戦闘力もなく、無能なのだ」
この説明だけで、事情の把握は難しいのでは?
「ワイも、どこまで貢献できるか・・・」
「貢献しなくてもよい。
任務を達成できれば、よいのだからな」
俺は、ここで疑問に持つ。
ヒポポパーラメンスは、いつループしたんだ?
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